このドキュメントで説明するソフトウェアは、Extended SupportまたはSustaining Supportのいずれかにあります。 詳細は、https://www.oracle.com/us/support/library/enterprise-linux-support-policies-069172.pdfを参照してください。
Oracleでは、このドキュメントに記載されているソフトウェアをできるだけ早くアップグレードすることをお薦めします。
「Oracle® Linux 6: ポーティング・ガイド」には、アプリケーションをOracle Linuxに移行するときに発生する一般的な問題の解決方法が記述されています。 アーキテクチャ、システム・コール、ツール、ユーティリティ、開発環境およびオペレーティング・システム機能で想定される類似点と相違点について説明します。 可能な場合は、よく発生する移植に関する問題に対処するための解決方法および回避策をご紹介します。
このガイドで紹介する情報を活用すれば、開発者はごく小規模なデータ変換から非常に大規模なレガシー・ネイティブ・コードの移行プロジェクトまで、様々なプロジェクトに対処できるようになるでしょう。
ベスト・プラクティスも紹介していますので、Oracle Linuxで実行したときにアプリケーションの能力を最大限に引き出すためにお役立てください。 移行プロジェクトには共通の落とし穴がありますが、その一部については、回避方法を個別に紹介しています。
様々な開発要件と機能要件の下で、なるべく多くの開発者のニーズに応えられるよう、特定の問題を深く追求することはしていません。 かわりに、関連情報が詳しく説明されている参照先を紹介しています。 Oracle Linuxオペレーティング・システムを初めて使用するユーザーも熟知しているユーザーも、マニュアル・ページを使用してOracle Linuxおよびその機能に関する正確かつ詳細な情報を入手することを強くお薦めします。
このガイドは主に、経験豊富なアプリケーション開発者およびデバイス・ドライバの記述者を対象としています。 CやC++などの言語を使用したプログラミング、および最新のソフトウェア・アプリケーションの開発で一般的に使用されているプログラミング環境について十分に把握している読者を想定しています。 デバイス・ドライバの記述者は、ドライバを開発する対象のオペレーティング・システムの内部について十分に把握している必要があります。
このドキュメントは次のように編成されています。
第1章「はじめに」では、ソフトウェアをOracle Linuxへ移植する概要について説明します。
第2章「移植プロセス」では、ソフトウェアをOracle Linuxへ移植するときに必要とされる標準的なステップの概要について説明します。
第3章「オペレーティング・システムに関する考慮事項」では、プラットフォーム・アーキテクチャ間の移行時に考慮する必要のある様々な側面について説明します。
第4章「アプリケーション開発環境」では、GNU Compiler Collection (GCC)およびOracle Solaris Studio 12.xの開発環境の詳細について説明します。
第5章「スレッドとマルチプロセッシング」では、マルチプロセッサ環境でスレッド・アプリケーションを移植するときに考慮すべき要因について説明します。
第6章「デバイス・ドライバの移行」では、Oracle Linuxデバイス・ドライバの通常の実装方法について概要を説明し、このアプローチをUNIX型オペレーティング・システムで一般的に使用されている実装方法と比較します。
第7章「セキュリティ」では、Oracle Linuxでシステム・セキュリティを確保するいくつかの側面について説明します。
第8章「実行時環境」では、Oracle Linuxの実行時環境で見られる可能性のあるいくつかの相違点について説明します。
第9章「Pluggable Authentication Module」では、Pluggable Authentication Modules (PAM)を使用するアプリケーションをOracle Linuxへ移行するときに考慮すべき実装上の相違点と要点について説明します。
第10章「アプリケーションのパッケージングと配布」では、Oracle LinuxでRPMを管理および作成する方法の概要を説明します。 また、Oracle Enterprise ManagerとSpacewalkというIT管理製品についても説明します。
このマニュアルでは次の表記規則を使用します。
表記規則 | 意味 |
---|---|
太字 | 太字は、操作に関連するGraphical User Interface要素、または本文中で定義されている用語および用語集に記載されている用語を示します。 |
イタリック体 | イタリックは、ユーザーが特定の値を指定するプレースホルダ変数を示します。 |
| 固定幅フォントは、段落内のコマンド、URL、サンプル内のコード、画面に表示されるテキスト、または入力するテキストを示します。 |
Oracleのアクセシビリティについての詳細情報は、Oracle Accessibility Programのwebサイト(https://www.oracle.com/corporate/accessibility/)を参照してください。
サポートを購入したオラクル社のお客様は、My Oracle Supportを介して電子的なサポートにアクセスできます。 詳細は、https://www.oracle.com/corporate/accessibility/learning-support.html#support-tabを参照してください。
Oracleはダイバーシティとインクルージョンに完全にコミットされています。 Oracleでは、リーダーシップとイノベーションを向上させる多様なワーク・フォースを持つ側面と価値が考慮されています。 従業員、顧客およびパートナにプラスの影響を与える、より包括的な文化を構築するためのイニシアティブの一環として、製品およびドキュメントから機密性の低い用語を削除します。 また、お客様の既存のテクノロジとの互換性を維持する必要性と、Oracle製品および業界標準の進化に伴ってサービスの継続性を確保する必要性にも注意してください。 これらの技術的な制約のため、重要でない用語を削除する作業は進行中であり、時間と外部の連携がかかります。