このセクションでは、エラスティック仮想スイッチ用の IPnet を追加したあとで、IPnet に対して次のタスクを実行する方法について説明します。
IPnet のプロパティーの設定
IPnet に関連付けられたプロパティーの表示
エラスティック仮想スイッチ用に構成された IPnet の削除
IPnet に関する情報の表示
evsadm-setipnetprop コマンドを使用して、IPnet のプロパティーを設定します。コマンドの構文は次のとおりです。
# evsadm set-ipnetprop [-T tenant-name] -p prop=[value[,...]]\ EVS-switch-name/IPnet-name
プロパティーの値を指定しない場合、IPnet に関連付けられたプロパティーはデフォルト値にリセットされます。IPnet に対して設定できるプロパティーの詳細は、エラスティック仮想スイッチへの IPnet の追加を参照してください。
使用例 60 IPnet のプロパティーの設定この例は、IPnet ora_ipnet の pool プロパティーを設定する方法を示しています。
# evsadm set-ipnetprop -T ABC -p pool=192.168.1.10-192.168.1.15 ORA/ora_ipnet
この例では、ABC はテナントの名前で、ORA は EVS の名前です。
evsadm-showipnetprop コマンドを使用して、IPnet に関連付けられたプロパティーを表示します。コマンドの構文は次のとおりです。
# evsadm show-ipnetprop [-f {fname=value[,...]}[,...]] [[-c] -o field[,...]] \ [-p prop[,...]] [IPnet-name]
出力をフィルタ処理するために使用される、コンマで区切られた名前と値のペア (行の選択)。複数のフィルタが指定されている場合、表示される出力は、フィルタ間での AND 演算の結果です。フィルタ値が複数値である場合、表示される出力は、フィルタ値間での OR 演算の結果です。サポートされるフィルタは次のとおりです。
tenant – IPnet のリストをテナント名でフィルタ処理します
evs – IPnet のリストをエラスティック仮想スイッチ名でフィルタ処理します
ipnet – IPnet のリストを IPnet 名でフィルタ処理します
host – IPnet のリストをホスト名でフィルタ処理します
IPnet に関連付けられたプロパティーを指定します。詳細は、エラスティック仮想スイッチへの IPnet の追加を参照してください。
表示する出力フィールドのコンマ区切りのリストを指定します (大文字と小文字は区別されません)。出力に列として表示される次のフィールドを指定できます。
すべての出力フィールドを表示します。
EVS-switch-name/IPnet-name の形式で関連付けられたエラスティック仮想スイッチの名前を持つ IPnet の名前。
IPnet の名前。
エラスティック仮想スイッチの名前。
エラスティック仮想スイッチを所有するテナントの名前。
IPnet プロパティーの名前。
プロパティーの権限 (rw または r- のいずれか)。
プロパティーの現在の値。値を設定しない場合は、-- と表示されます。値が不明な場合は、? と表示されます。
プロパティーのデフォルト値。プロパティーにデフォルト値がない場合は、-- と表示されます。
プロパティーに指定可能な値のコンマ区切りのリスト。指定可能な値が不明または無限の場合は、-- が表示されます。
この例は、IPnet ora_ipnet のプロパティーを表示する方法を示しています。
# evsadm show-ipnetprop ora_ipnet NAME TENANT PROPERTY PERM VALUE DEFAULT POSSIBLE ORA/ora_ipnet ABC evs r- ORA -- -- ORA/ora_ipnet ABC subnet r- 192.168.1.0/24 -- -- ORA/ora_ipnet ABC defrouter r- 192.168.1.1 -- -- ORA/ora_ipnet ABC pool rw 192.168.1.20-192.168.1.30, -- -- 192.168.1.50-192.168.1.80 ORA/ora_ipnet ABC tenant r- ABC -- --使用例 62 IPnet の UUID の表示
この例は、IPnet evs1/ipnet1 の UUID を表示する方法を示しています。
# evsadm show-ipnetprop -p uuid -o name,tenant,property,perm,value evs1/ipnet1 NAME TENANT PROPERTY PERM VALUE evs1/ipnet1 sys-global uuid r- d2698f0c-96ba-11e4-ab94-171c32874415
エラスティック仮想スイッチ用に構成された IPnet を削除するには、evsadm remove-ipnet コマンドを使用します。コマンドの構文は次のとおりです。
# evsadm remove-ipnet [-T tenant-name] EVS-switch-name/IPnet-name
このコマンドは、指定されたエラスティック仮想スイッチから指定された IPnet を削除します。VPort のいずれかが使用中の場合、IPnet を削除することはできません。VPort が使用中になるのは、それに VNIC が接続されている場合です。
使用例 63 エラスティック仮想スイッチ用に構成された IPnet の削除この例は、エラスティック仮想スイッチ ORA から IPnet ora_ipnet を削除する方法を示しています。
# evsadm remove-ipnet ORA/ora_ipnet
EVS コントローラによって管理された IPnet、または指定された IPnet に関する情報を表示するには、evsadm show-ipnet コマンドを使用します。コマンドの構文は次のとおりです。
# evsadm show-ipnet [-f {fname=value[,...]}[,...]] [[-c] -o field[,...]] [IPnet-name]
出力をフィルタ処理するために使用される、コンマで区切られた名前と値のペア (行の選択)。複数のフィルタが指定されている場合、表示される出力は、フィルタ間での AND 演算の結果です。フィルタ値が複数値である場合、表示される出力は、フィルタ値間での OR 演算の結果です。サポートされているフィルタは、tenant、evs、ipnet、および host です。
表示する出力フィールドのコンマ区切りのリストを指定します (大文字と小文字は区別されません)。出力に列として表示される次のフィールドを指定できます。
すべての出力フィールドを表示します。
関連付けられているエラスティック仮想スイッチの名前付きの、IPnet の名前。
IPnet の名前。
エラスティック仮想スイッチの名前。
エラスティック仮想スイッチを所有するテナントの名前。
この IPnet のサブネット (IPv4 または IPv6 のどちらか) を表します。
IP アドレス範囲の開始アドレス。
IP アドレス範囲の終了アドレス。
指定された IPnet のデフォルトルーターの IP アドレス。
VPort に割り当てることのできる使用可能な IP アドレスのコンマ区切りリスト。
この例では、エラスティック仮想スイッチ ORA 用に構成された IPnet が表示されます。
# evsadm show-ipnet NAME TENANT SUBNET DEFROUTER AVAILRANGE ORA/ora_ipnet sys-global 192.168.10.0/24 192.168.10.1 192.168.10.3-192.168.10.254