Oracle® Solaris Cluster リファレンスマニュアル

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更新: 2014 年 7 月、E51742-01
 
 

SUNW.crs_framework(5)

名前

SUNW.crs_framework, crs_framework - Oracle Clusterware のシャットダウンを調整するリソースタイプ実装

説明

SUNW.crs_framework リソースタイプは、Oracle Solaris Cluster Support for Oracle Real Application Clusters (Oracle RAC) 構成で、Oracle Clusterware リソースと Oracle Solaris Cluster リソースのシャットダウンを調整します。このリソースタイプは、Oracle Solaris Cluster が Oracle Clusterware を停止できるようにすることで、Oracle Solaris Cluster と Oracle Clusterware の相互運用を可能にします。


注 - このリソースタイプは、Oracle Solaris Cluster 管理コマンドを使用して Oracle Clusterware を起動できるようにするものではありません。Oracle Clusterware を起動するには、Oracle コマンドを使用するか、ノードをブートするかの方法しかありません。

Oracle Clusterware 投票ディスクと Oracle クラスタレジストリ (OCR) ファイルは、SUNW.ScalDeviceGroup または SUNW.ScalMountPoint タイプのリソースが表すストレージに存在することがあります。この状況では、SUNW.ScalDeviceGroup または SUNW.ScalMountPoint タイプのリソースをオフラインにする前に、Oracle Clusterware を停止する必要があります。この要件に適合するため、SUNW.crs_framework タイプのリソースは、次の状況になると、ノードにある Oracle Clusterware プロセスを停止します:

  • そのノードでタイプ SUNW.ScalDeviceGroup または SUNW.ScalMountPoint のリソースがオフラインになるとき。Oracle Clusterware プロセスを次の理由のため停止する必要があります。

    • SUNW.ScalDeviceGroup または SUNW.ScalMountPointタイプのリソースが正しく停止するのを確認するため。

    • Oracle Clusterware プロセスまたは Oracle RAC プロセスがストレージにアクセスしているときに、SUNW.ScalDeviceGroup または SUNW.ScalMountPoint タイプのリソースがオフラインになった場合に、データベースまたはノードに障害が発生するのを防ぐため。

  • ノードが停止するとき。Oracle Clusterware プロセスが停止しない場合、ノードはシャットダウンできません。

SUNW.crs_framework リソースタイプは、シングルインスタンスリソースタイプです。したがって、クラスタに作成可能なリソースは 1 個だけです。

Oracle Solaris Cluster が正しい順序でリソースを停止するようにするには、SUNW.crs_framework タイプのリソースを次のように構成します。

  • SUNW.crs_framework リソースを含むリソースグループに対して、SUNW.ScalDeviceGroup または SUNW.ScalMountPoint タイプのリソースを含むすべてのリソースグループが、強いポジティブなアフィニティーを宣言することを確認します。

  • Oracle Clusterware 投票ディスクと OCR ファイルのストレージを表すすべてのリソースに対して、SUNW.crs_framework リソースによるオフライン再起動の依存関係を設定します。これらのリソースのタイプは、SUNW.ScalDeviceGroup または SUNW.ScalMountPoint です。各依存関係のスコープを、SUNW.ScalDeviceGroup リソースまたは SUNW.ScalMountPoint リソースが動作しているノードだけに限定します。

  • SUNW.rac_framework タイプのリソースに対して、SUNW.crs_framework タイプのリソースによる強い依存関係を設定します。

これらの依存関係およびアフィニティーは、Oracle RAC 用 Oracle Solaris Cluster サポートデータサービスのデータベースリソースを構成するときに作成します。詳細は、Oracle Solaris Cluster Data Service for Oracle Real Application Clusters ガイド のOracle RAC のサポート データベースインスタンスのリソースの構成を参照してください。

このリソースタイプを登録し、リソースタイプのインスタンスを作成するには、次のいずれかの方法を使用します。

  • Oracle Solaris Cluster Manager

  • Oracle Solaris Cluster Support for Oracle Real Application Clusters を構成するためのオプションを指定する clsetup(1CL) ユーティリティー

  • 次の一連の Oracle Solaris Cluster 保守コマンド。

    1. このリソースタイプを登録するには、clresourcetype(1CL) コマンドを使用します。

    2. このリソースタイプのインスタンスを作成するには、clresource(1CL) コマンドを使用します。

標準プロパティー

すべての標準リソースプロパティーについては、r_properties(5) のマニュアルページを参照してください。

標準のリソースタイププロパティーは、次のようにこのリソースタイプに対して無効にされます。

Monitor_start_timeout
最小

60

デフォルト

300

Monitor_stop_timeout
最小

60

デフォルト

300

Start_timeout
最小

60

デフォルト

300

Stop_timeout
最小

60

デフォルト

1200

Update_timeout
最小

60

デフォルト

300

Validate_timeout
最小

60

デフォルト

300

拡張プロパティー

SUNW.crs_framework リソースタイプには拡張プロパティーはありません。

使用例 1 SUNW.crs_framework リソースの作成

この例では、SUNW.crs_framework リソースタイプを登録し、crs_framework-rs という名前の SUNW.crs_framework リソースタイプのインスタンスを作成する方法を示します。この例では、次のように仮定します。

  • C シェルを使用します。

  • crs-framework-rg という名前のリソースグループが存在します。

  • 次のリソースが存在します。

    • rac_framework-rs という名前のタイプ SUNW.rac_framework のリソースで、Oracle RAC フレームワークを表します。

    • db-storage-rs という名前のタイプ SUNW.ScalDeviceGroup のリソースで、Oracle Clusterware 投票ディスクと OCR ファイルを格納するスケーラブルデバイスグループを表します。

phys-schost-1# clresourcetype register SUNW.crs_framework

phys-schost-1# clresource create -g crs-framework-rg \
-t SUNW.crs_framework \
-p resource_dependencies=rac_framework-rs \
-p resource_dependencies_offline_restart=db-storage-rs\{local_node\} \
crs_framework-rs 

属性

次の属性の説明は、attributes(5) を参照してください:

属性タイプ
属性値
使用条件
ha-cluster/library/ucmm

関連項目

clresource(1CL), clresourcetype(1CL), clsetup(1CL), attributes(5), SUNW.rac_framework(5), SUNWct.ScalDeviceGroup(5), SUNW.ScalMountPoint(5)

Oracle Solaris Cluster Data Service for Oracle Real Application Clusters ガイド