nfsstat [-cnrsza] [-T u | d ] [-v version] [interval [count]]
nfsstat -m [pathname]...
nfsstat は、カーネルへのインタフェースである NFS および RPC (リモート手続き呼び出し) の統計情報を表示します。また、nfsstat を使ってこの情報を再初期化することもできます。オプションを指定しない場合、デフォルトは次のようになります。
nfsstat –csnra
デフォルトではすべての情報を表示し、再初期化は行いません。
NFS_ACL 情報を表示します。
クライアント情報を表示します。クライアント側の NFS、RPC、および NFS_ACL 情報だけが出力されます。–n、–r、および –a オプションとともに使用すると、クライアント側の NFS、 RPC、および NFS_ACL 情報だけを出力できます。
NFS マウントされた各ファイルシステムの統計を表示します。pathname が指定されていない場合、NFS マウントされたすべてのファイルシステムの統計を表示します。pathname が指定されている場合、pathname で示される NFS マウントされたファイルシステムの統計を表示します。
これには、サーバーの名前とアドレス、マウントフラグ、現在の読み取りと書き込みのサイズ、再転送カウント、属性キャッシュのタイムアウト値、フェイルオーバー情報、および動的再転送に使用されるタイマーが含まれています。動的再転送タイマーが表示されるのは、動的再転送が使用されている場合だけです。デフォルトでは、NFS は TCP プロトコルを介してマウントし、NFS バージョン 3 は TCP または UDP を介してマウントします。動的再転送は使用しません。
–m オプションを指定すると、nfsstat はこのオプションだけを使用します。その他のオプションを –m とともに指定した場合、–m フラグをほかのオプションとともに指定できないことを警告するエラーメッセージが表示されます。
NFS 情報を表示します。クライアント側とサーバー側の NFS 情報が両方出力されます。–c および –s オプションとともに指定すると、クライアントまたはサーバーの NFS 情報のみを出力できます。
RPC 情報を表示します。
サーバー情報を表示します。
タイムスタンプを表示します。
時間の内部表現の出力表現に u を指定します。time(2) を参照してください。 標準の日付フォーマットに d を指定します。date(1) を参照してください。
統計を出力する NFS のバージョンを指定します。オプションの version 引数 (2|3|4) を続けて指定すると、そのバージョンの統計が出力されます。デフォルトでは、すべてのバージョンの統計が出力されます。
ゼロ (再初期化) 統計。このオプションはスーパーユーザーのみが使用するものであり、上記の任意のオプションとともに設定することにより、特定の統計セットを出力後にゼロに初期化できます。
次のオペランドがサポートされています。
count 回のみ報告します。
各 interval 秒ごとに報告します。
NFS マウントされたファイルシステム内の、統計を表示するファイルのパス名を指定します。
サーバー RPC の表示には、次のフィールドが含まれています。
RPC レイヤーにより拒否された呼び出しの総数 (badlen と xdrcall の合計、詳細は後述)。
最小サイズの RPC 呼び出しよりも短い RPC 呼び出しの数。
受信した RPC 呼び出しの総数。
重複要求キャッシュ内を検索する RPC 呼び出しの数。
重複が見つかった RPC 呼び出しの数。
RPC 呼び出しを受信したと考えられるのに、利用できなかった回数。
ヘッダーを XDR で復号化できなかった RPC 呼び出しの数。
サーバー NFS のディスプレイには、受信した NFS 呼び出しの数 (calls) と拒否された NFS 呼び出しの数 (badcalls)、および作成されたさまざまな呼び出しの数と割合 (パーセンテージ) が表示されます。
サーバー NFS_ACL のディスプレイには、作成されたさまざまな呼び出しの数と割合 (%) が表示されます。
クライアント RPC の表示には、次のフィールドが含まれています。
作成された RPC 呼び出しの総数。
RPC レイヤーにより拒否された呼び出しの総数。
応答内のベリファイアが不正であるために呼び出しが失敗した回数。
未処理の呼び出しに対応していない応答をサーバーから受信した回数。
サーバーへの接続確立に失敗したために、呼び出しが失敗した回数。
クライアントが非接続型トランスポートを介して RPC 要求の送信を試みたが、送信できなかった回数。
呼び出しが完了する前に、シグナルにより呼び出しが中断された回数。
認証情報を書き換えなければならなかった回数
メモリーの割り当てに失敗したために、呼び出しが失敗した回数。
サーバーからの応答を待機中にタイムアウトしたために、呼び出しを再転送しなければならなかった回数。非接続型トランスポートを介した RPC にのみ適用されます。
サーバーからの応答を待機中に呼び出しがタイムアウトした回数。
計算されたタイムアウト値が、呼び出しに対して指定された最小のタイムアウト値以上であった回数。
クライアント NFS のディスプレイには、送信されて拒否された呼び出しの数、CLIENT ハンドルを受信した回数 (clgets)、CLIENT ハンドルキャッシュに未使用のエントリが含まれていなかった回数 (cltoomany )、およびさまざまな呼び出しの数とその割合 (%) が表示されます。
クライアント NFS_ACL のディスプレイには、作成されたさまざまな呼び出しの数と割合 (%) が表示されます。
–m オプションには、マウントオプションで設定されたマウントフラグおよびシステム内部のマウントフラグに関する情報、およびその他のマウント情報が含まれています。mount_nfs(1M) を参照してください。
次のマウントフラグが、マウントオプションで設定されます。
クライアントとサーバー間で直接転送される、クライアントでバッファリングされないデータ。
BSD グループ ID の継承。mount_nfs(1M) の説明を参照してください。
ハードマウント。
ハードマウントで割り込みが許可されます。
ローカルロックを使用中です (ロックマネージャーなし)。これは非公開インタフェースであることに注意してください。
クライアントは属性をキャッシュしません。
ハードマウントで割り込みが許可されません。
クローズからオープンへの整合性がありません。
NFS 再転送。
RPC 時間同期。
読み取りバッファーのサイズ (バイト単位)
sec には、次のいずれかの値を指定できます。
des - スタイルの認証 (タイムスタンプの暗号化)。
kerberos v5 - スタイルの認証。
kerberos v5 - スタイルの認証 (整合性あり)。
kerberos v5 - スタイルの認証 (非公開)。
認証なし。
UNIX スタイルの認証 (省略形)。
UNIX スタイルの認証 (UID、GID)。
ソフトマウント。
初期 NFS タイムアウト (1/10 秒単位)。
書き込みバッファーのサイズ (バイト単位)
次のマウントフラグは、システム内部用です。
サーバーは NFS_ACL をサポートします。
サーバーがダウンしています。
動的転送サイズ調整。
サーバーはリンクをサポートします。
mirrormount メカニズムにより自動的にマウントされます。
「Not responding」というメッセージを出力します。
readdirplus ではなく readdir を使用します。
リフェラルメカニズムにより自動的にマウントされます。
サーバーはシンボリックリンクをサポートします。
追加のマウント情報に関連したフラグを次に示します。
プロトコル。
NFS のバージョン。
–m オプションでも、属性キャッシュのタイムアウト値を指定できます。–m 出力の次のフィールドに、属性キャッシュのタイムアウト値が表示されます。
キャッシュされたディレクトリ属性を保持する最大時間 (秒)。
キャッシュされたディレクトリ属性を保持する最小時間 (秒)。
キャッシュされたファイル属性を保持する最大時間 (秒)。
キャッシュされたファイル属性を保持する最小時間 (秒)。
–m 出力の次のフィールドに、フェイルオーバー情報が表示されます。
NFS サービスを提供中のサーバー。詳細は、Oracle Solaris 11.2 でのネットワークファイルシステムの管理 を参照してください。
新規サーバーが選択された回数。
サーバーが応答に失敗した回数。
ファイルが新規サーバーに対して再評価された回数。
–m 出力の次のフィールドに、動的再転送に関する情報が表示されます。これらの項目が表示されるのは、動的再転送を使用している場合だけです。
現在のバックオフ再転送値 (ミリ秒単位)。
見積もられた偏差 (ミリ秒単位)。
平滑化された往復時間値 (ミリ秒単位)。
次の終了ステータスが返されます。
正常終了。
エラーが発生した。
属性についての詳細は、マニュアルページの attributes(5) を参照してください。
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