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Oracle® Solaris カーネルゾーンの作成と使用

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更新: 2018 年 8 月
 
 

カーネルゾーンでの仮想 LAN の構成

    Ethernet ベースの anet リソースを使用すれば、カーネルゾーンの内側に VNIC を作成し、それらが独自の仮想 LAN (VLAN) に含まれるように構成できます。

  • vlan リソースを使用すると、既存の anet リソースに VLAN ID (VID) を追加して、新しい VLAN を作成できます。anet および vlan リソースタイプの詳細については、Oracle Solaris Zones Configuration Resources の Configurable Resource Types and Global Propertiesを参照してください。

  • vlan リソースタイプは、カーネルゾーンを VLAN 対応のものにします。ホストシステムは、これらの VLAN 宛てのパケットを、VLAN タグを取り除かないままカーネルゾーンに転送します。その後、カーネルゾーンはそのパケットを正しいネットワーククライアントに転送します。

データの送信時に、これらの VLAN からのパケットはカーネルゾーンによってタグが付けられて、ホストに渡されます。ホストでは、宛先 MAC に基づいて、タグを削除せずにパケットを転送します。


注 -  anet 用の VLAN を追加する前に、anet 用の vlan-id (ポート VID または PVID と呼ばれる) を指定する必要はありません。PVID が設定されていない場合は、ゾーンの MAC アドレスと一致する、タグの付いていないすべてのパケットがホストのゾーンに渡されます。
使用例 19  追加の VLAN を使用したカーネルゾーンの構成

mac-address 0:1:2:3:4:5、PVID 11、および 2 つの追加の VID 4546 を使用して、kzone0 を構成します。

global$ pfbash zonecfg -z kzone0
zonecfg:kzone0> create -t SYSsolaris-kz
zonecfg:kzone0> select anet id=0
zonecfg:kzone0> set mac-address=0:1:2:3:4:5
zonecfg:kzone0:anet> set vlan-id=11
zonecfg:kzone0:anet> add vlan
zonecfg:kzone0:anet:vlan> set vlan-id=45
zonecfg:kzone0:anet:vlan> end
zonecfg:kzone0:anet> add vlan
zonecfg:kzone0:anet:vlan> set vlan-id=46
zonecfg:kzone0:anet:vlan> end
zonecfg:kzone0:anet> info vlan
    vlan 0:
        vlan-id: 45
    vlan 1:
        vlan-id: 46
zonecfg:kzone0:anet> end
zonecfg:kzone0> commit ; exit

ゾーンがインストールされてブートされたあと、dladm show-vnic コマンドによって次の出力が表示されます。

global$ dladm show-vnic
LINK               OVER     SPEED  MACADDRESS    MACADDRTYPE   IDS
kzone0/net0        net4     10000  0:1:2:3:4:5   fixed         VID:11,45,46

    これで、ホストシステム global の仮想スイッチが、次の mac-address, vlan-id タプルを使用してフレームを処理するように構成されました。

  • 0:1:2:3:4:5, 11

  • 0:1:2:3:4:5, 45

  • 0:1:2:3:4:5, 46

0:1:2:3:4:5, 11 タプルで到着したフレームは、システム global によって VID が削除されてカーネルゾーン kzone0 に渡されるので、kzone0 で VID 11 タグが認識されることはありません。0:1:2:3:4:5, 450:1:2:3:4:5, 46 が指定されたフレームは、それぞれ VID 4546 のタグが付いたまま kzone0 に渡されます。

VID が 45 の VLAN データリンク vlan45kzone0 内にある場合、kzone0 の仮想スイッチはフレームから VID 45 を削除して、フレームを vlan45 に渡します。kzone0vlan45 データリンクから送出されたフレームはすべて、kzone0 の仮想スイッチによってタグ付けされ、ホストの anet に渡されます。ホスト anet は、送信する NIC にフレームを直接渡します。

使用例 20  カーネルゾーンでサポートされている VLAN ID の一覧の表示

カーネルゾーンの内側で、dladm show-phys -v コマンドを使用して、物理データリンクでサポートされている VLAN ID を特定します。

global$ zlogin kzone0
kzone0$ dladm show-phys -v
LINK    VID   INUSE  CLIENT
net0    40    yes    vnic0,vnic1
        20    no     --
        15    yes    vnic2
net1    32    no     --
        11    no     --
        10    no     --