as

- アセンブラ

形式

SPARC

as [-b] [-i] [-K {pic,PIC}] [-L] [-m] [-n] [-o outfile] 
     [-P] [-Dname] [-Dname=def] [-Ipath] [-Uname]... [-q] 
     [-Qy | n] [-s] [-S [a | b | c | l | A | B | C | L]] 
     [-T] [-V]
     [-xarch=v7 | -xarch=v8 | -xarch=v8a | -xarch=v8plus |
      -xarch=v8plusa | -xarch=v8plusb | -xarch=v8plusd |
      -xarch=v8plusv | -xarch=v9 | -xarch=v9a |
      -xarch=v9b | -xarch=v9d | -xarch=v9v] 
     [-xF] [-Y dirname] filename...

x86

as [-b] [-i] [-K PIC] [-L] [-m] [-n] [-o outfile] [-P] 
     [-Dname] [-Dname=def] [-Ipath] [-Uname]... [-Qy | n] 
     [-s] [-S [a | b | c | l | A | B | C | L]] [-T] [-V] 
     [-xarch=generic64 | -xarch=amd64] [-Y dirname] 
     [-xmodel= [ SMALL | KERNEL ]] filename...

機能説明

as コマンドは、アセンブリ言語ソースファイルからオブジェクトファイルを生成します。

オプション

共通オプション

次のフラグは、SPARC と x86 の両方に共通しています。これらのフラグは、任意の順序で指定できます。

-b

追加のシンボルテーブル情報を生成します。

-i

プリプロセッサからの行番号情報を無視します。

-K pic | PIC

位置独立型のコードを生成します。

-L

領域を節約するために通常は破棄される一時ラベルを含む、すべてのシンボルを ELF シンボルテーブルに保存します。

-m

アセンブラへの入力時に m4(1) マクロプロセッサを実行します。

-n

アセンブル実行時にすべての警告を抑制します。

-o outfile

アセンブリの出力を outfile に格納します。デフォルトでは、出力ファイル名は、入力ファイル名から .s 接尾辞 (もしあれば) を削除して、.o 接尾辞を付加することによって作成されます。

-P

アセンブル中のファイルに対して、C プリプロセッサ cpp(1) を実行します。このプリプロセッサは、入力ファイルを連結したものではなく、各入力ファイルに対して実行されます。このプリプロセッサによる出力結果はアセンブラに渡されます。

-Dname

-Dname=def

-P オプションが有効な場合、これらのオプションは、as コマンドでは解釈されずに cpp(1) プリプロセッサに渡されます。そうでない場合は無視されます。

-Ipath

-P オプションが有効な場合、このオプションは、as コマンドでは解釈されずに cpp(1) プリプロセッサに渡されます。そうでない場合は無視されます。

-Uname

-P オプションが有効な場合、このオプションは、as コマンドでは解釈されずに cpp(1) プリプロセッサに渡されます。そうでない場合は無視されます。

-Qy | n

y を指定した場合、このオプションは、出力オブジェクトファイルの注釈セクションにアセンブリバージョン情報を作成します。n を指定すると、情報は抑制されます。

-s

すべてのスタブを .stabs セクションに置きます。デフォルトでは、スタブは、静的リンカー ld(1) によって最終実行中に削除される stabs.excl セクションに置かれます。-s オプションを使用すると、.stab セクションが静的リンカーによって削除されないため、スタブは最終実行可能プログラム中に残ります。

-S[a|b|c|l|A|B|C|L]

発行されたコードの逆アセンブリを標準出力に送ります。次の各文字を -S オプションに付けると、次の処理が実行されます。

a

アドレスによる逆アセンブル

b

「.bof」による逆アセンブル

c

注釈による逆アセンブル

l

行番号による逆アセンブル

大文字を指定すると、対応するオプションのスイッチが無効になります。

-T

これは、5.x システムでアセンブルされる 4.x アセンブリファイル用の移行オプションです。このオプションを使用すると、4.x アセンブリファイルのシンボル名は、5.x シンボル名として解釈されます。

-V

実行されるアセンブラのバージョン番号を標準エラー出力に書き込みます。

-xF

Performance Analyzer を使用した関数の並べ替えを許可します。-xF オプションを指定してコンパイルしてから Performance Analyzer を実行した場合には、関数が最適な順序で並べ替えられたマップファイルを生成できます。そのあとに実行される実行可能プログラムを作成するためのリンクでは、リンカーの -M mapfile オプションを指定すると、そのマップファイルを使用するように指示できます。各関数は、実行可能ファイルから個別のセクションに配置されます。

-Y dirname

ディレクトリ m4 または cm4def (あるいは、その両方) を指定します。

SPARC だけのオプション

-q

高速アセンブリを実行します。-q オプションを使用すると、多くのエラー検査が実行されません。このオプションを指定すると、多くのエラー検査が無効になります。手書きのアセンブリ言語をアセンブルする場合には使用しないようにしてください。

-xarch=v7

このオプションはアセンブラに対して、SPARC バージョン 7 (V7) アーキテクチャで定義されている命令を受け入れるように指示します。この結果生成されるオブジェクトコードは、ELF 形式になります。

-xarch=v8

このオプションはアセンブラに対して、4 倍精度浮動小数点命令を除く、SPARC-V8 アーキテクチャで定義されている命令を受け入れるように指示します。この結果生成されるオブジェクトコードは、ELF 形式になります。

-xarch=v8a

このオプションはアセンブラに対して、4 倍精度浮動小数点命令および fsmuld 命令を除く、SPARC-V8 アーキテクチャで定義された命令を受け入れるように指示します。この結果生成されるオブジェクトコードは、ELF 形式になります。これは、-xarch=options のデフォルトの選択です。

-xarch=v8plus

このオプションはアセンブラに対して、4 倍精度浮動小数点命令を除く、SPARC-V9 アーキテクチャで定義されている命令を受け入れるように指示します。この結果生成されるオブジェクトコードは、ELF 形式になります。このオブジェクトコードは、Solaris V8 システム (V8 プロセッサを持つマシン) では実行できません。Solaris V8+ システムでは実行できます。これは、SPARC 64 ビットプロセッサと 32 ビット OS の組み合わせです。

-xarch=v8plusa

このオプションはアセンブラに対して、4 倍精度浮動小数点命令を除く、SPARC-V9 アーキテクチャで定義されている命令と、Visual Instruction Set (VIS) の命令を受け入れるように指示します。この結果生成されるオブジェクトコードは、V8+ ELF 形式になります。このオブジェクトコードは、Solaris V8 システム (V8 プロセッサを持つマシン) では実行できません。Solaris V8+ システムでは実行できます。

-xarch=v8plusb

このオプションはアセンブラに対して、UltraSPARC III 拡張機能を使用して、SPARC-V9 アーキテクチャで定義された命令と、Visual Instruction Set (VIS) の命令を受け入れることを可能にします。この結果生成されるオブジェクトコードは V8+ ELF32 形式となります。

-xarch=v8plusd

このオプションはアセンブラが、UltraSPARC Architecture 2009 で定義されている命令を受け入れることができるようにします。この結果生成されるオブジェクトコードは V8+ ELF32 形式となります。

-xarch=v8plusv

このオプションはアセンブラが、sun4v 仮想マシンモデルに対応した拡張機能を含む、UltraSPARC Architecture 2005 で定義されている命令を受け入れることができるようにします。 この結果生成されるオブジェクトコードは V8+ ELF32 形式となります。

-xarch=v9

このオプションは、命令セットを SPARC-V9 アーキテクチャに制限します。この結果生成される .o オブジェクトファイルは 64 ビット ELF 形式となり、同じ形式の他のオブジェクトファイルとのみリンクできます。生成された実行可能プログラムは、64 ビットカーネルを持つ 64 ビット Solaris を実行する 64 ビット SPARC プロセッサ上でのみ実行できます。

-xarch=v9a

このオプションは、命令セットを SPARC-V9 アーキテクチャに制限し、UltraSPARC プロセッサに固有の Visual Instruction Set (VIS) と拡張機能を追加します。この結果生成される .o オブジェクトファイルは 64 ビット ELF 形式となり、同じ形式の他のオブジェクトファイルとのみリンクできます。生成された実行可能プログラムは、64 ビットカーネルを持つ 64 ビット Solaris を実行する 64 ビット SPARC プロセッサ上でのみ実行できます。

-xarch=v9b

このオプションはアセンブラに対して、UltraSPARC III 拡張機能を使用して、SPARC-V9 アーキテクチャで定義された命令と、Visual Instruction Set (VIS) を受け入れることを可能にします。この結果生成される .o オブジェクトファイルは ELF64 形式となり、同じ形式の他の V9 オブジェクトファイルとのみリンクできます。生成された実行可能プログラムは、64 ビットカーネルを含む 64 ビット Solaris オペレーティング環境を実行する 64 ビットプロセッサ上でのみ実行できます。

-xarch=v9d

このオプションはアセンブラが、UltraSPARC Architecture 2009 で定義されている命令を受け入れることができるようにします。この結果生成されるオブジェクトコードは ELF64 形式となります。

-xarch=v9v

このオプションはアセンブラが、sun4v 仮想マシンモデルに対応した拡張機能を含む、UltraSPARC Architecture 2005 で定義されている命令を受け入れることができるようにします。この結果生成されるオブジェクトコードは ELF64 形式となります。

x86 だけのオプション

-xarch>=generic64

命令セットを AMD64 に制限します。この結果生成されるオブジェクトコードは、64 ビット ELF 形式になります。

-xarch=amd64

命令セットを AMD64 に制限します。この結果生成されるオブジェクトコードは、64 ビット ELF 形式になります。

-xmodel=[SMALL | KERNEL]

AMD64 の場合のみ、静的データアクセス用の R_X86_64_32S 再配置可能タイプを KERNEL の下に生成します。それ以外の場合、R_X86_64_32 を SMALL の下に生成します。デフォルトは SMALL です。

オペランド

次のオペランドがサポートされています。

filename

アセンブリ言語のソースファイル

環境変数

TMPDIR

as コマンドは通常、ディレクトリ /tmp に一時ファイルを作成します。環境変数 TMPDIR に選択したディレクトリを設定することにより、別のディレクトリを指定できます。(TMPDIR が有効なディレクトリではない場合、as は /tmp を使用します。)

ファイル

デフォルトでは、as は一時ファイルを /tmp に作成します。

属性

属性についての詳細は、attributes(5) を参照してください。

関連項目

cpp(1),ld(1), m4(1), nm(1), strip(1), tmpnam(3C), a.out(4), attributes(5)

Sun Studio のドキュメントでは、dbx と analyzer のマニュアルページを利用できます。

注意事項

m4(1) マクロプロセッサを起動する -m オプションを指定した場合、m4 はどのキーワードがアセンブラシンボルで、どのキーワードが実際の m4 マクロかを判断できません。そのため、m4 のキーワードを入力ファイルのシンボル (変数、関数、ラベル) として使用することはできません。

可能であれば、コンパイルシステムインタフェースプログラムを介して、アセンブラにアクセスしてください。

すべての未定義シンボルは、グローバルシンボルとして扱われます。