マニュアルページセク ション 1M: システム管理コマンド

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更新: 2014 年 7 月
 
 

vmstat(1M)

名前

vmstat - 仮想メモリーの統計情報の報告

形式

vmstat [-ipqsS] [-T u | d] [disks] [interval [count]]

説明

vmstat は、カーネルスレッド、仮想メモリー、ディスク、トラップ、および CPU アクティビティーに関連した仮想メモリーの統計情報を報告します。

MP (マルチプロセッサ) システムでは、vmstat は CPU の数を平均して出力します。プロセッサごとの統計情報については、mpstat(1M) を参照してください。

vmstat は、特定のデバイスの統計情報のみをサポートしています。より一般的なシステム統計情報を取得するには、sar(1)iostat(1M)、または sar(1M) を使用してください。

オプションを指定しないと、vmstat は、システムがブートされてからの仮想メモリーアクティビティーのサマリーを 1 行で表示します。

カーネルステータスコマンドの実行中に、システムの state が変更されることがあります。関連する場合は、次のいずれかの形式の状態変更メッセージが vmstat の出力に含まれます。


<<device added: sd0>>
<<device removed: sd0>>
<<processors added: 1, 3>>
<<processors removed: 1, 3>>

ディスクのデバイス命名規則については、Oracle Solaris 11.2 でのデバイスの管理 を参照してください。

オプション

サポートしているオプションは、次のとおりです。

–i

デバイスごとの割り込みの数を報告します。countinterval は、–i オプションには適用されません。

–p

詳細なページングアクティビティーを報告します。このオプションでは、それぞれ次の情報が表示されます。

epi

実行可能ファイルのページイン。

epo

実行可能ファイルのページアウト。

epf

実行可能ファイルのページフリー。

api

匿名のページイン。

apo

匿名のページアウト。

apf

匿名のページフリー。

fpi

ファイルシステムのページイン。

fpo

ファイルシステムのページアウト。

fpf

ファイルシステムのページフリー。

zone で実行中にプール機能がアクティブな場合は、上のすべてで、その zone のプールのプロセッサセット内のプロセッサに関するアクティビティーのみが報告されます。

–q

状態変更に関連したメッセージを抑制します。

–s

ブート時からのさまざまなシステムイベントの総数を表示します。countinterval は、–s オプションには適用されません。

–S

ページングアクティビティーではなく、スワッピングに関して報告します。このオプションは、vmstat の ``ページング'' 表示内の 2 つのフィールドを変更します。``re'' および ``mf'' フィールドではなく、vmstat は ``si'' (スワップイン) と ``so'' (スワップアウト) を報告します。

–T u | d

時間の内部表現の出力表現に u を指定します。time(2) を参照してください。 標準の日付フォーマットに d を指定します。date(1) を参照してください。

オペランド

次のオペランドがサポートされています。

count

統計を繰り返す回数を指定します。count は、–i および –s オプションには適用されません。

disks

出力で優先度を与えるディスクを指定します (1 行に収まるのは 4 つのディスクだけです)。一般的なディスク名は、idsdxd、または xy のあとに数字が付きます (たとえば、sd2xd0 など)。

interval

vmstat がアクティビティーを集計する最後の秒数を指定します。この秒数は永久に繰り返されます。interval は、–i および –s オプションには適用されません。

使用例 1 vmstat の使用

次のコマンドは、システムで実行されている処理のサマリーを 5 秒ごとに表示します。

example% vmstat 5


kthr   memory          page             disk      faults        cpu
r b w swap  free re mf pi p fr de sr s0 s1 s2 s3  in  sy  cs us sy id
0 0 0 11456 4120 1  41 19 1  3  0  2  0  4  0  0  48 112 130  4 14 82
0 0 1 10132 4280 0   4 44 0  0  0  0  0 23  0  0 211 230 144  3 35 62
0 0 1 10132 4616 0   0 20 0  0  0  0  0 19  0  0 150 172 146  3 33 64
0 0 1 10132 5292 0   0  9 0  0  0  0  0 21  0  0 165 105 130  1 21 78
1 1 1 10132 5496 0   0  5 0  0  0  0  0 23  0  0 183  92 134  1 20 79
1 0 1 10132 5564 0   0 25 0  0  0  0  0 18  0  0 131 231 116  4 34 62
1 0 1 10124 5412 0   0 37 0  0  0  0  0 22  0  0 166 179 118  1 33 67
1 0 1 10124 5236 0   0 24 0  0  0  0  0 14  0  0 109 243 113  4 56 39
^C

example%

vmstat の表示の各フィールドは次のとおりです。

kthr

次の 3 つの各状態にあるカーネルスレッドの数を報告します。

r

実行待ち行列にあるカーネルスレッドの数

b

リソース I/O、ページングなどを待機中のブロックされたカーネルスレッドの数

w

リソース処理の完了を待機中のスワップアウトされた軽量プロセス (LWP) の数

memory

仮想メモリーと実メモリーの使用状況に関して報告します。

swap

使用可能なスワップ空間 (K バイト)

free

空きリストのサイズ (K バイト)

page

ページフォルトおよびページングアクティビティーに関する情報を報告します。次の各アクティビティーに関する情報が 1 秒あたりの単位で表示されます。

re

ページの再利用。ただし、このフィールドの変更方法については –S オプションを参照してください。

mf

マイナーフォルト。ただし、このフィールドの変更方法については –S オプションを参照してください。

pi

ページインされた K バイト数

po

ページアウトされた K バイト数

fr

解放された K バイト数

de

予測される短期間のメモリー不足 (K バイト)

sr

クロックアルゴリズムによってスキャンされたページ数

zone で実行中にプール機能がアクティブな場合は、上のすべて ("de" を除く) で、その zone のプールのプロセッサセット内のプロセッサに関するアクティビティーのみが報告されます。

disk

1 秒あたりのディスク操作の数を報告します。1 文字と数字で示された、最大 4 つのディスクのスロットがあります。この文字はディスクのタイプ (s = SCSI、i = IPI など) を示し、数字は論理ユニット番号です。

faults

トラップ/割り込み率 (1 秒あたり) を報告します。

in

割り込み

sy

システムコール

cs

CPU コンテキストスイッチ

zone で実行中にプール機能がアクティブな場合は、上のすべてで、その zone のプールのプロセッサセット内のプロセッサに関するアクティビティーのみが報告されます。

cpu

CPU 時間のパーセント使用状況の内訳を表示します。MP システムでは、これはすべてのプロセッサにわたる平均です。

us

ユーザー時間

sy

システム時間

id

アイドル時間

zone で実行中にプール機能がアクティブな場合は、上のすべてで、その zone のプールのプロセッサセット内のプロセッサに関するアクティビティーのみが報告されます。

属性

属性についての詳細は、マニュアルページの attributes(5) を参照してください。

属性タイプ
属性値
使用条件
system/core-os
インタフェースの安定性
下記を参照。

この呼び出しは開発中です。人間が読める形式の出力は不安定 (Unstable) です。

関連項目

date(1), sar(1), iostat(1M), mpstat(1M), sar(1M), time(2), attributes(5)

CPU 使用率の合計は、100 からわずかにずれることがあります。これは、割合を示す数字を生成するときの四捨五入エラーのためです。