/usr/cluster/bin/clsnmpmib -V
/usr/cluster/bin/clsnmpmibsubcommand [] -?
/usr/cluster/bin/clsnmpmib [subcommand] [options] -v [mib]
/usr/cluster/bin/clsnmpmib disable [-n node[,…]] {+ | mib …}
/usr/cluster/bin/clsnmpmib enable [-n node[,…]] {+ | mib …}
/usr/cluster/bin/clsnmpmib export [-n node[,…]] [-o {- | clconfigfile}] [+ | mib …]
/usr/cluster/bin/clsnmpmib list [-n node[,…]] [+ | mib …]
/usr/cluster/bin/clsnmpmib set [-p name=value] […] [-n node[,…] {+ | mib …}
/usr/cluster/bin/clsnmpmib show [-n node[,…]] [+ | mib …]
clsnmpmib コマンドは、現在のノード上にある既存の Oracle Solaris Cluster SNMP (Simple Network Management Protocol) の管理情報ベース (MIB) を管理します。MIB を管理できる SNMP ホストを作成するには、clsnmphost(1CL) のマニュアルページを参照してください。SNMPv3 プロトコルを使用しているときに MIB にアクセスできる SNMP バージョン 3 (SNMPv3) ユーザーを定義するには、clsnmpuser(1CL) のマニュアルページを参照してください。
このコマンドの一般的な形式は次のとおりです。
clsnmpmib [subcommand] [options] [operands]
subcommand を省略できるのは、options で –? または –V オプションが指定されている場合のみです。
このコマンドの各オプションには、長い形式と短い形式があります。各オプションの両方の形式は、OPTIONS セクションにオプションの説明とともに記載されています。
詳細は、Intro(1CL) のマニュアルページを参照してください。
Oracle Solaris Cluster は現在、1 つの MIB (イベント MIB) をサポートしています。Oracle Solaris Cluster SNMP の イベント MIB は、SNMP マネージャーにクラスタイベントをリアルタイムで通知します。有効になっている場合、Oracle Solaris Cluster のイベント MIB は、clsnmphost コマンドで定義されているすべてのホストにトラップ通知を自動的に送信します。Oracle Solaris Cluster イベント MIB は、ポート 11162 にトラップ通知を送信します。SNMP ツリーはポート 11161 に表示されます。
clsnmpmib set サブコマンドを使用して、min_severity または log_number の値を指定できます。クラスタは多数のイベント通知を生成するので、重要度が min_severity 以上のイベントのみがトラップ通知として送信されます。デフォルトでは、min_severity 値は NOTICE に設定されます。log_number の値には、古いエントリを破棄するまでに MIB テーブルに記録するイベントの数を指定します。MIB は、トラップが送信された最新のイベントの読み取り専用テーブルを維持しています。イベントの数は、log_number 値によって制限されます。この情報はリブートされると消滅します。
このコマンドは、大域ゾーンだけで使用できます。
サポートされるサブコマンドには次のものがあります。
指定されたノード上の 1 つ以上のクラスタの MIB を無効にします。
このサブコマンドは、大域ゾーンだけで使用できます。
–n オプションを指定しないと、現在のノード上の MIB だけが無効にされます。MIB が無効になると、MIB のテーブルにアクセスできず、MIB はトラップ通知を一切送信しません。
スーパーユーザー以外のユーザーがこのサブコマンドを使用するには、solaris.cluster.modify 役割に基づくアクセス制御 (RBAC) の承認が必要です。rbac(5) のマニュアルページを参照してください。
指定されたノード上にある 1 つ以上のクラスタの MIB を有効にします。
このサブコマンドは、大域ゾーンだけで使用できます。
–n オプションを指定しないと、現在のノード上の MIB だけが有効にされます。有効にされる MIB を制限するには、mib オペランドを使用します。
MIB を有効にすると、その機能すべてが有効になります。ただし、すべての MIB 機能が完全に機能するには、さらにいくつかの構成が必要な場合があります。たとえば、ホストが構成されていないと、MIB はトラップ通知を送信できません。SNMP ホストの構成については、clsnmphost(1CL) のマニュアルページを参照してください。
スーパーユーザー以外のユーザーがこのサブコマンドを使用するには、solaris.cluster.modify RBAC の承認が必要です。rbac(5) のマニュアルページを参照してください。
クラスタの MIB の構成情報をエクスポートします。
このサブコマンドは、大域ゾーンだけで使用できます。
MIB 構成情報をエクスポートする 1 つ以上のノードを指定するには、–n オプションを使用します。export を –n オプションなしで使用した場合、このサブコマンドは、現在のノードの MIB 構成情報のみをエクスポートします。デフォルトでは、このサブコマンドは現在のノードのすべての MIB から構成情報をエクスポートします。出力をさらに詳細化するには、構成情報が必要な 1 つ以上の MIB の名前を指定します。
export サブコマンドからの出力形式の詳細は、clconfiguration(5CL) のマニュアルページを参照してください。デフォルトでは、すべての出力が標準出力に送信されます。出力先をファイルに変更するには、–o オプションを使用して、そのあとにファイル名を指定します。
スーパーユーザー以外のユーザーがこのサブコマンドを使用するには、RBAC の承認 solaris.cluster.read が必要です。rbac(5) のマニュアルページを参照してください。
指定されたノード上のクラスタの MIB のリストを表示します。
このサブコマンドは、大域ゾーンだけで使用できます。
一覧表示するクラスタの MIB のノードを指定するには、–n オプションを使用します。list サブコマンドを –n オプションなしで使用すると、このサブコマンドは現在のノード上の MIB だけを一覧表示します。一覧表示する MIB を制限するには、一覧表示する 1 つ以上の MIB の名前を指定します。
スーパーユーザー以外のユーザーがこのサブコマンドを使用するには、RBAC の承認 solaris.cluster.read が必要です。rbac(5) のマニュアルページを参照してください。
指定されたノード上の 1 つ以上の MIB で使用される SNMP プロトコル、min_severity、または log_number 設定を変更します。
このサブコマンドは、大域ゾーンだけで使用できます。
デフォルトでは、このサブコマンドはノード上のすべての MIB を変更します。ノードを指定しないと、現在のノード上の MIB の SNMP プロパティーのみが変更されます。SNMP プロパティーは、–p オプションを使って指定する必要があります。すべての MIB では、デフォルトのプロパティー値 protocol:SNMPv2、min_severity:NOTICE、log_number:100 を使用します。set サブコマンドは、mib オペランドを使用して MIB 名を指定しないかぎり、すべての MIB のプロトコル、min_severity、または log_number 設定を変更します。
スーパーユーザー以外のユーザーがこのサブコマンドを使用するには、solaris.cluster.modify RBAC の承認が必要です。rbac(5) のマニュアルページを参照してください。
指定されたノード上の MIB の情報を表示します。
このサブコマンドは、大域ゾーンだけで使用できます。
show サブコマンドは、MIB の名前、その SNMP プロトコルバージョン、min_severity 値、または log_number 値を表示します。デフォルトでは、このサブコマンドはノード上のすべての MIB の情報を表示します。
スーパーユーザー以外のユーザーがこのサブコマンドを使用するには、RBAC の承認 solaris.cluster.read が必要です。rbac(5) のマニュアルページを参照してください。
次のオプションがサポートされています。
ヘルプ情報を表示します。
このオプションはサブコマンド付きでもサブコマンドなしでも指定できます。
このオプションをサブコマンドなしで使用すると、使用可能なサブコマンドのリストが表示されます。
このオプションをサブコマンドとともに使用すると、サブコマンドの使用オプションが表示されます。
このオプションを使用すると、ほかの処理は実行されません。
ノードまたはノードリストを指定します。各ノードはノード名またはノード ID で指定できます。clsnmpmib コマンドのすべての形式で、このオプションが受け付けられます。–n オプションを使用すると、処理が実行されるノードを指定できます。– n オプションがない場合、このコマンドは現在のノードを想定します。
クラスタの MIB 構成についての情報が書き込まれる場所を指定します。この書き込み先は、ファイルでも、標準出力でもかまいません。標準出力を指定するには、ファイル名の代わりにマイナス記号 (-) を指定します。標準出力を指定すると、コマンドに対するほかのすべての標準出力が抑制されます。–o オプションを指定しない場合、出力は標準出力に送信されます。このオプションは、export サブコマンドの場合にだけ指定できます。
構成情報は、clconfiguration(5CL) のマニュアルページで定義されている形式で書き込まれます。
MIB で使用する SNMP プロトコルのバージョンを指定します。Oracle Solaris Cluster は、SNMPv2 および SNMPv3 プロトコルバージョンをサポートしています。
重要度の最小値を指定します。min_severity 値に等しいか、それを上回る値を持つイベントのみが MIB テーブルに記録され、それらのイベントについて、トラップが構成済みのホストに送信されます。
古いエントリを破棄するまでに MIB テーブルに記録するイベントの数を指定します。
–p name=value は複数回指定できます。
このオプションとともに次のプロパティーを設定できます。
MIB で使用する SNMP プロトコルのバージョンを指定します。value は次のように指定します。
version=SNMPv2
version=snmpv2
version=2
version=SNMPv3
version=snmpv3
version=3
MIB で使用する重要度の最小値を指定します。この値は次のように指定します。
min_severity=NOTICE
min_severity=WARNING
min_severity=ERROR
min_severity=CRITICAL
min_severity=FATAL
大文字と小文字のどちらの値も指定できます。
古いエントリを破棄するまでに MIB テーブルに記録するイベントの数を指定します。デフォルト値は 100 です。値は 100-500 の範囲である必要があります。この値は次のように指定します。
log_number=number
コマンドのバージョンを表示します。
このオプションは、サブコマンド、オペランド、またはその他のオプションと一緒に指定しないでください。指定すると、一緒に指定されたサブコマンド、オペランド、またはその他のオプションは無視されます。–V オプションは、コマンドのバージョンだけを表示します。その他の処理は行いません。
詳細情報を標準出力に出力します。
このオプションはどの形式のコマンドととも指定できますが、一部のサブコマンドは拡張出力を発生させないことがあります。たとえば、export サブコマンドでは、冗長オプションを指定すると拡張出力は生成されません。
次のオペランドがサポートされています。
サブコマンドが適用される単数または複数の MIB の名前を指定します。このオペランドを指定しない場合は、デフォルトのプラス記号 (+) がサブコマンドで使用されます (すべての MIB を意味します)。 mib オペランドを使用する場合は、その他のすべてのコマンド行オプションのあとにあるスペースで区切られたリスト内で MIB を指定してください。
クラスタのすべての MIB。
指定したすべてのオペランドでコマンドが成功すると、コマンドはゼロ (CL_NOERR) を返します。あるオペランドでエラーが発生すると、コマンドはオペランドリストの次のオペランドを処理します。戻り値は常に、最初に発生したエラーを反映します。
このコマンドは、次の終了ステータスコードを返します。
エラーなし
実行したコマンドは正常に終了しました。
十分なスワップ空間がありません。
クラスタノードがスワップメモリーまたはその他のオペレーティングシステムリソースを使い果たしました。
無効な引数
コマンドを間違って入力したか、–i オプションで指定したクラスタ構成情報の構文が間違っていました。
アクセス権がありません
指定したオブジェクトにアクセスできません。このコマンドを実行するには、スーパーユーザーまたは RBAC アクセスが必要である可能性があります。詳細は、su(1M)、および rbac(5) のマニュアルページを参照してください。
内部エラーが発生しました
内部エラーは、ソフトウェアの欠陥またはその他の欠陥を示しています。
I/O エラー
物理的な入出力エラーが発生しました。
そのようなオブジェクトはありません。
次のいずれかの理由のために、指定したオブジェクトを見つけることができません。
オブジェクトが存在しません。
–o オプションで作成しようとした構成ファイルへのパスのディレクトリが存在しません。
–i オプションでアクセスしようとした構成ファイルにエラーが含まれています。
次のコマンドは、クラスタノード上にあるすべての MIB を一覧表示します。
# clsnmpmib list Event使用例 2 MIB の有効化
次のコマンドは、現在のノード上にある Event MIB を有効にします。
# clsnmpmib enable event
クラスタの MIB の名前では大文字と小文字は区別されません。
使用例 3 プロトコルの変更次のコマンドは、クラスタノード phys-cluster-2 の Event MIB のプロトコルを SNMPv3 に変更します。
# clsnmpmib set -n phys-cluster-2 -p version=SNMPv3 Event
–n オプションを使用すると、ノード名の代わりにノード ID を使用できます。
使用例 4 構成の表示次のコマンドは、クラスタノード phys-cluster-1 および phys-cluster-2 上の構成情報を表示します。
# clsnmpmib show -n phys-cluster-1,phys-cluster-2 --- SNMP MIB Configuration on myhost --- SNMP MIB Name: phys-cluster-1 State: Event Enabled: yes Protocol: SNMPv3 min_severity: 1 log_number: 100 SNMP MIB Name: phys-cluster-2 State: Event Enabled: yes Protocol: SNMPv3 min_severity: 3 log_number: 250使用例 5 Min Severity 値の変更
次のコマンドは、クラスタノード phys-cluster-2 上のイベント MIB の min_severity を WARNING に変更します。
# clsnmpmib set -n phys-cluster-2 -p min_severity=WARNING Event
–n オプションを使用すると、ノード名の代わりにノード ID を使用できます。
使用例 6 Log_Number 値の変更次のコマンドは、クラスタノード phys-cluster-2 上のイベント MIB の log_number を 250 に変更します。
# clsnmpmib set -n phys-cluster-2 -p log_number=250 Event
–n オプションを使用すると、ノード名の代わりにノード ID を使用できます。
次の属性の説明は、attributes(5) を参照してください:
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Oracle Solaris Cluster SNMP イベント MIB 定義ファイル
clsnmphost(1CL), clsnmpuser(1CL), Intro(1CL), cluster(1CL), sceventmib(1M), scha_calls(3HA), attributes(5), rbac(5), clconfiguration(5CL)
スーパーユーザーはこのコマンドのすべての形式を実行できます。
すべてのユーザーがこのコマンドに –? (ヘルプ) オプションまたは –V (バージョン) オプションを指定して実行できます。
clsnmpmib コマンドをほかのサブコマンドとともに実行する場合、スーパーユーザー以外のユーザーは RBAC の承認が必要です。次の表を参照してください。
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