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マニュアルページセクション 1: ユーザーコマンド Oracle Solaris 11 Information Library (日本語) |
- 国際化ドメイン名 (IDN) エンコーディング変換ユーティリティー
idnconv [-i in-code | --in in-code | -f in-code | --from in-code] [-o out-code | --out out-code | -t out-code | --to out-code] [-a | --asciicheck | --ascii-check] [-A | --noasciicheck | --no-ascii-check] [-b | --bidicheck | --bidi-check] [-B | --nobidicheck | --no-bidi-check] [-l | --lengthcheck | --length-check] [-L | --nolengthcheck | --no-length-check] [-n | --nameprep] [-N | --nonameprep | --no-nameprep] [-u | --unassigncheck | --unassign-check] [-U | --nounassigncheck | --no-unassign-check] [-h | --help] [-v | --version] [file]...
idnconv は、指定されたテキストのコードセットまたはエンコーディングを変換します (該当する場合)。異なるオプションを使って変換を変えることができます。idnconv はファイルまたは標準入力から読み取り、結果を標準出力に書き込みます。
複数の IDN 名またはラベルを入力として指定する場合、POSIX ロケールのスペース文字または RFC 3490 に定義されたラベル区切り文字を使って名前やラベルを区切ることができます。
idnconv は主に、あるコードセットまたはエンコーディングの国際化ドメイン名を別のコードセットまたはエンコーディングに変換する場合に使用されます。たとえば、このユーティリティーを使うと、UTF-8 コードセットの IDN 名を ASCII 互換エンコーディング (ACE) でエンコードされた 7 ビット ASCII の IDN 名に変換できます。ほかのコードセット変換を実行する場合は、代わりに iconv(1) を使用してください。
次のオプションがサポートされています。
IDN 変換処理中に、ASCII 文字の範囲チェックを強制的に実行します。
これは、RFC 3490 に記述されている UseSTD3ASCIIRules フラグの設定と同じです。 ASCII 文字の範囲チェックについて詳しくは、idn_decodename(3EXT) および RFC 3490 を参照してください。これはデフォルトです。
IDN 変換処理中に、ASCII 文字の範囲チェックを実行しません。
これは、RFC 3490 に記述されている UseSTD3ASCIIRules フラグの設定解除と同じです。ASCII 文字の範囲チェックについて詳しくは、idn_decodename(3EXT) および RFC 3490 を参照してください。
IDN 変換処理中に、RFC 3491 および RFC 3454 で指定されている双方向文字列のチェックを強制的に実行します。
これはデフォルトです。
IDN 変換処理中に、RFC 3491 および RFC 3454 で指定されている双方向文字列のチェックを実行しません。
ユーティリティーおよびサポートされるオプションに関する情報を出力します。
その他のオプションおよびオペランドが存在しても、それらはすべて無視されます。
in-code 引数を使って入力コードセットを識別します。UTF-8 に変換可能なすべての iconv コード変換名を、in-code の値に使用できます。指定のない場合、現在のロケールのコードセットが入力のコードセットと見なされます。このユーティリティーは、実際の入力に含まれる個別の名前もチェックし、名前が ACE であれば、ACE がその名前の in-code と見なされます。
IDN 変換処理中に、ラベル長のチェックを強制的に実行します。
idn_decodename(3EXT) および RFC 3490 を参照してください。これにより、各ラベルの長さが 1 - 63 の範囲であることが保証されます。これはデフォルトです。
IDN 変換処理中に、ラベル長のチェックを実行しません。
idn_decodename(3EXT) および RFC 3490 を参照してください。
IDN 変換処理中に、RFC 3490、RFC 3491、および RFC 3454 に規定された Nameprep のステップを強制的に実行します。これはデフォルトです。
IDN 変換処理中に、Nameprep のステップを実行しません。Nameprep について詳しくは、idn_decodename(3EXT)、RFC 3490、RFC 3491、および RFC 3454 を参照してください。
out-code 引数を使って出力コードセットを識別します。
UTF-8 に変換可能なすべての iconv コード変換名を、out-code の値に使用できます。指定がない場合、現在のロケールのコードセットが出力コードセットと見なされます。in-code が ACE の場合、このユーティリティーは、実入力の名前を、出力コードセット内で非 ACE IDN 名に変換しようとします。
IDN 変換処理中に、未割り当て文字を強制的にチェックします。
これは、RFC 3490 に記述されている AllowUnassigned フラグの設定解除と同じです。このオプションは、格納のため、またはサーバーマシンに名前を付けるために IDN 名を変換する場合に役立ちます。未割り当て文字のチェックについて詳しくは、RFC 3490、RFC 3491、および RFC 3454 を参照してください。これはデフォルトです。
IDN 変換処理中に、未割り当て文字のチェックを実行しません。
これは、RFC 3490 に記述されている AllowUnassigned フラグの設定と同じです。このオプションは、IDN 名を変換してクエリーを行う場合に役立ちます。未割り当て文字のチェックについて詳しくは、RFC 3490、RFC 3491、および RFC 3454 を参照してください。
ユーティリティーの名前、バージョン、および法的ステータスに関する情報を出力します。その他のオプションおよびオペランドが存在しても、それらはすべて無視されます。
次のオペランドがサポートされています。
変換する入力ファイルのパス名。file を省略すると、標準入力が使用されます。
例 1 IDN 名を変換する
次の例では、IDN 名を変換します。
現在のロケールのコードセットで標準入力から名前を読み込みます。変換を実行し、変換結果を results.txt ファイルに書き込みます。このユーティリティーに指定された名前が ACE である場合、結果は現行ロケールのコードセットの非 ACE IDN 名になります。このユーティリティーに指定された名前が非 ACE IDN 名である場合、結果は ACE の IDN 名になります。
example% idnconv > results.txt
例 2 ACE でエンコードされた IDN 名を変換する
次の例では、ACE でエンコードされた IDN 名を UTF-8 の IDN 名に変換します。
ACE でエンコードされた xn--1lq90i を標準入力から読み込みます。変換結果をファイル Beijing-UTF-8.txt に書き込みます。このファイルには、UTF-8 コードセットで Beijing に相当する中国語の漢字 2 文字が含まれています。
example% idnconv -t UTF-8 > Beijing-UTF-8.txt xn--1lq90i CTRLd
例 3 KOI8-R キリル文字シングルバイトコードセットの名前を変換する
次の例では、KOI8-R キリル文字シングルバイトコードセットの名前を ACE でエンコードされた名前に変換します。
KOI8-R のファイル inputfile.txt を読み込み、変換結果を標準出力に書き込みます。結果は ACE エンコーディングになります。
example% idnconv --in KOI8-R --out ACE inputfile.txt xn--80adxhks xn--90aqflb3d1a xn--80aesccdb4a2a8c example%
例 4 格納のために名前を変換する
次の例では、格納のために名前を変換します。
ISO8859-1 のファイル inputfile.txt を読み込みます。変換を実行し、結果を outputfile.txt に ACE で書き込みます。また、サーバー名に適した ACE 名も生成します。
example% idnconv --from ISO8859-1 --to ACE --unassign-check\ inputfile.txt > outputfile.txt
例 5 クエリーのために名前を変換する
次の例では、名前をクエリーのために変換します。
標準入力から現行ロケールのコードセットで読み込みます。変換を実行し、結果を outputfile.txt に ACE で書き込みます。
example% idnconv -U -t ACE > outputfile.txt
idnconv の実行に影響を及ぼす環境変数 LANG、LC_ALL 、LC_CTYPE、LC_MESSAGES、および NLSPATH については、environ(5) を参照してください。
次の終了値が返されます。
正常終了。
サポートされていない in-code 値または out-code 値。
ASCII 文字範囲チェックに失敗しました。
双方向文字列のチェックに失敗しました。
ラベル長のチェックに失敗しました。
Nameprep ステップでエラーが報告されました。
未割り当て文字が検出されました。
不正または不明なオプションが指定されました。
入力ファイルを検出できませんでした。
メモリー不足。
内部 iconv コード変換で変換エラーが発生しました。
内部 iconv コード変換で、同一でないコード変換が発生しました。
詳細不明のエラーが発生しました。
属性についての詳細は、attributes(5) を参照してください。
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iconv(1), iconv(3C), iconv_close(3C), iconv_open(3C), idn_decodename(3EXT), idn_decodename(3EXT), idn_decodename(3EXT), attributes(5), environ(5), iconv(5)
RFC 3490 Internationalizing Domain Names in Applications (IDNA)
RFC 3491 Nameprep: A Stringprep Profile for Internationalized Domain Names (IDN)
RFC 3492 Punycode: A Bootstring encoding of Unicode for Internationalized Domain Names in Applications (IDNA)
RFC 3454 Preparation of Internationalized Strings ("stringprep")
RFC 952 DoD Internet Host Table Specification
RFC 921 Domain Name System Implementation Schedule - Revised
STD 3, RFC 1122 Requirements for Internet Hosts -- Communication Layers
STD 3, RFC 1123 Requirements for Internet Hosts -- Applications and Support
Unicode Standard Annex #15: Unicode Normalization Forms, Version 3.2.0.http://www.unicode.org
国際化対応言語環境の利用ガイド
アプリケーションでの IDN に関する一般的な情報については、RFC 3490 および『国際化対応言語環境の利用ガイド』を参照してください。
システムの名前について決定する際、格納のための場合とクエリーのための場合では違いがあります。用語および違いの詳細については、RFC 3454 を参照してください。