Oracle® Solaris Cluster リファレンスマニュアル

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更新: 2014 年 7 月、E51742-01
 
 

did(7)

名前

did - user-configurable DID pseudo driver

説明


注 - Oracle Solaris Cluster ソフトウェアには、オブジェクト指向のコマンドセットが含まれます。Oracle Solaris Cluster ソフトウェアは従来のコマンドセットもサポートしますが、Oracle Solaris Cluster の手順に関するドキュメントではオブジェクト指向のコマンドセットのみを使用します。オブジェクト指向のコマンドセットの詳細は、Intro(1CL) のマニュアルページを参照してください。

DIDはユーザーによる構成が可能な擬似デバイスドライバであり、基本となるディスク、テープ、および CD-ROM デバイスへのアクセスを提供します。デバイスが一意のデバイス ID をサポートする場合、デバイス ID に従って 1 つのデバイスに複数のパスが決定されます。同じデバイス ID に複数のパスが使用可能な場合でも、実際のデバイスに与えられる DID 名は 1 つのみです。

クラスタ環境では、複数のホストまたはコントローラへの接続にかかわらず、特定の物理デバイスが同じ DID 名を持ちます。ただし、これは物理ディスクなど広域で単一のデバイス識別名をサポートするデバイスの場合にのみ該当します。

DID は、/dev/did 下で管理される各デバイスタイプ用に同じディレクトリを保持しています。これらのディレクトリにあるデバイスは、DID 以外のデバイスと同様の動作をします。たとえば、ディスクや CD-ROM デバイスのスライスの保持や、さまざまなテープデバイス操作に使用する名前の保持があります。/dev/did/dsk/dev/did/rdsk により、ディスク用に raw デバイスアクセスとブロック型デバイスアクセスの両方もサポートされます。

どの時点でも、入出力はデバイスへの一方向のパスのみサポートされます。DID によるマルチパス機能は現在サポートされていません。

DID デバイスを使用するには、まず scdidadm(1M) コマンドを使用して初期化する必要があります。

Ioctl

DID ドライバは、管理ノードおよび各 DID デバイスマイナーのノードを保持します。

管理ノードでサポートされるユーザー ioctls はありません。

DKIOCINFO ioctl は、/dev/did/rdsk/d0s2 などの DID デバイスノードに対して呼び出された場合にサポートされます。

その他の ioctls は、次のドライバに直接渡されます。

ファイル

/dev/did/dsk/dnsm

ブロックディスクまたは CD-ROM デバイス (n はデバイス番号、m はスライス番号)

/dev/did/rdsk/dnsm

raw ディスクまたは CD-ROM デバイス (n はデバイス番号、m はスライス番号)

/dev/did/rmt/n

テープデバイス (n はデバイス番号)

/dev/did/admin

管理デバイス

/kernel/drv/did

ドライバモジュール

/kernel/drv/did.conf

ドライバ構成ファイル

/etc/did.conf

クラスタ化されていないシステム用の cldevice 構成ファイル

Cluster Configuration Repository (CCR)ファイル

cldevice(1CL) は、クラスタ化されたシステムの CCR で構成を保守します。

関連項目

Intro(1CL), cldevice(1CL), devfsadm(1M)

DID はデバイス用の名前を、デバイスホットプラグ時にオーバーヘッドを減らすためにまとめて作成します。ディスクのデバイス名は、/dev/did/dsk/dev/did/rdsk に作成されます。一度に作成されるのは 100 個のディスクまでです。テープのデバイス名は /dev/did/rmt に作成されます。一度に作成されるのは 10 個のテープまでです。クラスタに追加されるデバイスが、現在の名前で処理できる数より多い場合は、別のグループが作成されます。