マニュアルページセク ション 1: ユーザーコマンド

印刷ビューの終了

更新: 2014 年 7 月
 
 

troff(1)

名前

troff - ドキュメントのタイプセットと清書

形式

troff [-a] [-f] [-Fdir] [-i] [-mname] [-nN] [-o
list] [-raN] 
     [-sN] [-uN] [-z] [filename]...

説明

troff は、 filename 引数で指定されたファイル群中のテキストを、 タイプセット用またはレーザープリンタでの印刷用に 清書します。troff への入力ファイルの中身は、 清書用の要求とマクロを含んだテキストです。filename 引数が省略された場合、 troff は標準入力から読み込みます。複数のファイル名も指定可能で、そのうちの 1 つとして標準入力を指定したければ、該当する位置にハイフン (–) を記述します。

オプション

以下のオプションがサポートされています。任意の順序で指定できますが、 すべてのオプションは先頭の filename より前に指定してください。

–a

ASCII の近似形式で清書した出力を標準出力に書き出します。(注: 最近はほとんど使用されない /usr/bin/ta コマンドを使うと、ASCII の未完版も通常端末上に出力されます。)

–f

最終ページを出力したあと、トレーラページを印刷しないか、 またはポストプロセッサが装置の制御権を放棄しないようにします。

–Fdir

フォント幅や端末テーブルを検索するディレクトリとして、 システムのデフォルトディレクトリの代わりに dir を使用します。

–i

指定した入力ファイルをすべて処理したあと、 標準入力を読み込みます。

–mname

入力の filename の前に、マクロファイル /usr/share/lib/tmac/name を付加します。なお、 マクロパッケージへの参照の多くは、 通常、 名前の先頭に m を含みます。たとえば man(5) マクロは、 /usr/share/lib/tmac/an 中に存在しています。マクロディレクトリを変更したければ、環境変数 TROFFMACS の値として希望するパスを設定してください。なお、パス名の最後に必ずスラッシュ ( / ) を付加するよう注意してください。

–nN

出力される先頭ページのページ番号を N に設定します。

–olist

特定のページだけを印刷出力したい場合、 list 引数を使ってそのページ番号のリストを指定します。リスト中では項目をコンマで区切って記述し、 各項目として単一のページ番号または番号の範囲を記述できます。範囲指定には 3 つの形式があり、NM はページ番号 N から M までを表し、先頭項目として指定する N は先頭ページからページ N までを表し、最終項目として指定する N はページ N から最終ページまでを表します。

–q

nroff では静寂モードを示すオプションです。troff では無視されます。

–raN

レジスタ a の値として N を設定します。a は常に 1 文字の名前です。

–sN

N ページを出力するごとに 写真植字機を停止させます。機器の種類によっては、 troff がトレーラページを出力するのでカセットを 交換することができます。機器のスタートボタンを押せば 印刷が再開できます。

–uN

ポジション 3 にマウントされているフォント用の ボールド(太文字)化ファクタ値を N に設定します。N 引数を省略すると、ボールド化ファクタ値は 0 に設定されます。

–z

清書した出力結果を印刷しません。つまり診断メッセージや .tm 要求を使って出力されたメッセージだけが印刷されます。

オペランド

次のオペランドを指定できます。

filename

troff によって処理されるテキストを含むファイル

ファイル

/tmp/trtmp

一時ファイル

/usr/share/lib/tmac/*

標準マクロファイル

/usr/lib/font/*

マウントされている代替 troff フォント用のフォント幅テーブル

/usr/share/lib/nterm/*

nroff 用の端末駆動テーブル

属性

属性についての詳細は、マニュアルページの attributes(5) を参照してください。

属性タイプ
属性値
使用条件
text/doctools

関連項目

checknr(1), col(1), eqn(1), man(1), nroff(1), tbl(1), attributes(5), man(5), me(5), ms(5)

troff は 7 ビット ASCII に基づいて設計されているので、8 ビットクリーンではありません。

以前のドキュメントでは、数値レジスタ yr現在の年の末尾の 2 桁であると説明していましたが、これは正しくありません。yr は、実際には 1900 年以来の年数を示します。2099 年までの、現在の年号の末尾の 2 桁を正しく獲得するには、次の文字列レジスタ yy の定義をドキュメントに含めると、2 桁の年号を表示するために使用できます。yr の代わりに、別の 1 つまたは 2 つの文字をレジスタ名として使用できます。

.\" definition of new string register yy--last two digits of year
.\" use yr (# of years since 1900) if it is < 100
.ie \n(yr<100 .ds yy \n(yr
.el \{             .\" else, subtract 100 from yr, store in ny
.nr ny \n(yr-100
.ie \n(ny>9 \{     .\" use ny if it is two digits
.ds yy \n(ny
.\" remove temporary number register ny
.rr ny \}
.el \{.ds yy 0
.\" if ny is one digit, append it to 0
.as yy \n(ny
.rr ny \} \}