次の情報では、Oracle Solaris Cluster ソフトウェアが定義する標準リソースプロパティーについて説明します。標準プロパティーは、使用されるリソースタイプ全体で共通する意味を持っています。この説明は、データサービスの開発者を対象としたものです。特定のデータサービスについては、そのデータサービスのマニュアルページを参照してください。
各リソースタイプは、標準プロパティーに加えて、拡張プロパティーと呼ばれる独自のタイプ固有のリソースプロパティーを定義できます。リソースタイプ登録 (RTR) ファイルでは、標準プロパティーと拡張プロパティーの両方が宣言されます。RTR ファイルは、クラスタ管理者が Oracle Solaris Cluster ソフトウェアでデータサービスを登録するときのデータサービスの初期構成を定義します。
クラスタ管理者がノード単位またはクラスタ全体に対して拡張プロパティーを設定できるように指定できます。ただし、クラスタ管理者が標準プロパティーで実行できる同じ操作を (RTR ファイルで) 指定することはできません。標準プロパティーは、すべてのノードまたは特定のノードに暗黙に適用される場合があります。標準プロパティーがすべてのノードに適用されるのか、または特定のノードにのみ適用されるのかは、各標準プロパティーの特定の定義によって異なります。
RTR ファイルの詳細は、rt_reg(4) のマニュアルページを参照してください。リソースプロパティーに設定できる個々の属性については、property_attributes(5) のマニュアルページを参照してください。
リソースタイプの中には、ネットワーク負荷分散を使用せずに複数のノードで動作できるものがあります。このようなリソースの Scalable プロパティーは FALSE に設定され、前述の追加プロパティーを使用しません。
クラスタ管理者は、管理ユーティリティーを使ってリソースを作成するとき、必ず値を指定しなければなりません。
クラスタ管理者がリソースグループの作成時に値を指定しない場合、システムのデフォルト値が使用されます。
Resource Group Manager (RGM) は、RTR (Resource Type Registration) ファイルで宣言されている場合だけプロパティーを作成します。宣言されていない場合プロパティーは存在せず、クラスタ管理者はこれを利用できません。RTR ファイルで宣言されている条件付きのプロパティーは、デフォルト値が RTR ファイル内で指定されているかどうかによって、必須または任意になります。詳細については、各条件付きプロパティーの説明を参照してください。
管理ツールで直接設定できません。
クラスタ管理者は、次のコマンドを使用して、すべての調整可能なプロパティーを編集できます。
# clresource set -p property= new-value resource
時間の長さ (秒) で、リソース内のサービスのクライアント IP アドレスからの接続はこの間に同じサーバーノードに送信されます。
このプロパティーに -1 を設定した場合、すべての接続が同じノードに送信されます。このプロパティーに 0 を設定した場合、オープンされているすべての接続が同じノードに送信されます。このプロパティーに n を設定した場合、最後の接続がクローズされてから n 秒間の間、新しい接続はすべて、最後の接続と同じノードに送信されます。
どのような場合も、障害が発生した結果、サーバーノードがクラスタに対して何の措置も取らない場合、新しいサーバーノードが選択されます。
このプロパティーは、Load_balancing_policy が Lb_sticky または Lb_sticky_wild の場合にかぎり有効です。さらに、Weak_affinity を False (デフォルト値) に設定する必要があります。
このプロパティーは、スケーラブルサービス専用です。
条件付き/任意
0
すべての時間
リソースに関連するアプリケーションプログラムの実行に使用する Oracle Solaris ユーザー名。
リソースメソッドまたはモニターで実行されるアプリケーションプログラムは、特定のエージェントの実装方法に応じて、root または root 以外のユーザー (「アプリケーションユーザー」) として実行される場合があります。application_user リソースプロパティーはすべてのリソースに存在するわけではなく、このプロパティーを設定できると宣言するリソースタイプにのみ存在します。
application_user リソースプロパティーを宣言するリソースタイプは通常、scha_check_app_user(1HA ) インタフェースを使用して、アプリケーションプログラムの実行可能ファイルの所有権およびアクセス権の追加チェックを実行するエージェントです。実行可能なアプリケーションプログラムが root で所有されていないが、root で実行される場合、または実行可能ファイルに group または world 書き込み権限がある場合、セキュアでない状態になります。この場合、resource_security プロパティーが SECURE に設定されていると、アプリケーションプログラムの実行は実行時に失敗し、エラーが返されます。resource_security がその他の設定であれば、アプリケーションプログラムは警告メッセージとともに実行を許可されます。
application_user プロパティーを宣言するリソースタイプは、resource_security クラスタプロパティーの設定に従って、アプリケーションプログラムの実行のユーザー ID を設定します。resource_security が COMPATIBILITY に設定されている場合、application_user リソースプロパティーの設定は無視され、アプリケーションユーザーは呼び出し元 (通常は root) の実効ユーザー ID になります。この動作は以前のリリースの Oracle Solaris Cluster と互換性があります。
resource_security が OVERRIDE に設定されている場合、application_user プロパティーは無視され、アプリケーションユーザーはアプリケーションプログラムの実行可能ファイルの所有者になります。
resource_security が SECURE または WARN に設定されている場合、アプリケーションユーザーは application_user リソースプロパティーの値になりますが、application_user が未設定または空の場合、アプリケーションユーザーはアプリケーションプログラムの実行可能ファイルの所有者になります。
RTR ファイル内で Tunable 属性が指定されていない場合は、プロパティーの調整機能は、When_disabled になります。
条件付き/任意
空の文字列
無効時
リソースの即時障害検証の呼び出しの間隔 (秒数)。このプロパティーは、RGM のみが作成でき、RTR ファイル内で宣言されている場合は、クラスタ管理者がこのプロパティーを利用できます。
RTR ファイル内でデフォルト値が指定されている場合、このプロパティーは任意です。リソースタイプファイル内で Tunable 属性が指定されていない場合は、プロパティーの Tunable 値は、When_disabled (無効にするとき) になります。
条件付き
上記を参照
無効時
Port_list プロパティーで指定されるポートすべてにアクティブなリスニング (待機) プロセスがあるわけではない場合は、ノードがスケーラブルなサービスに参加するかどうかを決定し、ロードバランサからのクライアントリクエストを受信します。このプロパティーは、スケーラブルなサービス専用です。
次の値がサポートされています:
FALSE (デフォルト) – 少なくとも 1 つのポートにアクティブなリスニングプロセスがある場合、ノードはスケーラブルなサービスに参加します。
TRUE – すべてのポートにアクティブなリスニングプロセスがある場合、ノードはスケーラブルなサービスに参加します。
条件付き/任意
False
無効時
Round_robin 負荷分散が有効な場合にサポートされるアクティブな接続またはクライアントの最大数。TCP 接続は、接続のエンドポイントがサーバーノード上に存続している場合にアクティブとみなされます。トラフィックフローが UDP セッションのアクティブなタイムアウト枠の設定内にある場合 (udp_session_timeout クラスタプロパティーを参照)、UDP セッションはアクティブとみなされます。
任意
10000
無効時
リソースが正常に開始または停止できなかった場合、またはリソースモニターが正常ではないリソースを検出し、その結果再起動またはフェイルオーバーを要求する場合に RGM が取る回復アクションを変更します。
これらの設定が影響するのは、起動または停止メソッド (Prenet_start、Start、Monitor_stop、Stop、Postnet_stop) が失敗した場合のフェイルオーバー動作のみです。RESTART_ONLY および LOG_ONLY 設定も、リソースモニターが scha_control コマンドまたは scha_control() 関数の実行を開始できるかどうかに影響を与えます。
NONE は、前述の起動メソッドまたは停止メソッドが失敗する場合に RGM が何の復旧アクションも行わないことを示します。SOFT または HARD は、Start または Prenet_start メソッドが失敗した場合、RGM がリソースのグループを別のノードに再配置することを示します。Start または Prenet_start の失敗に関しては、SOFT と HARD は同じになります。
停止メソッド (Monitor_stop、Stop、または Postnet_stop) の失敗に関しては、SOFT は NONE と同じになります。これらの停止メソッドのいずれかが失敗したときに Failover_mode が HARD に設定されている場合、RGM はノードをリブートして、強制的にリソースグループをオフライン状態にします。RGM は、別のノードでグループの起動を試みることが可能になります。ただし、リソースグループが clresourcegroup quiesce サブコマンドによって休止されている場合は、Failover_mode が HARD であるときに停止メソッドが失敗しても、ノードはリブートされません。この場合、リソースは代わりに STOP_FAILED 状態に移動します。
起動メソッドまたは停止メソッドが失敗するとフェイルオーバー動作に影響を与える NONE、SOFT、HARD とは異なり、RESTART_ONLY と LOG_ONLY はすべてのフェイルオーバー動作に影響を与えます。フェイルオーバー動作には、モニター起動 (scha_control) によるリソースおよびリソースグループの再起動や、リソースモニターによって開始されるギブオーバーなどがあります。
RESTART_ONLY は、モニターが scha_control を実行してリソースまたはリソースグループを再起動できることを意味します。RGM では、Retry_interval の間に Retry_count 回数だけ再起動を試行できます。試行回数が Retry_count を超えると、それ以上の再起動は許可されません。
Retry_interval に 1 や 0 などの小さい値を指定します。
Retry_count に 1000 などの大きい値を指定します。
リソースタイプが Retry_count および Retry_interval プロパティーを宣言しない場合は、リソースは回数の制限なく再起動できます。
Failover_mode が LOG_ONLY に設定されている場合、リソースの再起動またはギブオーバーは許可されません。Failover_mode を LOG_ONLY に設定するのは、Failover_mode を RESTART_ONLY に設定し、Retry_count をゼロに設定するのと同じことです。
Prenet_start、Start、Monitor_stop、Stop、または Postnet_stop メソッドが失敗した場合、RESTART_ONLY と LOG_ONLY は NONE と同じことです。つまり、データソースのフェイルオーバーやリブートはどちらも行われません。
データサービスに対する Failover_mode 設定の影響
Failover_mode の各設定がデータサービスに及ぼす影響は、データサービスがモニターされているかどうか、およびデータサービスが Data Services Development Library (DSDL) に基づいているかどうかによって決まります。
データサービスがモニタリングの対象となるのは、そのサービスが Monitor_start メソッドを実装しており、かつリソースのモニタリングが有効になっている場合です。RGM は、リソースそれ自体を起動したあとで Monitor_start メソッドを実行することにより、リソースモニターを起動します。リソースモニターはリソースが正常であるかどうかを検証します。検証が失敗した場合、リソースモニターは scha_control() 関数を呼び出すことにより、再起動またはフェイルオーバーを要求できます。DSDL ベースのリソースの場合、検証によりデータサービスの部分的な障害 (機能低下) または完全な障害が明らかになる場合があります。部分的な障害が繰り返し蓄積されると、完全な障害になります。
データサービスが Monitor_start メソッドを提供していない場合やリソースのモニタリングが無効である場合、データサービスはモニタリングされません。
DSDL ベースのデータサービスには、Agent Builder や GDS により開発されたデータサービス、または DSDL を直接使用して開発されたデータサービスが含まれます。HA Oracle など一部のデータサービスは、DSDL を使用せずに開発されています。
Failover_mode が NONE、SOFT、または HARD に設定されていて、データサービスがモニター対象の DSDL ベースのサービスであり、検証が完全に失敗した場合、モニターは scha_control() 関数を呼び出してリソースの再起動をリクエストします。検証が失敗し続ける場合、Retry_interval の間、Retry_count に指定されている最大の回数を限度にリソースの再起動が行われます。Retry_count の再起動数に到達後も検証がふたたび失敗した場合、モニターは別のノードに対してリソースのグループのフェイルオーバーをリクエストします。
Failover_mode が NONE、SOFT、または HARD に設定した場合、データサービスがモニター対象外の DSDL ベースのサービスであり、検出される障害はリソースのプロセスツリーの終了のみです。リソースのプロセスツリーが終了すると、リソースが再起動されます。
データサービスが DSDL ベースのサービスではない場合、再起動またはフェイルオーバー動作は、リソースモニターがどのようにコード化されているかによって決まります。たとえば Oracle リソースモニターは、リソースまたはリソースグループを再起動するか、リソースグループのフェイルオーバーを行うことで回復します。
Failover_mode が RESTART_ONLY に設定されていて、データサービスがモニター対象の DSDL ベースのサービスであり、検証が完全に失敗した場合、リソースは Retry_interval 内で Retry_count の回数再起動されます。ただし、Retry_count の回数を超えると、リソースモニターは終了し、リソースのステータスを FAULTED に設定して、ステータスメッセージ「Application faulted, but not restarted. Probe quitting.」を生成します。この時点でモニタリングはまだ有効ですが、リソースがクラスタ管理者により修復および再起動されるまで、リソースは事実上モニタリング対象外になります。
Failover_mode を RESTART_ONLY に設定した場合、データサービスがモニター対象外の DSDL ベースのサービスであり、プロセスツリーが停止した際は、リソースは再起動されません。
モニター対象データサービスが DSDL ベースのデータサービスではない場合、回復動作はリソースモニターがどのようにコード化されているかに依存します。Failover_mode が RESTART_ONLY に設定されている場合、リソースまたはリソースグループは、Retry_interval 内で Retry_count の回数 scha_control() 関数を呼び出すことで再起動できます。リソースグループが Retry_count を超過すると、再起動の試行が失敗します。モニターが scha_control() を呼び出してフェイルオーバーを要求する場合、その要求も同様に失敗します。
Failover_mode がデータサービスに対して LOG_ONLY に設定されている場合、リソースまたはリソースグループの再起動またはグループのフェイルオーバーを行うためのすべての scha_control() リクエストは不可能になります。データサービスが DSDL ベースである場合、検証が完全に失敗した場合メッセージが記録されますが、リソースは再起動されません。Retry_interval 内で Retry_count の回数超えて検証が完全に失敗した場合、リソースモニターが終了し、リソースステータスが FAULTED になり、ステータスメッセージ「Application faulted, but not restarted. Probe quitting.」が生成されます。この時点でモニタリングはまだ有効ですが、リソースがクラスタ管理者により修復および再起動されるまで、リソースは事実上モニタリング対象外になります。
Failover_mode が LOG_ONLY に設定した場合、データサービスがモニター対象外の DSDL ベースのサービスであり、プロセスツリーが停止した際は、メッセージが記録されますが、リソースは再起動されません。
モニター対象データサービスが DSDL ベースのデータサービスではない場合、回復動作はリソースモニターがどのようにコード化されているかに依存します。Failover_mode が LOG_ONLY に設定されている場合、リソースまたはリソースグループの再起動またはグループのフェイルオーバーを行うためのすべての scha_control() リクエストは失敗します。
任意
NONE
すべての時間
このプロパティーは、RTR ファイルで Global_zone=TRUE プロパティーを設定しているリソースタイプにのみ許可されます。Global_zone_override プロパティーの設定は、特定のリソースのりリソースタイププロパティー Global_zone の値をオーバーライドします。詳細は、rt_properties(5) のマニュアルページを参照してください。
Global_zone_override プロパティーを FALSE に設定すると、リソースグループが構成されている非大域ゾーンで、リソースメソッドが強制的に実行されるようになり、これは、Global_zone プロパティーが TRUE に設定されている場合に、通常は常に大域ゾーンで実行されるのとは異なります。
RTR ファイル内でデフォルト値が指定されている場合、このプロパティーは任意です。
RTR ファイル内で Tunable 属性が指定されていない場合は、プロパティーの Tunable 値は、At_creation になります。RTR ファイル内の Tunable 属性は、At_creation、When_disabled、または Anytime に設定できます。
条件付き/任意
TRUE
作成時
使用する負荷分散ポリシーを定義する文字列。このプロパティーは、スケーラブルサービス専用です。RTR ファイルに Scalable プロパティーが宣言されている場合、RGM は自動的にこのプロパティーを作成します。
Load_balancing_policy には次の値を設定できます。
Lb_weighted (デフォルト)。Load_balancing_weights プロパティーに設定されている重みにより、さまざまなノードに負荷が分散されます。
Lb_sticky. アプリケーションリソースの構成時に複数のポートが認識されます。スケーラブルサービスの指定のクライアント (クライアントの IP アドレスで識別される) は、常に同じクラスタノードに送信されます。
Lb_sticky_wild. ポート番号をあらかじめ把握することはできず、ポート番号は動的に割り当てられます。指定のクライアント (クライアントの IP アドレスで識別される) は、ワイルドカードスティッキーサービスの IP アドレスに接続され、送信時に使用されるポート番号とは無関係に、常に同じクラスタノードに送信されます。
条件付き/任意
Lb_weighted
作成時
このプロパティーは、スケーラブルサービス専用です。RTR ファイルに Scalable プロパティーが宣言されている場合、RGM は自動的にこのプロパティーを作成します。形式は、weight@node,weight@node... で、weight は、指定の nodeに対する負荷分散の割合を示す整数になります。ノードに分散される負荷の割合は、すべてのウエイトの合計でこのノードのウエイトを割った値になります。たとえば、1@1,3@2 という指定では、ノード 1 が負荷の 1/4、ノード 2 が 3/4 を引き受けることになります。空の文字列 (“”) では、デフォルトの均一な配分に設定されます。明示的にウエイトを割り当てられていないノードのウエイトは、デフォルトで 1 になります。ノードには、負荷を割り当てないウェイト 0 を指定できます。
Tunable 属性がリソースタイプファイルに指定されていない場合は、プロパティーの Tunable 値は Anytime (任意の時点) になります。このプロパティーを変更すると、新しい接続時にのみ分散が変更されます。
条件付き/任意
NULL
すべての時間
RGM がメソッドの呼び出しに失敗したと判断するまでの時間 (秒)。
条件付き/任意
RTR ファイルにメソッド自体が宣言されている場合は 3,600 秒 (1 時間)
すべての時間
このプロパティーを直接設定できません。より正確には、このプロパティーは、特定のノード上またはクラスタ全体で、RGM によって Enabled または Disabled に設定されます。RGM は、クラスタ管理者が特定のノード上またはクラスタ全体で管理ユーティリティーを使用してモニターを有効または無効にする場合に、このように実行します。無効の場合、モニターがふたたび有効にされるまで、そのリソースに対して Monitor_start メソッドが呼び出されることはありません。リソースがモニターコールバックメソッドを持たない場合、このプロパティーは Disabled と評価されます。
照会のみ
リソースタイプがモニターメソッドを持っている場合は有効、それ以外の場合は無効です。
説明を参照
このリソースが依存関係を持っている論理ホスト名または共有アドレスリソースのリスト。このリストには、プロパティー Resource_dependencies、Resource_dependencies_weak、Resource_dependencies_restart、または Resource_dependencies_offline_restart にあるすべてのネットワークアドレスリソースが含まれます。
RTR ファイルに Scalable プロパティーが宣言されている場合、RGM は自動的にこのプロパティーを作成します。Scalable プロパティーが RTR ファイルで宣言されていない場合、Network_resources_used は RTR ファイルで明示的に宣言されていないかぎり使用できません。
Network_resources_used プロパティーに値を割り当てなかった場合、このプロパティーの値は、リソース依存関係プロパティーの設定に基づいて、RGM により自動的に更新されます。このプロパティーを直接設定する必要はありません。その代わりに、Resource_dependencies、Resource_dependencies_offline_restart、Resource_dependencies_restart、または Resource_dependencies_weak プロパティーを設定します。ノード単位の依存関係が指定されている場合、Network_resources_used プロパティーの派生値には、ローカルノードで有効な依存関係のみが含まれます。値はノードごとに異なる場合があります。
旧リリースの Oracle Solaris Cluster ソフトウェアとの互換性を維持するために、Network_resources_used プロパティーの値を直接設定することもできます。Network_resources_used プロパティーの値を直接設定した場合は、Network_resources_used プロパティーの値がリソース依存関係プロパティーの設定から派生されることはありません。Network_resources_used プロパティーにリソース名を追加する場合、そのリソース名は自動的に Resource_dependencies プロパティーにも追加されます。依存関係を解除するには、Network_resources_used プロパティーから依存関係を削除する方法しかありません。ネットワークリソースの依存関係が元々 Resource_dependencies プロパティーに追加されたものなのか Network_resources_used プロパティーに追加されたものなのかがわからない場合は、両方のプロパティーから依存関係を削除します。たとえば、次のコマンドは、リソース r1 のネットワーク資源 r2 に対する依存関係を削除します。依存関係が Network_resources_used プロパティーと Resource_dependencies プロパティーのどちらに追加されているかは問いません。
# clresource set -p Network_resources_used-=r2 -p Resource_dependencies-=r2 r1
簡潔になるように、Network_resources_used プロパティーに値を設定しないようにしてください。リソース依存関係プロパティーのみを設定し、Network_resources_used プロパティーを読み取り専用のプロパティーとして扱います。
条件付き/任意
空のリスト
すべての時間
過去 n 秒以内にこのリソースで発生した再起動リクエストの数 (n は、Retry_interval プロパティーの値)。
再起動要求は、次に示す呼び出しのいずれかです。
RESOURCE_RESTART 引数を持つ scha_control コマンド
SCHA_RESOURCE_RESTART 引数を持つ scha_control() 関数
RESOURCE_IS_RESTARTED 引数を持つ scha_control コマンド
scha_control() 引数を持つ SCHA_RESOURCE_IS_RESTARTED 関数
リソースが次のいずれかを実行した場合、RGM は、ある特定のノード上にある特定のリソースに対して再起動カウンタを必ず 0 にリセットします:
GIVEOVER 引数を持つ scha_control コマンド
SCHA_GIVEOVER 引数を持つ scha_control() 関数
カウンタは、ギブオーバーの試行が成功した場合でも失敗した場合でもリセットされます。
リソースタイプが Retry_interval プロパティーを宣言していない場合、このタイプのリソースに Num_resource_restarts プロパティーを使用できません。
照会のみ
デフォルトなし
説明を参照
過去 n 秒以内にこのリソースに対して発生したリソースグループ再起動リクエストの数 (n は、Retry_interval プロパティーの値)。
リソースグループ再起動要求は、次に示す呼び出しのいずれかです。
RESTART 引数を持つ scha_control コマンド
scha_control() 引数を持つ SCHA_RESTART 関数
リソースタイプが Retry_interval プロパティーを宣言していない場合、このタイプのリソースに Num_resource_restarts プロパティーを使用できません。
照会のみ
デフォルトなし
説明を参照
このプロパティーを直接設定できません。より正確には、このプロパティーは、特定のノード上またはクラスタ全体で、RGM によって Enabled または Disabled に設定されます。RGM は、クラスタ管理者が特定のノード上またはクラスタ全体のいずれかで管理ユーティリティーを使用してリソースを有効または無効にする場合に、このように実行します。無効に設定されると、ふたたび有効に設定されるまで、リソースはコールバックを呼び出しません。
照会のみ
無効
説明を参照
クラスタ外部のサーバーへの外部リクエストを起動するときに、スケーラブルなサービスが仮想ネットワークアドレスを使用するかどうかを指定します (Network_resources_used プロパティーを参照)。ロードバランサは、受信応答が起動ノードに転送されたことを確認します。
このプロパティーは、Generic_Affinity が TRUE に、Load_balancing_policy が LB_STICKY_WILD に設定されているスケーラブルなサービスのみに適用されます。次の値がサポートされています:
FALSE (デフォルト) – スケーラブルなサービスは、Network_resources_used プロパティーで指定された仮想ネットワークアドレスを使用して、外部サーバーに向かうリクエストを起動しません。
TRUE – スケーラブルなサービスは、Network_resources_used プロパティーで指定された仮想ネットワークアドレスを使用して、外部サーバーに向かうリクエストを起動します。ロードバランサは、受信応答を起動ノードに転送します。
条件付き/任意
False
作成時
サーバーが待機するポート番号をコンマで区切ったリストです。各ポート番号には、スラッシュ (/) と、そのポートで使用されるプロトコルが付加されます (たとえば、Port_list=80/tcp や Port_list=80/tcp6,40/udp6 など)。
指定できる可能性があるプロトコルは次のとおりです。
tcp、TCP IPv4 の場合のみ
tcp6、TCP IPv4 と TCP IPv6 の両方の場合
udp、UDP IPv4 の場合のみ
udp6、UDP IPv4 と UDP IPv6 の両方の場合
Scalable プロパティーが RTR ファイルで宣言されている場合、RGM は自動的に Port_list を作成します。それ以外の場合、このプロパティーは RTR ファイルで明示的に宣言されていないかぎり使用できません。
このプロパティーを Oracle Solaris Cluster HA for Apache で使用するように設定する方法については、Oracle Solaris Cluster Data Service for Apache Guide を参照してください。
条件付き/必須
デフォルトなし
すべての時間
より優先順位の低いリソースグループの削除は、切り替えられるグループに対して別のグループが強い否定的なアフィニティーを宣言している場合や、ノード上で強い負荷制限値を超えている場合は、リソースグループの切り替えに関連して実行される可能性があります。
このプロパティーによって、RGM が、このリソースを含むリソースグループのスイッチオーバーを開始する前にリソースグループの削除を実行しようとするかどうかが決まります。
次の値がサポートされています:
FALSE (デフォルト) – リソースグループの削除は、切り替えているリソースグループが、ターゲットノード上でオンラインへの移行を開始したときに実行されます。
TRUE – リソースグループの削除は、切り替えているリソースグループがその現在のマスターからオフラインへの移行を開始する前に、スイッチオーバーターゲットノード上で実行されます。この設定は、Maximum_primaries プロパティーが 1 に設定されたリソースグループである単一マスターリソースグループに対してのみ有効です。
RTR ファイル内で Tunable 属性が指定されていない場合、このプロパティーの Tunable 値は When disabled です。
任意
False
無効時
リソースの簡単な説明。
任意
空の文字列
すべての時間
このリソースが強い依存関係を持つ、同じリソースグループまたは異なるリソースグループ内のリソースのリスト。リスト内の任意のリソースの起動に失敗した場合、このリソースは起動されません。このリソースと、リストのリソースの 1 つが同時に起動されると、RGM は、リストのリソースが始動してからこのリソースを起動します。このリソースの Resource_dependencies リスト内のリソースが起動しない場合 (たとえば、リスト内のリソースのリソースグループがオフラインのままであったり、リスト内のリソースが Start_failed 状態にあったりする場合)、このリソースはオフラインのままです。このリソースが依存する別のリソースグループのリソースが起動しないために、このリソースがオフラインのままの状態である場合、このリソースのグループは Pending_online_blocked 状態に入ります。
このリソースが、リストのリソースと同時にオフラインにされる場合は、このリソースが停止されてから、リストのほかのリソースが停止されます。しかし、このリソースがオンラインのままであるか、停止に失敗すると、リストのリソースは停止されます。
デフォルトでは、リソースグループ内では、アプリケーションリソースがネットワークアドレスリソースに暗黙的に強いリソース依存関係を持ちます。詳細は、Implicit_network_dependencies in rg_properties(5) のマニュアルページを参照してください。
同じリソースグループ内では、依存性の順序に従って Prenet_start メソッドが Start メソッドより先に実行されます。Postnet_stop メソッドは依存性の順序に従って Stop メソッドよりあとに実行されます。異なるリソースグループ内では、依存先のリソースが Prenet_start と Start を実行してから、依存しているリソースが Prenet_start を実行します。同様に、依存しているリソースが Stop と Postnet_stop を終了してから、依存先のリソースが Stop を実行します。
依存関係の範囲を指定するには、このプロパティーを指定するときに、次の修飾子を、中括弧 ({ }) やアットマーク (@) を含めてリソース名に付加します。
指定された依存関係を任意のノードに拡張します。依存関係の動作は、どのノードでも依存先のリソースに影響されます。依存しているリソースは、自分が起動する前に依存先のリソースがプライマリノードで起動するまで待機します。停止と再起動で同じような状況になります。
リソースの依存関係の有効範囲が、そのリソースが属するリソースグループの RG_affinities 関係から派生するように指定します。依存しているリソースのリソースグループが、依存先のリソースのリソースグループに対して肯定的なアフィニティーを持っていて、同じノード上で起動または停止する場合、依存関係は {LOCAL_NODE} になります。このような肯定的なアフィニティーが存在しない場合、またはグループが別のノード上で起動する場合、依存関係は {ANY_NODE} になります。
指定される依存関係をノード単位に限定します。依存関係の動作は、同じノード上でのみ依存先のリソースに影響されます。依存しているリソースは、依存先のリソースが同じノードで起動されるまで待機します。停止と再起動で同じような状況になります。
{LOCAL_NODE} 依存リソースがフェイルオーバー (すなわち単一マスター) リソースグループに存在する場合、また、あるノードとの {LOCAL_NODE} 依存関係が満たされていない場合、リソースグループは、依存関係が満たされないノードで Pending_online_blocked 状態のままいるのではなく、{LOCAL_NODE} 依存関係が満たされている別のノードにフェイルオーバーする可能性があります。
ほかのノードに影響しない特定のノードに制限される {LOCAL_NODE} 依存関係を指定します。これにより、リソースがクラスタのノードごとに異なる依存関係を持つことができます。nodename は、ノード名またはノード ID です。
たとえば、次のリストは、ノード node1 上のリソース res1 の依存関係、およびノード node2 上のリソース res2 の依存関係を示しています:
res1@node1,res2@node2
複数のノードに同じ依存関係を適用可能な場合は、各ノード名でリソース名を繰り返します。例:
myres@node1,myres@node2,myres@node3,...
同じリソースグループ内の 2 つのリソース間の依存関係は、常に {LOCAL_NODE} です。
修飾子を指定しない場合は、FROM_RG_AFFINITIES がデフォルトで使用されます。
scha_resource_get(1HA)、scha_resource_get(3HA)、および scds_property_functions(3HA) のマニュアルページのドキュメントには、修飾子を含む依存関係リスト、または修飾子を含まない依存関係リストを取得するための代わりのクエリーフォームが記載されています。
任意
空のリスト
すべての時間
このリソースがオフライン再起動の依存関係を持つ、同じリソースグループまたは異なるリソースグループ内のリソースのリスト。
このプロパティーは、Resource_dependencies とまったく同じように動作します。ただし、このリソースは、オフライン再起動依存関係リスト内のいずれかのリソースが停止すると、停止します。オフライン再起動依存関係リスト内のリソースがあとで再起動する場合は、このリソースも再起動します。
リスト内の任意のリソースの起動に失敗した場合、このリソースは起動されません。このリソースと、リストのリソースの 1 つが同時に起動されると、RGM は、リストのリソースが始動してからこのリソースを起動します。このリソースの Resource_dependencies リスト内のリソースが起動しない場合 (たとえば、リスト内のリソースのリソースグループがオフラインのままであったり、リスト内のリソースが Start_failed 状態にあったりする場合)、このリソースはオフラインのままです。このリソースが依存する別のリソースグループのリソースが起動しないために、このリソースがオフラインのままの状態である場合、このリソースのグループは Pending_online_blocked 状態に入ります。
このリソースが、リストのリソースと同時にオフラインにされる場合は、このリソースが停止されてから、リストのほかのリソースが停止されます。しかし、このリソースがオンラインのままであるか、停止に失敗すると、リストのリソースは停止されます。
ノード上にある「依存先の」リソースで障害が発生して、リソースを回復できない場合、RGM はそのノード上のそのリソースをオフラインにします。また、RGM は、すべての依存先のリソースのオフライン再起動依存リソースで再起動をトリガーすることによって、これらをオフラインします。クラスタ管理者が障害を解決し、依存先のリソースを再度有効にすると、RGM は、リソースのオフライン再起動依存リソースも再度オンラインにします。
依存関係の範囲を指定するには、このプロパティーを指定するときに、次の修飾子を、中括弧 ({ }) やアットマーク (@) を含めてリソース名に付加します。
指定された依存関係を任意のノードに拡張します。依存関係の動作は、どのノードでも依存先のリソースに影響されます。依存しているリソースは、自分が起動する前に依存先のリソースがプライマリノードで起動するまで待機します。停止と再起動で同じような状況になります。
リソースの依存関係の有効範囲が、そのリソースが属するリソースグループの RG_affinities 関係から派生するように指定します。依存しているリソースのリソースグループが、依存先のリソースのリソースグループに対して肯定的なアフィニティーを持っていて、同じノード上で起動または停止する場合、依存関係は {LOCAL_NODE} になります。このような肯定的なアフィニティーが存在しない場合、またはグループが別のノード上で起動する場合、依存関係は {ANY_NODE} になります。
指定される依存関係をノード単位に限定します。依存関係の動作は、同じノード上でのみ依存先のリソースに影響されます。依存しているリソースは、依存先のリソースが同じノードで起動されるまで待機します。停止と再起動で同じような状況になります。
{LOCAL_NODE} 依存リソースがフェイルオーバー (すなわち単一マスター) リソースグループに存在する場合、また、あるノードとの {LOCAL_NODE} 依存関係が満たされていない場合、リソースグループは、依存関係が満たされないノードで Pending_online_blocked 状態のままいるのではなく、{LOCAL_NODE} 依存関係が満たされている別のノードにフェイルオーバーする可能性があります。
ほかのノードに影響しない特定のノードに制限される {LOCAL_NODE} 依存関係を指定します。これにより、リソースがクラスタのノードごとに異なる依存関係を持つことができます。nodename は、ノード名またはノード ID です。
たとえば、次のリストは、ノード node1 上のリソース res1 の依存関係、およびノード node2 上のリソース res2 の依存関係を示しています:
res1@node1,res2@node2
複数のノードに同じ依存関係を適用可能な場合は、各ノード名でリソース名を繰り返します。例:
myres@node1,myres@node2,myres@node3,...
同じリソースグループ内の 2 つのリソース間の依存関係は、常に {LOCAL_NODE} です。
修飾子を指定しない場合は、FROM_RG_AFFINITIES がデフォルトで使用されます。
scha_resource_get(1HA)、scha_resource_get(3HA)、および scds_property_functions(3HA) のマニュアルページのドキュメントには、修飾子を含む依存関係リスト、または修飾子を含まない依存関係リストを取得するための代わりのクエリーフォームが記載されています。
任意
空のリスト
すべての時間
このリソースが再起動の依存関係を持つ、同じリソースグループまたは異なるリソースグループ内のリソースのリスト。
このプロパティーは、Resource_dependencies とまったく同じように動作します。ただし、このリソースは、再起動依存関係リスト内のいずれかのリソースが再起動されると、再起動されます。このリソースの再起動は、リストのリソースがオンラインに復帰したあとで行われます。
リスト内の任意のリソースの起動に失敗した場合、このリソースは起動されません。このリソースと、リストのリソースの 1 つが同時に起動されると、RGM は、リストのリソースが始動してからこのリソースを起動します。
このリソースの Resource_dependencies_restart リスト内のリソースが起動しない場合 (たとえば、リスト内のリソースのリソースグループがオフラインのままであったり、リスト内のリソースが Start_failed 状態にあったりする場合)、このリソースはオフラインのままです。このリソースが依存する別のリソースグループのリソースが起動しないために、このリソースがオフラインのままの状態である場合、このリソースのグループは Pending_online_blocked 状態に入ります。
このリソースが、リストのリソースと同時にオフラインにされる場合は、このリソースが停止されてから、リストのほかのリソースが停止されます。しかし、このリソースがオンラインのままであるか、停止に失敗すると、リストのリソースは停止されます。
同じリソースグループ内では、依存性の順序に従って Prenet_start メソッドが Start メソッドより先に実行されます。Postnet_stop メソッドは依存性の順序に従って Stop メソッドよりあとに実行されます。異なるリソースグループ内では、依存先のリソースが Prenet_start と Start を実行してから、依存しているリソースが Prenet_start を実行します。同様に、依存しているリソースが Stop と Postnet_stop を終了してから、依存先のリソースが Stop を実行します。
依存関係の範囲を指定するには、このプロパティーを指定するときに、次の修飾子を、中括弧 ({ }) やアットマーク (@) を含めてリソース名に付加します。
指定される依存関係をノード単位に限定します。依存関係の動作は、同じノード上でのみ依存先のリソースに影響されます。依存しているリソースは、依存先のリソースが同じノードで起動されるまで待機します。停止と再起動で同じような状況になります。
{LOCAL_NODE} 依存リソースがフェイルオーバー (すなわち単一マスター) リソースグループに存在する場合、また、あるノードとの {LOCAL_NODE} 依存関係が満たされていない場合、リソースグループは、依存関係が満たされないノードで Pending_online_blocked 状態のままいるのではなく、{LOCAL_NODE} 依存関係が満たされている別のノードにフェイルオーバーする可能性があります。
指定された依存関係を任意のノードに拡張します。依存関係の動作は、どのノードでも依存先のリソースに影響されます。依存しているリソースは、自分が起動する前に依存先のリソースがプライマリノードで起動するまで待機します。停止と再起動で同じような状況になります。
ほかのノードに影響しない特定のノードに制限される {LOCAL_NODE} 依存関係を指定します。これにより、リソースがクラスタのノードごとに異なる依存関係を持つことができます。nodename は、ノード名またはノード ID です。
たとえば、次のリストは、ノード node1 上のリソース res1 の依存関係、およびノード node2 上のリソース res2 の依存関係を示しています:
res1@node1,res2@node2
複数のノードに同じ依存関係を適用可能な場合は、各ノード名でリソース名を繰り返します。例:
myres@node1,myres@node2,myres@node3,...
リソースの依存関係の有効範囲が、そのリソースが属するリソースグループの RG_affinities 関係から派生するように指定します。依存しているリソースのリソースグループが、依存先のリソースのリソースグループに対して肯定的なアフィニティーを持っていて、同じノード上で起動または停止する場合、依存関係は {LOCAL_NODE} になります。このような肯定的なアフィニティーが存在しない場合、またはグループが別のノード上で起動する場合、依存関係は {ANY_NODE} になります。
同じリソースグループ内の 2 つのリソース間の依存関係は、常に {LOCAL_NODE} です。
修飾子を指定しない場合は、FROM_RG_AFFINITIES がデフォルトで使用されます。
scha_resource_get(1HA)、scha_resource_get(3HA)、および scds_property_functions(3HA) のマニュアルページのドキュメントには、修飾子を含む依存関係リスト、または修飾子を含まない依存関係リストを取得するための代わりのクエリーフォームが記載されています。
任意
空のリスト
すべての時間
このリソースが弱い依存関係を持つ、同じリソースグループまたは異なるリソースグループ内のリソースのリスト。グループ内でのメソッド呼び出しの順序は、弱い依存性によって決まります。RGM は、このリスト内のリソースの Start メソッドを呼び出してから、このリソースの Start メソッドを呼び出します。さらに、RGM は、このリソースの Stop メソッドを呼び出してからリストのリソースの Stop メソッドを呼び出します。リスト内のリソースが始動に失敗したりオフラインのままであっても、リソースは起動されます。
このリソースと、その Resource_dependencies_weak リスト内のリソースが同時に起動された場合、RGM は、リストのリソースが起動してからこのリソースを起動します。リスト内のリソースが起動しない場合でも (たとえば、リスト内のリソースのリソースグループがオフラインのままであったり、リスト内のリソースが Start_failed 状態であったりする場合)、このリソースは起動します。このリソースの Resource_dependencies_weak リストのリソースが起動する際に、このリソースのリソースグループが一時的に Pending_online_blocked 状態に入ることがあります。リスト内のすべてのリソースが起動するか、起動に失敗すると、このリソースが起動し、そのグループが再度 Pending_online 状態になります。
このリソースが、リストのリソースと同時にオフラインにされる場合は、このリソースが停止されてから、リストのほかのリソースが停止されます。しかし、このリソースがオンラインのままであるか、停止に失敗すると、リストのリソースは停止されます。
同じリソースグループ内では、依存性の順序に従って Prenet_start メソッドが Start メソッドより先に実行されます。Postnet_stop メソッドは依存性の順序に従って Stop メソッドよりあとに実行されます。異なるリソースグループ内では、依存先のリソースが Prenet_start と Start を実行してから、依存しているリソースが Prenet_start を実行します。同様に、依存しているリソースが Stop と Postnet_stop を終了してから、依存先のリソースが Stop を実行します。
依存関係の範囲を指定するには、このプロパティーを指定するときに、次の修飾子を、中括弧 ({ }) やアットマーク (@) を含めてリソース名に付加します。
指定される依存関係をノード単位に限定します。依存関係の動作は、同じノード上でのみ依存先のリソースに影響されます。依存しているリソースは、依存先のリソースが同じノードで起動されるまで待機します。停止と再起動で同じような状況になります。
{LOCAL_NODE} 依存リソースがフェイルオーバー (すなわち単一マスター) リソースグループに存在する場合、また、あるノードとの {LOCAL_NODE} 依存関係が満たされていない場合、リソースグループは、依存関係が満たされないノードで Pending_online_blocked 状態のままいるのではなく、{LOCAL_NODE} 依存関係が満たされている別のノードにフェイルオーバーする可能性があります。
指定された依存関係を任意のノードに拡張します。依存関係の動作は、どのノードでも依存先のリソースに影響されます。依存しているリソースは、自分が起動する前に依存先のリソースがプライマリノードで起動するまで待機します。停止と再起動で同じような状況になります。
ほかのノードに影響しない特定のノードに制限される {LOCAL_NODE} 依存関係を指定します。これにより、リソースがクラスタのノードごとに異なる依存関係を持つことができます。nodename は、ノード名またはノード ID です。
たとえば、次のリストは、ノード node1 上のリソース res1 の依存関係、およびノード node2 上のリソース res2 の依存関係を示しています:
res1@node1,res2@node2
複数のノードに同じ依存関係を適用可能な場合は、各ノード名でリソース名を繰り返します。例:
myres@node1,myres@node2,myres@node3,...
リソースの依存関係の有効範囲が、そのリソースが属するリソースグループの RG_affinities 関係から派生するように指定します。依存しているリソースのリソースグループが、依存先のリソースのリソースグループに対して肯定的なアフィニティーを持っていて、同じノード上で起動または停止する場合、依存関係は {LOCAL_NODE} になります。このような肯定的なアフィニティーが存在しない場合、またはグループが別のノード上で起動する場合、依存関係は {ANY_NODE} になります。
同じリソースグループ内の 2 つのリソース間の依存関係は、常に {LOCAL_NODE} です。
修飾子を指定しない場合は、FROM_RG_AFFINITIES がデフォルトで使用されます。
scha_resource_get(1HA)、scha_resource_get(3HA)、および scds_property_functions(3HA) のマニュアルページのドキュメントには、修飾子を含む依存関係リスト、または修飾子を含まない依存関係リストを取得するための代わりのクエリーフォームが記載されています。
任意
空のリスト
すべての時間
リソースインスタンスの名前です。クラスタ構成内で一意にする必要があります。リソースが作成されたあとで変更はできません。
必須
デフォルトなし
しない
リソースに関連付けられた Oracle Solaris プロジェクト名 (projects(1) を参照)。このプロパティーは、CPU の共有、クラスタデータサービスのリソースプールといった Solaris のリソース管理機能に適用できます。RGM は、リソースをオンラインにすると、このプロジェクト名を持つ関連プロセスを起動します。このプロパティーが指定されていない場合、プロジェクト名は、リソースを含むリソースグループの RG_project_name プロパティーから取得されます (rg_properties(5) のマニュアルページを参照)。どちらのプロパティーも指定されなかった場合、RGM は事前定義済みのプロジェクト名 default を使用します。指定されたプロジェクト名は、プロジェクトデータベース内に存在する必要があります (projects(1) のマニュアルページおよびOracle Solaris ゾーンの紹介 を参照)。
任意
NULL
すべての時間
任意の有効な Oracle Solaris プロジェクト名、または null
RGM が判断した各クラスタノード上のリソースの状態。この状態には、Online、Offline、Start_failed、Stop_failed、Monitor_failed、Online_not_monitored、Starting、Stopping があります。
起動メソッド (Prenet_start、Start、Monitor_start) が、このノードのリソースに対して正常に実行されました。
そのリソースはこのノードで一度も起動されていないか、停止メソッド (Monitor_stop、Stop、Postnet_stop。どのメソッドであるかはリソースによって異なる) が、このノードのリソースに対して正常に実行されています。
Prenet_start または Start メソッドが、このノードのリソースで失敗しました。Start_failed は、メソッドがゼロ以外の終了ステータスで終了したか、タイムアウトになったことを意味します。このリソースの状態で表されるサービスは、このノードで実際に起動していることもあり、また起動していないこともあります。
Monitor_stop、Stop、または Postnet_stop メソッドが、このノードのリソースで失敗しました。Stop_failed は、メソッドがゼロ以外の終了ステータスで終了したか、タイムアウトになったことを意味します。このリソースの状態で表されるサービスは、このノードで実際に停止されていることもあり、また停止されていないこともあります。
リソースがこの状態に入ると、リソースグループの状態は Error_stop_failed になり、ユーザーの介入が必要です。Error_stop_failed は、rg_properties(5) のマニュアルページで詳細に説明されています。
リソースがその Prenet_start または Start メソッドを正常に実行しました (どちらのメソッドであるかはリソースタイプによって異なる)。しかし、リソースの Monitor_start メソッドが、ゼロ以外の終了ステータスで終了したか、タイムアウトになりました。リソースモニターは、このノードで実際に起動されていることもあり、また起動されていないこともあります。
リソースがその Prenet_start または Start メソッドを正常に実行しました (どちらのメソッドであるかはリソースタイプによって異なる)。Monitor_start メソッドは、このリソースに対してまだ実行されていません。モニタリングされていないリソース (そのリソースに対する Monitor_start メソッドが存在しない場合や、そのリソースに対するモニタリングが無効にされている場合) は、そのリソースグループが Online 状態になっても、この状態のままです。
リソースが Prenet_start か Start メソッドを実行してオンラインになろうとしています。
リソースが Start か Postnet_stop メソッドを実行してオフラインになろうとしています。
ユーザーはこのプロパティーを構成できません。
照会のみ
デフォルトなし
しない
起動に失敗したリソースをモニターが再起動する回数です。Retry_count を超過した場合、特定のデータサービス、および Failover_mode プロパティーの設定に応じて、モニターは次のいずれかの動作を行います:
リソースが障害状態であっても、リソースグループが現在のプライマリノード上に残ることを許可します。
別のノードヘのリソースグループのフェイルオーバーをリクエストします。
このプロパティーは RGM によって作成されます。RTR ファイルに宣言されている場合、クラスタ管理者のみ使用を許可されます。RTR ファイル内でデフォルト値が指定されている場合、このプロパティーは任意です。
リソースタイプファイル内で Tunable 属性が指定されていない場合は、プロパティーの Tunable 値は、When_disabled (無効にするとき) になります。
このプロパティーに負の値を指定すると、モニターは無限回リソースを再起動を試みます。
Retry_interval に 1 や 0 などの小さい値を指定します。
Retry_count に 1000 などの大きい値を指定します。
条件付き
上記を参照
無効時
失敗したリソースの再起動の間、この秒数だけ待機します。リソースモニターは、このプロパティーと Retry_count を組み合わせて使用します。このプロパティーは RGM によって作成されます。RTR ファイルに宣言されている場合、クラスタ管理者のみ使用を許可されます。RTR ファイル内でデフォルト値が指定されている場合、このプロパティーは任意です。
リソースタイプファイル内で Tunable 属性が指定されていない場合は、プロパティーの Tunable 値は、When_disabled (無効にするとき) になります。
条件付き
上記を参照
無効時
各ノードに割り当てられた関連の load_balancing_weight 値を考慮して、受信リクエストをラウンドロビン方式で特定のサーバーノードに割り当てます。リクエストは、スティッキ以外の load_balancing_policy 設定のリソースで接続ごとに割り当てられ、それ以外の場合は、クライアント単位の IP アドレスごとに割り当てられます。
Round_Robin は、予想される接続またはクライアント数が少ない受信リクエストの決定的負荷分散が必要なリソースで有効になるようにしてください。
リソースプロパティー Conn_threshold、およびクラスタプロパティー udp_session_timeout はラウンドロビンスキームをサポートし、Round_robin リソースプロパティーがサービスに設定されている場合はオプションで構成できます。
Round_robin プロパティーを使用するのにアップグレードが必要な既存のリソースタイプ登録 (RTR) ファイルはありません。
任意
FALSE
無効時
リソースがスケーラブルであるかどうか、つまり、リソースが Data Service for Apache Guide Cluster ソフトウェアのネットワーキング負荷分散機能を使用するかどうかを示します。
このプロパティーが RTR ファイルで宣言されている場合は、そのタイプのリソースに対して、RGM は、Affinity_timeout、Load_balancing_policy、Load_balancing_weights、Network_resources_used、Port_list、UDP_affinity、および Weak_affinity のスケーラブルサービスプロパティーを自動的に作成します。これらのプロパティーは、RTR ファイル内で明示的に宣言されないかぎり、デフォルト値を持ちます。RTR ファイルに Scalable が宣言されている場合、このプロパティーのデフォルトは True です。
RTR ファイルにこのプロパティーが宣言されている場合、At_creation 以外の Tunable 属性の割り当ては許可されません。
RTR ファイルにこのプロパティーが宣言されていない場合、このリソースはスケーラブルではないため、このプロパティーを調整できません。RGM は、スケーラビブルサービスプロパティーをいっさい設定しません。ただし、必要に応じて、RTR ファイルに明示的に Network_resources_used および Port_list プロパティーを宣言できますが、これは、これらのプロパティーが、スケーラブルサービスだけでなく、非スケーラブルサービスでも有用なためです。
Scalable リソースプロパティと Failover リソースタイププロパティーの組み合わせと、その説明は次の通りです。
|
詳細は、rt_properties(5) のマニュアルページにある Failover リソースタイププロパティーの説明を参照してください。
任意
上記を参照
作成時
リソースモニターによって設定されます。可能な値は、Online、Degraded、Faulted、Unknown、および Offline です。Start (または Prenet_start) メソッドによって値がまだ設定されていない場合、値は、リソースの起動時に RGM により Online に設定されます。Stop (または Postnet_stop) メソッドによって値がまだ設定されていない場合、値は、リソースの停止時に RGM により Offline に設定されます。
照会のみ
デフォルトなし
scha_resource_setstatus コマンドの使用によりのみ
リソースモニターによって、Status プロパティーと同時に設定されます。リソースが Offline になると、RGM はこの値に空文字列を設定します (Stop または Postnet_stop メソッドでまだ設定されていない場合)。
照会のみ
デフォルトなし
scha_resource_setstatus の使用によりのみ
高オーバーヘッドのリソース障害検証の呼び出し間隔 (秒)。このプロパティーは RGM によって作成されます。RTR ファイルに宣言されている場合、クラスタ管理者のみ使用を許可されます。RTR ファイル内でデフォルト値が指定されている場合、このプロパティーは任意です。
リソースタイプファイル内で Tunable 属性が指定されていない場合は、プロパティーの Tunable 値は、When_disabled (無効にするとき) になります。
条件付き
デフォルトなし
無効時
hatimerun コマンドに –d (遅延) オプションを渡すかどうかを決定します。Timeout_delay リソースプロパティーを宣言するリソースタイプは、hatimerun コマンドを使用して強制された時間制限の下でコマンドを実行します。–d オプションは、コマンドの実行が開始されるまでタイムアウトクロックの開始を遅延させます。これにより、割り当てられた期間に対して、実行前のスケジューリング遅延がカウントされなくなります。
このプロパティーを宣言する各リソースタイプは、そのリソースタイプに固有の方法で使用します。たとえば、ORCL.gds は hatimerun(1HA) を使用して、プローブコマンドを起動します。詳細は、各データサービスのドキュメントを参照してください。
Timeout_delay プロパティーのデフォルト値は FALSE、デフォルトの調整可能性は Any time です。これらの属性は、RTR ファイルでオーバーライドできます。
条件付き/任意
False
すべての時間
インスタンスのリソースタイプ。
必須
デフォルトなし
しない
現在このリソースに関連付けられているリソースタイプのバージョンを指定します。このプロパティーは RTR ファイル内に宣言できません。したがって、RGM によって自動的に作成されます。このプロパティーの値は、リソースタイプの RT_version プロパティーと等しくなります。リソースの作成時、Type_version プロパティーは明示的には指定しませんが、リソースタイプ名の接尾辞として表示されます。リソースを編集すると、Type_version の値を新しい値に変更する場合があります。
上記を参照
なし
調整は次のものから派生されます。
現在のリソースタイプのバージョン
リソースタイプ登録ファイル内の #$upgrade_from 指令 (rt_reg(4) のマニュアルページを参照)。
true の場合、指定のクライアントからの UDP トラフィックはすべて現在クライアントの TCP トラフィックを処理しているサーバーノードに送信されます。
このプロパティーは、Load_balancing_policy が Lb_sticky または Lb_sticky_wild の場合にかぎり有効です。さらに、Weak_affinity を FALSE (デフォルト値) に設定する必要があります。
このプロパティーは、スケーラブルサービス専用です。
条件付き/任意
False
無効時
true の場合、弱い形式のクライアントアフィニティーが有効になります。これによって、あるクライアントからの接続を同じサーバーノードに送信することが可能になりますが、サーバーリスナが起動される場合 (障害モニターの再起動があったり、リソースのフェイルオーバーやスイッチオーバーがあったり、ノードが障害後にクラスタに再結合されたりするため) や、管理アクションによってスケーラブルリソースの load_balancing_weights が変更される場合を除きます。
弱いアフィニティーはメモリーの消費とプロセッササイクルの点で、デフォルトの形式よりもオーバーヘッドを低く抑えられます。
このプロパティーは、Load_balancing_policy が Lb_sticky または Lb_sticky_wild の場合にかぎり有効です。
このプロパティーは、スケーラブルサービス専用です。
条件付き/任意
False
無効時
projects(1), clresource(1CL), clresourcegroup(1CL), clresourcetype(1CL), scha_control(1HA), scha_resource_get(1HA), scha_resource_setstatus(1HA), scha_control(3HA), scha_resource_get(3HA), scds_property_functions(3HA), rt_reg(4), property_attributes(5), rg_properties(5), rt_properties(5)
Oracle Solaris Cluster Concepts Guide 、Oracle Solaris ゾーンの紹介 。