IPoIB VNIC の構成

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IP over IB (IPoIB) デバイスは、IB 接続経由での IP パケットの移送を可能にします。パーティションキーを指定することによって、IPoIB VNIC を構成します。IPoIB VNIC をベースとなるあるデータリンクからベースとなる別のデータリンクに移行できますが、IPoIB パーティションリンクでは移行はサポートされません。詳細は、Oracle Solaris 11.3 でのデバイスの管理 の InfiniBand デバイスについてを参照してください。

IPoIB VNIC を構成する方法

管理者になります。
詳細は、Oracle Solaris 11.3 でのユーザーとプロセスのセキュリティー保護 の割り当てられている管理権利の使用を参照してください。
(オプション) IPoIB データリンクを作成する IB 物理リンクに関する情報を確認します。
```
# dladm show-ib link
```
出力には、データリンクとそのパーティションキーに関する情報が表示されます。
パーティションキーを指定することによって、IPoIB VNIC を作成します。
```
# dladm create-vnic [-f] -l link -P pkey -p [prop=value] VNIC
```
–f

オプション。パーティションキーがポート上に存在しない場合、マルチキャストグループが存在しない場合、またはポートが停止している場合でも、IPoIB VNIC を強制的に作成します。

–P pkey

使用する必要があるパーティションキー。このオプションは、IPoIB VNIC では必須であり、その他のタイプのデータリンクには適用できません。パーティションキーを指定する場合は、0x 接頭辞が付いているかどうかに関係なく、これは常に 16 進数と見なされます。

–p prop=value
IB パーティションデータリンクでリンクトランスポートサービスタイプを設定できるようにする、IPoIP VNIC の linkmode プロパティーの値を指定するために使用されます。linkmode プロパティーの次の値を設定できます。
- cm - 接続モード。このモードでは、65520 バイトのデフォルトの MTU を使用し、65535 バイトの最大 MTU をサポートします。リモートノードに対して接続モードを使用できない場合は、低信頼データグラムモードが自動的に使用されます。cm がデフォルト値です。
- ud - 低信頼データグラムモード。このモードでは、2044 バイトのデフォルトの MTU を使用し、4092 バイトの最大 MTU をサポートします。
(オプション) 作成される IPoIB VNIC を表示します。
```
# dladm show-vnic
```
dladm show-vnic コマンドを使用すると、dladm create-vnic コマンドを使用して作成する IPoIB VNIC のみを表示できます。dladm create-part コマンドを使用して作成する IPoIB データリンクは VNIC とは見なされず、dladm show-part コマンドを使用してこれらのデータリンクを表示できます。
plumb して、IP アドレスを IPoIB VNIC に割り当てます。
```
# ipadm create-ip interface
# ipadm create-addr -a address interface [address-object]
```
interface

作成した IPoIB VNIC の名前。

–a address

IP アドレスを指定します。

address-object

IP インタフェースに関連付けられる IP アドレスを識別する名前。address-object を指定しない場合、IP-name/protocol という形式を使用して OS によって名前が自動的に割り当てられます。

使用例 5 IPoIB VNIC の作成

次の例は、パーティションキー 0xffff を使用してデータリンク net4 上に IPoIB VNIC を作成する方法を示しています。

# dladm show-ib net4
LINK      HCAGUID        PORTGUID       PORT STATE GWNAME GWPORT  PKEYS
net4      21280001A0A58C 21280001A0A58D 1    up      --     --    FFFF
# dladm create-vnic -l net4 -P 0xffff ipoib_vnic0
# dladm show-vnic
LINK         OVER    SPEED  MACADDRESS        MACADDRTYPE IDS
eth_vnic0    net0    1000   2:8:20:ef:d2:77   random      VID:0
ipoib_vnic0  net4    32000  80:0:0:4a:fe:..   fixed       PKEY:0xFFFF
# dladm create-ip ipoib_vnic0
# ipadm create-addr -a 192.168.4.10 ipoib_vnic0/v4

また、–o オプションを指定して dladm show-vnic コマンドを使用して、VNIC または IPoIB VNIC の MAC アドレス全体を表示することもできます。

# dladm show-vnic -o link,macaddress
LINK            MACADDRESS
eth_vnic0       2:8:20:ef:d2:77
ipoib_vnic0     80:0:0:4a:fe:80:0:0:0:0:0:0:0:21:28:0:1:a0:a5:8e

次の例は、linkmode プロパティーを ud に設定して IPoIB VNIC vnic1 を作成する方法を示しています。

# dladm create-vnic -l net4 -P 0xffff -p linkmode=ud vnic1

IPoIB VNIC の管理

IPoIB VNIC は、Ethernet VNIC の場合と同じように移行して削除します。詳細は、VNIC の移行およびVNIC の削除を参照してください。

次の例は、ipoib_vnic0 をデータリンク net5 に移行する方法を示しています。

# dladm modify-vnic -l net5 ipoib_vnic0

次の例は、ipoib_vnic0 を削除する方法を示しています。

# dladm delete-vnic ipoib_vnic0