ナビゲーションリンクをスキップ | |
印刷ビューの終了 | |
![]() |
マニュアルページセクション 1: ユーザーコマンド Oracle Solaris 11 Information Library (日本語) |
- オーディオファイル形式の変換
audioconvert [-pF] [-f outfmt] [-o outfile] [ [-i infmt] [file]...] ...
audioconvert は、サポートされている一連のオーディオコードとファイル形式の間でオーディオデータを変換します。このユーティリティは、オーディオデータの圧縮と圧縮解除、raw オーディオデータファイルへのオーディオファイルヘッダーの追加、-law やリニア PCM などの標準データコード間の変換を行うために使用できます。
ファイル名が指定されていない場合、audioconvert は、標準入力ストリームからデータを読み取って、標準出力にオーディオファイルを書き込みます。それ以外の場合、入力ファイルは順番に処理 、連結されて、出力ファイルに書き込まれます。
入力ファイルには、オーディオデータ形式を識別するオーディオファイルヘッダーが含まれています。オーディオデータに認識可能なヘッダーが含まれていない場合は、rate、encoding、および channels の各キーワードを使用して入力データ形式を識別し、-i オプションで形式を指定する必要があります。
出力ファイル形式は、-f 指定の形式オプションを用いて、最初の入力ファイルの形式を更新することによって決定されます。-p を指定しないと、後続のすべての入力ファイルが、この結果決定された形式に変換されて連結されます。format=raw が出力形式オプションに指定されていない限り、出力ファイルには、オーディオファイルヘッダーが含まれます。
入力ファイルは、-p オプションを使用して適宜変換できます。-p が有効な場合、各入力ファイルの形式は、出力形式を決定する -f オプションに従って変更されます。既存のファイルは、変換されたデータによって上書きされます。
file(1) コマンドは、Sun オーディオファイルのオーディオデータ形式をデコードして出力します。
次のオプションがサポートされています。
In Place: 入力ファイルは、-f オプションで指定された形式に個々に変換されて、再度書き込まれます。ターゲットファイルがシンボリックリンクの場合、元のファイルが再度書き込まれます。-o オプションは、 -p と同時に指定することはできません。
Force: このオプションは、audioconvert が -i オプションによって形式が指定されている入力ファイルのファイルヘッダーをすべて無視するようにします。-F を指定しないと、audioconvert は、有効なオーディオファイルヘッダーを含む入力ファイルに対する -i オプションを無視します。
Output Format: このオプションは、出力ファイルのファイル形式とデータコードを指定するために使用されます。指定されていないフィールドのデフォルト値は、入力ファイル形式から決定されます。有効なキーワードと値については、以下の項で説明します。
Output File: すべての入力ファイルが連結され、出力形式に変換されて、指定の出力ファイルに書き込まれます。-o と -p のいずれも指定しないと、連結された出力は標準出力に書き込まれます。-p オプションは、 -o と同時に指定することはできません。
Input Format: このオプションは、raw 入力ファイルのデータコードを指定するために使用されます。通常、入力データ形式は、オーディオファイルヘッダーから決定されますこのオプションは、有効なオーディオファイルヘッダーが付いていないオーディオデータを変換するときに必要です。オーディオファイルヘッダーを含む入力ファイルに -i を指定すると、-F が指定されている場合を除き、入力形式文字列は無視されます。形式指定構文は、-f 出力ファイル形式と同じです。
複数の入力形式を指定できます。入力形式は、新しい入力形式が指定されるまで、その指定に続くすべての入力ファイルに適用されます。
File Specification: 指定のオーディオファイルは連結され、出力形式に変換されて、書き込まれます。ファイル名が指定されていないか、または特殊ファイル名 _ が指定されている場合、オーディオデータは標準入力から読み取られます。
Help: コマンド行の使用法に関するメッセージを出力します。
入力および出力形式指定の構文は、次のとおりです。
keyword=value[,keyword=value . . . ]
間にスペースは入りません。一意の値は keyword= を前に付けなくても指定できます。
オーディオサンプリング率は、1 秒あたりのサンプル数で指定されます。数値の後に続く文字 k は、その数値に 1000 を掛けた値を意味します。(たとえば、44.1k = 44100)。一般的に使用されるサンプル率の標準は、 8k、16k、32k、44.1k、および 48k です。
インタリーブされたチャネルの数は整数で指定されます。1 つまたは 2 つのチャネルデータを指定するために、それぞれ mono または stereo という語を使用することもできます。
このオプションは、デジタルオーディオデータ表示を指定します。コードは、精度を暗黙に (ulaw は暗黙に 8 ビット精度を示す)、または名前の一部として明示的に (たとえば、linear16) 指定します。有効なコード値は次のとおりです。
CCITT G.711 -law コード。これは、電話レベルの音声に主に使用される 8 ビット形式です。
CCITT G.711 A-law コード。これは、ヨーロッパで電話レベルの音声に主に使用される 8 ビット形式です。
リニアパルスコード変調 (PCM) コード。名前は、精度のビット数を示します。linear16 は通常、高品質オーディオデータに使用されます。
linear16 と同じです。
CCITT G.721 圧縮形式。このコードは、4 ビット精度の適応デルタパルスコード変調 (ADPCM) を使用します。これは、主に圧縮 -law 音声データに使用されます (2:1 の圧縮率を達成)。
CCITT G.723 圧縮形式。このコードは、3 ビット精度の適応デルタパルスコード変調 (ADPCM) を使用します。これは、主に圧縮 -law 音声データに使用されます (8:3 の圧縮率を達成)。オーディオ品質は、G.721 と同等ですが、非スピーチデータに使用した場合、品質が低下することがあります。
次のコード値も、サンプル率、チャネル、およびコードを設定するための短縮形として使用できます。
encoding=ulaw,rate=8k,channels=mono と同等
encoding=linear16,rate=44.1k,channels=stereo と同等
encoding=linear16,rate=48k,channels=stereo と同等
このオプションは、オーディオファイル形式を指定します。有効な形式は、次のとおりです。
Sun 互換ファイル形式 (デフォルト)。
この形式は、raw オーディオデータ (オーディオヘッダーなし) を読み取るか書き込む場合に使用します。あるいは、外部オーディオファイル形式をインポートするために offset と組み合わせて使用します。
(-i only) オーディオデータの開始を見つけるためのバイトオフセットを指定します。このオプションは、認識不能なファイルヘッダーを含むオーディオデータをインポートするために使用できます
ファイルのサイズが 2G バイト (231 バイト) 以上ある場合の audioconvert の動作については、largefile(5) を参照してください。
例 1 音声データを記録および圧縮してから格納する
音声データを記録し、圧縮してからファイルに保存します。
example% audiorecord | audioconvert -f g721 > mydata.au
例 2 2 つの音声ファイルを連結する
データ形式に関係なく、 2 つの Sun 形式のオーディオファイルを連結して、8 ビットの -law、16 KHz のモノラルファイルを出力します。
example% audioconvert -f ulaw,rate=16k,mono -o outfile.au infile1 infile2
例 3 ディレクトリを Sun 形式に変換する
raw 音声データファイルを含むディレクトリを、適宜 Sun 形式に変換します (各ファイルにファイルヘッダーを追加します)。
example% audioconvert -p -i voice -f sun *.au
属性についての詳細は、attributes(5) を参照してください。
|
audioplay(1), audiorecord(1), file(1), attributes(5), largefile(5)
マルチチャネルデータをモノラルに変換するために使用されるアルゴリズムは、単にチャネルを足し合わせることにより実装されます。入力データが完全に同相している場合 (モノラルファイルがステレオに変換されて再びモノラルに変換される場合のように)、結果のデータには若干の変形が含まれることがあります。