scconf -a [-Hv] [-h node_options] [-A adapter_options] [-B switch_options] [-m cable_options] [-P privatehostname_options] [-q quorum_options] [-D devicegroup_options] [-T authentication_options]
scconf -c [-Hv] [-C cluster_options] [-A adapter_options] [-B switch_options] [-m cable_options] [-P privatehostname_options] [-q quorum_options] [-D devicegroup_options] [-S slm_options] [-T authentication_options] [-w heartbeat_options]
scconf -r [-Hv] [-h node_options] [-A adapter_options] [-B switch_options] [-m cable_options] [-P privatehostname_options] [-q quorum_options] [-D devicegroup_options] [-T authentication_options]
scconf -p [-Hv [v]]
scconf [-H]
scconf コマンドは、Oracle Solaris Cluster ソフトウェアの構成を管理します。scconf を使用して、構成への項目の追加、構成済み項目のプロパティーの変更、構成からの項目の削除などを行うことができます。これらの 3 つの形式の各コマンド内で、コマンド行に入力された順にオプションが処理されます。各オプションの処理が開始されるのは、その直前のオプションによる更新処理がすべて完了してからになります。
また、scconf コマンドは Solaris Volume Manager メタセットおよび raw ディスクグループが、データ可用性のためにコントローラベースのレプリケーションを使用するディスクで構成されている場合に、これらのディスクグループおよびメタセットを登録するためにも使用できます。 scconf コマンドを使用してディスクグループとメタセットを登録する前に、ディスクグループのすべてのディスクがレプリケートされているか、レプリケートされていないかのどちらかであり、その両方ではないことを確認してください。また、scdidadm コマンドに –T または –t オプションを付けて実行するか、cldevice replicate コマンドを実行する必要があります。これらのコマンドは、コントローラベースのレプリケーションを使用するように DID デバイスを構成します。詳細は、scdidadm(1M) のマニュアルページまたは cldevice(1CL) のマニュアルページを参照してください。
なお scconf コマンドを実行できるのは、有効なクラスタノードからだけです。クラスタ内のアクティブなノードであれば、どのノードからコマンドを実行しても違いはありません。コマンドを実行して得られる結果は、実行するノードに関係なく、常に同じです。
scconf に –p オプションを指定すると、現在の構成が一覧表示されます。
–H オプションは、scconf コマンドのすべての形式で使用できます。–H を指定すると、ヘルプ情報が表示されます。その他のオプションは無視されるため、実行されません。ヘルプ情報は、オプションなしで scconf を呼び出した場合も出力されます。
このコマンドは、大域ゾーンだけで使用できます。
次のオプションは、すべての形式の scconf コマンドに共通です。
このオプションをコマンド行のいずれかの場所に指定すると、ヘルプ情報が出力されます。他のすべてのオプションは無視され、実行されません。ヘルプ情報は、オプションなしで scconf を呼び出した場合も出力されます。
このオプションは大域ゾーンだけで使用できます。
次のオプションは、scconf コマンドの基本的な形式および機能を変更します。これらのオプションは、1 つのコマンド行で複数を同時使用できません。
add 形式の scconf コマンドを指定します。
このオプションは大域ゾーンだけで使用できます。
–a オプションは、Oracle Solaris Cluster のソフトウェア構成の定義に使用されるほとんどの項目の追加や初期化に使用できます。追加する要素 (たとえば、アダプタ、スイッチ、デバイスグループなどのオプション) やその関連プロパティーを指定する場合は、–a と一緒に追加オプションを使用します。1 つのコマンド行で同時に使用できる追加オプションの数は、–a オプションと併用可能であれば、特に制限はありません。
change 形式の scconf コマンドを指定します。
このオプションは大域ゾーンだけで使用できます。
–c オプションは、Oracle Solaris Cluster ソフトウェア構成の一部としてすでに構成されている項目のプロパティーを変更するときに使用します。新規または変更済みのプロパティーを指定する場合は、–c と一緒に追加オプションを使用します。1 つのコマンド行で同時に使用できる追加オプションの数は、–c オプションと併用可能であれば、特に制限はありません。
print 形式の scconf コマンドを指定します。
このオプションは大域ゾーンだけで使用できます。
–p オプションを指定すると、scconf を使って構成できる Oracle Solaris Cluster の現在の構成要素とその関連プロパティーが一覧表示されます。このオプションに –v オプションを併用して、冗長形式で出力させることも可能です。
remove 形式の scconf コマンドを指定します。
このオプションは大域ゾーンだけで使用できます。
–r オプションは、Oracle Solaris Cluster ソフトウェア構成から項目を削除するときに使用します。–r では、構成から削除する項目を指定する追加オプションを使用できます。1 つのコマンド行で同時に使用できる追加オプションの数は、–r オプションと併用可能であれば、特に制限はありません。
次の追加オプションは、上で述べた基本オプションの 1 つまたは複数と併用できます。scconf の各形式で使用できるオプションについては、SYNOPSIS セクションを参照してください。
使用可能なオプションを次に示します。
クラスタトランスポートアダプタに、プロパティーの追加、削除、変更を行います。処理にあたって、指定されたアダプタをホストするノードは、クラスタ内でアクティブとなっている必要はありません。–A が使用可能なコマンドの 3 つの形式で、–A adapter_options はそれぞれ次のようになります。
add 形式のコマンドの場合、–A adapter_options を指定するには次の構文を使用します:
–A name=adaptername,node= node[,vlanid=vlanid][,state= state] \ [,other_options]
change 形式のコマンドの場合、–A adapter_options を指定するには次の構文を使用します:
–A name=adaptername,node= node[,state=state] \ [,other_options]
remove 形式のコマンドの場合、–A adapter_options を指定するには次の構文を使用します:
–A name=name,node=node
–A オプションは、次のサブオプションをサポートしています。
特定のノード上にあるアダプタ名を指定します。–A オプションが指定されるごとに、このサブオプションが含まれている必要があります。
adaptername は 1 つの device name から構成され、その直後に 1 つの physical-unit 番号が続きます (hme0 など)。
特定のノード上にあるアダプタ名を指定します。–A オプションが指定されるごとに、node サブオプションが必要です。
node には、ノード名またはノード ID を指定できます。
アダプタの状態を変更します。このサブオプションは、change 形式のコマンドで使用できます。state には、enabled または disabled を指定できます。
構成にアダプタを追加した場合、その状態は常に disabled に設定されます。アダプタ上のいずれかのポートにケーブルを追加すると、デフォルトでは、ポートおよびアダプタの状態が enabled に変わります。–m cable_options を参照してください。
あるアダプタを使用不可にすると、そのアダプタに関連付けられたすべてのポートも使用不可になります。これに対して、アダプタを使用可能にしても、関連ポートは使用可能にはなりません。アダプタポートを有効にするためには、ポートが接続されているケーブルを有効にする必要があります。
トランスポートタイプを指定します。add 形式のコマンドで –A が使用されている場合は、このサブオプションが含まれている必要があります。
トランスポート type の例は dlpi です。sctransp_dlpi(7p) を参照してください。
タグ付けされた VLAN アダプタの VLAN ID を指定します。
特定のアダプタの型に使用可能なほかのオプションには、add および change 形式のコマンドで –A オプションと併用するものがあります。特殊なオプションについては、クラスタトランスポートアダプタのマニュアルページを参照してください。
このコマンドオプションを、–a、–c、または –r と一緒に使用するには、solaris.cluster.transport.modify の RBAC 承認が必要です。rbac(5) を参照してください。
クラスタトランスポートスイッチ (トランスポート接続点とも呼ぶ) のプロパティーを追加、削除、または変更します。
このようなデバイスの例としては、Ethernet ハブ、ほかの各種タイプのスイッチ、リングなどが該当しますが、これらだけに限られるわけではありません。
–B が使用可能なコマンドの 3 つの形式で、–B switch_options はそれぞれ次のようになります。
add 形式のコマンドの場合、–B switch_options を指定するには次の構文を使用します:
–B type=type,name=name [,other_options]
change 形式のコマンドの場合、–B switch_options を指定するには次の構文を使用します:
–B name=name[,state= state][,other_options]
remove 形式のコマンドの場合、–B switch_options を指定するには次の構文を使用します:
–B name=name
–B オプションは、次のサブオプションをサポートしています。
クラスタトランスポートスイッチの名前を指定します。–B オプションが指定されるごとに、name サブオプションが含まれている必要があります。
name は最大長 256 文字の文字列が指定できます。名前には数字や文字が使えますが、最初のキャラクタは文字でなければなりません。個々のトランスポートスイッチの名前は、クラスタの名前空間全体で一意でなければなりません。
クラスタトランスポートスイッチの状態を変更します。このサブオプションは、–B change コマンドで使用できます。state には、enabled または disabled を指定できます。
構成にスイッチを追加した場合、その状態は disabled に設定されます。スイッチ上のいずれかのポートにケーブルを追加すると、デフォルトでは、ポートおよびスイッチの状態が enabled に変わります。–m cable_options を参照してください。
あるスイッチを使用不可にすると、そのスイッチに関連付けられたすべてのポートも使用不可になります。これに対して、スイッチを使用可能にしても、関連ポートは使用可能にはなりません。スイッチポートを有効にするためには、ポートが接続されているケーブルを有効にする必要があります。
クラスタトランスポートスイッチの型を指定します。add 形式のコマンドで –B が使用されている場合は、このサブオプションが含まれている必要があります。
Ethernet ハブとは、switch タイプのクラスタトランスポートスイッチの例です。詳細は、scconf_transp_jct_etherswitch(1M) のマニュアルページを参照してください。
特定のスイッチの型にほかのオプションを使用できる場合、add および change 形式のコマンドで –B とともにそれらを使用できます。特殊なオプションについては、scconf_transp_jct_etherswitch(1M) クラスタトランスポートスイッチのマニュアルページを参照してください。
このコマンドオプションを、–a、–c、または –r と一緒に使用するには、solaris.cluster.transport.modify の RBAC 承認が必要です。rbac(5) を参照してください。
クラスタ名を変更します。このオプションが使用できるのは change 形式のコマンドだけです。
cluster_options は、change 形式のコマンドに対して、次のように指定します:
–C cluster=clustername
この形式のコマンドでは、クラスタの名前が clustername に変更されます。
ディスクデバイスグループを構成に追加するか、既存のデバイスグループのプロパティーを変更またはリセットするか、Oracle Solaris デバイスグループの構成からグループを削除します。その他のデバイスグループオプション (other_options) は、デバイスグループおよびそのオプションの追加と変更で、重要な役割を担っています。デバイスグループを構成する際は、マニュアルページのタイプ依存型デバイスグループオプションに特に注意してください (例: scconf_dg_svm(1M) および scconf_dg_rawdisk(1M))。デバイスグループの種類によっては、–D オプションの 3 つの形式すべてをサポートしていないものもあります。svm デバイスグループで通常使用できるものは change 形式のコマンドのみで、ノード優先順位リストの順序など、特定の属性を変更することしかできません。
add 形式のコマンドを使用できるのは、新規にデバイスグループを作成する場合か、既存のデバイスグループにノードを追加する場合です。デバイスグループのタイプによっては、add 形式を使ってデバイスをグループに追加できる場合があります。コマンドの change 形式は、グループに関連するいくつかの属性を変更するために、更新を登録します。remove 形式のコマンドを使用できるのは、デバイスグループ全体を削除する場合か、グループのコンポーネントをいくつか削除する場合です。
–D が使用可能な scconf コマンドの 3 つの形式で、–D devicegroup_options はそれぞれ次のようになります:
追加:
–D type=type,name= name[,nodelist=node[: node]…] [,preferenced={true | false}] [,numsecondaries=integer] [,failback={enabled | disabled}][,other_options]
変更:
–D name=name[,nodelist= node[:node]…] [,preferenced={true | false}] [,numsecondaries=integer] [,failback={enabled | disabled}][,other_options]
削除:
–D name=name,nodelist= node[:node]…
–D オプションは、次のサブオプションをサポートしています。
デバイスグループの名前。この名前は、コマンドの 3 つの形式すべてで指定してください。
潜在的なプライマリノードのリストです。このリストは、グループをクラスタに追加するときに、デバイスグループタイプによっては指定が必要です。詳細は、タイプ依存型デバイスグループのマニュアルページを参照してください。
preferenced サブオプションを true に設定する場合は、nodelist サブオプションが必要です。
add 形式のコマンドの場合、デフォルトでは nodelist は、デバイスグループでプライマリノードとなるべきノードの優先順序を指定する順序リストです。ただし、preferenced サブオプションが false (次のサブセクションを参照) に設定されている場合は、グループ内のデバイスにアクセスする最初のノードが自動的にそのグループのプライマリノードになります。preferenced サブオプションは、既存のデバイスグループにノードを追加する場合は使用できません。ただし、そのグループをはじめて作成する場合や、change 形式のコマンドで使用する場合は、preferenced サブオプションを使用できます。
プライマリノードの優先順位を変更する場合は、nodelist に、必要な順序でクラスタノードの完全なリストを指定する必要があります。また、preferenced サブオプションも true に設定する必要があります。
remove 形式のコマンドで使用する場合、nodelist サブオプションは、指定したノードをデバイスグループから削除するために使用します。デバイスグループ全体が削除されるのは、nodelist を指定しない場合だけです。デバイスグループからすべてのノードを削除しただけでは、必ずしもグループそのものを削除したことにはなりません。
デバイスグループのタイプ。このタイプは、作成するデバイスグループのタイプ (rawdisk など) を示すために、add 形式のコマンドで使用する必要があります。
add または change 形式のコマンドを使用して、デバイスグループの failback 動作を有効または無効にします。
システムの動作を指定する理由は、デバイスグループのプライマリノードがクラスタメンバーシップから切り離され、あとでふたたび戻ることがあるためです。
こうしたノードがクラスタメンバーシップから切り離された段階で、デバイスグループはセカンダリノードに処理を継続します。そして障害の発生したノードがクラスタメンバーシップに再結合すると、デバイスグループは、そのままセカンダリノードにマスターされ続けるか、あるいは、オリジナルのプライマリノードにフェイルバックするか、のいずれかの挙動を取ります。
failback が enabled に設定されている場合、デバイスグループは、オリジナルのプライマリノードにマスターされるようになります。failback が disabled に設定されている場合、デバイスグループは、セカンダリノードによって引き続きマスターされます。
デフォルトでは、failback が disabled に設定されています。
デバイスグループのセカンダリノードの数を必要に応じて動的に変更できます。デバイスグループは HA サービスの 1 つであるため、1 つのプライマリノードと 1 つ以上のセカンダリノードが必要です。デバイスグループ内のこうしたセカンダリノードは、現在のプライマリノードに問題が生じた場合に、新たなプライマリノードとして機能します。
ここには 1 以上の整数を指定しますが、指定したグループ内に存在するノードの総数以下にする必要があります。デフォルトは 1 です。
numsecondaries サブオプションを使用することにより、システム管理者は、特定のレベルの可用性を維持しながらデバイスグループのセカンダリノードの数を変更できます。デバイスグループのあるノードがセカンダリノードのリストから削除されると、そのノードはセカンダリノードに戻るまで、プライマリノードの役割を引き継ぐことはできません。セカンダリノードの数を変更するに当たっては、セカンダリグローバルファイルシステムに与える影響を事前に考察しておく必要があります。
numsecondaries サブオプションは、現在クラスタモードにあるデバイスグループ内のノードにのみ適用され、そのノードの preferenced サブオプションとともに使用できます。デバイスの preferenced サブオプションが有効になっている場合は、優先度のもっとも低いノードが最初にセカンダリノードリストから削除されます。優先フラグがついているノードがデバイスグループの中に 1 つもないと、クラスタはノードをランダムに選択し、削除します。
いくつかのノードに障害が発生した結果として、デバイスグループ内のセカンダリノードの実働数が指定値よりも少なくなった場合、過去にセカンダリノードリストから削除されたノードがあれば、これらはセカンダリノードリストに再登録されますが、その際には、これらのノードがクラスタ内に存在すること、該当するデバイスグループに所属していること、プライマリノードとしてもセカンダリノードとしても現在使用されていないことが再登録の条件となります。こうしたリストへの再登録は、デバイスグループ内でもっとも優先度の高いノードから始められ、セカンダリノードの指定数が満たされた段階で終了します。
デバイスグループ内のあるノードが既存のセカンダリノードよりも高い優先度をもち、クラスタに結合される場合、優先度がもっとも低いノードがセカンダリノードリストから削除され、新規に追加されたノードと交換されます。この交換は、実際のセカンダリノードが必要なレベルよりも多く存在するときに限って起こります。
必要なセカンダリノード数をシステムのデフォルトに設定する場合は (デフォルト値を知らずに)、次のどちらかのコマンドを使用します。
# scconf -aD type=svm,name=foo, \ nodelist=node1:node2,numsecondaries=
または
# scconf -cD name=foo,numsecondaries=
numsecondaries サブオプションを –a オプションとともに使用できるのは、デバイスグループが作成される場合だけです。既存のデバイスグループにホストを追加する場合は、numsecondaries サブオプションを –a オプションとともに使用できません。
デバイスグループに対する潜在的なプライマリノードの優先順位のステータスを指定します。preferenced サブオプションが false に設定されていないかぎり、新しく作成されたデバイスグループのノードリストは、各ノードがデバイスグループのプライマリノードとして引き継ぎを試みる優先順位を示します。
preferenced サブオプションを true に設定した場合は、ノードリスト全体を指定するために nodelist サブオプションも使用する必要があります。
デバイスグループを作成するために使用される add で preferenced サブオプションが指定されていない場合、このサブオプションはデフォルトで false になります。ただし、change で preferenced サブオプションが指定されていない場合、nodelist が指定されていると、このサブオプションはデフォルトで true に設定されます。
preferenced サブオプションは、確立されたデバイスグループにノードを追加するために使用する add では使用できません。このような場合は、過去に指定したノードプレファレンスリストが使用されます。
add または change 形式のコマンドでは、デバイスグループのほかのタイプ依存型オプションを使用できます。詳細は、該当するマニュアルページを参照してください (例: scconf_dg_svm(1M) および scconf_dg_rawdisk(1M))。
このコマンドオプションを、–a、–c、または –r と一緒に使用するには、solaris.cluster.device.modify の RBAC 承認が必要です。rbac(5) を参照してください。
クラスタ構成データベースに対して、ノードの追加または削除を行います。add 形式の scconf コマンドで使用した場合、クラスタ構成データベースに新規の名前および内部生成されたノード ID が追加されます。さらに新規ノードに対しては、ディスク予約キーが与えられ、定足数の投票数は 0 になります。クラスタインターコネクトでのノードのアクセス用に割り当てられる名前は、clusternodenodeid-priv に初期化されます。構成要素とそのプロパティーの出力については、–p オプションを参照してください。
scconf 単独では、クラスタに新規ノードを追加できません。scconf を使用できるのは、構成データベース自体を更新する場合だけです。scconf は、構成データベースを新しいノードにコピーしたり、必要なノード識別子を新しいノードに作成したりするわけではありません。ノードをクラスタに追加するには、scinstall(1M) を使用します。
remove 形式の scconf で使用する場合、ノードへのすべての参照 (最後のトランスポートケーブル、すべてのリソースグループ参照、およびすべてのデバイスグループ参照を含む) を、scconf を使用してクラスタ構成からノードを完全に削除する前に削除する必要があります。
定足数デバイスに対して構成されているノードは、削除できません。また 3 ノードクラスタに関しては、少なくとも 1 つの共有定足数デバイスが構成されていないかぎり、ノードを削除できません。
クラスタノードの削除に関する詳しい説明は、Oracle Solaris Cluster ドキュメントのシステム管理手順を参照してください。
–h オプションが指定されるごとに、node=node サブオプションを指定する必要があります。add 形式のコマンドを使用する場合、node にノード名を指定する必要があります。
add 形式のコマンドの場合、–h node_options を指定するには次の構文を使用します。
–h node=nodename
remove 形式のコマンドを使用する場合、node には、ノード名またはノード ID を指定できます。remove 形式のコマンドの場合、–h node_options を指定するには次の構文を使用します:
–h node=node
このコマンドオプションを、–a、–c、または –r と一緒に使用するには、solaris.cluster.node.modify の RBAC 承認が必要です。rbac(5) を参照してください。
クラスタインターコネクトトポロジの設定を支援します。このオプションは、クラスタトランスポートのアダプタやスイッチに存在するさまざまなポートを接続するケーブルを構成するときに有益です。個々の新規ケーブルは、通常 2 つのクラスタトランスポートアダプタ間または 1 つのトランスポートスイッチ上のポートとアダプタ間で、接続の対応付けを行います。–m が使用可能な各形式のコマンドで、–m cable_options は、それぞれ次のようになります:
add 形式のコマンドの場合、–m cable_options を指定するには次の構文を使用します:
–m endpoint=[node:] name[@port], endpoint=[node:]name[@ port][,noenable]
change 形式のコマンドの場合、–m cable_options を指定するには次の構文を使用します:
–m endpoint=[node:] name[@port],state= state
remove 形式のコマンドの場合、–m cable_options を指定するには次の構文を使用します:
–m endpoint=[node:] name[@port]
–m オプションは、次のサブオプションをサポートしています。
–m オプションを指定するたびに、これを指定する必要があります。add 形式のコマンドでは、2 つの endpoint オプションを指定する必要があります。オプション引数の name コンポーネントは、ケーブルの一方の終端の、クラスタトランスポートスイッチまたはクラスタトランスポートアダプタの名前を指定します。node コンポーネントを指定する場合、name はクラスタトランスポートアダプタの名前です。そうでない場合は、name にクラスタトランスポートスイッチの名前を指定します。
port コンポーネントが指定されなかった場合、デフォルトのポート名を使って処理が試みられます。アダプタに対するデフォルトポートは、常に 0 になります。スイッチ終端に対するデフォルトポート名は、ケーブルの他端に接続されたノードのノード ID と等しくなります。ポートの割り当てやその他の要件の詳細は、クラスタトランスポートアダプタおよびクラスタトランスポートスイッチのマニュアルページを参照してください (例: scconf_transp_jct_etherswitch(1M))。ケーブルを追加する前に、ケーブルの 2 つの終端にある各アダプタおよびスイッチを構成しておく必要があります (–A および –B を参照)。
ケーブルを構成に追加するときにこれを使用できます。デフォルトでは、ケーブルの追加時に、ケーブル、それが接続される 2 つのポート、それらのポートがあるアダプタまたはスイッチの各状態が enable に設定されます。これに対して、ケーブルの追加時に noenable を指定すると、ケーブルおよびその 2 つの終端は disabled の状態で追加されます。ただし、これらのポートの位置するスイッチまたはアダプタの状態は、変更されません。
ケーブルとそれが接続されている 2 つの終端の状態を変更します。ケーブルが有効になると、ケーブル、その 2 つのポート、およびそれらの 2 つのポートに関連するアダプタやスイッチが、すべて有効になります。これに対して、ケーブルを使用不可にしても、使用不可となるのはケーブル自体とその 2 つのポートだけです。これら 2 つのポートに関連するスイッチまたはアダプタの状態は変更されません。デフォルトでは、ケーブルとその終端の状態は、ケーブルが構成に追加された時点で、常に enabled に設定されます。ただし、disabled 状態にあるケーブルを追加するには、追加操作の一部として noenable サブオプションを使用します。
このコマンドオプションを、–a、–c、または –r と一緒に使用するには、solaris.cluster.transport.modify の RBAC 承認が必要です。rbac(5) を参照してください。
ノードの場合、プライベートホスト名を追加または変更します。
このコマンドの add (–a) 形式で使用するとき、–P オプションは次のアクションの 1 つを指定します。
ノードが指定されている場合、このコマンドは、プライベートクラスタインターコネクトまたはトランスポートにおいて、指定されたノードの IP アクセスで使用するように、指定されたホスト名エイリアスを割り当てます。それ以外が割り当てられていない、あるいは、リセットされた場合、ノードのデフォルトのプライベートホスト名は clusternodenodeid-priv になります。
このホスト名は、企業内のほかのノードで使用されていないものにしてください。
クラスタ用に構成されているプライベート IP アドレス範囲は、クラスタ内で使用されるプライベート IP アドレスの増加をサポートできる必要があります。プライベート IP アドレスを割り当てる前に、プライベート IP アドレス範囲で、追加されるプライベート IP アドレスをサポートできることを確認します。詳細は、scprivipadm(1M) のマニュアルページを参照してください。
change (–c) 形式のコマンドで使用する場合、–P オプションは、指定されたノードのホスト名エイリアスを変更します。
プライベートホスト名は、hosts(4) データベースには格納しないようにしてください。プライベートホスト名のホスト名検索はすべて、nsswitch という特殊な機能により実行されます (nsswitch.conf(4) を参照)。
–P が使用可能なコマンドの各形式で、privatehostname_options はそれぞれ次のようになります:
追加:
–P node=node[,privatehostname=hostalias]
変更:
–P node=node[,privatehostname=hostalias]
削除:
-P node=node
–P オプションは、次のサブオプションをサポートしています。
privatehostname サブオプションで指定されたプライベートホスト名 (またはホストのエイリアス) が割り当てられるノードの名前または ID を提供します。
プライベートクラスタインターコネクトまたはトランスポートのノードアクセスに使用するホストのエイリアスを指定します。privatehostname サブオプションが指定されていない場合、指定された node のプライベートホスト名はデフォルトにリセットされます。
このコマンドオプションを、–a、–c、または –r と一緒に使用するには、solaris.cluster.transport.modify の RBAC 承認が必要です。rbac(5) を参照してください。
共有クラスタ定足数デバイスやさまざまなクラスタ定足数プロパティーを管理します。マニュアルページのタイプ依存型定足数デバイスオプションに特に注意してください (例: scconf_quorum_dev_scsi(1M))。
注意 - コントローラベースのレプリケーションを使用するデバイスは、Oracle Solaris Cluster 環境では定足数デバイスとしては使用できません。–q オプションを使用してコントローラベースのレプリケーションを使用するデバイスを指定する場合、scconf コマンドはエラーを返します。 |
構成への共有定足数デバイスの追加および削除には、add および remove 形式のコマンドを使用します。各種のクラスタ定足数の構成プロパティーや状態を変更するには、change 形式のコマンドを使用します。これら 3 つの各形式のコマンドで使用可能な –q quorum_options を使用すると、次のようにクラスタ定足数構成を変更できます:
追加:
–q name=devicename, type={scsi}For SCSI quorum devices only: -q autoconfig[,noop]
変更:
-q node=node,{ maintstate | reset} –q name=devicename,{ maintstate | reset} –q reset -q installmodeFor SCSI quorum devices only: -q autoconfig[,noop]
削除:
–q name=devicename
scconf による定足数に関係した処理中に割り込みや失敗が発生した場合、クラスタ構成データベースの定足数の構成情報の一貫性が維持できなくなることがあります。この状態が発生した場合は、同じ scconf コマンドを再度実行するか、または定足数情報をリセットするための reset サブオプションを指定して実行します。
–q オプションは、次のサブオプションをサポートしています。
add 形式のコマンドで使用された場合、2 ノードクラスタから 1 つの定足数デバイスを自動的に選択し、割り当てます。この定足数デバイスは、使用可能なデバイスから選択されます。定足数デバイスがすでに構成されている場合には、このコマンドは異常終了します。
change 形式のコマンドで使用された場合、1 つのデバイスを自動的に選択し、割り当てます。このデバイスが、2 ノードクラスタのすべての既存定足数デバイスを置き換えます。この定足数デバイスは、使用可能なデバイスから選択されます。
クラスタにあるすべてのデバイスは、定足数デバイスとしての資格を備えていなければなりません。autoconfig サブオプションは、使用可能なデバイスが定足数デバイスの資格を備えているかどうかを評価しません。
クラスタに 3 つ以上のノードが含まれている場合は、autoconfig サブオプションによって定足数構成が変更されることはありません。NAS デバイスを定足数として構成しようとしている場合は、autoconfig サブオプションを使用しないでください。
クラスタを強制的にインストールモードに戻します。installmode に設定されたノードは、ブート時に定足数構成のリセットを行いません。またこのモードにある間は、管理機能の多くが使用不可能になります。クラスタが最初にインストールされる際、installmode が設定された状態で設定されます。すべてのノードがはじめてクラスタに参加し、共有定足数デバイスが構成に追加されると、scconf -c -q reset を発行して投票数をデフォルト値にリセットし、installmode 設定をクリアします。
共有定足数デバイスをクラスタに追加したり、クラスタから削除する際に、接続されたストレージデバイスの名前を指定します。また、このサブオプションを change 形式のコマンドで使用して、定足数デバイスの状態を変更することもできます。
個々の定足数デバイスは、クラスタ内の最低 2 つのノードと接続またはポートする必要があります。非共有ディスクを、定足数デバイスにできません。
change 形式の scconf コマンドに –q name を指定することで、デバイスを保守状態に移行させたり、あるいはデバイスの定足数に関する構成をデフォルトにリセットしたりすることができます。保守状態に移行させた場合、デバイスは投票数が 0 となるため、定足数の形成には参加しません。デフォルトにリセットした場合、デバイスの投票数は N-1 に変更されます。この N は、デバイスへのポートを有する、投票数がゼロ以外のノードの数です。
add 形式のコマンドで使用する場合は、追加しようとする共有定足数デバイスのポートで構成すべきノードをこのサブオプションで選択します。また、このサブオプションを change 形式のコマンドで使用して、ノードの定足数状態を変更することもできます。
node サブオプションが change 形式の定足数更新コマンドで使用される場合、このサブオプションはノードを保守状態に移行するか、またはノードの定足数構成をデフォルトにリセットするために使用されます。
ノードを保守状態に移行する前にノードを停止する必要があります。またクラスタメンバーを保守状態に移行しようとすると、scconf はエラーを返します。
保守状態に移行させた場合、ノードの投票数は 0 になるため、定足数の形成には参加しません。また、ノードへのポートを構成した共有定足数デバイスについては、新しいノードの状態を反映するため、その投票数が 1 つ小さくなります。ノードがデフォルトにリセットされる場合、その投票数は 1 にリセットされ、共有定足数デバイスの投票数は元の値に再調整されます。クラスタが installmode にないかぎり、個々のノードに対する定足数の構成は、ブート時に自動的にリセットされます。
node には、ノード名またはノード ID を指定できます。
add 形式のコマンドで使用した場合、作成する定足数デバイスの種類を指定します。
共有ディスク定足数デバイスを指定します。SCSI タイプ固有のオプションについては、scconf_quorum_dev_scsi(1M) を参照してください。
change 形式のコマンドで、globaldev と node のいずれかのサブオプションのフラグとして使用する場合は、共有定足数デバイスまたはノードを定足数の保守状態に移行します。保守状態に移行させた共有デバイスやノードは、定足数の形成には参加しません。これは保守作業のためにノードやデバイスを長期に渡って停止させる場合に有用な機能です。通常の状況では、ノードをブートし、クラスタに戻すと、ノードは自動的に保守モードを脱します。
maintstate および reset オプションを、1 つの –q オプションに対して同時に指定できません。
autoconfig サブオプションとともに指定した場合に有効です。このコマンドは、autoconfig サブオプションによって追加または変更される定足数デバイスのリストを標準出力に出力します。autoconfig,noop サブオプションによって定足数構成が変更されることはありません。
change 形式のコマンドでフラグとして使用する場合は、共有定足数デバイスまたはノードの、構成された定足数投票数をこれでリセットします。このオプションは、globaldev または node サブオプションと組み合わせることも、単独のサブオプションにすることもできます。
このオプションを単独で使用した場合、定足数のすべての構成は、デフォルトの投票数にリセットされます。また installmode が設定されていると、グローバルな定足数構成のリセットによりクリアされます。1 つ以上の共有定足数デバイスが正常に構成されている場合を除き、2 ノードクラスタでは installmode をリセットできません。
その他の定足数デバイスタイプ固有のオプションを使用できます。詳細は、scconf_quorum_dev_scsi(1M) を参照してください。
このコマンドオプションを、–a、–c、または –r と一緒に使用するには、solaris.cluster.quorum.modify の RBAC 承認が必要です。rbac(5) を参照してください。
change 形式の sconf コマンドで使用する場合、システムリソース制御を構成するためのプロパティーを設定します。これらのプロパティーに値を割り当てない場合、自動的にデフォルト値に設定されます。
–S オプションの構文は次のとおりです。
–S [node=node] \ [,globalzoneshares=integer] \ [,defaultpsetmin=integer]
–S オプションは、次のサブオプションをサポートしています。
大域ゾーンに割り当てられるシェアの数を設定します。globalzoneshares の下限は 1、上限は 65,535 です。この上限を理解するには、prctl(1) のマニュアルページの zone.cpu-shares 属性を参照してください。globalzoneshares のデフォルト値は 1 です。動作しているクラスタ上で、大域ゾーンに CPU 制御が構成されたオンラインリソースグループが存在しなくなった場合、その大域ゾーンに割り当てられている CPU シェア数が globalzoneshares の値に設定されます。
デフォルトプロセッサセットで使用可能な CPU の最小数を設定します。デフォルト値は 1 です。defaultpsetmin の最小値は 1 です。Oracle Solaris Cluster は、使用可能な CPU の範囲内で、defaultpsetmin に設定する数値にできるだけ近い CPU の数を割り当てます。割り当てられた数が要求した数より少ない場合、Oracle Solaris Cluster は一定期間ごとに要求した数の CPU を割り当てるように試みます。このアクションは、いくつかの dedicated_weak プロセッサセットを破壊する可能性があります。dedicated_weak プロセッサセットについては、scrgadm(1M) のマニュアルページを参照してください。
プロパティーを設定するノードを指定します。ノードの名前を指定することにより、これらのプロパティーを CPU 制御を行う各ノードで設定します。–S オプションの使用ごとに、1 つのノードを指定できます。
このコマンドオプションを –c と併用するには、solaris.cluster.node.modify の RBAC 承認が必要です。rbac(5) を参照してください。
このオプションは、クラスタ構成への追加を試みるノードに対して、その認証ポリシーを確立します。特に、マシンがクラスタノードとしてクラスタに追加されることをリクエストした場合 (scinstall(1M) を参照)、そのノードに参加する権利があるかどうかを判定するためのチェックが行われます。ノードにその権利があれば、結合しようとするノードは許可されます。デフォルトでは、すべてのマシンがクラスタに自ら結合する権利をもっています。
–T オプションが使用可能なコマンドの 3 つの形式で、–T authentication_options はそれぞれ次のようになります:
追加:
–T node=nodename[,...][,authtype= authtype]
変更:
–T authtype=authtype
削除:
–T {node=nodename[,...] | all}
–T オプションは、次のサブオプションをサポートしています。
scconf -r -T all を指定すると、すべてのノード名のリストをクリアできます。このように認証リストがクリアされている場合、任意のノードからクラスタへのインストールおよび構成の要求を出すことができます。
クラスタ内のノードとしてインストールおよび構成が可能なノードリストにホスト名を追加したり、そこからホスト名を削除したりします。add 形式のコマンドには少なくとも 1 つの node サブオプションが必要ですが、remove ではオプションになります。認証リストが空であれば、どのホストもクラスタ構成への追加要求を行うことができます。これに対して、リストに 1 つでも名前が登録されていれば、こうした要求のすべてに対して、認証リストによる確認が行われます。
nodename には、ドット文字 (.) など、本来は不正なノード名も許されます。ドット文字は特殊な機能をもっています。つまり、許可リストに nodename として . を追加すると、ほかのすべての名前が削除されます。この機能は、ホストによるクラスタへのインストールおよび構成の要求を阻止します。
add または change 形式のコマンドで使用します。
現在サポートされている認証タイプ (authtype) は des と sys (または unix) だけです。デフォルトの認証型は sys ですが、これは最低限のセキュリティー保護しか実行しません。
des (Diffie-Hellman) 認証を使用する場合、実際に scinstall コマンドを実行してノードを追加する前に、各クラスタノードの publickey データベースにエントリを追加するようにしてください。
このコマンドオプションを、–a、–c、または –r と一緒に使用するには、solaris.cluster.node.modify の RBAC 承認が必要です。rbac(5) を参照してください。
–p オプションで使用する場合は、クラスタ構成のより冗長性のある (あるいは詳細な) リストを要求します。また、ほかのオプションと併用することで、エラー発生時の追加情報を出力させることなども可能です。
このコマンドオプションを –p と併用するには、solaris.cluster.device.read、solaris.cluster.transport.read、solaris.cluster.resource.read、solaris.cluster.node.read、solaris.cluster.quorum.read、および solaris.cluster.system.read の RBAC 承認が必要です。rbac(5) を参照してください。
クラスタの広域ハートビートパラメータを変更します。その結果、クラスタのすべてのアダプタのハートビートパラメータが変更されます。
Oracle Solaris Cluster は、プライベートインターコネクトを介してこれらのハートビートを使用することによって、クラスタノード間の通信障害を検出します。ハートビートタイムアウト値を小さくすると障害検出に必要な時間が短縮されるため、ハートビートタイムアウトを短縮することにより、Oracle Solaris Cluster がより迅速に障害を検出できます。そのため、Oracle Solaris Cluster はより短い時間で障害から回復し、クラスタの可用性が向上します。
–w オプションは、次のサブオプションをサポートしています。
ハートビートを送信する頻度を定義します。Oracle Solaris Cluster は、デフォルトでは 1 秒、つまり 1,000 ミリ秒のハートビート定足数を使用します。100 ミリ秒から 10,000 ミリ秒までの値を指定します。
この間隔の間にピアノードからハードビートが受信されないと、このパスはダウンしていると宣言されます。Oracle Solaris Cluster は、デフォルトでは 10 秒、つまり 10,000 ミリ秒のハートビートタイムアウトを使用します。2,500 ミリ秒から 60,000 ミリ秒までの値を指定します。
–w オプションでは、ハートビートサブオプションを一度に 1 つしか変更できません。ハートビートパラメータの値を減らすときは、まず、heartbeat_quantum を変更し、次に、heartbeat_timeout を変更します。ハートビートパラメータの値を増やすときは、まず、heartbeat_timeout を変更し、次に、heartbeat_quantum を変更します。
–w を使用するには、solaris.cluster.system.modify RBAC の承認が必要です。rbac(5) を参照してください。
次の例では、ハートビート数量を、Oracle Solaris Cluster のデフォルト値である 1,000 ミリ秒から 100 ミリ秒に短縮します。さらに、この例では、ハートビートタイムアウトをデフォルト値の 10,000 ミリ秒から 2,500 ミリ秒に短縮します。
phys-schost-1# scconf -c -w heartbeat_quantum=100 phys-schost-1# scconf -c -w heartbeat_timeout=2500
heartbeat_timeout の値は常に heartbeat_quantum の 5 倍以上でなければならないため、heartbeat_quantum を先に設定する必要があります。そうしないと、5 倍以上という要件が満たされないおそれがあります。つまり、現在 heartbeat_quantum がデフォルトの 1,000 ミリ秒に設定されている場合、heartbeat_timeout が 2,500 ミリ秒に設定されていると、heartbeat_timeout は heartbeat_quantum の 5 倍未満です。その結果、scconf コマンドは失敗します。
しかし、heartbeat_quantum を正しい値に設定したあとであれば、要件が満たされ、heartbeat_timeout の値を減らすことができます。
使用例 2 Heartbeat の増加次の例では、前の例で設定したハートビートタイムアウトとハートビート数量の値を Oracle Solaris Cluster のデフォルト値に戻します (増やします)。
phys-schost-1# scconf -c -w heartbeat_timeout=10000 phys-schost-1# scconf -c -w heartbeat_quantum=1000
heartbeat_timeout は常に heartbeat_quantum の 5 倍以上でなければならないため、heartbeat_timeoutを先に設定する必要があります。heartbeat_timeout を希望の値に設定したあと、heartbeat_quantum を増やして新しい値に設定できます。
使用例 3 インストール後に行う通常の設定処理次は、2 ノードクラスタを新規に構成した場合、インストール後に通常行う設定処理のサンプルコマンドです。これらのコマンドが実行する処理は、クラスタへの共有定足数デバイスの追加、installmode の解除、クラスタトラスポート接続の二次セットの設定、クラスタへの追加が想定されるマシンに対するクラスタのセキュリティー保護などです。
phys-red# scconf -a -q globaldev=d0 phys-red# scconf -c -q reset phys-red# scconf -a \ -A trtype=dlpi,name=hme1,node=phys-red \ -A trtype=dlpi,name=hme1,node=phys-green \ -m endpoint=phys-red:hme1,endpoint=phys-green:hme1 phys-red# scconf -a -T node=.
次の終了値が返されます。
コマンドは正常に完了しました。
エラーが発生しました。
次の属性については、attributes(5) を参照してください。
|
Intro(1CL)、cldevice(1CL)、scconf_dg_rawdisk(1M)、scconf_dg_svm(1M)、scconf_quorum_dev_scsi(1M)、scconf_transp_adap_e1000g(1M)、scconf_transp_jct_etherswitch(1M)、scconf_transp_jct_ibswitch(1M)、scdidadm(1M)、scprivipadm(1M)、hosts(4)、nsswitch.conf(4)、publickey(4)、attributes(5)、sctransp_dlpi(7p)
クラスタのノードがすべて起動している場合に限り、–w オプションを使用します。クラスタのノードが 1 つでも停止している場合には、–w を使用しないでください。ほかのノードがハング状態やパニック状態になることがあります。
1 つまたは複数のシングル CPU ノードを含むクラスタや、8 つを超えるのノードを持つクラスタに、小さい値のハートビートパラメータを設定すると、タイムアウトやノードパニックが起こる可能性が高くなります。
scconf で構成を変更したあとにすべてのノードのルートファイルシステムをバックアップするか、すべての変更のログをとるべきです。通常のシステムバックアップとバックアップの間に構成変更を回復する場合は、このログを使ってもっとも新しい構成に戻ることができます。
scconf コマンドに指定するオプションリストは、コマンド行に入力された順に実行されます。ただし特定のトランスポートオプション (–A、–B、–m) については、可能な限りクラスタ構成データベースに対する単独のトランザクションとなるように、scconf で処理されます。クラスタのオーバーヘッドを減らすために、関連するこのタイプのオプションはできるだけまとめて 1 つのコマンド行に指定すべきです。