/usr/cluster/bin/clinterconnect -V
/usr/cluster/bin/clinterconnect [subcommand] -?
/usr/cluster/bin/clinterconnect subcommand [options] -v [endpoint[,endpoint] …]
/usr/cluster/bin/clinterconnect add [-d] endpoint[,endpoint] …
/usr/cluster/bin/clinterconnect add -i {- | clconfigfile} [-d] [-n node[,…]] {+ | endpoint[,endpoint] …}
/usr/cluster/bin/clinterconnect disable [-n node[,…]] {+ | endpoint[,endpoint] …}
/usr/cluster/bin/clinterconnect enable [-n node[,…]] {+ | endpoint[,endpoint] …}
/usr/cluster/bin/clinterconnect export [-o {- | configfile}] [-n node[,…]] [+ | endpoint[,endpoint] …]
/usr/cluster/bin/clinterconnect remove [-l] endpoint[,endpoint] ...
/usr/cluster/bin/clinterconnect show [-n node[,…]] [+ | endpoint[,endpoint] ...]
/usr/cluster/bin/clinterconnect status [-n node[,…]] [+ | endpoint[,endpoint] ...]
clinterconnect コマンドは、クラスタインターコネクトの構成を管理し、構成とステータス情報を表示します。clintr コマンドは、clinterconnect コマンドの短い形式です。clinterconnect コマンドと clintr コマンドは同じものです。どちらの形式のコマンドも使用できます。
クラスタインターコネクトには 2 つの終端があり、それらはケーブルで接続されます。終端は、ノード上のアダプタであることも、スイッチ (接続点とも呼ぶ) であることもあります。ケーブルでは、アダプタとスイッチが接続されることも、特定のトポロジにある 2 つのアダプタが接続されることもあります。クラスタトポロジマネージャーは、使用可能なケーブルを使用し、ノード間にエンドツーエンドのインターコネクトパスを構築します。このコマンドに指定するクラスタインターコネクトコンポーネントの名前は、実際の物理的な構成を正確に反映する必要があります。正確に反映しないと、システムは終端間のクラスタインターコネクトパスを構築できません。クラスタインターコネクトが正常に機能しない場合、クラスタノードはお互いに通信できず、ノードにパニックが発生するなどの状態になる可能性があります。
clinterconnect コマンドは、オンラインであり、クラスタモードであるクラスタノードから実行してください。
このコマンドの一般的な形式は次のとおりです。
clinterconnect [subcommand] [options] [operands]
subcommand を省略できるのは、options で –? オプションまたは –V オプションが指定されている場合のみです。
このコマンドの各オプションには、長い形式と短い形式があります。各オプションの両方の形式については、このマニュアルページの「オプション」セクションを参照してください。
このコマンドの一部の形式を非大域ゾーンで使用できます。このコマンドの有効な使用方法の詳細については、個々のサブコマンドの説明を参照してください。管理を容易にするため、このコマンドは大域ゾーンで使用します。
サポートされるサブコマンドには次のものがあります。
コマンドへのオペランドとして指定された新しいクラスタインターコネクトコンポーネントを追加します。
このサブコマンドは、大域ゾーンでのみ使用します。
ケーブル、スイッチ、またはアダプタのどれを追加するのかは、オペランドの構文により決定されます。詳細は、このマニュアルページの「オペランド」セクションを参照してください。
add サブコマンドは、アダプタと別のノード上のアダプタ間、あるいは、アダプタとインターコネクトスイッチ間のインターコネクトケーブルを構成するのに使用します。ケーブルを構成するアダプタ終端またはスイッチ終端は、すでに存在している必要はありません。このサブコマンドは、アダプタまたはスイッチを構成に追加するのにも使用できます。
アダプタまたはスイッチを構成に追加するとき、このコマンドはまた、アダプタまたはスイッチを有効にします。ケーブルを追加するとき、このコマンドはまた、ケーブルの各終端がまだ有効になっていない場合、ケーブルの各終端を有効にします。
2 ノードクラスタでは、各終端にあるアダプタにケーブルを追加する場合、仮想スイッチも作成します。
–d オプションは、無効な状態にある終端を追加するのに使用します。
–i オプションで構成ファイルを指定する場合、プラス記号 (+) をオペランドとして指定できます。このオペランドを使用するとき、このコマンドは、構成ファイルで指定されており、まだクラスタに存在していないすべてのインターコネクトコンポーネントを作成します。
スーパーユーザー以外のユーザーがこのサブコマンドを使用するには、solaris.cluster.modify RBAC の承認が必要です。
インターコネクトコンポーネントの削除については、remove コマンドを参照してください。
コマンドへのオペランドとして指定されたインターコネクトコンポーネントを無効にします。
このサブコマンドは、大域ゾーンでのみ使用します。
ケーブル、スイッチ、またはアダプタのどれを無効にするのかは、オペランドの構文により決定されます。詳細は、このマニュアルページの「オペランド」セクションを参照してください。
有効なケーブルに接続されているアダプタまたはスイッチを無効にしようとすると、その操作はエラーになります。接続されているアダプタまたはスイッチを無効にする前に、まず、ケーブルを無効にしてください。
ケーブルを無効にするとき、このコマンドはまた、ケーブルに関連する各終端 (アダプタまたはスイッチポートの場合あり) も無効にします。また、すべてのスイッチポートが無効な状態の場合、このコマンドはスイッチを無効にします。
アクティブなクラスタノードの最後のクラスタインターコネクトパスのケーブルまたは終端を無効にしようとすると、その操作はエラーになります。
スーパーユーザー以外のユーザーがこのサブコマンドを使用するには、solaris.cluster.modify RBAC の承認が必要です。
インターコネクトコンポーネントの有効化については、enable サブコマンドを参照してください。
コマンドへのオペランドとして指定されたインターコネクトコンポーネントを有効にします。
このサブコマンドは、大域ゾーンでのみ使用します。
ケーブル、スイッチ、またはアダプタのどれを有効にするのかは、オペランドの構文により決定されます。詳細は、このマニュアルページの「オペランド」セクションを参照してください。
ケーブルを有効にするとき、このコマンドはまた、ケーブルに関連する各終端 (アダプタまたはスイッチポートの可能性あり) も有効にします。
インターコネクトコンポーネントの無効化については、disable サブコマンドを参照してください。
スーパーユーザー以外のユーザーがこのサブコマンドを使用するには、solaris.cluster.modify RBAC の承認が必要です。
クラスタインターコネクトの構成情報をエクスポートします。
このサブコマンドは、大域ゾーンでのみ使用します。
–o オプションでファイル名を指定すると、構成情報はその新しいファイルに書き込まれます。–o オプションを指定しない場合、出力は標準出力に書き込まれます。
スーパーユーザー以外のユーザーがこのサブコマンドを使用するには、RBAC の承認 solaris.cluster.read が必要です。
コマンドへのオペランドとして指定されたクラスタインターコネクトコンポーネントを削除します。
このサブコマンドは、大域ゾーンでのみ使用します。
ケーブル、スイッチ、またはアダプタのどれを削除するのかは、オペランドの構文により決定されます。詳細は、このマニュアルページの「オペランド」セクションを参照してください。
次の動作は、ケーブルを削除するときに適用されます。
ケーブルを削除する前に、まず、ケーブルを無効にしてください。
有効なケーブルを削除しようとすると、その操作はエラーになります。
無効なケーブルを削除する場合、次の状況を除いて、ケーブルの終端も削除されます。
スイッチが別のケーブルによって使用されている。
–l オプションも指定している。
次の動作は、アダプタ終端またはスイッチ終端を削除するときに適用されます。
ケーブルに関連付けられていない終端を削除すると、指定された終端が削除されます。
ケーブルに関連付けられている終端を削除しようとすると、削除操作はエラーになります。これは、ケーブルが有効または無効であるかに関わらず発生します。
スーパーユーザー以外のユーザーがこのサブコマンドを使用するには、solaris.cluster.modify RBAC の承認が必要です。
インターコネクトコンポーネントの追加については、add サブコマンドを参照してください。
コマンドへのオペランドとして指定されたインターコネクトコンポーネントの構成を表示します。
このサブコマンドは、大域ゾーンまたはゾーンクラスタで使用できます。
構成情報には、そのコンポーネントが有効または無効であるかも含まれます。デフォルトでは、すべてのインターコネクトコンポーネントの構成が出力されます。
show サブコマンドは、すべてのコンポーネントを指定するプラス記号 (+) をオペランドとして受け入れます。–Z オプションを使用すると、指定した排他的 IP ゾーンクラスタのプライベートネットワーク構成情報を表示できます。
スーパーユーザー以外のユーザーがこのサブコマンドを使用するには、RBAC の承認 solaris.cluster.read が必要です。
インターコネクトパスのステータスを表示します。デフォルトでは、システムのすべてのインターコネクトパスのステータスが表示されます。–Z オプションを使用すると、指定した排他的 IP ゾーンクラスタのプライベートネットワーク構成情報のステータスを表示できます。
このサブコマンドは、大域ゾーンまたは排他的 IP ゾーンクラスタで使用できます。
次に、インターコネクトパスの可能な状態を示します。
インターコネクトパスの機能を妨げるエラーが検出されました。
インターコネクトパスはオンラインで、サービスを提供しています。
インターコネクトパスは Path online 状態に移行中です。
インターコネクトコンポーネントが有効または無効であるかを判定するには、show サブコマンドを使用します。
スーパーユーザー以外のユーザーがこのサブコマンドを使用するには、RBAC の承認 solaris.cluster.read が必要です。
次のオプションがサポートされています。
ヘルプ情報を表示します。このオプションを使用する場合、ほかの処理は実行されません。
このオプションは、単独でもサブコマンド付きでも使用できます。
このオプションを単独で使用する場合、使用可能なサブコマンドのリストが出力されます。
このオプションをサブコマンドを付けて使用する場合、そのサブコマンドの使用法オプションが出力されます。
無効な状態にある終端を追加することを指定します。
ケーブルを追加または変更するのに使用される構成情報を指定します。この情報は、clconfiguration(5CL) のマニュアルページに定義されている形式に準拠している必要があります。この情報は、ファイルに含めることも、標準入力を介して指定することもできます。標準入力を指定するには、ファイル名の代わりにマイナス記号 (-) を指定します。
コマンドで指定するオプションは、クラスタ構成ファイルで設定されている任意のオプションより優先されます。必要な要素がクラスタ構成ファイルに存在しない場合、これらの要素をコマンド行で指定してください。
マイナス記号 (-) 引数をこのオプションと一緒に使用すると、構成が標準入力として提供されることを指定できます。
ケーブル削除処理がケーブルだけを削除し、その終端を削除しないことを指定します。
–l オプションは、remove サブコマンドでのみ有効です。このオプションを remove サブコマンドとともに指定しない場合、このコマンドは、指定されたケーブルだけでなく、関連付けられたアダプタもすべて削除します。さらに、ケーブル削除処理がスイッチへの最後の接続を削除する場合、このコマンドはまた、そのスイッチも構成から削除します。
ノードまたはノードリストを指定します。このオプションは、指定したノードだけに接続されているアダプタとケーブルに処理を制限します。
ノードは、ノード名またはノード ID のどちらででも指定できます。
clconfiguration(5CL) のマニュアルページで規定されている形式で、インターコネクト構成を表示します。
export サブコマンドだけが –o オプションを受け付けます。
このオプションの引数としてファイル名を指定する場合、このコマンドは新しいファイルを作成して、そのファイルに構成情報を出力します。同じ名前のファイルがすでにある場合、このコマンドはエラーで終了します。既存のファイルに変更は行われません。
このオプションの引数としてマイナス記号 (-) を指定すると、このコマンドは標準出力に構成情報を表示します。このコマンドのほかの標準出力はすべて抑制されます。
コマンドのバージョンを表示します。
このオプションには、サブコマンドやオペランドなどのオプションは指定しないでください。サブコマンドやオペランドなどのオプションは無視されます。–V オプションは、コマンドのバージョンを表示するだけです。その他の処理は行いません。
詳細なメッセージを標準出力に表示します。デフォルトでは、show および status コマンドは詳細出力を表示します。
このオプションは、このコマンドの任意の形式に使用できます。
操作する 1 つまたは複数のクラスタを指定します。
このオプションは、show および status サブコマンドでサポートされています。
このオプションを指定する場合は、次のいずれかの引数も指定する必要があります。
このオプションと一緒に使用するコマンドが、zoneclustername という名前のゾーンクラスタ内でのみで動作するように指定します。
このオプションを使用するコマンドが、グローバルクラスタでのみ機能するように指定します。
このコマンドは、インターコネクト終端またはコンマ区切りの終端のペアをオペランドとして受け付けます。終端は、アダプタであることも、スイッチであることもあります。コンマ区切りの終端のペアはケーブルを示します。
複数のインターコネクトコンポーネントを受け付ける形式のコマンドの場合、プラス記号 (+) 引数を使用すると、すべての可能なコンポーネントを指定できます。
次のオペランドがサポートされています。
アダプタ終端を指定します。
アダプタ終端は、ノード名とアダプタ名を持ちます。アダプタ名の構成は、インターコネクト名の直後に物理ユニット番号 (net0 など) が続いたものです。これらの処理を行うにあたって、アダプタをホストするノードは、クラスタ内でアクティブとなっている必要はありません。
次のタイプのアダプタは、クラスタトランスポートアダプタとして構成できます。
Ethernet アダプタは別の Ethernet アダプタまたは Ethernet スイッチに接続できます。
InfiniBand アダプタは InfiniBand スイッチだけに接続できます。
デフォルトでは、アダプタは dlpi トランスポートタイプを使用して構成されます。
タグ付き VLAN アダプタを指定するには、物理デバイス名と VLAN インスタンス番号から派生されたタグ付き VLAN アダプタ名を使用します。VLAN インスタンス番号は、VLAN ID に 1000 を掛けて、元の物理ユニット番号を足したものです。たとえば、物理デバイス net2 上の VLAN ID 11 は、タグ付き VLAN アダプタ名 net11002 に変換されます。
スイッチ終端を指定します。
個々のインターコネクトスイッチの名前は、クラスタの名前空間全体で一意でなければなりません。英字、数字、またはその両方の組み合わせを使用できます。スイッチ名の最初の文字は英字にする必要があります。
スイッチ終端の port コンポーネントを指定しない場合、このコマンドはデフォルトのポート名を想定します。デフォルトのポート名は、ケーブルのもう一方に接続されているノードのノード ID と同じです。
次のタイプのスイッチをクラスタトランスポートスイッチとして構成できます。
Ethernet スイッチを Ethernet アダプタと一緒に使用します。
InfiniBand スイッチを InfiniBand アダプタと一緒に使用します。
デフォルトでは、スイッチは switch タイプを使用して構成されます。
ケーブルを指定します。
ケーブルは、アダプタ終端またはスイッチ終端のコンマ区切りのペアです。終端の順番は重要でありません。ケーブルオペランドは、完全なクラスタインターコネクトを追加するのに使用します。ケーブルを追加するとき、clinterconnect コマンドは両方の終端を自動的に作成するため、アダプタ終端またはスイッチ終端を別に作成する必要はありません。
このコマンドセットにあるすべてのコマンドの終了ステータスコードの完全なリストについては、Intro(1CL) のマニュアルページを参照してください。
指定したすべてのオペランドでコマンドが成功すると、コマンドはゼロ (CL_NOERR) を返します。あるオペランドでエラーが発生すると、コマンドはオペランドリストの次のオペランドを処理します。戻り値は常に、最初に発生したエラーを反映します。
このコマンドは、次の終了ステータスコードを返します。
エラーなし
十分なスワップ空間がありません。
無効な引数
アクセス権がありません
I/O エラー
そのようなオブジェクトはありません。
操作が許可されていません
オブジェクトはビジーです
オブジェクトは存在します。
次の例では、ノード phys-schost-1 上のアダプタ net0 とノード phys-schost-2 上のアダプタ net0 の間のポートを接続するケーブルを追加する方法を示します。
# clinterconnect add phys-schost-1:net0,phys-schost-2:net0使用例 2 スイッチとアダプタ間でのケーブルの作成
次の例では、ノード phys-schost-1 上のアダプタ net0 とスイッチ ether_switch の間にケーブルを追加する方法を示します。
# clinterconnect add phys-schost-1:net0,ether_switch使用例 3 ケーブルの無効化
次の例では、ノード phys-schost-1 上のアダプタ net0 とスイッチ ether_switch の間に接続されているケーブルを無効にする方法を示します。
# clinterconnect disable phys-schost-1:net0,ether_switch使用例 4 クラスタインターコネクトケーブルの削除
次の例では、ノード phys-schost-1 上のアダプタ net0 とスイッチ ether_switch の間に接続されているケーブルを取り外す方法を示します。
# clinterconnect remove phys-schost-1:net0,ether_switch使用例 5 タグ付き VLAN アダプタとスイッチ間でのケーブルの作成
次の例では、ノード phys-schost-1 上のタグ付き VLAN アダプタ net73002 と VLAN 対応スイッチ switch1 の間にケーブルを追加する方法を示します。このアダプタの物理名は net2 で、VLAN ID は 73 です。
# clinterconnect add phys-schost-1:net73002,switch1使用例 6 スイッチの有効化
次の例では、スイッチ終端 switch1 を有効にする方法を示します。
# clinterconnect enable switch1
次の属性の説明は、attributes(5) を参照してください:
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Intro(1CL), cluster(1CL), clconfiguration(5CL), rbac(5)
Oracle Solaris Cluster 4.2 Hardware Administration Manual
Oracle Solaris Cluster ソフトウェアのインストール
スーパーユーザーはこのコマンドのすべての形式を実行できます。
任意のユーザーは次のオプションを指定してこのコマンドを実行できます。
–? (ヘルプ) オプション
–V (バージョン) オプション
スーパーユーザー以外のユーザーがほかのサブコマンドを指定してこのコマンドを実行するには、RBAC の承認が必要です。次の表を参照してください。
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