Oracle ZFS Storage Appliance の概要
Oracle ZFS Storage Appliance の構成
BUI を使用した LACP 集計リンクインタフェースの作成
プローブベースのリンク状態障害検出を使用した IPMP グループの作成
リンク状態のみの障害検出を使用した IPMP グループの作成
BUI を使用した InfiniBand パーティションのデータリンクとインタフェースの作成
BUI を使用したクラスタ化されたコントローラでの VLAN ID なしの VNIC の作成
BUI を使用したクラスタ化されたコントローラでの同じ VLAN ID の VNIC の作成
CLI を使用したマルチホーミングプロパティーの「厳しい」への変更
BUI を使用した LUN と FC イニシエータグループの関連付け
CLI を使用した LUN と FC イニシエーターグループの関連付け
CLI を使用したイニシエータとイニシエータグループの別名のスクリプト作成
CLI を使用した自動生成の IQN を持つ iSCSI ターゲットの追加
CLI を使用した RADIUS 認証を使用する特定の IQN を持つ iSCSI ターゲットの追加
CLI を使用した CHAP 認証を使用する iSCSI イニシエータの追加
BUI を使用した、ダッシュボードの表示のみが可能なユーザーの追加
Oracle ZFS Storage Appliance の設定
IP マルチパスグループは、IP インタフェースの障害 (物理的な回線の切断や、ネットワークデバイスとスイッチの間の接続の障害など) が発生した場合、またはシステムとネットワークゲートウェイの間のパスの障害が発生した場合でも引き続き使用できる IP アドレスを提供するために使用されます。システムは、下記で説明するように、IP インタフェースの基になるデータリンクのリンクアップおよびリンクダウン通知をモニタリングしたり、オプションでグループ内の各 IP インタフェースに割り当てることができるテストアドレスを使用してプローブしたりすることによって障害を検出します。IPMP グループには、すべてが同じリンク (LAN、IB パーティション、または VLAN) 上に存在するかぎり任意の数の IP インタフェースを設定でき、また任意の数の高可用性アドレスを割り当てることができます。
IPMP グループ内の各 IP インタフェースは、アクティブまたは スタンバイのどちらかに指定されます。
アクティブ: この IP インタフェースは、IPMP によって正しく機能していると判断されるかぎり、データを送受信するために使用されます。
スタンバイ: この IP インタフェースは、アクティブインタフェース (または、以前にアクティブ化されたスタンバイ) が機能を停止した場合にのみ、データを送受信するために使用されます。
アクティブおよびスタンバイ IP インタフェースは複数構成できますが、各 IPMP グループには、少なくとも 1 つのアクティブ IP インタフェースが構成されている必要があります。IPMP は、構成された数のアクティブインタフェースを保持するために、必要な数のスタンバイをアクティブにしようとします。たとえば、IPMP グループに 2 つのアクティブインタフェースと 2 つのスタンバイインタフェースが構成されており、すべてのインタフェースが正しく機能している場合は、2 つのアクティブインタフェースのみがデータを送受信に使用されます。アクティブインタフェースに障害が発生した場合は、いずれかのスタンバイインタフェースがアクティブ化されます。ほかのアクティブインタフェースに障害が発生した (または、アクティブ化されたスタンバイに障害が発生した) 場合は、2 番目のスタンバイインタフェースがアクティブ化されます。そのあと、アクティブインタフェースが修復された場合は、スタンバイインタフェースがもう一度非アクティブ化されます。
IP インタフェースの障害は、リンクベースの検出またはプローブベースの検出 (つまり、テストアドレスが構成されている) で発見できます。
IP インタフェース上でプローブベースの障害検出が有効になっている場合、システムは、プローブするターゲットシステムを動的に決定します。最初に、IP インタフェースのテストアドレスと同じサブネット上にゲートウェイ (ルーター) がないかどうかルーティングテーブルがスキャンされ、最大 5 つが選択されます。同じサブネット上にゲートウェイが見つからない場合、システムはマルチキャスト ICMP プローブを (IPv4 の場合は 224.0.01、IPv6 の場合は ff02::1 に) 送信し、同じサブネット上の応答した最初の 5 つのシステムを選択します。そのため、IPMP を使用したネットワーク障害検出および修復のために、各リンク上の少なくとも 1 つの近傍ノードまたはデフォルトゲートウェイが ICMP エコーリクエストに応答することを確認してください。IPMP は、IPv4 と IPv6 の両方のアドレス構成で動作します。IPv6 の場合は、インタフェースのリンクローカルアドレスがテストアドレスとして使用されます。
システムは、選択されたターゲットシステムをラウンドロビン方式でプローブします。5 回のプローブに連続して応答がない場合、その IP インタフェースは障害が発生していると見なされます。逆に、10 回のプローブに連続して応答があった場合、システムは、以前に障害が発生した IP インタフェースを修復されたと見なします。システムの IPMP プローブ障害検出時間を、「IPMP」画面から設定できます。この時間によって、プローブの頻度と修復間隔が間接的に制御されます。たとえば、障害検出時間が 10 秒である場合、システムはおおよそ 2 秒間隔でプローブを送信すること、およびシステムがプローブベースのインタフェース修復を検出するには 20 秒かかることを示します。システムが選択したターゲットシステムを直接制御することはできませんが、ルーティングテーブルを介して間接的に制御することは可能です。
システムはルーティングテーブルをモニターし、必要に応じて、選択したターゲットシステムを自動的に調整します。たとえば、システムではマルチキャスト検出ターゲットを使用しているが、そのあと IP インタフェースのテストアドレスと同じサブネット上にゲートウェイを含むルートが追加された場合、システムはそのゲートウェイのプローブに自動的に切り替えます。同様に、マルチキャスト検出ターゲットがプローブされている場合、システムは一連の選択されたターゲットを定期的にリフレッシュします (たとえば、以前に選択されたターゲットの一部が応答しなくなっているため)。
IPMP グループを作成する手順については、IPMP の操作を参照してください。
プライベートローカルインタフェースの詳細は、クラスタ化の構成を参照してください。