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Oracle® Solaris 11.3 での仮想ネットワークとネットワークリソースの管理

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更新: 2016 年 11 月
 
 

VNIC の表示

システム上の VNIC に関する情報を取得するには、dladm show-vnic コマンドを使用します。

使用例 9  システム上の VNIC の表示
# dladm show-vnic
LINK      OVER     SPEED      MACADDRESS          MACADDRTYPE       IDS      
vnic1     net0     1000       2:8:20:c2:39:38     random            VID:123   
vnic2     net0     1000       2:8:20:5f:84:ff     random            VID:456

出力には次の情報が表示されます。

LINK

仮想データリンク (名前で識別されます)。

OVER

VNIC が構成されている物理または仮想データリンク。

SPEED

VNIC の最大速度 (M ビット/秒単位)。

MACADDRESS

VNIC の MAC アドレス。

MACADDRTYPE

VNIC の MAC アドレスのタイプ (次のいずれかを設定できます)。

  • random – VNIC に割り当てられたランダムなアドレス

  • factory – VNIC によって使用される NIC のファクトリ MAC アドレス

  • fixed – ユーザーが割り当てる MAC アドレス

VID

VNIC の VLAN ID。

VNIC がシステム上に存在する場合は、データリンクに関する情報を表示する任意の dladm コマンドを使用して、それらの VNIC に関する情報を含めることができます。たとえば、dladm show-link コマンドでは、VNIC とその他のデータリンクが表示されます。dladm show-linkprop コマンドを使用すると、VNIC のプロパティーを表示できます。

単一の VNIC のデータリンクプロパティーに関する情報を取得するには、次のコマンド構文に VNIC を指定します。

# dladm show-linkprop [-p property] vnic
使用例 10  ゾーンに接続されている VNIC の表示

この例では、ゾーンに接続されたプライマリデータリンクと VNIC の情報が表示されます。プライマリデータリンク net0 は大域ゾーンに接続されています。VNIC、vnic1vnic2 は、それぞれ zone1zone2 に接続されています。

# dladm show-link -Z
LINK                ZONE      CLASS     MTU    STATE    OVER
net0                global    phys      1500   up        --
zone1/vnic1         zone1     vnic      1500   up       net0 
zone2/vnic2         zone2     vnic      1500   up       net0

複数の MAC アドレスを持つ VNIC を表示

Oracle VM Server for SPARC のシステムで作成された VNIC と、Oracle Solaris カーネルゾーンの anet リソースには、複数の MAC アドレスが関連付けられます。Oracle VM Server for SPARC でゲストドメイン内部の VNIC とゾーンをサポートするには、alt-mac-addrs プロパティーを使用して vnet を作成する必要があります。この場合、システムは自動的に複数の MAC アドレスを持つ VNIC を作成します。これらの複数の MAC アドレスは、作成した vnet から取得されます。詳細は、『Oracle VM Server for SPARC 3.1 管理ガイド』を参照してください。

カーネルゾーン内部のゾーンまたは VNIC をサポートするには、複数の MAC アドレスを持つ anet リソースを構成します。カーネルゾーンでのネットワークアクセスのために作成された anet リソースに複数の MAC アドレスを指定するには、zonecfg コマンドを使用します。詳細は、solaris-kz(5) のマニュアルページを参照してください。カーネルゾーンの構成の詳細は、Oracle Solaris カーネルゾーンの作成と使用を参照してください。

VNIC に複数の MAC アドレスが関連付けられている場合は、仮想ネットワークドライバによって 1 つの MAC アドレスが使用されます。残りの MAC アドレスを使用して、カーネルゾーンまたはゲストドメイン内に VNIC を作成できます。たとえば、VNIC が 3 つの MAC アドレスに関連付けられている場合は、1 つの MAC アドレスが仮想ネットワークドライバに割り当てられています。そのため、残りの 2 つの MAC アドレスを使用して作成できる VNIC は 2 つだけです。

次のコマンドを使用すると、VNIC に関連付けられた複数の MAC アドレスを表示できます。

# dladm show-vnic -m
使用例 11  カーネルゾーン内の複数の MAC アドレスを持つ VNIC の表示
# dladm show-vnic -m
LINK                OVER       MACADDRESSES      MACADDRTYPES     IDS
gz_vnic0            net0       2:8:20:d7:27:9d   random           VID:0
zone1/net0          net0       2:8:20:70:52:9    random           VID:0
                               2:8:20:c9:d:4c    fixed
                               2:8:20:70:db:3    random
zone1/net1          net0       0:1:2:3:4:5       fixed            VID:0
                               0:1:2:3:4:6       fixed

この例では、カーネルゾーン zone1net0net1 の 2 つの anet リソースが存在します。どちらのリソースにも複数の MAC アドレスが構成されています。そのため、カーネルゾーン zone1 内では、データリンク net0 に関連付けられた仮想 NIC ドライバ zvnet の最上位に最大 2 つの VNIC を作成できます。データリンク net1 に関連付けられた仮想 NIC ドライバ zvnet の最上位に作成できる VNIC は 1 つだけです。

使用例 12  複数の MAC アドレスを持つ、システムで生成された VNIC の表示
# dladm show-vnic -m
LINK                OVER       MACADDRESSES      MACADDRTYPES     IDS
ldoms-vsw0.vport0   net1       0:14:4f:fb:e1:8f  fixed            VID:0,21
                               0:14:4f:f8:6b:9   fixed
                               0:14:4f:fa:48:7f  fixed
ldoms-vsw0.vport1   net1       0:14:4f:f9:1b:8d  fixed            VID:45,44
                               0:14:4f:f9:27:4   fixed

この例では、ldoms-vsw0.vport0 に関連付けられたゲストドメインの仮想ネットワークドライバ vnet の最上位に、最大 2 つの VNIC を作成できます。ldoms-vsw0.vport1 に関連付けられた仮想 NIC ドライバ vnet の最上位には、最大 1 つの VNIC を作成できます。

データリンクの物理および仮想リンク状態の表示

データリンクの物理リンク状態は、物理デバイスに外部ネットワークとの接続があるかどうかを識別します。ケーブルが接続され、そのケーブルの反対側にあるポートの状態が up の場合は、物理デバイスに外部ネットワークとの接続があります。

次のコマンドを使用すると、データリンクの物理リンク状態を表示できます。

# dladm show-phys [link]
# dladm show-ether [link]

詳細は、dladm(1M) のマニュアルページを参照してください。

使用例 13  データリンクの物理リンク状態の表示

次の例では、dladm show-phys コマンドを使用して、システム上のデータリンクの物理リンク状態を表示します。

# dladm show-phys
LINK       MEDIA        STATE      SPEED  DUPLEX    DEVICE
net1       Ethernet     down       0      unknown   e1000g1
net2       Ethernet     down       0      unknown   e1000g2
net3       Ethernet     down       0      unknown   e1000g3
net0       Ethernet     up         1000   full      e1000g0

次の例では、dladm show-enter コマンドを使用して、システム上のデータリンクの物理リンク状態を表示します。

# dladm show-ether
LINK       PTYPE    STATE    AUTO  SPEED-DUPLEX    PAUSE
net1       current  down     yes   0M              bi
net2       current  down     yes   0M              bi
net3       current  down     yes   0M              bi
net0       current  up       yes   1G-f            bi

NIC 上に複数の VNIC が作成されると、同じ VLAN 上にあるときに VNIC とプライマリデータリンクが通信できるように、内部的に仮想スイッチが作成されます。物理データリンクが外部ネットワークに接続されていない場合でも、これらのデータリンクは互いに通信できます。これにより、データリンクの仮想リンク状態が形成され、その状態は updownunknown のいずれかになります。データリンクの仮想リンク状態は、物理ケーブルが抜かれている場合でも、データリンクがシステム内の内部ネットワークに接続されているかどうかを識別します。

データリンクの仮想リンク状態を表示するには、次のコマンドを使用します。

# dladm show-link [link]
使用例 14  データリンクの仮想リンク状態の表示

この例では、システム上のデータリンクの仮想リンク状態が表示されます。

# dladm show-link
LINK        CLASS     MTU    STATE    OVER
net0        phys      1500   up       --
net2        phys      1500   down     --
net4        phys      1500   down     --
net1        phys      1500   up       --
net5        phys      1500   up       --
vnic0       vnic      1500   up       net5
vnic1       vnic      1500   up       net5
vnic2       vnic      1500   up       net1