audiorecord [-af] [-v vol] [-c channels] [-s rate] [-e encoding] [-t time] [-i info] [-d dev] [-T au | aif[f] | wav] [file[.au|.aif[f]]|.wav]
audiorecord ユーティリティは、オーディオデバイスのオーディオデータを指定されたオーディオファイル (ファイル名が存在しない場合は、標準出力) にコピーします。出力ファイルが指定されておらず、かつ標準出力が tty の場合、プログラムはエラーメッセージを出力して終了します。
デフォルトでは、モノラルのオーディオデータは 8kHz で記録され、-law 形式でエンコードされます。オーディオデバイスが拡張構成をサポートする場合、–c、–s、および –e オプションを使用してデータ形式を指定できます。出力ファイルには、オーディオファイルのヘッダーが接頭辞として付くので、その出力ファイルにエンコードされているデータ形式が分かります。
記録は即座に開始され、SIGINT シグナル (たとえば、Control-C) を受信するまで続けられます。–t オプションを指定した場合、audiorecord は指定された量のデータを記録した後に停止します。
オーディオデバイスが利用できない場合、つまり、ほかのプロセスが読み取りアクセスを行なっている場合、audiorecord はエラーメッセージを出力して、即座に終了します。
サポートしているオプションは、次のとおりです。
Help: コマンド行の使用法に関するメッセージを出力します。
Append: 指定されたオーディオファイルの終わりに、データを追加します。この場合、指定されたオーディオファイルのオーディオデータ形式をオーディオデバイスがサポートする必要があります。
Channels: オーディオチャネルの数を指定します。この値は、整数 (1 または 2) または文字列 (mono または stereo) のどちらでも指定できます。デフォルトの値は mono です。
Device: 代替のオーディオデバイスを指定します。dev 引数は、入力元となるオーディオデバイスです。–d オプションを指定しないと、AUDIODEV 環境変数が参照されます (下記参照)。あるいは、/dev/audio がデフォルトのオーディオデバイスとして使用されます。
Encoding: オーディオデータのエンコード方法を指定します。この値は、ulaw、alaw、または linear のうちの 1 つです。デフォルトのエンコード方法は ulaw です。
Force: –a オプションを指定した場合、オーディオデバイスのサンプル率は、オリジナルのファイルが記録されたときのサンプル率に一致する必要があります。–a オプションと一緒に f オプションも指定した場合、サンプル率の違いは無視されます。そして、警告メッセージが標準エラーに出力されます。
Information: 出力ファイルのヘッダーの「information (情報)」フィールドに、info 引数に指定された文字列を設定します。このオプションは、–a オプションと一緒に指定してはいけません。
Sample Rate: サンプル率を 1 秒あたりのサンプル数で指定します。数値の後に続く文字 k は、その数値に 1000 を掛けた値を意味します。(たとえば、44.1k = 44100)。デフォルトのサンプル率は 8kHz です。
Time: 記録できる最長時間を指定します。time 引数は、浮動小数点数として、あるいは、形式「hh:mm:ss.dd」として指定できます。前者の場合、小数部分は秒数を意味します。後者の場合、時間 (hh) と分 (mm) は省略できます。
作成するオーディオファイルの種類を指定します。–a オプションを指定した場合、ファイルの種類は、オリジナルのファイルの種類に一致する必要があります。ファイルの接尾辞にかかわらず、ファイルの種類はこのオプションに指定したファイルの種類に設定されます。このオプションを指定しない場合、ファイルの種類はファイルの接尾辞によって決定されます。
Volume: 入力ボリューム (記録ゲイン) を vol に設定してから、記録を開始します。そして、audiorecord の終了時に、以前のレベルに戻します。vol 引数は、0 - 100 (0 と 100 を含む) の間の整数値です。この引数を指定しないと、入力ボリュームは、いずれかのプロセスによって最後に設定されたレベルのままになります。
File Specification: 指定されたオーディオファイルを作成または追加します。ファイル名が存在せず、かつ標準出力が tty でない場合、あるいは、特別なファイル名「−」を指定した場合、出力は標準出力に送られます。
–T オプションを指定しない場合、ファイルの種類はファイルの接尾辞によって決定されます。接尾辞が認識されない場合、デフォルトは .au です。–T オプションを指定した場合、ファイルの接尾辞にかかわらず、ファイルの種類は T オプションに指定したファイルの種類に設定されます。
ファイルのサイズが 2G バイト (231 バイト) 以上ある場合の audiorecord の動作については、largefile(5) を参照してください。
入力元のオーディオデバイスのフルパス名 (–d オプションを指定しない場合)。AUDIODEV 変数が設定されていない場合は、/dev/audio が使用されます。
属性についての詳細は、マニュアルページの attributes(5) を参照してください。
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audioconvert(1), audioctl(1), audioplay(1), attributes(5), largefile(5), audio(7I)