マニュアルページセク ション 1: ユーザーコマンド

印刷ビューの終了

更新: 2014 年 7 月
 
 

gencat(1)

名前

gencat - 書式付きメッセージカタログの生成

形式

gencat catfile msgfile...

説明

gencat コマンドは、msgfile というメッセージテキストのソースファイルを catfile という書式付きメッセージデータベースにマージします。catfile データベースがまだ存在していない場合は、データベースが作成されます。catfile が存在する場合、そのメッセージは新しい catfile に挿入されます。セット番号とメッセージ番号が衝突する場合、msgfile に定義された新しいメッセージテキストが catfile に現在入っている古いメッセージテキストと置き換わります。gencat に対するメッセージテキストのソースファイル (またはファイルのセット) 入力には、セット番号とメッセージ番号の両方、またはメッセージ番号だけを含めることができます。後者の場合、NL_SETD (nl_types.h(3HEAD) 参照) というセットが想定されます。

メッセージテキストのソースファイルフォーマット

メッセージテキストのソースファイルのフォーマットは次のとおりに定義します。メッセージテキストのソース行のフィールドは、ASCII スペース文字またはASCII タブ文字 1 つで区切ることに注意してください。他の ASCII スペースまたは ASCII タブは、後続のフィールドの一部と見なされます。

$set n comment

ここで、n は次の $set$delset、またはファイルの終わりまでの後続メッセージのセット識別子を指定します。nは (1–{NL_SETMAX}) の範囲内の数にする必要があります。1 個のソースファイル内のセット識別子は連続する必要はありません。セット識別子の後の文字列はコメントと見なされます。メッセージテキストのソースファイルに $set 宣言を指定しないと、メッセージはすべてデフォルトのメッセージセット、NL_SETD に入ります。

$delset n comment

既存のメッセージカタログから n というメッセージセットを削除します。セット番号の後の文字列はコメントと見なされます。注意: n は、有効なセットでない場合、無視されます。

$comment

ドル記号の $ で始まり、その後に ASCII スペース文字またはASCII タブ文字が続く行は、コメントと見なされます。

m message-text

m はメッセージ識別子であり、(1-{NL_MSGMAX}) の範囲内の数になります。message-text は直前の $set 宣言で指定されたセット識別子とメッセージ識別子の m とともにメッセージカタログに格納されます。message-text が空で、ASCII スペースまたは ASCII タブのフィールドセパレータが存在する場合は、メッセージカタログに空の文字列を格納します。メッセージソース行にメッセージ番号があるが、フィールドセパレータも message-text もない場合、カタログからその番号(もしあれば)の既存のメッセージを削除します。メッセージ識別子は連続する必要はありません。message-text の長さは、(0–{NL_TEXTMAX}) の範囲内にする必要があります。

$quote c

この行は、オプションの引用符文字である c を指定します。この文字を使用して message-text を囲めば、メッセージソース行において後方のスペースまたはNULL (空) メッセージが見えるようにすることができます。デフォルト時、または空の $quote 宣言を指定するとき、message-text の引用は認識されません。

メッセージテキストのソースファイル内の空の行は無視されます。

テキスト文字列には、下記の表に定義された特殊文字およびエスケープシーケンスを入れることができます。

説明
記号
シーケンス
改行
NL(LF)
\n
水平タブ
HT
\t
垂直タブ
VT
\v
バックスペース
BS
\b
キャリッジリターン
CR
\r
フォームフィード
FF
\f
バックスラッシュ
\
\\
ビットパターン
ddd
\ddd

\ddd というエスケープシーケンスは、バックスラッシュと、それに続く1 つ、2 つ、または 3 つの 8 進数からなります。これらの数字は、希望の文字の値を指定するのに使用します。バックスラッシュの後の文字が、指定された文字のいずれでもない場合、バックスラッシュは無視されます。

また、バックスラッシュの後に ASCII 改行文字を指定すれば、後続の行に文字列を継続できます。したがって、下記の 2 行は単一のメッセージ文字列を記述します。

1 This line continues \
to the next line

これは、次の行と等価です。

    1 This line continues to the next line

オペランド

次のオペランドがサポートされています。

catfile

フォーマットされたメッセージカタログのパス名。− を指定すると、標準出力とみなされる。

msgfile

メッセージテキストのソースファイルのパス名。msgfile の例として − を指定すると、標準入力とみなされる。メッセージテキストソースファイルの書式は前述の「メッセージテキストのソースファイルフォーマット」で定義されています。

環境変数

gencat の実行に影響を与える次の環境変数についての詳細は、environ(5) を参照してください。LANG、LC_ALL、LC_CTYPE、LC_MESSAGES、および NLSPATH。

終了ステータス

次の終了ステータスが返されます。

0

正常終了。

>0

エラーが発生した。

属性

属性についての詳細は、マニュアルページの attributes(5) を参照してください。

属性タイプ
属性値
使用条件
text/locale
CSI
有効
インタフェースの安定性
確実
標準
standards(5) を参照してください。

関連項目

mkmsgs(1), catgets(3C), catopen(3C), gettxt(3C), nl_types.h(3HEAD), attributes(5), environ(5), standards(5)