svcs - サービスのステータスを報告
svcs [-aHpv?] [-o
col[,col...]] [-R
FMRI-instance]...
[-sS col]... [FMRI
| pattern]...
svcs -d | -D [
-Hpv?] [-o col[,
col...]] [-sS col]...
[FMRI | pattern] ...
svcs -L [-v] [ FMRI]...
svcs -l [-v] [ FMRI | pattern]...
svcs -n [FMRI] ...
svcs -x [-v] [ -L] [FMRI]...
svcs コマンドは、サービス構成リポジトリに記録されているサービスインスタンスに関する情報を表示します。
svcs [-aHpv?] 形式のコマンドは、引数に指定されたサービスインスタンスのステータス情報を、1 行で出力します。各インスタンスは 1 回だけ出力されます。引数を指定しない場合は、有効になっているすべてのサービスインスタンス (一時的に無効になっているものも含む) が、あとに示すように列のリストとして出力されます。
svcs -d | -D 形式のコマンドは、引数に指定されたサービスインスタンスの依存関係またはそのインスタンスに依存するサービスに関するステータス情報を、1 行で出力します。
svcs -L 形式のコマンドは、ログの内容を出力します。追加情報については、後述の「オプション」を参照してください。
svcs -l 形式のコマンドは、特定のサービスやインスタンスの詳細情報を出力します。
svcs -n 形式のコマンドは、通知パラメータを出力します。追加情報については、後述の「オプション」を参照してください。
svcs -x 形式のコマンドは、サービスインスタンスの状態を記述します。指定した引数ごとに、サービスの状態およびその状態になった理由の説明が、人間が読み取れる形式のテキストで表示されます。引数を指定しない場合は、問題の発生したサービスの説明が表示されます。
エラーメッセージが標準エラーストリームに出力されます。
このコマンドの出力は、svcadm(8) コマンドへの入力として適切に使用できます。
サポートしているオプションは、次のとおりです。
列指定子を含めて、使用状況のメッセージを詳細に表示します。
Show all services, including those which are disabled or incomplete.Additional information regarding incomplete services is available using svcs –x <service>.
サービスが選択されている場合は、このオプションの効果はありません。
指定されたサービスインスタンスが依存するサービスまたはサービスインスタンスの一覧を表示します。
指定されたサービスまたはサービスインスタンスに依存するサービスインスタンスの一覧を表示します。
列ヘッダーを省略します。
選択したサービスインスタンスのサービスリスタータによって作成されたログファイルにパスを出力します。
–x を使用すると、エラーなしのメソッド終了のログメッセージの最後の出現後から始まるログファイル、またはログファイルの最後の 10 行のいずれか小さい方を、そのサービスインスタンスの説明の末尾に出力します。エラーなしのメソッド終了のログメッセージがログファイルの最後の行に存在する場合、ログファイルの最後の 5 行を出力します。
–v を使用し、単一のサービスインスタンスが入力に一致している場合にのみ、ログファイルの内容を出力します。複数のサービスインスタンスが入力に一致する場合、各サービスインスタンスのログファイルの最後の 10 行を出力します。
(小文字のエル)選択されたサービスおよびサービスインスタンスについて、表示可能な情報をすべて表示します。各行に 1 つのサービス属性が表示されます。異なるインスタンスの情報は、空白行で区切られます。
次の属性について個別に説明します。
依存関係に関する情報。グループ化および restart_on プロパティーが最初に表示されます。プロパティーの間はスラッシュ (/) で区切られます。次に、各エンティティーとその状態が表示されます。状態の詳細については、smf(7) を参照してください。標準の状態のほかに、各サービスの依存関係に次の状態説明が表示される場合があります。
このサービスはシステムに定義されていません。
障害管理リソース識別子 (FMRI) は無効です (smf(7) を参照)。
このエンティティーは、複数のインスタンスを持つサービスです。
ファイルの依存関係には、次のいずれかの状態説明のみ表示されます。
このファイルはシステムに存在しません。
このファイルは存在します。
最後に svc.startd がサービスの依存関係を評価したときにファイルが存在しなかった場合には、依存関係が満たされていないものとみなされることがあります。svcadm refresh は、強制的に依存関係を再評価します。
ENOENT 以外の理由で、stat(2) が失敗しました。
依存関係、グループ化、および restart_on の値の詳細については、smf(7) を参照してください。
このサービスが有効であるかどうか、および一時的に (次回のシステムリブートまで) 有効であるか無効であるかの情報。サービスが有効かどうかは、true または false によって示されます。一時的に有効かどうかは、(temporary) が存在するかどうかで示されます。
管理者が svcadm disable -t を実行した場合、svcadm milestone を使用した場合、または特定のタイミングにシステムをブートした場合に、サービスが一時的に無効になることがあります。詳細は、svcadm(8) を参照してください。
通知パラメータを出力します。smf(7) を参照してください。これは、選択された FMRI またはパターンに関係なく、FMA イベント通知パラメータとシステム全体の SMF 状態遷移通知パラメータを常に出力します。
指定された列を出力します。各 col は列名でなければなりません。指定できる列については、後述の「列」を参照してください。
各サービスインスタンスに関連付けられているプロセスの一覧を表示します。サービスインスタンスによっては、プロセスが関連付けられていないことがあります。プロセス ID、開始時間、およびコマンド名 (ps(1) の PID、STIME、および CMD フィールド) がプロセスごとに表示されます。
指定されたサービスインスタンスをリスタータとして使用するサービスインスタンスを選択します。
出力を列でソートします。col は列名でなければなりません。指定できる列については、後述の「列」を参照してください。複数の –s オプションが指定された場合は、指定された順番にソートします。
オプション –s と反対の順序に、 col でソートします。
–x または –l が指定されていない場合は、次の冗長列を表示します: STATE、NSTATE、STIME 、CTID、および FMRI。
–x が指定されている場合は、各説明に関する追加情報を表示します。
–l が指定されている場合は、タイプ application のプロパティーグループのユーザーが表示可能なプロパティーとその説明を表示します。
サービスの状態の説明を表示します。
引数が指定されていない場合の –x オプションは、次のようなサービスの状態説明を表示します。
有効になっているが、実行されていない。
別の有効なサービスが動作しているので、実行できない。
機能低下状態にある。
Displays date/time in the legacy non-parsable format instead of ISO 8601:22019.
次のオペランドがサポートされています。
1 つまたは複数のインスタンスを指定する障害管理リソース識別子 (FMRI) (smf(7) を参照)。FMRI は、インスタンス名、またはサービス名の最後の部分を指定する方法で、省略して入力することができます。たとえば、次の FMRI があるとします。
svc:/network/smtp:sendmail
次のような省略が有効です。
sendmail :sendmail smtp smtp:sendmail network/smtp
次のような省略は無効です。
mail network network/smt
FMRI にサービスを指定した場合は、–D オプションを一緒に使用している場合を除いて、そのサービスのすべてのインスタンスにコマンドが適用されます。
FMRI の省略形は不安定なので、スクリプトやその他の長期に渡って使用するツールには使用しないでください。
fnmatch(7) で説明されている展開規則に従ってサービスインスタンスの FMRI と照合されるパターン。パターンが svc: で始まっておらず、かつ glob パターンでない場合、svc:/ が前に付加されます。パターンが glob パターンの場合、そのパターンがそのままマッチングに使用されます。
glob パターンの一般的な例を次に示します。
qexample% svcs \*ssh\* STATE STIME FMRI online 2022-03-14T10:25:22 svc:/network/ssh:default
パターンを変更して先頭の glob を削除すると、動作が変わります。
qexample% svcs ssh\* svcs: Pattern 'svc:/ssh:*' doesn't match any instances STATE STIME FMRI
あるインスタンスを指定する FMRI。
列名の大文字と小文字は区別されません。デフォルトの出力形式は「–o state,stime,fmri」です。デフォルトのソート列は STATE、STIME、 FMRI です。
サービスインスタンスのプライマリ契約 ID。すべてのインスタンスに有効なプライマリ契約 ID が割り当てられているわけではありません。
テンプレート要素から渡された、サービスの簡単な説明。説明が渡されていないサービスの場合は、値が空であることを示すために、ハイフン ( -) が使用されます。
サービスインスタンスの FMRI。
サービスインスタンスのインスタンス名。
サービスインスタンスの次の状態 (省略名)。STA 列の説明を参照してください。ハイフンは、インスタンスが移行していないことを示します。それ以外は STA と同じです。
サービスの次の状態。ハイフンは、インスタンスが移行していないことを示します。それ以外は STATE と同じです。
サービスインスタンスのスコープ名。
サービスインスタンスのサービス名。
サービスインスタンスの状態 (省略名) (smf(7) を参照)。
機能低下
無効
レガシー rc*.d スクリプト主導インスタンス
保守
オフライン
online
未初期化
状態が存在しないか認識されない場合は、疑問符 (?) が表示されます。移行中のインスタンスにはアスタリスク (*) が付加されます。ただし、NSTA 列または NSTATE 列が一緒に表示されている場合には付加されません。
サービスの状態の説明については、smf(7) を参照してください。
サービスインスタンスの状態。移行中のインスタンスには、アスタリスクが付加されます。ただし、NSTA 列または NSTATE 列が一緒に表示されている場合には付加されません。
サービスの状態の説明については、smf(7) を参照してください。
The date and time (in ISO 8601-1:2019 format) the service entered the state.The legacy, non-parsable, format is displayed when the -i option is provided or when SMF_SVCS_DATA_FMT=legacy is set in the environment.
サービスインスタンスの補助状態 (該当する場合)。補助状態を持たないサービスインスタンスでは、この列に文字「-」が表示されます。
The last time (in ISO 8601-1:2019 format) a periodic service instance has run.定期的ではないサービスインスタンスと、最終実行の記録がないサービスインスタンスでは、この列に文字「-」が表示されます。The legacy, non-parsable, format is displayed when the -i option is provided or when SMF_SVCS_DATA_FMT=legacy is set in the environment.
定期的なサービスについては、svc.periodicd(8) を参照してください。
The next time (in ISO 8601-1:2019 format) a periodic service instance is scheduled to run.Service instances that are not periodic do not have a next scheduled run and will display a '-' character in this column.The legacy, non-parsable, format is displayed when the -i option is provided or when SMF_SVCS_DATA_FMT=legacy is set in the environment.
定期的なサービスについては、svc.periodicd(8) を参照してください。
この例では、デフォルトの出力が表示されます。
example% svcs STATE STIME FMRI legacy_run 2022-03-14T10:25:31 lrc:/etc/rc2_d/S89PRESERVE disabled 2022-03-14T10:25:20 svc:/system/devices/ovn-virtual-io:default disabled 2022-03-31T11:48:16 svc:/system/name-service/cache:default online 2022-03-14T10:25:10 svc:/system/early-manifest-import:default online 2022-03-14T10:25:10 svc:/system/svc/restarter:default online 2022-03-14T10:25:11 svc:/milestone/immutable-setup:default ...使用例 2 すべてのローカルインスタンスの一覧を表示する
この例では、service1 サービスのすべてのローカルインスタンスの一覧が表示されます。
example% svcs -o state,nstate,fmri service1 STATE NSTATE FMRI online - svc:/service1:instance1 disabled - svc:/service1:instance2使用例 3 Listing Verbose Information
この例では、冗長情報が表示されます。
example% svcs -v network/rpc/bind STATE NSTATE STIME CTID FMRI online - 2022-03-14T10:25:25 128 svc:/network/rpc/bind:default使用例 4 Listing Detailed Information
This example lists detailed information about all instances of system/rad.管理しているリスタータに応じて、追加フィールドが表示されます。
example% svcs -l system/rad fmri svc:/system/rad:local name Remote Administration Daemon enabled true state online next_state none state_time 2022-03-18T11:59:06 logfile /var/svc/log/system-rad:local.log restarter svc:/system/svc/restarter:default contract_id 2006 manifest /lib/svc/manifest/system/rad.xml dependency require_all/none svc:/system/filesystem/minimal:default (online) fmri svc:/system/rad:remote name Remote Administration Daemon enabled true state online next_state none state_time 2022-04-13T12:31:57 logfile /var/svc/log/system-rad:remote.log restarter svc:/system/svc/restarter:default contract_id 12333 manifest /lib/svc/manifest/system/rad.xml dependency require_all/refresh svc:/system/identity:cert (online) dependency require_all/none svc:/milestone/multi-user (online) dependency require_all/none svc:/system/filesystem/minimal:default (online)使用例 5 Listing Processes
example% svcs -p sendmail
STATE STIME FMRI
online 2022-03-14T10:25:26 svc:/network/smtp:sendmail
2022-03-14T10:25:46 1489 sendmail
使用例 6 svcs –x を使用したサービス状態の説明
(a) In this example, svcs –x has identified that the identity:cert service being in maintenance is the root cause of two services which are enabled but not online. svcs –xv shows that those services are system/rad:remote and system/webui.This situation can be rectified by either clearing identity:cert or disabling system/rad:remote and system/webui.
example% svc:/system/identity:cert (System identity (X.509 certificate)) State: maintenance since 2022-04-13T12:18:35 Reason: Maintenance requested by an administrator. See: http://support.oracle.com/msg/SMF-8000-63 See: identity(7) See: /var/svc/log/system-identity:cert.log Impact: 2 dependent services are not running. (Use -v for list.)
example%
svc:/system/identity:cert (System identity (X.509 certificate))
State: maintenance since 2022-04-13T12:18:35
Reason: Maintenance requested by an administrator.
See: http://support.oracle.com/msg/SMF-8000-63
See: man -M /usr/share/man -s 7 identity
See: /var/svc/log/system-identity:cert.log
Impact: 2 dependent services are not running:
svc:/system/rad:remote
svc:/system/webui/server:default
(b) この例では、NFS が動作していません。
example$ svcs nfs/client STATE STIME FMRI offline 2022-03-14T10:25:12 svc:/network/nfs/client:default
(c) 次の例から、問題は nfs/status にあることがわかります。 nfs/client が待機中になっている理由は、nfs/status に依存する nfs/nlockmgr に、自身が依存しているからです。
example$ svcs -xv nfs/client
svc:/network/nfs/client:default (NFS client)
State: offline since 2022-03-14T10:25:12
Reason: Service svc:/network/nfs/status:default
is not running because a method failed repeatedly.
See: http://support.oracle.com/msg/SMF-8000-GE
Path: svc:/network/nfs/client:default
svc:/network/nfs/nlockmgr:default
svc:/network/nfs/status:default
See: man -M /usr/share/man -s 8 mount_nfs
See: /var/svc/log/network-nfs-client:default.log
Impact: This service is not running.
When set to legacy the legacy, non-parsable, date/time format is used instead of ISO 8601-1:2019.For the legacy format if the date/time is with the last 24 hours only the time is displayed, otherwise the month and day with underscores (_) in place of blanks is displayed.The value of iso8601 can be set to explicitly request ISO 8601-1:2019 format, though this is the default if the variable is not set.
次の終了ステータスが返されます。
Successful command invocation.
致命的エラーが発生したことを表します。
無効なコマンド行オプションが指定された。
属性についての詳細は、マニュアルページの attributes(7) を参照してください。
|
画面出力は「不確実」です。呼び出しは「確実」です。
ps(1), svcprop(1), stat(2), libscf(3LIB), attributes(7), fnmatch(7), smf(7), svc.periodicd(8), svc.startd(8), svcadm(8), svccfg(8)
Support for the –i option and variable SMF_SVCS_DATE_FMT, was added in the Oracle Solaris 11.4.48 release.
The svcs command was added in Solaris 10.