マニュアルページセク ション 1: ユーザーコマンド

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更新: 2014 年 7 月
 
 

mt(1)

名前

mt - 磁気テープの制御

形式

mt [-f tapename] command... [count]

説明

mt ユーティリティーは、指定されたコマンドを磁気テープドライブに送信します。–f tapename が指定されていない場合は、環境変数 TAPE が使用されます。TAPE が存在しない場合、mt はデバイス /dev/rmt/0n を使用します。

オプション

サポートしているオプションは、次のとおりです。

–f tapename

raw テープデバイスを指定します。

オペランド

次のオペランドがサポートされています。

count

要求された操作を実行する回数です。mtは、デフォルトでは要求された command を 1 回だけ実行します。count を指定することにより、複数の command 操作を実行できます。

command

磁気テープドライブに送信できる、次の使用可能なコマンドがサポートされています。コマンド名の一部 (ただし、コマンドとして一意に認識できる文字数) だけの指定でもかまいません。

asf

count ファイル番号への絶対位置移動を指定します。このコマンドは、rewind後に、fsf count を指定した場合と同等です。

bsf

count で指定された数の EOF 分だけ後退します。テープの位置は、EOF マークのテープの先頭側になります。

bsr

count で指定された数のレコード分だけ後退します。

bssf

要求されたシーケンシャルファイルマークの数だけ後退します。シーケンシャルファイルマークとは、ほかのどのような種類のブロックもファイルマーク間に挿入せずに、次々とファイルマークが記録される場所です。番号引数は、進むシーケンシャルファイルマークの数を指定します。たとえば、bssf 4 は 4 つのシーケンシャルファイルマークがある 1 番目の場所まで後方に検索して、4 番目のファイルマークの BOP 側に移動します。

一部のドライブでは、このコマンドはサポートされていません。

eof
weof

テープ上の現在の位置に、count で指定された数の EOF マークを書き込みます。

fsf

count で指定された数の EOF 分だけ進みます。テープの位置は、ファイルの第 1 ブロックの位置になります。

fsr

count で指定された数のレコード分だけ進みます。

fssf

要求されたシーケンシャルファイルマークの数だけ前進します。シーケンシャルファイルマークとは、ほかのどのような種類のブロックもファイルマーク間に挿入せずに、次々とファイルマークが記録される場所です。番号引数は、進むシーケンシャルファイルマークの数を指定します。たとえば、fssf 4 は、4 つのシーケンシャルファイルマークがある 1 番目の場所まで前方検索して、4 番目のファイルマークの後ろに移動します。

一部のドライブでは、このコマンドはサポートされていません。

load

ドライブのロードとスレッドの現在のメディアを要求します。一部のドライブではサポートされていません。

lock

メディアの取り外しを防ぎます。

nbsf

count で指定された数のファイル分だけ後退します。テープの位置は、ファイルの第 1 ブロックの位置になります。これは、count+1bsf を行い、1 回 fsfを行う場合と同等です。

seek

要求されたテープの論理位置に移動します。

tell

現在のテープの論理位置を取得して出力します。

unlock

メディアの取り外しを許可します。

count が次のいずれかのコマンドで指定された場合、count は無視され、コマンドが 1 度だけ実行されます。

config

現在のドライブ構成をドライバから読み取って、st.conf 形式で表示します。各フィールドの定義とその意味については、st(7D) を参照してください。

eom

テープ上の記録済み部分の末尾まで移動します。このコマンドは、すでに書き込んであるテープにファイルを追加するのに便利です。

erase

テープ全体を消去します。

テープドライブによっては、テープの特定の部分だけを消去できるオプション設定が存在するものもあります。正しい設定、つまり、テープ全体を消去する設定を選択するようにしてください。テープの消去は、装置またはテープ、もしくはその両方によっては時間がかかります。時間の詳細については、装置についているマニュアルを参照してください。

forcereserve

別のイニシエータによって発行された SCSI II の予約を破棄しようとします。このコマンドが完了したとき、ドライブは現在のイニシエータのために予約されていませんが、使用することはできます。このコマンドは、スーパーユーザー特権を持つユーザーのみが実行できます。

offline
rewoffl

テープを巻き戻し、適切であれば、テープをアンロードし、ドライブ装置をオフラインにします。

release

クローズ時にリリースするデフォルトの動作を確定し直します。

reserve

デバイスをクローズしたあともテープドライブを予約したままにします。ドライブをリリースするときには、明示的に行う必要があります。

retension

カートリッジテープを完全に巻き戻し、次にリールの終わりまで進め、テープの初めまで戻して、テープの張りをなめらかにします。

rewind

テープを巻き戻します。

status

テープデバイスのステータスに関する情報を表示します。

ステータス情報には、ドライブで報告されたセンスキー、最後の操作の残りと再試行、ファイル番号で報告された現在のテープ位置、およびファイルの先頭からのブロック数が含まれることがあります。ドライブで WORM メディアがロードされたことが報告される場合もあります。

終了ステータス

0

操作はすべて正常に終了しました。

1

コマンドは認識されなかった。または mt は指定された磁気テープドライブをオープンできなかった。

2

操作は失敗しました。

ファイル

/dev/rmt/*

磁気テープインタフェース

属性

属性についての詳細は、マニュアルページの attributes(5) を参照してください。

属性タイプ
属性値
使用条件
SUNWcsu

関連項目

tar(1), tcopy(1), ar.h(3HEAD), attributes(5), mtio(7I), st(7D)

バグ

すべてのデバイスがすべてのオプションをサポートしているわけではありません。いくつかのオプションは、ハードウェアに依存します。該当するデバイスのマニュアルページを参照してください。

mt は、アーキテクチャーに依存します。異機種間の操作 (つまり、SPARC からほかの機種、またはその逆)はサポートされていません。