Oracle® Solaris Cluster リファレンスマニュアル

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更新: 2014 年 7 月、E51742-01
 
 

scalable_service (5)

名前

scalable_service - スケーラブルリソースタイプ

説明

スケーラブルデータサービスとは、Oracle Solaris Cluster ネットワーキング機能を使用するデータサービスのことです。このようなサービスは、Resource Group Manager (RGM) で管理されるリソースタイプとして実装されます。

標準的なリソースプロパティー

すべてのスケーラブルリソースタイプに共通に適用される標準的なリソースプロパティーには、ScalableNetwork_resources_usedPort_listLoad_balancing_policy、および Load_balancing_weights があります。これらのプロパティーの構文および説明については、r_properties(5) のマニュアルページを参照してください。

一部のデータサービスは、スケーラブルモードか非スケーラブルモードのいずれかでしか動作しません。これらのデータサービスでは、リソースの作成時に True プロパティーの値として FalseScalable を指定できます。このプロパティーがリソース上で True に設定されている場合、そのリソースは「スケーラブルモード」になっているとみなされます。次に、そのリソースをスケーラブルモードのリソースグループ (つまり、Maximum_primaries プロパティーを 1 よりも大きい値に設定できるグループ) に含める必要があります。

スケーラブルモードでのみ動作できるデータサービスの場合、Scalable プロパティーはこのタイプのリソースに対して暗黙に True であり、管理者が変更することはできません。

Load_balancing_weights および Port_list プロパティーは、リソースがオンラインである場合を含め、いつでも変更できます。Network_resources_used および Load_balancing_policy はリソースの作成時に設定され、このあとにこれらのプロパティーを編集できません。そのリソースタイプがどのように実装されているかによって、これらのプロパティーにデフォルト値が設定されている場合もあれば、リソースの作成時に値を指定する必要がある場合もあります。

ネットワークモニタリング

特定のノードで動作するスケーラブルサービスインスタンスは、パブリックネットワークを介してクライアントに応答できる必要があります。RGM は、スケーラブルサービスが動作するノードでのパブリックネットワークの状態を自動的にモニターし、特定のノードでパブリックネットワークがアクセス不能になると、そのノードで動作するスケーラブルサービスインスタンスを停止します。clresource unmonitor コマンドを使用してスケーラブルリソースのモニタリングを無効にすると、これらのネットワークチェックは無効になります。

リソースの検証

Scalable に設定された True リソースプロパティーが作成または更新されると、RGM はさまざまなプロパティーを検査し、これらのプロパティーの構成が正しくなければ更新を実行しません。この検査の一部には次のようなものがあります。

  • Network_resources_used プロパティーは未設定のままにしないでください。このプロパティーには既存の SharedAddress リソースの名前を含めます。スケーラブルリソースを含むリソースグループの Nodelist プロパティーに対して指定する各ノードは、NetIfList プロパティー、またはいずれかの SharedAddress リソースの AuxNodeList プロパティーに含まれる必要があります。

  • スケーラブルリソースを含むリソースグループの RG_dependencies プロパティーは、そのスケーラブルリソースの Network_resources_used プロパティーにリストされているすべての SharedAddress リソースのリソースグループを含むように設定されている必要があります。

  • Port_list プロパティーは未設定のままにしないでください。このプロパティーには、ポートとプロトコルの組み合わせが列挙されている必要があります。その場合、プロトコルは、tcptcp6udp、または udp6 のいずれかになります。指定可能なプロトコルは、TCP IPv4 のみの場合は tcp、TCP IPv4 と TCP IPv6 の両方を使用する場合は tcp6、UDP IPv4 のみの場合はudp、UDP IPv4 と UDP IPv6 の両方を使用する場合は udp6 になります。

    たとえば、Port_list=80/tcp,40/udp と指定します。

アフィニティー

IP アフィニティーにより、特定のクライアント IP アドレスからの接続はすべて同じクラスタノードに転送されるようになります。Affinity_timeoutUDP_affinityWeak_affinity は、Load_balancing_policyLb_sticky または Lb_sticky_wild に設定されているときのみ有効です。詳細は、r_properties(5) を参照してください。

関連項目

clresource(1CL), clresourcegroup(1CL), clresourcetype(1CL), rt_callbacks(1HA), rt_reg(4), r_properties(5)

Oracle Solaris Cluster ソフトウェアのインストール Oracle Solaris Cluster Data Services Developer’s Guide