EVS コントローラを構成するためのコマンド

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このセクションでは、EVS コントローラ用の次のタスクを実行する方法について説明します。

EVS コントローラの設定
EVS コントローラの表示
EVS コントローラのプロパティーの設定
EVS コントローラのプロパティーの表示

EVS コントローラの設定

ホスト上の EVS コントローラを設定するには、evsadm set-prop コマンドを使用します。コマンドの構文は次のとおりです。

# evsadm set-prop -p controller=[value[...,]]

このコマンドは、コマンドが実行されるホストのプロパティーの値を設定します。サポートされている唯一のプロパティーは controller であり、ssh://[user@]evs-controller-host-name または ssh://[user@]evs-controller-IP-address の形式で指定できます。

EVS マネージャー、EVS クライアント、および EVS コントローラを同じシステム上で構成する場合、SSH を使用する代わりに UNIX 接続を使用すると、次のように controller プロパティーを UNIX RAD URI スキームに設定できます。

# evsadm set-prop -p controller=unix://

EVS コントローラの表示

EVS コントローラを表示するには、evsadm show-prop コマンドを使用します。コマンドの構文は次のとおりです。

# evsadm show-prop [[-c] -o field[,...]] [-p controller[,...]]

–p controller

EVS クライアントが接続する必要がある EVS コントローラを指定します。

–o field[,...]

表示する出力フィールドのコンマ区切りのリストを指定します (大文字と小文字は区別されません)。出力に列として表示される次のフィールドを指定できます。

all: すべての出力フィールドを表示します
PROPERTY: プロパティーの名前
PERM: プロパティーの権限 (rw または r- のいずれか)
VALUE: プロパティーの値
DEFAULT: プロパティーのデフォルト値

–c

安定したマシン解析可能な形式を使用して表示します。–c オプションとともに –o オプションを指定する必要があります。

EVS コントローラを表示する方法を示した例については、使用例 50を参照してください。

EVS コントローラのプロパティーの設定

EVS コントローラのプロパティーを設定するには、evsadm set-controlprop コマンドを使用します。コマンドの構文は次のとおりです。

# evsadm set-controlprop [-h host] -p {prop=[value[...,]]}[,...]

–h host: プロパティーが設定されるホストを指定します。
–p prop: EVS コントローラに設定されるコントローラのプロパティーの名前を指定します。プロパティーが複数の値を取る場合は、区切り文字としてコンマを使用して値を指定する必要があります。一度に 1 つのプロパティーだけを指定する必要があります。値が指定されない場合、プロパティーはデフォルト値にリセットされます。EVS コントローラに設定できるプロパティーの詳細は、表 5を参照してください。

EVS コントローラの uplink-port プロパティーを設定する場合、オプションで vlan-range または vxlan-range プロパティーを指定できます。コマンドの構文は次のとおりです。

# evsadm set-controlprop [-h host] -p uplink-port=value\
[vlan-range=[value[,...]]][,vxlan-range=[value[,...]]] [,flat=yes|no]

このコマンドを使用すると、1 つのホストにつき複数のアップリンクポートを指定できます。この場合、アップリンクポートでは、指定された VLAN ID、VXLAN ID、またはその両方がサポートされます。vlan-range および vxlan-range プロパティーは、複数のアップリンクポートのセットから、特定の EVS に選択する必要があるシステム内のアップリンクポートを指定します。次の図は、ホスト内の複数のアップリンクポートを示しています。

図 18 ホスト内の複数のアップリンクポート

図には、net0 と net1 の 2 つのアップリンクポートがあります。アップリンクポート net0 では VLAN ID 200 - 300 がサポートされるのに対して、net1 では VLAN ID 400 - 500 がサポートされます。そのため、VLAN が 200 に設定された EVS に属する VM が計算ノードでインスタンス化される場合、VM の VNIC の作成のために net0 が選択されます。他方、VLAN が 400 の EVS に属する VM が計算ノードでインスタンス化される場合、VM の VNIC の作成に net1 が選択されます。

注 - エラスティック仮想スイッチに基づくフラットネットワークを作成する場合、アップリンクポートに flat=yes を指定する必要があります。詳細は、フラットな EVS ネットワークを構成する方法を参照してください。

アップリンクポートでは、プロパティー vlan-range、vxlan-range、および flat を別個に設定することも、一緒に設定することもできます。また、プロパティーの名前のみと、その後に = を続けて指定することで、プロパティーの値をリセットすることもできます。プロパティーに値を指定する必要はありません。使用例 51を参照してください。

使用例 47 EVS コントローラに VLAN および VXLAN の範囲を使用したアップリンクポートの設定

次の例は、host1 の複数のアップリンクポートを設定して、アップリンクポートごとに VLAN の範囲を指定する方法を示しています。

# evsadm set-controlprop -h solaris -p uplink-port=net0,\
vlan-range=200-300
evsadm: warning: provided value range is a subset of the complete range. 
Ensure to provide the remaining value range on a different uplink-port or vxlan-addr
# evsadm set-controlprop -h solaris -p uplink-port=net1,\
vlan-range=400-500
# evsadm show-controlprop -p uplink-port
PROPERTY          PERM VALUE       DEFAULT   VLAN_RANGE  VXLAN_RANGE HOST
uplink-port       rw   net0        --        200-300     --          solaris
uplink-port       rw   net1        --        400-500     --          solaris

この例では、solaris には net0 と net1 の 2 つのアップリンクポートがあります。net0 アップリンクポートでは 200-300 の VLAN の範囲がサポートされ、net1 アップリンクポートでは 400-500 の VLAN の範囲がサポートされます。

同様に、ホスト内の複数のアップリンクポートに vxlan-range プロパティーを設定できます。

VLAN と VXLAN の両方が、ネットワークファブリック内に同時に存在できます。次の例は、ホスト内にある複数のアップリンクポートの vlan-range および vxlan-range プロパティーを設定する方法を示しています。

# evsadm set-controlprop -h solaris -p uplink-port=net0,\
vlan-range=200-300,vxlan-range=7000-8000
# evsadm set-controlprop -h solaris -p uplink-port=net1,\
vlan-range=400-500,vxlan-range=5000-6000
# evsadm set-controlprop -p uplink-port=net0
# evsadm show-controlprop -p uplink-port
PROPERTY          PERM VALUE       DEFAULT   VLAN_RANGE  VXLAN_RANGE HOST
uplink-port       rw   net0        --        200-300     7000-8000   solaris
uplink-port       rw   net0        --        200-500     5000-8000   --
uplink-port       rw   net1        --        400-500     5000-6000   solaris

EVS コントローラのプロパティーの表示

EVS コントローラのプロパティーを表示するには、evsadm show-controlprop コマンドを使用します。コマンドの構文は次のとおりです。

# evsadm show-controlprop [[-c] -o field[,...]] [-p prop[,...]]

このコマンドは、EVS コントローラの 1 つ以上のプロパティーの現在の値を表示します。EVS コントローラのプロパティーが指定されていない場合は、コントローラの既存のすべてのプロパティーが表示されます。コントローラプロパティーの詳細は、表 5を参照してください。

–o field[,...]

all: すべての出力フィールドを表示します。
PROPERTY: プロパティーの名前。
PERM: プロパティーの権限 (rw または r- のいずれか)。
VALUE: プロパティーの値。
DEFAULT: プロパティーのデフォルト値。
HOST: 値が -- の場合、プロパティーはグローバルであり、すべてのホストに適用されます。それ以外の場合、プロパティーは特定のホストに適用されます。
VLAN-RANGE: 対応するアップリンクポートに関連付けられた VLAN ID のコンマ区切りの範囲を表します。このフィールドには、uplink-port プロパティーの値のみがあります。残りのプロパティーには、-- が表示されます。
VXLAN-RANGE: 対応するアップリンクポートで提供される VXLAN ID のコンマ区切りの範囲を表します。このフィールドには、uplink-port または vxlan-addr プロパティーの値のみがあります。残りのプロパティーには、-- が表示されます。

EVS コントローラのプロパティーを表示する方法を示した例については、使用例 50を参照してください。

使用例 48 EVS コントローラのユニバーサル固有識別子の表示

この例は、EVS コントローラのユニバーサル固有識別子 (UUID) を表示する方法を示しています。

# evsadm show-controlprop -p uuid
PROPERTY    PERM VALUE                                DEFAULT   HOST
uuid        r-   9468f042-5e4f-11e4-ae7e-173d3676ad1b --