マニュアルページセク ション 1: ユーザーコマンド

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更新: 2014 年 7 月
 
 

sar(1)

名前

sar - システムアクティビティーレポータ

形式

sar [-aAbcdgkmpqruvwy] [-o filename] t [n]
sar [-aAbcdgkmpqruvwy] [-e time] [-f filename] [-i sec] 
     [-s time]

説明

最初のインスタンスでは、sar ユーティリティーは、オペレーティングシステムの累積アクティビティーカウンタを t 秒の間隔で n 回サンプリングします。t5 以上にしてください。t を複数のオプションで指定した場合は、すべてのヘッダーが一緒に出力され、出力の判読が困難になることがあります。(サンプリング間隔が 5 より短い場合は、sar そのもののアクティビティーがサンプルに影響する可能性があります。) –o オプションを指定した場合、サンプルは filename にバイナリ形式で保存されます。n のデフォルト値は 1 です。

2 番目のインスタンスでは、サンプリング間隔は指定されません。sar は、前に記録された filename からデータを抽出します。このファイルは、–f オプションで指定したファイルか、または、デフォルトでは、現在の日付 dd のシステムアクティビティーの標準日常データファイル /var/adm/sa/sa dd です。レポートの開始時間と終了時間の範囲は、–e および –s 引数を使用して設定できます。timehh[: mm[:ss]] の形式で指定します。–i オプションは、レコードを sec 秒間隔で選択します。その他の場合には、データファイル内のすべての間隔が報告されます。

オプション

次のオプションにより、sar で報告される情報のサブセットが変更されます。

–a

ファイルアクセスシステムのルーチン iget/s、namei/s、dirblk/s の使用状況を報告します。

–A

すべてのデータを報告します。–abcdgkmpqruvwy と同等の意味です。

–b

バッファーアクティビティーを報告します。

bread/s、bwrit/s

システムバッファーとディスクまたはその他のブロックデバイスの間の 1 秒当たりのデータ転送数。

lread/s、lwrit/s

システムバッファーのアクセス数。

%rcache、%wcache

キャッシュヒット比、つまり、(1−bread/lread) の割合。

pread/s、pwrit/s

raw (物理) デバイスメカニズムを使用した転送数。

非大域ゾーンでの実行とプール機能がアクティブな場合、これらの値は、ゾーンがバインドされているプールのプロセッサセットのプロセッサでのアクティビティーを反映します。

–c

システムコールを報告します。

scall/s

すべての種類のシステムコール数。

sread/s、swrit/s、fork/s、exec/s

特定のシステムコール数。

rchar/s、wchar/s

読み取りおよび書き込みのシステムコールで転送される文字数。受信または送信の exec(2) および fork(2) 呼び出しは報告されません。

非大域ゾーンでの実行とプール機能がアクティブな場合、これらの値は、ゾーンがバインドされているプールのプロセッサセットのプロセッサでのアクティビティーを反映します。

–d

各ブロックデバイス (ディスクドライブやテープドライブなど) のアクティビティーを報告します。ただし、XDC のディスクおよびテープドライブは除きます。データが表示されると、ディスクドライブを表すために、通常はデバイス指定 dsk- が使用されます。テープドライブを表すために使用されるデバイス指定は、マシンに依存します。報告されるアクティビティーデータを次に示します。

%busy、avque

タイムデバイスの一部が転送要求に対応するためにビジー状態であった、そのときに顕著だった要求の平均数。

read/s、write/s、blks/s

デバイスとの間の読み取り/書き込み転送の数、512 バイト単位で転送されたバイト数。

avwait

ミリ秒単位で表した平均待ち時間。

avserv

ミリ秒単位で表した平均サービス時間。

一般的なシステム統計の場合は、iostat(1M)sar(1M)、または vmstat(1M) を使用してください。

ディスクの命名規則については、Oracle Solaris 11.2 でのシステム情報、プロセス、およびパフォーマンスの管理 のシステム動作のモニタリングを参照してください。

–e time

最大で time までデータを選択します。デフォルトは 18:00 です。

–f filename

filenamesar のデータソースとして使用します。デフォルトは、現在の日常データファイル /var/adm/sa/sadd です。

–g

ページングアクティビティーを報告します。

pgout/s

1 秒当たりのページアウト要求数。

ppgout/s

1 秒当たりのページアウトされたページ数。

pgfree/s

ページスチールデーモンによって空きリストに配置された 1 秒当たりのページ数。

pgscan/s

ページスチールデーモンによってスキャンされた 1 秒当たりのページ数。

%ufs_ipf

UFS の i ノードがそれに関連付けられた再使用可能ページを持つ iget によって、空きリストから取り出された割合。これらのページはフラッシュされ、プロセスが回収できなくなります。したがって、これはページフラッシュを 伴う igets の割合です。

非大域ゾーンでの実行とプール機能がアクティブな場合、これらの値は、ゾーンがバインドされているプールのプロセッサセットのプロセッサでのアクティビティーを反映します。

–i sec

できるだけ sec 秒に近い間隔でデータを選択します。

–k

カーネルメモリー割り当て (KMA) のアクティビティーを報告します。

sml_mem、alloc、fail

小さい要求用の領域を予約して割り当てるメモリープールに関する情報。KMA が小さいプール用に保持するメモリー容量 (バイト単位)、小さいメモリー容量用の要求を満たすために割り当てられたバイト数、および小さいメモリー容量用の要求のうち満たされなかった (失敗した) 要求の数。

lg_mem、alloc、fail

大きいメモリープールの情報 (小さいメモリープールの情報と同様)。

ovsz_alloc、fail

特大の要求用に割り当てられたメモリー容量と、満たされなかった特大の要求の数 (特大のメモリーは動的に割り当てられるため、プールがない)。

–m

メッセージとセマフォーのアクティビティーを報告します。

msg/s、sema/s

1 秒当たりのプリミティブ数。

非大域ゾーンでの実行とプール機能がアクティブな場合、これらの値は、ゾーンがバインドされているプールのプロセッサセットのプロセッサでのアクティビティーを反映します。

–o filename

サンプルをファイル filename にバイナリ形式で保存します。

–p

ページングアクティビティーを報告します。

atch/s

現在メモリーに入っているページを回収して満たされる 1 秒当たりのページフォルト数 (1 秒当たりの付加数)。

pgin/s

1 秒当たりのページイン要求数。

ppgin/s

ページインされた 1 秒当たりのページ数。

pflt/s

1 秒当たりの保護エラーのページフォルト数 (ページへの不正なアクセス) または「書き込み時のコピー」。

vflt/s

1 秒当たりのアドレス変換のページフォルト数 (メモリーに存在しない有効なページ)。

slock/s

物理的な入出力が必要なソフトウェアロック要求によって発生した 1 秒当たりの障害発生数。

非大域ゾーンでの実行とプール機能がアクティブな場合、これらの値は、ゾーンがバインドされているプールのプロセッサセットのプロセッサでのアクティビティーを反映します。

–q

占有時の待ち行列の平均長と占有時間の割合を報告します。

runq-sz、%runocc

メモリー内の実行可能なカーネルスレッドの実行待ち行列

swpq-sz、%swpocc

プロセスのスワップ待ち行列

–r

未使用のメモリーページとディスクブロックを報告します。

freemem

ユーザープロセスが利用可能な平均ページ数。

freeswap

ページスワップに利用可能なディスクブロック数。

–s time

hh[:mm] の形式で time よりあとのデータを選択します。デフォルトは 08:00 です。

–u

CPU の使用率を報告します (デフォルト)。

%usr、%sys、%wio、%idle

ユーザーモードで動作している時間、システムモードで動作している時間、ブロック入出力を待つプロセスでのアイドル時間、およびその他のアイドル時間の一部。

非大域ゾーンでの実行とプール機能がアクティブな場合、これらの値は、ゾーンがバインドされているプールのプロセッサセットのプロセッサでのアクティビティーを反映します。

–v

プロセス、i ノード、ファイルのテーブルのステータスを報告します。

proc-sz、inod-sz、file-sz、lock-sz

サンプルポイントで 1 回評価される、各テーブルのエントリ数またはサイズ。

ov

各テーブルのサンプルポイント間で発生しているオーバーフロー。

–w

システムのスワップと切り替えのアクティビティーを報告します。

swpin/s、swpot/s、bswin/s、bswot/s

スワップインとスワップアウトのために転送された転送数と 512 バイト単位の数 (一部のプログラムの初期読み込みを含む)。

pswch/s

プロセスの切り替え数。

非大域ゾーンでの実行とプール機能がアクティブな場合、これらの値は、ゾーンがバインドされているプールのプロセッサセットのプロセッサでのアクティビティーを反映します。

–y

TTY デバイスのアクティビティーを報告します。

rawch/s、canch/s、outch/s

入力文字率、カノンで処理された入力文字率、出力文字率。

rcvin/s、xmtin/s、mdmin/s

受信、送信、およびモデムの割り込み率。

非大域ゾーンでの実行とプール機能がアクティブな場合、これらの値は、ゾーンがバインドされているプールのプロセッサセットのプロセッサでのアクティビティーを反映します。

使用例 1 システムアクティビティーを表示する

次の例では、今日のここまでの CPU アクティビティーを表示します。


example% sar
使用例 2 システムアクティビティーの進展を監視する

CPU アクティビティーの進展を 10 分間監視してデータを保存するには、次のようにします。


example% sar -o temp 60 10
使用例 3 ディスクとテープのアクティビティーを調べる

あとで該当する期間のディスクとテープのアクティビティーを調べるには、次のようにします。


example% sar -d -f temp

ファイル

/var/adm/sa/sadd

日常データファイル。dd は月の日付を表す数字

属性

属性についての詳細は、マニュアルページの attributes(5) を参照してください。

属性タイプ
属性値
使用条件
system/accounting/legacy-accounting

関連項目

iostat(1M), sar(1M), vmstat(1M), exec(2), fork(2), attributes(5)

Oracle Solaris 11 の管理の紹介

CPU 使用率の合計は、100 からわずかにずれることがあります。これは、割合を示す数字を生成するときの四捨五入エラーのためです。