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Oracle® Solaris カーネルゾーンの作成と使用

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更新: 2018 年 8 月
 
 

カーネルゾーン退避について

カーネルゾーン退避は、実行中のすべてのカーネルゾーンをシステム外へ一度にライブ移行する処理であり、オプションで、それらのゾーンをあとでシステムに戻すこともできます。すべてのカーネルゾーンをホストシステムからほかのシステムに一時的にライブ移行すれば、ホストシステムで保守を実行する際に、それらのカーネルゾーン内で実行されているアプリケーションを停止する必要がなくなります。オプションで、実行中でないカーネルゾーンと installed 状態の solaris ゾーンを含む、すべてのゾーンを退避することもできます。

退避では、宛先へのゾーンの移行の調整や実行に Remote Administration Daemon (RAD) が使用されるので、ソースホストとターゲットホストで RAD サービスが実行されている必要があります。RAD の詳細については、rad(8) のマニュアルページを参照してください。

カーネルゾーン退避のステップ

    カーネルゾーン退避の手順概要:

  1. ソースホストとターゲットホストで要件が満たされていることを確認します。

    カーネルゾーン退避の要件を参照してください。

  2. 移行する各カーネルゾーンの宛先ホストを設定するため、SMF サービスのプロパティーを設定します。

    カーネルゾーン退避用のターゲットホストの設定を参照してください。

  3. ソースホストを保守モードに切り替え、実行中でないゾーンについて接続、ブート、または移行の受け入れが発生しないようにします。

    カーネルゾーン退避の準備としての保守モードの設定を参照してください。

  4. evacuate コマンドを実行し、実行中のカーネルゾーンを事前に設定された宛先に移行します。

    カーネルゾーンの退避を参照してください。

  5. ソースホストでシステムの保守を実行し、リブートします。

  6. ソースホストシステムで保守モードを終了します。

    カーネルゾーン退避後の保守モードの終了を参照してください。

  7. 必要であれば、退避されたゾーンをソースホストに戻します。また退避は、新しいホストにゾーンを永続的に移行するためにも使用できます。

    退避されたカーネルゾーンを元のシステムに戻すを参照してください。

sysadm ユーティリティーと Oracle Solaris カーネルゾーン

    sysadm ユーティリティーではすべての退避タスクを実行できます。

  • ゾーンへの接続、ゾーンのブート、または移行ゾーンの受け入れを禁止する保守モードにシステムを切り替えることで、移行の準備を整えるには、sysadm maintain コマンドを使用します。

  • 退避操作でゾーンの実際の移行を実行するには、sysadm evacuate コマンドを使用します。

完全な情報については、sysadm(8) のマニュアルページを参照してください。

sysadm maintain コマンド

sysadm maintain コマンドで使用できるオプションは、次のとおりです。

–e

保守モードを終了します。

–l

保守モードの現在のステータスを表示します。

–m "message-text"

保守の理由などを示すために指定できるメッセージ。

–s

保守モードを開始し、ソースホスト上で新しいゾーンが実行されないようにします。

保守状態はシステムをリブートしても持続し、すべてのブート環境に適用されるので、sysadm maintain -e コマンドを使用して明示的に保守モードを終了させる必要があります。

sysadm evacuate コマンド

sysadm evacuate コマンドで使用できるオプションは、次のとおりです。

–a

すべてのゾーン、つまり実行中でないゾーンと実行中のゾーンの両方、が退避されます。

–n

退避がどのように実行されるかを示すための、退避の実行されない予行演習。

–q

エラーのみを表示する非冗長出力。

–r

退避されたゾーンをソースホストに戻します。

–v

退避の進捗を表示する冗長出力。