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更新: 2014 年 7 月
 
 

suriadm(1M)

名前

suriadm - ストレージ URI に基づいたストレージオブジェクトの管理

形式

/usr/sbin/suriadm command [options] [operands]
/usr/sbin/suriadm parse [-H] [-o p,p,...] URI
/usr/sbin/suriadm normalize URI
/usr/sbin/suriadm map [-H] [-o p,p,...] URI
/usr/sbin/suriadm lookup-mapping [-H] [-o p,p,...] URI
/usr/sbin/suriadm unmap URI
/usr/sbin/suriadm lookup-uri [-t uri-type] device-path 
/usr/sbin/suriadm lookup-uri [-t uri-type] 
    -p mapped-dev=<device-path>
/usr/bin/suriadm lookup-uri [-t uri-type] -p luname=<luname>
/usr/sbin/suriadm lookup-uri [-t uri-type] -p target=<target> 
    -p lun=<LUN>

説明

suriadm コマンド行管理ツールを使用すると、システムユーザーはストレージ URI を介してストレージオブジェクトを管理できます。このコマンドでは、解析、マップ、マップ解除、マッピング状態のクエリー、およびストレージ URI の検索を行えます。

サポートされているストレージ URI

サポートされているストレージ URI は、suri(5) のマニュアルページに定義されています。

サブコマンド

サポートされているサブコマンドは次のとおりです。

parse [–H] [–o p,p,...] URI

指定された URI を解析し、デフォルトのプロパティーリストを表示します。–H を使用すると、ヘッダーが出力から省略されます。–o を使用すると、提供されたリストからのプロパティーのみが表示されます。–o オプションは、別のコマンドによってさらに処理されることを意図された、プロパティー値がタブで区切られている 1 行の出力を意味します。

–o オプションに指定できるプロパティー名は、uri-typeuripathmapped-devinitiatortargetlunamelunhostname、および port です。

normalize URI

URI タイプの正規化指定に基づいて、ストレージ URI 文字列の解析および正規化を行います。正規化された URI を表示します。オプションは受け入れません。

iSCSI または論理ユニットの URI の場合、このサブコマンドは URI のすべての英字を小文字に変換します。

また、iSCSI URI の場合、このサブコマンドは URI のデフォルトの iSCSI ポート「3260」も削除します。

デバイス URI タイプの場合、URI タイプ名の後ろにあるすべての先頭のスラッシュ、およびパスコンポーネントの先頭にある「/dev」(ある場合) を削除します。

map [–H] [–o p,p,...] URI

ストレージ URI を解析し、必要に応じて、指定された URI に対応するデバイスをインスタンス化するようストレージサブシステムを構成し、デバイスパスを表示します。デバイスがすでにインスタンス化されている場合、マップ操作ではデバイスパスの検索のみを行います。

iSCSI URI の場合、このサブコマンドはホスト名が解決される send-targets 発見アドレスを追加します (URI 権限セクションが存在する場合)。

論理ユニットおよび dev URI タイプの場合、このサブコマンドはシステム構成には影響しません。

lookup-mapping [–H] [–o p,p,...] URI

URI を解析し、ストレージ URI と、ローカルシステムデバイスパスで表されるオブジェクトとの既存マッピングを検索します。デフォルトのプロパティーリストが表示されます。オプション –H および –o の意味は、parse サブコマンドの場合と同じです。

unmap URI

おそらく以前にマップされたオブジェクトを解析し、マップ解除します。どのプロパティーも表示せず、どのオプションも受け入れません。

iSCSI URI の場合、このサブコマンドは URI 権限セクションからのホスト名が解決される発見アドレス (存在する場合) を削除します。

論理ユニットおよび dev URI タイプの場合、このサブコマンドはシステム構成には影響しません。

lookup-uri [–t uri-type] device-path
lookup-uri [–t uri-type] –p mapped-dev=<device-path>

ローカルシステムデバイスパスに基づいて URI を検索および表示します。–t に指定できる URI タイプは、devlu、および iscsi です。–t オプションが指定されていない場合、出力はいずれかの URI タイプのデバイスパスに一致するすべての URI で構成されます。プロパティーオプション「–p」の使用はオプションです。

lookup-uri [–t uri-type] –p luname=<luname>

論理ユニット名に基づいて LU および iSCSI の URI を検索および表示します。–t に指定できる URI タイプは、lu および iscsi です。–t オプションを指定しない場合、出力は指定された論理ユニット名と一致する論理ユニットを識別するすべての URI で構成されます。

論理ユニット名に暗黙的な ID タイプがない (IQN ベースの名前など) 場合、ID タイプを明示的に指定する必要があります。「使用例」を参照してください。

lookup-uri [–t uri-type] –p target=<target> –p lun=<LUN>

ターゲットポートおよび LUN に基づいて URI を検索および表示します。–t に指定できる URI タイプは、lu および iscsi です。–t オプションを指定しない場合、出力は指定されたターゲットおよび LUN と一致する論理ユニットを識別するすべての URI で構成されます。通常は、–t オプションを指定しなくても、1 つの URI タイプのみが出力に示されます。

ターゲットは、識別子タイプおよび識別子をピリオドで区切った文字列で構成されている必要があります。サポートされる ID タイプは「naa」および「iqn」です。ファイバチャネルのターゲットポートは常に NAA ベースの名前であり、iSCSI のターゲットポートは常に IQN ベースの名前です。「使用例」を参照してください。

LUN は 10 進数です。

使用例 1 URI を解析し、プロパティーを表示する

次のコマンドでは、iSCSI URI を解析し、デフォルトのプロパティーリストを表示します。

$ suriadm parse iscsi://10.0.0.1:3260/luname.naa.0123456789abcdef
PROPERTY           VALUE
uri-type           iscsi
hostname           10.0.0.1
port               3260
luname             naa.0123456789abcdef
target             -
lun                -
$ suriadm parse iscsi://10.0.0.1:3260/target.iqn.1990-12.com.sun\ 
:cng-002,lun.3 
PROPERTY           VALUE 
uri-type           iscsi 
hostname           10.0.0.1 
port               3260 
luname             - 
target            iqn.1990-12.com.sun:cng-002 
lun               3
使用例 2 iSCSI URI をマップし、デバイス名を表示する

次のコマンドでは、iSCSI URI をマップし、マップされたローカルシステムデバイス名を表示します。このコマンドにより、send-targets 発見アドレス (まだ存在しない場合) が自動的に追加されることになります。

$ suriadm map iscsi://127.0.0.1/luname.naa.\
600144F0F4977D4000004F7EC8F00001
PROPERTY        VALUE
mapped-dev      /dev/dsk/c0t600144F0F4977D4000004F7EC8F00001d0s2
使用例 3 マッピングを検索する

次のコマンドでは、既存の iSCSI マッピングを検索します。

$ suriadm lookup-mapping iscsi://127.0.0.1/\
luname.naa.600144F0F4977D4000004F7EC8F00001
PROPERTY        VALUE
mapped-dev      /dev/dsk/c0t600144F0F4977D4000004F7EC8F00001d0s2
使用例 4 論理ユニット URI を解析する

次のコマンドでは、initiator/target/luname 論理ユニット URI を解析します。

$ suriadm parse lu:initiator.naa.2101001b32ae7ab5,\
target.naa.2100001d38089fb0,luname.naa.500000e012942880
PROPERTY        VALUE
uri-type        lu
luname          naa.500000e012942880
initiator       naa.2101001b32ae7ab5
target          naa.2100001d38089fb0
使用例 5 論理ユニット URI をマップし、URI を検索する

次のコマンドシーケンスでは、論理ユニット URI をマップしてから、見つかったデバイス名に基づいて一致する論理ユニット URI を検索します。

$ suriadm map lu:luname.naa.5000c5000288fa25
PROPERTY        VALUE
mapped-path     /dev/dsk/c7t26d0s2

$ suriadm lookup-uri -t lu /dev/dsk/c7t26d0s2
lu:luname.naa.5000c5000288fa25
lu:initiator.naa.500605b000ae7010,target.naa.\
5001636000019c11,naa.5000c5000288fa25
使用例 6 一致する URI を検索する

次のコマンドでは、URI タイプを指定せずに、特定のデバイス名に一致するすべての URI を検索します。

$ suriadm lookup-uri /dev/dsk/c7t26d0s2
lu:luname.naa.5000c5000288fa25
lu:initiator.naa.500605b000ae7010,target.naa.5001636000019c11,\
luname.naa.5000c5000288fa25
dev:dsk/c7t26d0s2
使用例 7 URI を解析し、選択されたプロパティーを表示する

次のコマンドでは、URI を解析し、選択されたプロパティーのみをすべて同じ行にタブで区切って、ヘッダーなしで表示します。

$ suriadm map -Ho uri-type,luname,mapped-path \
lu:luname.naa.5000c5000288fa25
lu      naa.5000c5000288fa25    /dev/dsk/c7t26d0s2
使用例 8 論理ユニット URI を検索する

次のコマンドでは、複数のパスを介してアクセス可能なデバイスの論理ユニット URI を検索します。

$ suriadm lookup-uri -t lu /dev/dsk/c11t2000001D38089FB0d0
lu:luname.naa.2000001d38089fb0
lu:initiator.naa.2101001b32ae7ab5,target.naa.2100001d38089fb0,luname.\
naa.2000001d38089fb0
lu:initiator.naa.2100001b328e7ab5,target.naa.2200001d38089fb0,luname.\
naa.2000001d38089fb0
使用例 9 不正な URI の解析を試みる

次のコマンドでは、構文的に正しくない URI の解析を試みます。

$ suriadm parse lu:luname.naa.0123456789
Failed to parse URI "lu:luname.naa.0123456789": GUID part
in "luname.naa.GUID" not 16 or 32 character hexadecimal
number: "0123456789"
使用例 10 アクセスできない LU を使って LU URI のマップを試みる

次のコマンドでは、システムからアクセスできない論理ユニット名を使って LU URI のマップを試みます。

$ suriadm map lu:luname.naa.0123456789abcdef
Failed to map URI "lu:luname.naa.0123456789abcdef": No such
logical unit "naa.0123456789abcdef" found
使用例 11 存在しないデバイスパスの URI を検索する

次のコマンドでは、存在しないデバイスパスの URI の検索を試みます。

$ suriadm lookup-uri /dev/dsk/nonexistent
Failed to map "/dev/dsk/nonexistent" to URI: No such device:
"/dev/dsk/nonexistent"
使用例 12 dev URI の検索

次のコマンドシーケンスは、dev URI が、スライスを指定するディスクパス名を受け入れる唯一の URI タイプであることを示しています。

$ suriadm lookup-uri -t dev /dev/dsk/c0t500000E012942880d0s0
dev:dsk/c0t500000E012942880d0s0

$ suriadm lookup-uri -t iscsi \
  /dev/dsk/c0t600144F03E0A0C0000004FAB3B660001d0s0
Failed to look up "iscsi" URI for device: \
  "/dev/dsk/c0t600144F03E0A0C0000004FAB3B660001d0s0": \
  Device path with slice does not represent entire disk
使用例 13 URI の正規化

次のコマンドは iSCSI URI を正規化します。

$ suriadm normalize iscsi://10.0.0.1:3260/luname.naa.0123456789ABCDEF 
        iscsi://10.0.0.1/luname.naa.0123456789abcdef

次の呼び出しは dev URI を正規化します。

$ suriadm normalize dev:/dev/dsk/c0t0d0 dev:dsk/c0t0d0
$ suriadm normalize dev:///dev/dsk/c0t0d0 dev:dsk/c0t0d0
使用例 14 ターゲットおよび LUN に基づく URI の取得

次のコマンドは、ターゲットおよび LUN に基づいて URI を取得する方法を示しています。

$ suriadm lookup-uri -p target=naa.2100001d38089fb0 -p lun=0
lu:luname.naa.500000e012942880 
lu:initiator.naa.2101001b32ae7ab5,target.naa.2100001d38089fb0,luname.naa.50000 
0e012942880
$ suriadm lookup-uri -p lun=0 -p
target=iqn.1986-03.com.sun:02:9548ddf8-dc44-63a1-b773-e7ac335a760f 
iscsi://10.0.0.1/luname.naa.600144f0a5320b470000527d66740009 
iscsi://10.0.0.1/target.iqn.1986-03.com.sun:02:9548ddf8-dc44-63a1-b773-e7ac335 
a760f,lun.0
使用例 15 論理ユニット名に基づく LU URI の取得

次のコマンドは、論理ユニット名に基づいて LU URI を取得する方法を示しています。

$ suriadm lookup-uri -t lu -p luname=naa.5000cca012b66e90
lu:luname.naa.5000cca012b66e90
lu:initiator.naa.5080020000fafcf8,target.naa.5000cca012b66e91,luname.naa.5000c
ca012b66e90

終了ステータス

0

コマンドが成功しました。

>0

コマンドが失敗しました。

属性

属性についての詳細は、マニュアルページの attributes(5) を参照してください。

属性タイプ
属性値
使用条件
system/library/storage/suri
インタフェースの安定性
確実

関連項目

stmsboot(1M), svcadm(1M), attributes(5), suri(5), scsi_vhci(7D), libsuri(3LIB)

Small Computer System Interface-3 (SCSI-3)』

iSCSI URI が使用されるときは、解析操作が行われる場合を除いて、svc:/network/iscsi/initiator サービスを有効にする必要があります。このサービスが無効になっているときに iSCSI URI が処理されると、iSCSI イニシエータサービスが自動で一時的に有効になります。このサービスを suriadm コマンドで無効にすることはできません。