マニュアルページセク ション 1: ユーザーコマンド

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更新: 2014 年 7 月
 
 

telnet(1)

名前

telnet - TELNET プロトコルを使用したリモートシステムへのユーザーインタフェース

形式

telnet [-8EFKLacdfrx] [-X atype] [-e escape_char] 
     [-k realm] [-l user] [-n file] 
     [ [ [!] @hop1 [@hop2...] @] host [port]]

説明

telnet ユーティリティーは、TELNET プロトコルを使って他のホストと通信を行います。telnet が引数なしで起動された場合、コマンドモードに入り、telnet> プロンプトが表示されます。このモードでは、関連付けられたコマンドを受け入れて実行します。「使用法」を参照してください。telnet が引数を付けて起動された場合、それらの引数を使って open コマンドが実行されます。

たとえば、host@hop1@hop2@host と指定された場合、host への接続はルーズソースルーティングを使って、ホスト hop1hop2 を経由して行われます。先頭に ! が付いていると、ストリクトソースルーティングに従って接続が行われます。telnet が IPv6 を使用する場合は、ルーズソースルーティングのみが可能で、! の指定は無視されることに注意してください。

接続が開始されると、telnet は入力モードに入ります。このモードでは、入力されたテキストがリモートホストに送信されます。入力モードは、リモートシステムでのサポート状況に応じて、「行モード」、「文字単位モード」、または「旧行単位モード」のいずれかになります。

「行モード」では、文字処理がリモートシステムの制御下に置かれたローカルシステムで行われます。入力の編集や文字のエコーがオフに設定された場合、リモートシステムはその情報を中継します。リモートシステムは、そこで発生する特殊文字の変更も中継するので、その変更をローカルシステムに反映させることができます。

「文字単位」モードでは、入力されたテキストの大部分は、ただちにリモートホストに送信され、処理されます。

「旧行単位」モードでは、テキストはすべてローカルでエコーされ、(通常は) 完了した行だけがリモートホストに送信されます。「ローカルエコー文字」 (初期値は ^E) は、ローカルエコーのオンとオフを切り替えるために使われます。(これは主にパスワードをエコーしないで入力する場合に使われます。)

「行モード」オプションが有効になっている場合、または localchars トグルが TRUE (これは「旧行単位」モードではデフォルト) の場合、ユーザーの quitintr、および flush 文字はローカルでトラップされ、リモート側には TELNET プロトコルシーケンスとして送信されます。「行モード」が一度でも有効になっていると、ユーザーの suspeofTELNET プロトコルシーケンスとして送信されます。このとき、quitBREAK ではなく、TELNET ABORT として送信されます。toggle autoflush および toggle autosynch オプションを指定すると、この処理によって、(リモートホストが TELNET シーケンスを確認するまで) 後続の端末への出力がフラッシュされたり、quitintr の場合はそれまでの端末への入力がフラッシュされます。

リモートホストとの接続中に、ユーザーは telnet エスケープ文字 (初期値は ^]) を入力することで、telnet コマンドモードに入ることができます。コマンドモードでは、通常の端末編集規則が利用できます。telnet コマンドプロンプトで RETURN を押すと、コマンドモードが終了します。

オプション

サポートしているオプションは、次のとおりです。

–8

8 ビットデータパスを指定します。入力と出力の両方に対して、TELNET BINARY オプションを用いるようにネゴシエーションが試みられます。

–a

自動ログインを試みます。これにより、ENVIRON オプションの USER 変数によってユーザー名が送信されます (リモートシステムでサポートされている場合)。使用される名前は、現在のユーザー ID と適合する場合は、getlogin(3C) によって返される現在のユーザーの名前になります。それ以外の場合は、ユーザー ID に関連付けられた名前になります。

–c

ユーザーの telnetrc ファイルの読み取りを無効にします。(このリファレンスページの toggle skiprc コマンドを参照してください。)

–d

debug トグルの初期値を TRUE に設定します。

–e escape_char

エスケープ文字の初期値を escape_char に設定します。escape_char は、^ (Control キー) とそれに続く 1 文字から成る 2 文字のシーケンスにすることも可能です。2 番目の文字が ? の場合、DEL 文字が選択されます。それ以外の場合、2 番目の文字は制御文字に変換され、エスケープ文字として使われます。escape_char が NULL 文字列 (つまり、–e '') として定義された場合、これは –e '^@' (Control-@) と同等です。エスケープ文字にできる文字がないことを指定するには、–E オプションを使用します。

–E

すべての文字が、エスケープ文字として認識されなくなります。

–f

ローカルの資格情報のコピーをリモートシステムに転送します。

–F

転送可能なローカルの資格情報のコピーをリモートシステムに転送します。

–k realm

Kerberos 認証を使用している場合、krb5.conf(4) で定められたリモートホストのデフォルトのレルムではなく、realm で指定されたリモートホスト用のチケットを telnet が取得するようにリクエストします。

–K

リモートシステムへの自動ログインを行わないことを指定します。

–l user

リモートシステムが ENVIRON オプションを解釈できる場合、リモートシステムへの接続時に、ENVIRON オプションの USER 変数の値として user がリモートシステムに送信されます。

–L

出力に対して 8 ビットデータパスを指定します。これにより、出力に対して BINARY オプションを用いるようにネゴシエーションが行われます。

–n tracefile

トレース情報を記録するために tracefile を開きます。後述の set tracefile コマンドを参照してください。

–r

rlogin に似たユーザーインタフェースを指定します。このモードでは、エスケープ文字はチルダ (~) 文字に設定されます。ただし、–e オプションで変更された場合を除きます。rlogin のエスケープ文字は、キャリッジリターンの直後に入力された場合にのみ認識されます。このモードでも、telnet コマンドの前に telnet のエスケープ文字 (通常は「^]」) を入力する必要があります。また、rlogin のエスケープ文字に続けて「 .\r」を入力すると接続を閉じることができ、「^Z」を入力すると接続を中断できます (rlogin(1) と同様)。このオプションは不確実なインタフェースであり、将来変更されることがあります。

–x

データストリームの暗号化を有効にします。このオプションが有効になっていると、認証のネゴシエーションが行えない場合または暗号化を有効にできない場合に telnet はエラーを表示して終了します。

–X atype

atype タイプの認証を無効にします。

使用法

telnet コマンド

このセクションでは、telnet で使用できるコマンドについて説明します。各コマンドは、そのコマンドであることを識別するのに十分なだけの文字数を入力すれば済みます。(これは、modesettoggleunsetenviron、および display の各コマンドの引数についても同様です。)

auth argument ...

auth コマンドは、TELNET AUTHENTICATE オプションを通じて送信される情報を操作します。auth コマンドの有効な引数は次のとおりです。

disable type

指定されたタイプの認証を無効にします。指定できるタイプの一覧を表示するには、auth disable ? コマンドを使用します。

enable type

指定されたタイプの認証を有効にします。指定できるタイプの一覧を表示するには、auth enable ? コマンドを使用します。

status

さまざまな認証タイプの現在のステータスを一覧表示します。

open [–l user ] [ [!] @hop1 [@hop2 ...]@host [ port ]

指定されたホストに接続します。ポート番号を指定しない場合、telnet はデフォルトポートの TELNET サーバーに接続を試みます。ホストの指定は、ホスト名 (hosts(4) を参照) でも、「ドット表記」で指定したインターネットアドレス (inet(7P) または inet6(7P) を参照) でもかまいません。host@hop1@hop2@host と指定された場合、host への接続はルーズソースルーティングを使って、ホスト hop1hop2 を経由して行われます。@ は、指定するホスト間の区切り記号として必須です。IPv4 の使用時に先頭に ! を付けると、ストリクトソースルーティングに従って接続が行われます。

–l オプションは、ENVIRON オプションの USER 変数の値として user をリモートシステムに送信します。

close

開いている TELNET セッションがある場合は閉じます。EOF (コマンドモードで入力) も同様にセッションを閉じて終了します。

encrypt

encrypt コマンドは、TELNET ENCRYPT オプションを通じて送信される情報を操作します。

encrypt コマンドの有効な引数は次のとおりです。

disable type [input|output]

指定された暗号化タイプを無効にします。input と output を省略した場合は、入力と出力の両方で無効になります。指定できるタイプの一覧を表示するには、encrypt disable ? コマンドを使用します。

enable type [input|output]

指定された暗号化タイプを有効にします。input と output を省略した場合は、入力と出力の両方で有効になります。指定できるタイプの一覧を表示するには、encrypt enable ? コマンドを使用します。

input

これは encrypt start input コマンドと同じです。

-input

これは encrypt stop input コマンドと同じです。

output

これは encrypt start output コマンドと同じです。

-output

これは encrypt stop output コマンドと同じです。

start [input|output]

暗号化の開始を試みます。input と output を省略した場合は、入力と出力の両方で有効になります。指定できるタイプの一覧を表示するには、encrypt enable ? コマンドを使用します。

status

現在の暗号化のステータスを一覧表示します。

stop [input|output]

暗号化を停止します。input と output を省略した場合は、入力と出力の両方で暗号化が停止されます。

type type

あとの encrypt start または encrypt stop コマンドで使用されるデフォルトの暗号化タイプを設定します。

quit

close と同じです。

z

telnet を中断します。このコマンドは、ジョブ制御をサポートするシェル ( sh(1) など) をユーザーが使用している場合にのみ機能します。

mode type

要求されたモードに移行できるかどうかをリモートホストに問い合わせます。リモートホストがそのモードに移行できる場合は、要求されたモードに移行します。引数 type には次のいずれかを指定します。

character

TELNET LINEMODE オプションを無効にします。リモート側が LINEMODE オプションを解釈できない場合は、「文字単位」モードに移行します。

line

TELNET LINEMODE オプションを有効にします。リモート側が LINEMODE オプションを解釈できない場合は、「旧行単位」モードへの移行を試みます。

isig (–isig)

LINEMODE オプションの TRAPSIG モードを有効 (無効) にしようとします。このためには、LINEMODE オプションが有効になっている必要があります。

edit (–edit)

LINEMODE オプションの EDIT モードを有効 (無効) にしようとします。このためには、LINEMODE オプションが有効になっている必要があります。

softtabs (–softtabs)

LINEMODE オプションの SOFT_TAB モードを有効 (無効) にしようとします。このためには、LINEMODE オプションが有効になっている必要があります。

litecho (–litecho)

LINEMODE オプションの LIT_ECHO モードを有効 (無効) にしようとします。このためには、LINEMODE オプションが有効になっている必要があります。

?

mode コマンドのヘルプ情報を表示します。

status

telnet の現在のステータスを表示します。これには、現在のモードだけでなく、接続されている相手側も含まれます。

display

[argument . . . ] set および toggle 値のすべてまたは一部を表示します (toggle argument. . . を参照)。

?

[command] ヘルプを表示します。引数を付けない場合、telnet はヘルプのサマリーを表示します。コマンドを指定した場合、telnet はそのコマンドのヘルプ情報だけを表示します。

send argument . . .

1 つ以上の特殊文字シーケンスをリモートホストに送信します。指定できる引数は次のとおりです (一度に複数の引数を指定することもできます)。

escape

現在の telnet エスケープ文字 (初期値は ^]) を送信します。

synch

TELNET SYNCH シーケンスを送信します。このシーケンスにより、リモートシステムでそれまでに打ち込まれた入力 (ただし、まだ読み取られていないもの) がすべて破棄されます。このシーケンスは、TCP 緊急データとして送信され、リモートシステムが 4.2 BSD システムの場合は機能しないことがあります。機能しない場合は、端末に小文字の「r」がエコーされます。

brk または break

TELNET BRK (Break) シーケンスを送信します。これは、リモートシステムにとって重要な意味を持つ場合があります。

ip

TELNET IP (Interrupt Process) シーケンスを送信します。これにより、リモートシステムで現在実行されているプロセスが中止されます。

abort

TELNET ABORT (Abort Process) シーケンスを送信します。

ao

TELNET AO (Abort Output) シーケンスを送信します。これにより、リモートシステムからユーザーの端末へのすべての出力がフラッシュされます。

ayt

TELNET AYT (Are You There) シーケンスを送信します。リモートシステムは、このシーケンスに応答する場合も応答しない場合もあります。

ec

TELNET EC (Erase Character) シーケンスを送信します。これにより、最後に入力された文字が消去されます。

el

TELNET EL (Erase Line) シーケンスを送信します。これにより、リモートシステムは現在入力中の行を消去します。

eof

TELNET EOF (End Of File) シーケンスを送信します。

eor

TELNET EOR (End Of Record) シーケンスを送信します。

ga

TELNET GA (Go Ahead) シーケンスを送信します。これは、おそらくリモートシステムにとって意味がありません。

getstatus

リモート側が TELNET STATUS コマンドをサポートしている場合、getstatus はサブネゴシエーションを送信して、現在のオプションのステータスを送るようにサーバーに要求します。

nop

TELNET NOP (No Operation) シーケンスを送信します。

susp

TELNET SUSP (Suspend Process) シーケンスを送信します。

do option
dont option
will option
wont option

指定された TELNET プロトコルオプションのネゴシエーションを送信します。option には、プロトコルオプションのテキスト名を指定することも、オプションに対応する番号を指定することもできます。指定されたオプションのネゴシエーションが現在の状態で有効でない場合、このコマンドはそのまま無視されます。optionhelp または ? と指定された場合は、既知のオプション名の一覧が表示されます。このコマンドは主に、通常あまり見られないデバッグの状況で役立ちます。

?

send コマンドのヘルプ情報を表示します。

set argument [value]
unset argument

telnet 変数の 1 つを特定の値に設定します。特殊な値 off は、変数に関連付けられている機能をオフにします。変数の値は、display コマンドを使って調べることができます。value を省略した場合、値は真 (つまり「on」) と見なされます。unset 形式を使用した場合、値は偽 (つまり off) と見なされます。指定できる変数は次のとおりです。

echo

これは、「行単位」モードのとき、入力された文字を通常の処理としてローカルでエコーするか、入力された文字のエコーを抑制するか (パスワードが入力された場合など) を切り替える値です (初期値は ^E)。

escape

これは、リモートシステムに接続されているときに、telnet コマンドモードに入るための telnet エスケープ文字です (初期値は ^])。

interrupt

telnetlocalchars モード (togglelocalchars を参照) にある場合に、interrupt 文字が入力されると、TELNET IP シーケンス (sendip を参照) がリモートホストに送信されます。interrupt 文字の初期値は、端末の intr 文字になります。

quit

telnetlocalchars モードにある場合に、quit 文字が入力されると、TELNET BRK シーケンス (sendbrk を参照) がリモートホストに送信されます。quit 文字の初期値は、端末の quit 文字になります。

flushoutput

telnetlocalchars モードにある場合に、flushoutput 文字が入力されると、TELNET AO シーケンス (sendao を参照) がリモートホストに送信されます。flushoutput 文字の初期値は、端末の flush 文字になります。

erase

telnetlocalchars モードにあり、かつ「文字単位」モードで動作している場合に、erase 文字が入力されると、TELNET EC シーケンス (sendec を参照) がリモートシステムに送信されます。erase 文字の初期値は、端末の erase 文字になります。

kill

telnetlocalchars モードにあり、かつ「文字単位」モードで動作している場合に、kill 文字が入力されると、TELNET EL シーケンス (sendel を参照) がリモートシステムに送信されます。kill 文字の初期値は、端末の kill 文字になります。

eof

telnet が「行単位」モードで動作している場合に、eof 文字を行の先頭文字として入力すると、この文字がリモートシステムに送信されます。eof の初期値は、端末の eof 文字になります。

ayt

telnetlocalchars モードにあるか、LINEMODE が有効になっている場合に、ステータス文字が入力されると、TELNET AYT (Are You There) シーケンスがリモートホストに送信されます。(前述の sendayt を参照してください。)ayt の初期値は、端末のステータス文字になります。

forw1
forw2

telnetLINEMODE で動作している場合に、forw1 文字または forw2 文字が入力されると、行の一部がリモートシステムに転送されます。転送文字の初期値は、端末の eol 文字と eol2 文字になります。

lnext

telnetLINEMODE または「旧行単位」モードで動作している場合、lnext 文字は端末の lnext 文字と見なされます。lnext 文字の初期値は、端末の lnext 文字になります。

reprint

telnetLINEMODE または「旧行単位」モードで動作している場合、reprint 文字は端末の reprint 文字と見なされます。reprint の初期値は、端末の reprint 文字になります。

rlogin

これは、rlogin のエスケープ文字です。これを設定すると、行頭でこの文字の直後に置かれている場合を除いて、telnet の通常のエスケープ文字は無視されます。行頭で rlogin 文字のあとに「.」を続けると、接続が閉じられます。「^Z」を続けると、rlogin コマンドは telnet コマンドを中断します。初期状態では、rlogin のエスケープ文字は無効になっています。

start

TELNET TOGGLE-FLOW-CONTROL オプションが有効になっている場合、start 文字は端末の start 文字になります。start 文字の初期値は、端末の start 文字になります。

stop

TELNET TOGGLE-FLOW-CONTROL オプションが有効になっている場合、stop 文字は端末の stop 文字になります。stop 文字の初期値は、端末の stop 文字になります。

susp

telnetlocalchars モードにあるか、LINEMODE が有効になっている場合に、suspend 文字が入力されると、TELNET SUSP シーケンス (前述の sendsusp を参照) がリモートホストに送信されます。suspend 文字の初期値は、端末の suspend 文字になります。

tracefile

これは、netdata または debug オプションが TRUE の場合に出力が書き込まれるファイルです。tracefile が「-」に設定されている場合は、トレース情報が標準出力に書き込まれます (デフォルト)。

worderase

telnetLINEMODE または「旧行単位」モードで動作している場合、この文字は端末の worderase 文字と見なされます。worderase 文字の初期値は、端末の worderase 文字になります。

?

有効な set および unset コマンドを表示します。

slc state

slc (Set Local Characters) コマンドは、TELNET LINEMODE オプションが有効な場合に、特殊文字の状態を設定または変更するために使われます。特殊文字とは、TELNET コマンドシーケンスにマップされる文字 (ipquit など) または行編集文字 (erasekill など) のことです。デフォルトでは、ローカルの特殊文字はエクスポートされます。state の有効な値は次のとおりです。

check

現在の特殊文字の設定を検証します。リモート側に、現在の特殊文字の設定をすべて送信するように要求します。ローカル側との間に食い違いがある場合は、ローカル側の設定をリモート側の値に切り替えます。

export

特殊文字をローカル側のデフォルト文字に切り替えます。ローカル側のデフォルト文字とは、telnet が起動したときのローカル端末の特殊文字です。

import

特殊文字をリモート側のデフォルト文字に切り替えます。リモート側のデフォルト文字とは、TELNET 接続が確立されたときのリモートシステムの特殊文字です。

?

slc コマンドのヘルプ情報を表示します。

toggle argument...

telnet がイベントにどのように応答するかを制御する各種フラグを TRUEFALSE の間で切り替えます。複数の引数を指定できます。これらのフラグの状態は、display コマンドを使って調べることができます。有効な引数は次のとおりです。

authdebug

認証コードのデバッグ情報を有効にします。

autodecrypt

TELNET ENCRYPT オプションのネゴシエーションが行われるときに、デフォルトではデータストリームの実際の暗号化 (復号化) は自動的に開始されません。autoencrypt (autodecrypt) コマンドは、出力 (入力) ストリームの暗号化ができるだけ早く有効になるようにします。

autologin

リモート側で TELNET AUTHENTICATION オプションがサポートされている場合、telnet はそのオプションを使って自動認証を行おうとします。AUTHENTICATION オプションがサポートされていない場合は、TELNET ENVIRON オプションを通じてユーザーのログイン名が渡されます。このコマンドは、open コマンドで –a オプションを指定するのと同じです。

autoflush

autoflushlocalchars がどちらも TRUE の場合に、aointr、または quit 文字が認識され、TELNET シーケンスに変換されると (詳細は set を参照)、それらの TELNET シーケンスが処理されたことが (TELNET Timing Mark オプションを使って) リモートシステムで確認されるまで、telnet はユーザーの端末にデータを何も表示しません。端末ユーザーが「stty noflsh」を実行していない場合、このトグルの初期値は TRUE になります。それ以外の場合は、FALSE になります (stty(1) を参照)。

autosynch

autosynchlocalchars の両方が TRUE の場合に、interrupt 文字または quit 文字が入力されると (interruptquit については、set を参照)、結果として送信される TELNET シーケンスのあとに TELNET SYNCH シーケンスが続きます。この手順により、リモートシステムは、この両方の TELNET シーケンスが読み取られて処理が完了するまで、それまでに打ち込まれたすべての入力を破棄するはずです。このトグルの初期値は FALSE です。

binary

入力と出力の両方に対して、TELNET BINARY オプションを有効または無効にします。

inbinary

入力に対して、TELNET BINARY オプションを有効または無効にします。

outbinary

出力に対して、TELNET BINARY オプションを有効または無効にします。

crlf

キャリッジリターンがどのように送信されるかを決めます。この値が TRUE の場合、キャリッジリターンは <CR><LF> として送信されます。この値が FALSE の場合、キャリッジリターンは <CR><NUL> として送信されます。このトグルの初期値は FALSE です。

crmod

RETURN モードを切り替えます。このモードが有効の場合、リモートホストから受信したほとんどの RETURN 文字は RETURN LINEFEED にマップされます。このモードは、ユーザーの入力した文字には影響せず、リモートホストから受信した文字だけに影響します。このモードは、リモートホストがLINEFEED を送信せずに RETURN だけを送信する場合にのみ役立ちます。このトグルの初期値は FALSE です。

debug

ソケットレベルのデバッグを切り替えます (スーパーユーザーのみ利用可能)。このトグルの初期値は FALSE です。

encdebug

暗号化コードのデバッグ情報を有効にします。

localchars

このトグルが TRUE の場合、flushinterruptquiterase、および kill 文字 (set を参照) はローカルで認識され、対応する TELNET 制御シーケンス (それぞれ aoipbrkec、および elsend を参照) に変換されます。このトグルの初期値は、「行単位」モードでは TRUE、「文字単位」モードでは FALSE です。LINEMODE オプションが有効の場合、localchars の値は無視され、常に TRUE と見なされます。LINEMODE が一度でも有効になっていると、quitabort として送信され、eofsuspendeofsusp として送信されます (前述の send を参照)。

netdata

すべてのネットワークデータ (16 進形式) の表示を切り替えます。このトグルの初期値は FALSE です。

options

一部の内部 TELNET プロトコル処理 (telnet オプションに関係がある) の表示を切り替えます。このトグルの初期値は FALSE です。

prettydump

netdata トグルが有効の場合に、prettydump を有効にすると、netdata コマンドの出力がユーザーにとってより読みやすい形式になります。出力内のそれぞれの文字の間にスペースが挿入されます。TELNET エスケープシーケンスの先頭にアスタリスク (*) を付けて、それらを見つけやすくします。

skiprc

skiprc トグルが TRUE の場合、TELNET は、接続が開かれるときに、ユーザーのホームディレクトリにある .telnetrc ファイルの読み取りをスキップします。このトグルの初期値は FALSE です。

termdata

すべての端末データ (16 進形式) の表示を切り替えます。このトグルの初期値は FALSE です。

verbose_encrypt

verbose_encrypt フラグが TRUE の場合、TELNET は暗号化が有効または無効になるたびにメッセージを表示します。このトグルの初期値は FALSE です。

?

有効な toggle コマンドを表示します。

environ argument . . .

environ コマンドは、TELNET ENVIRON オプションを通じて送信される変数を操作するために使われます。変数の初期値のセットは、ユーザーの環境から取得されます。DISPLAY 変数と PRINTER 変数だけはデフォルトでエクスポートされます。environ コマンドの有効な引数は次のとおりです。

define variable value

変数 variable が値 value を持つように定義します。このコマンドで定義された変数はすべて自動的にエクスポートされます。value は単一引用符または二重引用符で囲んでも構わないため、タブやスペースを含めることができます。

undefine variable

変数 variable を環境変数のリストから削除します。

export variable

変数 variable がリモート側にエクスポートされるようにマークします。

unexport variable

変数 variable が、リモート側から明示的に要求されないかぎり、リモート側にエクスポートされないようにマークします。

list

現在の環境変数のセットを一覧表示します。アスタリスク (*) でマークされた変数は自動的に送信されます。その他の変数は、明示的に要求された場合にのみ送信されます。

?

environ コマンドのヘルプ情報を表示します。

logout

telnet logout オプションをリモート側に送信します。このコマンドは、close コマンドに似ています。ただし、リモート側が logout オプションをサポートしていない場合は何も行われません。リモート側が logout オプションをサポートしている場合は、このコマンドにより、リモート側は TELNET 接続を閉じます。リモート側が、あとで再接続するためにユーザーのセッションを中断するという概念もサポートしている場合、logout 引数は、ただちにセッションを終了するようにリモート側に指示します。

ファイル

$HOME/.telnetrc

telnet セッションを開始する前に実行されるコマンドを記述するファイル

属性

属性についての詳細は、マニュアルページの attributes(5) を参照してください。

属性タイプ
属性値
使用条件
network/telnet

関連項目

rlogin(1), sh(1), stty(1), getlogin(3C), hosts(4), krb5.conf(4), nologin(4), telnetrc(4), attributes(5), inet(7P), inet6(7P)

診断

NO LOGINS: System going down in N minutes

マシンがシャットダウンの処理中であり、ログインが無効になっています。

リモートシステムによっては、「行単位」モードのときに手動でエコーをオフにする必要があります。

「旧行単位」モードまたは LINEMODE では、端末の EOF 文字は、それが行頭にある場合にのみ認識 (およびリモートシステムに送信) されます。

telnet プロトコルは、セッションの保護にシングル DES だけを使用します。クライアントはシングル DES セッション鍵を使ってサービスチケットを要求します。KDC は、telnet サービスを提供するホストサービスの主体がシングル DES をサポートしていることを認識している必要があり、実際にこれは、そのような主体がシングル DES 鍵を KDC データベース内に持っている必要があることを意味します。