nfsd - NFS daemon
/usr/lib/nfs/nfsd [-a] [ -c #_conn] [-l listen_backlog] [-p protocol] [-t device] [nservers]
nfsd は、クライアントファイルシステムの要求を処理するデーモンです。{PRIV_SYS_NFS} および /var/run に書き込めるだけの十分な特権を備えたユーザーだけが、このデーモンを実行できます。
nfsd デーモンは、share(8) および –a オプションを使用して自動的に呼び出されます。
バージョン 2 および 3 の場合、デフォルトでは、nfsd は TCP および UDP トランスポート経由で起動します。バージョン 4 の場合、デフォルトでは TCP 経由で起動します。これは、–p オプションを使用すると変更できます。
以前に呼び出された nfsd デーモンは、オプション指定の有無にかかわらず、別の nfsd コマンドを呼び出す前に停止する必要があります。
nfsd の起動パラメータを変更するには、sharectl(8) コマンドを使用します。
nfsd サービスは、サービス管理機能 smf(7) によって、次のサービス識別子として管理されます。
svc:/network/nfs/server
再起動の有効化、無効化、要求などのこのサービスでの管理アクションは、svcadm(8) を使用して実行できます。サービスステータスを照会するには、svcs(1) コマンドを使用します。
nfsd が SIGTERM により強制終了された場合は、サービス管理機能によって再起動されることはありません。代わりに、SIGINT などのほかのシグナルを使って nfsd を再起動できます。
sharectl(8) コマンドを使用すると、nfsd 関連のすべてのパラメータを管理できます。現在サポートされているパラメータを次に示します。
NFS サーバーは、これらの変数で指定された範囲の NFS バージョンのみを使用します。有効な値 (バージョン) は、2、3、4、4.1 です。サーバーの場合、デフォルトの最小バージョンは 2、デフォルトの最大バージョンは 4.1 になります。server_versmin=4 は 4.0 と同等で、server_versmax=4 は 4.1 と同等です。最小と最大のどちらも、混乱を避けるために明示的に 4.0 または 4.1 に設定できます。
デフォルトでは、この変数は on で、NFS サーバーはクライアントに委託を付与します。ユーザーは、この変数を off (大文字と小文字は区別される) に設定することにより、エクスポートされたすべてのファイルシステムで委託を無効にできます。この変数は、NFS Version 4 にのみ適用されます。
並行する接続型接続の最大数を設定します。デフォルトは無制限で、-1 に設定することで得られます。これは nfsd の –c オプションと同等です。
接続型トランスポートを介した NFS の接続キューの長さを設定します。デフォルト値は 32 で、これはキュー内に 32 個のエントリがあることを意味します。これは nfsd の –l オプションと同等です。
指定したプロトコルのみを介して nfsd を起動します。これは、nfsd の -p オプションと同等です。ALL は、nfsd コマンド行の –a と同等です。NFS SMF のパラメータ device とは相互に排他的です。NFS SMF のパラメータ device と protocol のいずれか一方は、設定しないようにする必要があります。両方を設定すると、nfs/server サービスは保守モードに入ります。UDP プロトコルの場合は、バージョン 2 とバージョン 3 のサービスのみが確立されます。NFS Version 4 は、UDP プロトコルに用にはサポートされていません。これは –p オプションと同等です。
NFS デーモンを、指定したデバイスによるトランスポート専用で起動します。これは、nfsd の –t オプションと同等です。NFS SMF のパラメータ protocol とは相互に排他的です。NFS SMF のパラメータ device と protocol のいずれか一方は、設定しないようにする必要があります。
並行 NFS 要求の最大数。デフォルトは 2048 です。これは、nservers オペランドと同等です。
デフォルトでは、この変数は有効で、NFS サーバーは auth_sys 認証を使用して数値 UID および GID を NFS クライアントから受け取り、auth_sys を使用して数値 UID および GID をクライアントに返します。この動作をオフにするには、変数を「off」(大文字と小文字の区別あり) に設定します。この変数は NFS バージョン 4 にのみ適用され、NFSv2/v3 からの容易な移行を目的としています。
後述の「使用例」を参照してください。
サポートしているオプションは、次のとおりです。
UDP と TCP を含む、利用可能なすべての非接続型および接続型のトランスポートを介して NFS デーモンを起動します。これは、NFS の SMF で、sharectl(8) コマンドを使用して protocol パラメータを ALL に設定することと同等です。
これにより、接続型トランスポートを介して NFS サーバーに許可される接続の最大数を設定します。デフォルトでは、この接続の数は無制限です。これは、NFS の SMF で sharectl(8) コマンドを使用して設定する max_connections パラメータと同等です。
接続型トランスポートを介した NFS TCP の接続キューの長さを設定します。デフォルト値は 32 エントリです。これは、NFS の SMF で sharectl(8) コマンドを使用して設定する listen_backlog パラメータと同等です。
指定したプロトコルを介して NFS デーモンを起動します。これは、NFS の SMF で sharectl(8) コマンドを使用して設定する protocol パラメータと同等です。
NFS デーモンを、特定のデバイスのトランスポート用に起動します。これは、NFS の SMF で sharectl(8) コマンドを使用して設定する device パラメータと同等です。
次のオペランドがサポートされています。
これは、サーバーが処理可能な並行する NFS 要求の最大数を設定します。This concurrency is achieved by up to nservers threads created as needed in the kernel. nservers should be based on the load expected on this server.nservers を指定しない場合、並行する NFS 要求の最大数はデフォルトの 2048 になります。これは、NFS の SMF で sharectl(8) コマンドを使用して設定する servers パラメータと同等です。
以降の例で指定する nfsd のプロパティーについては、前述の「SMF による管理」を参照してください。
委託とは、サーバーがファイルの管理をクライアントに委託する NFSv4 の機能です。たとえば、サーバーは、読み取り委託または書き込み委託のいずれかをクライアントに付与する (または付与しない) ことができます。次のコマンドは、server_delegation プロパティーを off に設定してこれを実行します。
# sharectl set -p server_delegation=off nfs使用例 2 委託の値を判別する
次のコマンドは、server_delegation プロパティーの現在の値を取得します。
# sharectl get -p server_delegation nfs server_delegation=on使用例 3 並行要求の最大数を設定する
次のコマンドは、並行する NFS 要求の最大数を設定します。
# sharectl set -p servers=32 nfs使用例 4 接続キューの長さを設定する
次のコマンドは、接続型トランスポートを介した NFS の最大キュー長を設定します。
# sharectl set -p listen_backlog=48 nfs
デーモンが正常に起動されました。
デーモンの起動に失敗しました。
開かれているがリンクが解除されているファイルへのクライアントマシンのポインタ。
Directory used by the server to keep track of the files which were removed by an NFS client while still open (.nfsXXX files).This directory resides in root of shared filesystem.This directory should not be removed.
システム構成情報ファイル。
サーバーがクライアント状態情報の管理に使用されるディレクトリ。これらのディレクトリは削除しないでください。
属性についての詳細は、マニュアルページの attributes(7) を参照してください。
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ps(1), svcs(1), sharetab(5), system(5), attributes(7), smf(7), mountd(8), share(8), sharectl(8), svcadm(8), network-nfs-cleanup(8S)
Managing Network File Systems in Oracle Solaris 11.4
nfsd を手動で起動または再起動することは推奨されていません。手動で起動または再起動する必要がある場合は、svcadm を使用して nfs サービス (svc:/network/nfs/server) を有効または無効にしてください。If it is disabled, it will be enabled by share_nfs(8), unless its application/auto_enable property is set to false.See Managing Network File Systems in Oracle Solaris 11.4 and svcadm(8) for more information.