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マニュアルページ セクション 1: ユーザーコマンド

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更新: 2022年7月27日
 
 

dis(1)

名前

dis - オブジェクトコードの逆アセンブラ

形式

dis [-CHnoqV] [-d sec] [-D sec] [-F function] [-t sec] file...

説明

dis コマンドは、file のアセンブリ言語リストを作成します。file は、オブジェクトファイルでもオブジェクトファイルのアーカイブでもかまいません。このリストには、アセンブリ文と、それらの文を生成したバイナリコードの 8 進数表記または 16 進数表記が含まれます。

オプション

オプションは、逆アセンブラによって解釈され、任意の順序で指定できます。

サポートしているオプションは、次のとおりです。

–C

逆アセンブリで復号化された C++ シンボル名を表示します。

–d sec

指定されたセクションをデータとして逆アセンブルし、セクションの始めからのデータのオフセットを出力します。

–D sec

指定されたセクションをデータとして逆アセンブルし、データの実アドレスを出力します。

–F function

コマンド行に指定された各オブジェクトファイルの指定された関数だけを逆アセンブルします。–F オプションは、コマンド行で複数回指定できます。

–H

逆アセンブリの処理中に派生したハードウェア機能を、オブジェクト、セクション、関数の各粒度で表示します。オプションの文字を繰り返した場合、つまり –HH と入力した場合、命令粒度ごとのハードウェア機能情報も表示されます。

–l string

string で指定されたアーカイブファイルを逆アセンブルします。たとえば、コマンド dis –l x –l z を発行して、LIBDIR にあると想定される libx.alibz.a を逆アセンブルします。

このオプションは廃止または、互換性が無くなる可能性があり、Solaris の将来のリリースでは、削除されるかもしれません。

–L

以降の出力を標準出力へ書き込むために、シンボルテーブル内の C 言語ソースラベルの検索を行います。

このオプションは廃止または、互換性が無くなる可能性があり、Solaris の将来のリリースでは、削除されるかもしれません。

–n

すべてのアドレスを数値で表示します。デフォルトでは、アドレスはシンボル名を使用して表示されます。

–o

数字を 8 進数で出力します。デフォルトでは 16 進数です。

–q

静寂モード。ヘッダーまたは関数の開始ラベルを出力しません。

–t sec

指定されたセクションをテキストとして逆アセンブルします。

–V

実行中の逆アセンブラのバージョン番号を標準エラー出力に出力します。

このオプションは廃止または、互換性が無くなる可能性があり、Solaris の将来のリリースでは、削除されるかもしれません。

–d–D、または –t オプションを指定した場合、ユーザーが指定した各ファイルの指定されたセクションだけが逆アセンブルされます。そうしないと、テキストを含むすべてのセクションが逆アセンブルされます。

出力において、[5] のように、行の始めにある角括弧で囲まれた数字は、ブレークポイント可能な行番号が次の命令から始まることを示します。これらの行番号が出力されるのは、デバッグ情報を追加指定してファイルをコンパイルした場合だけです。

オペランド

次のオペランドを指定できます。

file

オブジェクトファイルまたはオブジェクトファイルのアーカイブ (ar(1) を参照) のパス名。

環境変数

dis の実行に影響を与える次の環境変数については、environ(7) を参照してください。LC_CTYPE、LC_MESSAGES、および NLSPATH。

LIBDIR

この環境変数に値が設定されている場合は、それをライブラリ検索用のパスとして使用します。この環境変数に NULL の値が設定されている場合、あるいは、この環境変数が設定されていない場合は、デフォルトで /usr/lib にあるライブラリが検索されます。

終了ステータス

次の終了ステータスが返されます。

0

正常終了。

>0

エラーが発生しました。

ファイル

/usr/lib

デフォルトの LIBDIR

属性

属性についての詳細は、マニュアルページの attributes(7) を参照してください。

属性タイプ
属性値
使用条件
developer/base-developer-utilities
インタフェースの安定性
下記を参照。

人間が読める形式の出力は「不確実」です。コマンド行オプションは「確実」です。

関連項目

ar(1), as(1), ld(1), a.out(5), attributes(7), environ(7)

診断

コマンド行中のエラー、または指定したファイルで検出された問題は、診断メッセージに示されます。