SUNW.ScalMountPoint リソースタイプは、スケーラブルファイルシステムマウントポイントを表します。このリソースタイプのインスタンスは、次に示す種類のファイルシステムの 1 つのマウントポイントを表します。
ネットワーク接続ストレージ (NAS) デバイス上のファイルシステム。
NAS デバイスおよびファイルシステムは、Oracle Solaris Cluster で使用できるように構成済みである必要があります。詳細は、Oracle Solaris Cluster With Network-Attached Storage Device Manual を参照してください。
SUNW.ScalMountPoint リソースタイプは、スケーラブルリソースタイプです。このリソースタイプのインスタンスは、リソースを含むリソースグループのノードリスト内にある各ノードでオンラインです。
このリソースタイプを登録し、リソースタイプのインスタンスを作成するには、次のいずれかの方法を使用します。
Oracle Solaris Cluster Manager
Oracle Real Application Clusters 用 Oracle Solaris Cluster サポートを構成するためのオプションを指定する clsetup ユーティリティー
次の一連の Oracle Solaris Cluster 保守コマンド。
このリソースタイプを登録するには、clresourcetype コマンドを使用します。
このリソースタイプのインスタンスを作成するには、clresource コマンドを使用します。
SUNW.ScalMountPoint リソースタイプに対して定義される標準プロパティーと拡張プロパティーについて、これ以降のサブセクションで説明します。
すべての標準リソースプロパティーについては、r_properties(5) のマニュアルページを参照してください。
標準のリソースタイププロパティーは、次のようにこのリソースタイプに対して無効にされます。
10
300
10
300
60
300
60
300
60
300
60
300
300
60
300
60
300
このリソースタイプには、次のような拡張プロパティーが設定されます。
このプロパティーは、ファイルシステムマウントポイントのリソースからのデバッグメッセージが記録されるレベルを指定します。デバッグレベルを高くすると、より多くのデバッグメッセージがログファイルに書き込まれます。
整数
0
0–10
すべての時間
このプロパティーは、リソースが表すマウントポイントを持つファイルシステムの種類を指定します。このプロパティーを指定してください。このプロパティーには次に示す値の 1 つを設定します。
ファイルシステムが NAS デバイス上のファイルシステムであることを指定します。
ファイルシステムが Sun QFS 共有ファイルシステムであることを指定します。
文字列
デフォルトは定義されていません。
適用不可
無効時
このプロパティーは、障害モニターが入出力 (I/O) 検証に使用するタイムアウト値を秒単位で指定します。障害モニターは、マウントされたファイルシステムが使用可能かどうかを判断するため、ファイルシステム上でテストファイルを開いたり、読み込んだり、書き込んだりするなどの I/O 操作を実行します。I/O 操作がタイムアウト期間内に完了しない場合、障害モニターはエラーを報告します。
整数
300
5–1800
すべての時間
このプロパティーは、障害モニターに許可される、プロセスモニター機能 (PMF) による最大再起動回数を指定します。
整数
4
範囲は定義されていません。
すべての時間
このプロパティーは、PMF が障害モニターの再起動をカウントする期間 (分単位) を指定します。
整数
2
範囲は定義されていません。
すべての時間
このプロパティーは、リソースが表すファイルシステムがマウントされるときに使用されるマウントオプションのコンマ区切りリストを指定します。このプロパティーは省略可能です。このプロパティーの値を指定しないと、マウントオプションは、ファイルシステムのデフォルトの表から取得されます。
Sun QFS 共有ファイルシステムの場合、これらのオプションは /etc/opt/SUNWsamfs/samfs.cmd ファイルから取得されます。
NAS デバイス上のファイルシステムの場合、これらのオプションは /etc/vfstab ファイルから取得されます。
このプロパティーを通して指定するマウントオプションは、ファイルシステムのデフォルトの表内のマウントオプションをオーバーライドします。
文字列
""
適用不可
無効時
このプロパティーは、リソースが表すファイルシステムのマウントポイントを指定します。マウントポイントは、ファイルシステムのマウント時にファイルシステムがファイルシステム階層に接続されるディレクトリへのフルパスです。このプロパティーを指定してください。
指定するディレクトリはすでに存在している必要があります。
文字列
デフォルトは定義されていません。
適用不可
無効時
このプロパティーは、検証によって障害が検出された場合に、ローカルシステムをリブートするかどうかを指定します。このプロパティーが TRUE に設定されている場合、リソースによって使用されるすべてのデバイスを、ディスクパスのモニタリングで直接または間接的にモニターする必要があります。
RebootOnFailure が TRUE に設定されており、GlobalDevicePaths、FileSystemMountPoints、または Zpools プロパティーで指定した各エントリで、使用可能なデバイスが少なくとも 1 つ検出された場合、ローカルシステムはリブートされます。ローカルシステムは、リソースがオンライン状態のグローバルクラスタノードまたはゾーンクラスタノードを参照します。
FALSE
すべての時間
このプロパティーは、MountPointDir 拡張プロパティーが指定するマウントポイントでマウントされるファイルシステムを指定します。このプロパティーを指定してください。ファイルシステムの種類は、FileSystemType プロパティーが指定する種類に一致させる必要があります。このプロパティーの書式は、ファイルシステムの種類によって次のように異なります。
Sun QFS 共有ファイルシステムの場合、このプロパティーにはファイルシステムの作成時にファイルシステムに割り当てられた名前を設定します。ファイルシステムは、正しく構成してください。詳細は、使用している Sun QFS 共有ファイルシステムのドキュメントを参照してください。
NAS デバイスのファイルシステムの場合は、このプロパティーに nas-device:path を設定します。上記書式の各項目の意味は次のとおりです。
ファイルシステムをエクスポートしている NAS デバイスの名前を指定します。この名前は、状況に応じてドメインで修飾できます。
NAS デバイスがエクスポートしているファイルシステムへのフルパスを指定します。
NAS デバイスおよびファイルシステムは、Oracle Solaris Cluster で使用できるように構成済みである必要があります。詳細は、Oracle Solaris Cluster With Network-Attached Storage Device Manual を参照してください。
文字列
デフォルトは定義されていません。
適用不可
無効時
この例では、Solaris Volume Manager for Sun Cluster と一緒に使用される Sun QFS 共有ファイルシステムのマウントポイントを表す ScalMountPoint リソースを作成する方法を示します。リソースの名前は scal-db_qfs-Data-rs です。ファイルシステムの特徴は次のとおりです。
ファイルシステムのマウントポイントは /db_qfs/Data です。
マウントされるファイルシステムは Data です。
マウントオプションは、ファイルシステムのデフォルトの表、/etc/opt/SUNWsamfs/samfs.cmd ファイルから取得されます。
この例は、次に示す Oracle Solaris Cluster オブジェクトが存在することを前提とします。
scaldatadg-rg という名前のスケーラブルリソースグループ。
qfs-db_qfs-Data-rs という名前の SUNW.qfs リソースタイプのインスタンス。
scaldatadg-rs という名前の SUNW.ScalDeviceGroup リソースタイプのインスタンス。
# clresourcetype register SUNW.ScalMountPoint # clresource create -t SUNW.ScalMountPoint \ -g scaldatadg-rg \ -p Resource_dependencies=qfs-db_qfs-Data-rs,scaldatadg-rs \ -p MountPointDir=/db_qfs/Data \ -p FileSystemType=s-qfs \ -p TargetFileSystem=Data \ scal-db_qfs-Data-rs
次の属性の説明は、attributes(5) を参照してください:
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clresource(1CL), clresourcetype(1CL), clsetup(1CL), vfstab(4), attributes(5), r_properties(5), SUNWct.ScalDeviceGroup(5), SUNW.vucmm_framework(5)
Oracle Solaris Cluster Data Service for Oracle Real Application Clusters ガイド 、Oracle Solaris Cluster With Network-Attached Storage Device Manual