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マニュアルページセクション 1: ユーザーコマンド Oracle Solaris 11 Information Library (日本語) |
- 数学的記述のタイプセット
eqn [-d xy] [ -f n] [-p n] [ -s n] [file]...
neqn [file]...
checkeq [file]...
eqn および neqn は、数式を記述するのに便利な言語プロセッサです。eqn は troff(1) 用のプリプロセッサで、 troff の出力を印刷できる装置用に提供されています。neqn は nroff(1) 用のプリプロセッサで、端末での出力用に提供されています。通常この 2 つのコマンドは、以下の形式で指定します。
example% eqn file ... | troff example% neqn file ... | nroff
ファイル名を表す file引数を省略すると、eqn または neqn は標準入力から読み込みます。数式の開始を示すには、行の先頭に .EQ を記述します。同様に数式の終了は、行の先頭に .EN を記述して表します。この 2 つの行は変換されないので、センタリングや番号付けなどを行うマクロパッケージ中に定義しておくこともできます。また、一対の文字を「区切り記号」として設定し、区切り記号に囲まれたテキストを eqn 入力として処理させることもできます。
区切り記号や .EQ/.EN が存在しない、または対で指定されていない場合、checkeq はメッセージを出力します。
次のオプションがサポートされています。
コマンド行引数で設定される数式の区切り記号として、文字 x と y を設定します。ただしこの方法よりも、.EQ と .EN の間で delim xy を使って区切り記号を指定する方法がより一般的です。x と y には同じ文字を指定することも可能です。テキスト中に delim off と記述すると、区切り記号は有効でなくなります。区切り記号にも .EQ と .EN にも囲まれていないテキストは、すべてそのまま渡されます。
ドキュメント全体を通じて使用するフォントとして n を指定します。このグローバルフォントの設定は、ドキュメントの本文中に gfont n 命令を指定して変更することもできます。n はフォント指定です。
下付きおよび上付きの添字のサイズを、直前の文字サイズより n ポイントだけ小さくします。-p オプションを省略すると、添字のサイズは 3 ポイント小さくなります。
ドキュメント全体を通じて使用する文字サイズとして n を指定します。このグローバルサイズの設定は、ドキュメントの本文中に gsize n 命令を指定して変更することもできます。n はポイントサイズです。
次のオペランドがサポートされています。
eqn または neqn によって処理される nroff のファイルまたは troff のファイル。
この説明を nroff を使って端末画面に表示した場合、端末画面の制限から neqn による出力箇所は正確には表示できません。出力の正確な表示を確認するために、このページを印刷してご覧ください。
eqn 中のトークンは、中括弧、二重引用符、チルド、山型記号、スペース文字、タブ、または復帰改行文字で区切られます。中括弧 { } は、グループ分けに用いられます。一般的には、たとえば x のような 1 つの文字が記述できる箇所であれば、中括弧で囲んだ複雑な記述を代わりに指定できます。チルド (~) は出力中における 1 文字分のスペースを、山型記号 (^) は半文字分のスペースを表します。
これらは、キーワード sub と sup を使って生成できます。
という記述の出力結果は次のようになります。
の出力は次のようになります。
の出力は次のようになります。
分数は、キーワード over で指定します。
この出力は次のようになります。
平方根の式は、キーワード sqrt で指定します。
この出力結果は、次のようになります。
キーワード from と to は、種々の指定における最小値と最大値を表します。
という記述の出力結果は次のようになります。
大括弧、中括弧などを適切な高さで出力するには、左括弧に left を、右括弧には right をそれぞれ使用します。
の出力は次のようになります。
なお、right 文節は省略することができます。キーワード left と right の直後に指定できる文字は、大括弧、中括弧、縦棒、上端と下端を表す c と f、何もない旨を示す "" (対になるべき括弧のうち右括弧だけを使う場合に便利) です。
分数を縦に重ねるには、pile、lpile、cpile、または rpile を使用します。
の出力は次のようになります。
何重に積み重ねてもかまいません。文字を合わせる位置は、lpile は左詰め、pile と cpile はともにセンタリング (ただし縦方向の間隔が異なる)、そして rpile は右詰めとなります。
行列は matrixというキーワードで生成されます。
の出力は次のようになります。
カラムを右詰めにするには rcol を使用します。
発音符記号のように文字の上下に付加する記号は、dot、dotdot、hat、tilde、bar、vec、dyad、underを使って指定できます。
この出力結果は、次のようになります。
この出力結果は、次のようになります。
この出力結果は、次のようになります。
文字のサイズやフォントの変更は、size n または size ±n、roman、italic、bold、font n で指定します。ドキュメント全体を通じてグローバルに使用する文字サイズとフォントは、gsize n と gfont n をドキュメント中に指定するか、またはコマンド行引数の -sn と -fn を使って変更できます。
一連の表示引数の位置をそろえることもできます。先頭の数式において、そろえたい表示引数の直前に mark と記述します。さらに後続の数式において、それと合わせたい表示引数の直前に lineup と記述します。
入力の短縮形を定義したり既存のキーワードを再定義するには、define を使用します。次に例を示します。
これにより thing というトークンが新たに定義され、その後このトークンが現れるたびに replacement に置き換えられます。なお % の位置には、任意の文字 (ただし replacement に含まれていないもの) を指定できます。
sum int inf のようなキーワード、および >= -> や != のような短縮形も処理されます。
ギリシャ文字は alpha または GAMMA のように、大文字・小文字のうち希望する方のつづりで出力できます。
sin、cos、log のような数学用語は自動的にローマン字体で出力されます。
\(bu (·) のような 4 文字からなる troff(1) のエスケープコードは、どこでも記述できます。二重引用符に囲まれた文字列 ". . ." は、そのまま渡されます。これによりキーワードをテキストとして入力でき、また (他の方法が使えないとき) troff との通信用に使うことができます。
属性についての詳細は、attributes(5) を参照してください。
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nroff(1), tbl(1), troff(1), attributes(5), ms(5)
数字や括弧をボールドで出力したい場合、bold "12.3" のように引用符で囲んでください。