fsstat [-A|a|f|i|n|v|Z] [-T d|u] [[-z zone]...] {-F | {fstype|path}...} [interval [count]]
fsstat は、カーネルファイル操作のアクティビティーをファイルシステムタイプ (fstype) またはパス名 (これがマウントポイントに変換されます) ごとに報告します。出力の最初の一連の行は、次の時点以降のすべてのアクティビティーを報告します。
ファイルシステムモジュールがロードされた時点 (fstype の場合)
ファイルシステムがマウントされた時点 (マウントポイントの場合)
統計情報は、fstype とマウントポイントのどちらのレベルでも、ファイルシステムに依存しない層で収集されます。ただし、統計情報の収集で、すべてのファイルシステムタイプが表されるわけではありません。(このマニュアルページの「注意事項」のセクションを参照)。
fsstat の出力は、リクエストされたモード (オプション) に依存します。すべての統計情報フィールドが、最大 5 文字に収まる人間が読める形式に単位を自動的にスケールする「スマートナンバー」を使用して表示されます。例:
を 100 として表示
を 2K として表示
を 2.86M として表示
単位修飾子は、K (K バイト)、M (M バイト)、G (G バイト)、T (T バイト)、P (ペタバイト)、および E (エクサバイト) です。
fsstat の実行中に、システムの状態が変化する場合があります。関連する場合は、次のいずれかの形式の状態変更メッセージが fsstat の出力に含まれます。
<<mount point no longer available: {path}>> <<file system module no longer loaded: {fstype}>> <<zone no longer active: {zonename}>> <<zone now active: {zonename}>>
状態変更メッセージが表示されたあと、fsstat は、引き続き指示どおりに統計情報を表示します。fsstat の報告対象のすべての fstypes およびマウントポイントが使用できなくなった場合、fsstat は終了します。
ユーザーは、–F オプション (使用可能なすべてのファイルシステムタイプ) か、あるいは 1 つ以上の fstypes またはマウントポイント、あるいはその両方のリストを指定する必要があります。
デフォルトのレポートは、一般的なファイルシステムアクティビティーを表示します。この表示では、類似した操作が、次のような一般的なカテゴリに結合されます。
ファイルシステムオブジェクト (ファイル、ディレクトリ、シンボリックリンクなど) の作成操作の数
名前の削除操作の数
名前の変更操作の数
オブジェクト属性の取得操作の数
オブジェクト属性の変更操作の数
オブジェクトの検索操作の数
ディレクトリの読み取り操作の数
データの読み取り操作の数
データの読み取り操作によって転送されたバイト数
データの書き込み操作の数
データの書き込み操作によって転送されたバイト数
(fstype またはマウントポイント) に関して報告されるエンティティーは、最後の列に表示されます。
サポートしているオプションは、次のとおりです。
すべてのゾーンにまたがる指定された fstype の集計アクティビティーを報告します。これは、–z も –Z も指定されていない場合のデフォルトの動作です。
–z または –Z と組み合わせて使用された場合、–A オプションはさらに、すべてのゾーンにまたがる指定された fstype の集計を個別の行に報告します。
カーネル属性操作のアクティビティーを報告します。次の統計情報が報告されます。
ファイル属性の取得呼び出しの数
ファイル属性の変更呼び出しの数
ファイルセキュリティー属性の取得呼び出しの数
ファイルセキュリティー属性の変更呼び出しの数
(fstype またはマウントポイント) に関して報告されるエンティティーは、最後の列に表示されます。
使用可能なすべてのファイルシステムタイプに関して報告します。
すべてのカーネルファイル操作の完全なアクティビティーを報告します。各ファイル操作は、左の列に表示されます。操作ごとに、次の統計情報が報告されます。
この操作の呼び出しの数
バイト単位の平均転送サイズ (read、write、readdir にのみ適用されます)
(fstype またはマウントポイント) に関して報告されるエンティティーは、最初の行に表示されます。
カーネル I/O 操作のアクティビティーを報告します。次の統計情報が報告されます。
データの読み取り呼び出しの数
読み取られたバイト数
データの書き込み呼び出しの数
書き込まれたバイト数
ディレクトリの読み取り呼び出しの数
ディレクトリを読み取ることによって読み取られたバイト数
内部ファイルシステムのロック操作の数
内部ファイルシステムのロック解除操作の数
(fstype またはマウントポイント) に関して報告されるエンティティーは、最後の列に表示されます。
カーネルネーミング操作のアクティビティーを報告します。次の統計情報が報告されます。
ファイル名の取得呼び出しの数
ファイルの作成呼び出しの数
ファイルの削除呼び出しの数
リンク呼び出しの数
ファイルの名前変更呼び出しの数
ディレクトリの作成呼び出しの数
ディレクトリの削除呼び出しの数
ディレクトリの読み取り呼び出しの数
シンボリックリンクの作成呼び出しの数
シンボリックリンクの読み取り呼び出しの数
(fstype またはマウントポイント) に関して報告されるエンティティーは、最後の列に表示されます。
仮想メモリー操作の呼び出しのアクティビティーを報告します。次の統計情報が報告されます。
ファイルのマッピング呼び出しの数
マップされたファイルへの追加のマッピングの設定呼び出しの数
ファイルへのマッピングの削除呼び出しの数
ファイルからのデータのページの取得呼び出しの数
ファイルへのデータのページの書き込み呼び出しの数
ファイルシステムのスワップファイル内のページ転送呼び出しの数
(fstype またはマウントポイント) に関して報告されるエンティティーは、最後の列に表示されます。
タイムスタンプを表示します。
時間の内部表現の出力表現には、u を指定します (time(2) を参照)。標準の日付の形式には、d を指定します。(date(1) を参照)。タイムスタンプは、間隔が設定されている場合にのみ使用されます。
各ゾーンのゾーンごとのアクティビティーを報告します。
–Z の指定は、–z と組み合わせて使用されると効果がありません。
指定されたゾーン内のアクティビティーに関して報告します。複数の –z オプションを指定すると、複数のゾーンをモニターできます。–z が指定されている場合、ユーザーには、明示的に指定されたゾーンの状態の変更のみが通知されます。
次のオペランドがサポートされています。
count 回のみ報告します。
報告されるファイルシステムタイプを明示的に指定します。そのファイルシステムモジュールをロードする必要があります。
各 interval 秒ごとに報告します。
報告されるマウントポイントのパスを指定します。パスがマウントポイントでない場合は、パスを含むマウントポイントが特定され、出力に表示されます。
interval も count も指定されていない場合は、1 つのレポートが出力され、fsstat は終了します。interval は指定されているが、count が指定されていない場合、fsstat は、コマンドが中断されるまで interval 秒ごとに無期限にレポートを出力します。
いくつかの例では、fsstat の出力が 80–文字表示の幅を超えています。
使用例 1 一般的なアクティビティーの表示次の例では、すべてのファイルシステムタイプの一般的なアクティビティーを表示します。
$ fsstat -F new name name attr attr lookup rddir read read write write file remov chng get set ops ops ops bytes ops bytes 313K 214K 38.5K 2.16M 56.2K 8.36M 52.8K 19.7M 39.9G 18.8M 39.1G ufs 0 0 0 2.95K 0 3.81K 282 2.52K 466K 0 0 proc 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 nfs 10 8 2 86 9 98 15 413 103M 8.43K 1.05G zfs 13 14 4 98 16 125 10 1.01K 258M 15.9K 127M lofs 8.73K 3.29K 5.25K 55.3K 37 1.20M 44 37.9K 38.3M 47.2K 35.9M tmpfs 0 0 0 4.93K 0 0 0 1.08K 913K 0 0 mntfs 3 2 1 503 3 897 13 122 25.8K 128 272K nfs3 10 8 0 615 10 10.1K 18 61 45.6K 292 2.26M nfs4使用例 2 ネーミングアクティビティーの表示
次の例では、ufs、nfs、nfs3、nfs4、および tmpfs のネーミングアクティビティーを表示します。
$ fsstat -n ufs nfs nfs3 nfs4 tmpfs lookup creat remov link renam mkdir rmdir rddir symlnk rdlnk 3.57M 3.10K 586 6 24 115 100 30.2K 5 330K ufs 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 nfs 18.3K 3 5 0 0 0 0 1.03K 2 346 nfs3 535 0 0 0 0 0 0 46 0 4 nfs4 146 24 15 0 0 4 0 4 0 0 tmpfs使用例 3 属性アクティビティーの表示
次の例では、FS タイプ ufs とマウントされたファイルシステム "/" および "/export/home" の属性アクティビティーを 3 回の繰り返しに 1 回、3 秒ごとに表示します。
# fsstat -a ufs / /export/home 3 3 getattr setattr getsec setsec 378K 91.9K 11.8K 0 ufs 367K 82.3K 11.6K 0 / 11.3K 9.6K 198 0 /export/home 4.97K 2.27K 163 0 ufs 3.94K 1.36K 162 0 / 1.03K 927 1 0 /export/home 2.30K 1.06K 73 0 ufs 1.95K 766 71 0 / 361 317 2 0 /export/home 2.33K 1.06K 78 0 ufs 1.64K 451 77 0 / 711 631 1 0 /export/home使用例 4 ファイル操作の統計情報の表示
次の例では、「/」の各ファイル操作の統計情報を (–f オプションを使用して) 表示します。
$ fsstat -f / Mountpoint: / operation #ops bytes open 8.54K close 9.8K read 43.6K 65.9M write 1.57K 2.99M ioctl 2.06K setfl 4 getattr 40.3K setattr 38 access 9.19K lookup 203K create 595 remove 56 link 0 rename 9 mkdir 19 rmdir 0 readdir 2.02K 2.27M symlink 4 readlink 8.31K fsync 199 inactive 2.96K fid 0 rwlock 47.2K rwunlock 47.2K seek 29.1K cmp 42.9K frlock 4.45K space 8 realvp 3.25K getpage 104K putpage 2.69K map 13.2K addmap 34.4K delmap 33.4K poll 287 dump 0 pathconf 54 pageio 0 dumpctl 0 dispose 23.8K getsecattr 697 setsecattr 0 shrlock 0 vnevent 0使用例 5 すべてのゾーンのゾーンごとの統計情報の表示
次の例では、システム上の各ゾーンのゾーンごとの統計情報のほか、fstype tmpfs および zfs のシステム全体の集計を表示します。
$ fsstat -A -Z tmpfs zfs new name name attr attr lookup rddir read read write write file remov chng get set ops ops ops bytes ops bytes 125K 116K 8.92K 846K 1.25K 1.36M 252 1013K 913M 1.52M 1.55G tmpfs 98.9K 89.8K 8.87K 600K 1.19K 1.33M 226 394K 253M 1.04M 1.07G tmpfs:global 2.49K 2.42K 32 20.5K 45 3.82K 26 56.8K 85.8M 43.9K 69.5M tmpfs:zone1 23.3K 23.3K 13 226K 13 24.1K 0 562K 574M 452K 425M tmpfs:zone2 82.7K 232K 77.6K 4.72M 73.6K 22.7M 464K 2.88M 6.17G 828K 8.19G zfs 82.1K 231K 77.3K 4.46M 73.5K 21.8M 444K 2.53M 5.71G 809K 8.12G zfs:global 102 88 28 83.3K 68 326K 3.16K 238K 307M 10.5K 54.2M zfs:zone1 499 204 255 179K 34 599K 17.4K 125K 163M 8.85K 21.8M zfs:zone2使用例 6 特定のゾーンのゾーンごとの統計情報の表示
次の例では、ゾーン zone1 および zone2 のゾーンごとの統計情報のほか、fstype tmpfs および zfs のシステム全体の集計を表示します。
$ fsstat -A -Z zone1 -z zone2 tmpfs zfs new name name attr attr lookup rddir read read write write file remov chng get set ops ops ops bytes ops bytes 125K 116K 8.92K 846K 1.25K 1.36M 252 1013K 913M 1.52M 1.55G tmpfs 2.49K 2.42K 32 20.5K 45 3.82K 26 56.8K 85.8M 43.9K 69.5M tmpfs:zone1 23.3K 23.3K 13 226K 13 24.1K 0 562K 574M 452K 425M tmpfs:zone2 82.7K 232K 77.6K 4.72M 73.6K 22.7M 464K 2.88M 6.17G 828K 8.19G zfs 102 88 28 83.3K 68 326K 3.16K 238K 307M 10.5K 54.2M zfs:zone1 499 204 255 179K 34 599K 17.4K 125K 163M 8.85K 21.8M zfs:zone2使用例 7 例 7 大域ゾーンのみの統計情報の表示
次の例では、すべての fstype の大域ゾーンのアクティビティーのみを表示します。
$ fsstat -z global -F new name name attr attr lookup rddir read read write write file remov chng get set ops ops ops bytes ops bytes 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 ufs:global 0 0 0 171K 0 289K 2.05K 628K 262M 230K 10.6M proc:global 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 nfs:global 82.1K 231K 77.3K 4.46M 73.5K 21.8M 444K 2.53M 5.71G 809K 8.12G zfs:global 0 0 0 357K 0 0 0 0 0 0 0 lofs:global 98.9K 89.8K 8.87K 600K 1.19K 1.33M 226 394K 253M 1.04M 1.07G tmpfs:global 0 0 0 15.4K 0 0 0 7.44K 1.03M 0 0 mntfs:global 0 0 0 9.34K 0 9.24K 0 0 0 0 0 autofs:global 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 nfs3:global 2 3 0 9.16K 12 104K 4 46 179K 12 43.0K nfs4:global
fsstat の実行に影響を与える次の環境変数についての詳細は、environ(5) を参照してください。LANG、LC_ALL、LC_CTYPE、LC_MESSAGES、LC_TIME、および NLSPATH。
次の終了ステータスが返されます。
正常終了。
致命的なエラーが発生しました。致命的エラーは、失敗したシステムコールまたは別の内部エラーである可能性があります。
無効なコマンド行オプションが指定されました。
属性についての詳細は、マニュアルページの attributes(5) を参照してください。
|
コマンド行オプションは「不確実」です。人間が読める形式の出力は、インタフェースとは見なされません。
date(1), time(2), attributes(5)
すべての表示オプション (–a、–f、–i、–n、–v) は相互に排他的です。これらのオプションを複数入力すると、エラーになります。
fstype および path オペランドは、コマンド行でオプションのあとで、かつ interval または count の前に指定する必要があります。たとえば、「fsstat –a fstype interval」とします。設定は fstype に渡されるため、ユーザーが fstype (たとえば、ufs) と同じ名前を持つディレクトリの統計情報を表示する場合は、パスをあいまいさがないように (たとえば、./ufs と) 指定する必要があります。同様に、間隔またはカウントオペランドから数値の名前 (たとえば、「10」) を持つファイルを定義するには、それに応じて名前に接頭辞を付けるようにしてください (たとえば、./10)。
間隔が使用されている場合、ヘッダーは、12 行を超える統計情報が表示され、現在の間隔で表示される一連の行が完了したあとに繰り返されます。
すべての擬似ファイルシステムの統計情報は表示されません。–F オプションで表示された出力は、ロードされているファイルシステムタイプのうちのどれがサポートされているかを示します。
バンドルされていないファイルシステムは、fsstat によって認識されない可能性があります。
コマンド行オプションは「不確実」として分類され、変更される可能性があります。この出力は、インタフェースであるとは見なされません。fsstat のコマンド行オプションまたは出力のどちらかに依存した、より高レベルのソフトウェアツールの構築は推奨されていません。