マニュアルページセク ション 1M: システム管理コマンド

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更新: 2014 年 7 月
 
 

rcapadm(1M)

名前

rcapadm - リソース上限デーモンの構成

形式

rcapadm 
rcapadm [ [-n] -E | -D] 
     [-i interval=value,...,interval=value] [-c percent]
     [-z zonename -m maxvalue]

説明

rcapadm コマンドを使用すると、後述の特権を持つユーザーがリソース上限デーモンのさまざまな属性を構成できます。引数なしで使用された場合、rcapadm は、リソース上限デーモンが構成されていればその現在のステータスを表示します。詳細は、rcapd(1M) を参照してください。

Solaris オペレーティング環境の現在のリリースでは、すべての権限を持つユーザーと、プロファイルのリストに Process Management プロファイルが含まれているユーザーが rcapadm を使用できます。System Administrator 役割には Process Management プロファイルが含まれています。

オプション

–c percent

メモリー上限適用の最小物理メモリー使用率を設定します。プロセスで使用できる物理メモリーが少なくなるまで、上限は適用されません。percent の値は 0 から 100 の範囲にしてください。最小 (かつデフォルト) の値は 0 で、これはメモリー上限が常に適用されることを意味します。

–D

リソース上限デーモンを無効にして、システムのブート時に起動されないようにします。また、–n オプションが指定されていない場合、リソース上限デーモンが現在実行中であればただちに停止します。

–E

リソース上限デーモンを有効にして、システムのブート時に毎回起動されるようにします。また、–n オプションが指定されていない場合、リソース上限デーモンが現在実行中でなければただちに起動します。

–i interval=value,...,interval=value

rcapd によって実行される各種の定期的な処理の間隔を設定します。間隔はすべて秒単位で指定されます。次の間隔を設定できます。

scan

rcapd が新しいプロセスをスキャンする間隔。デフォルトのスキャン間隔は 15 秒ごとです。最小値は 1 秒です。

sample

プロセスの常駐セットサイズのサンプリング間隔。デフォルトのサンプリング間隔は 5 秒ごとです。最小値は 1 秒です。

report

rcapd が各種のページング統計情報を更新する間隔 (秒)。これらの統計情報は、rcapstat(1SRM) を使用して表示できます。デフォルトの報告間隔は 5 秒ごとです。間隔が 0 に設定されている場合、統計情報は更新されません。


注 - ページングとは、物理メモリーから (または物理メモリーへ) ページと呼ばれるメモリーの一部を再配置する処理を指します。rcapd は、もっとも使用されていないページをページアウトします。
config

再構成間隔 (秒)。再構成イベントのたびに、rcapd はその構成ファイルで更新を確認し、プロジェクトデータベースで新しいプロジェクト上限をスキャンします。デフォルトの再構成間隔は 60 秒ごとです。最小間隔は 0 です。間隔が 0 に設定されている場合、定期的な再構成は行われませんが、実行中のデーモンに SIGHUP を送信して再構成することは可能です。

–m maxvalue

–z オプションと組み合わせて使用します。–z で指定されたゾーンの物理メモリー使用率に動的に設定される上限 rcap.max-rss の値を指定します。指定する値には単位 (KM GT) を適用できます。K は K バイト、M は M バイト、G は G バイト、T は T バイトを意味します。たとえば、100M は 100M バイトです。

既存の上限を削除するには、0M と指定します。

–n

リソース上限デーモンを有効または無効にするときに、実行中の状態には影響を与えません。

–z zonename

–m オプションと組み合わせて使用します。物理メモリー使用率に動的に上限を設定する (–m オプションを使用) ゾーンを指定します。


注 - ゾーン内のメモリー使用率に永続的な上限を設定するには、zonecfg(1M) を使用します。

使用例 1 リソース上限デーモンを構成してただちに適用する

# rcapadm -E -i scan=15,sample=5,report=5,config=60 -c 0

使用例 2 ゾーンのリソース上限を指定する

次のコマンドは、指定のゾーンで消費できるメモリーの最大量を指定します。この値が持続するのは次回のリブートまでです。永続的な上限を設定するには、zonecfg(1M) を使用します。

# rcapadm -z testzone -m 512M

終了ステータス

次の終了ステータスが返されます。

0

正常終了。現在の構成に対する変更が有効であり、正常に行われました。

1

エラーが発生した。リソース上限構成の取得または変更中に致命的エラーが発生しました。

2

無効なコマンド行オプションが指定されました。

属性

属性についての詳細は、マニュアルページの attributes(5) を参照してください。

属性タイプ
属性値
使用条件
system/resource-mgmt/resource-caps
インタフェースの安定性
確実

–z および –m オプションは「確実」インタフェースです。

関連項目

rcapstat(1), rcapd(1M), zonecfg(1M), project(4), attributes(5), zones(5)

Oracle Solaris 11.2 でのリソースの管理 の「リソース上限デーモンによる物理メモリーの制御」