EVS には次のコンポーネントがあります。
EVS マネージャー
EVS コントローラ
EVS クライアント
EVS ノード
次の図は、EVS のコンポーネントを示しています。
図 17 EVS のコンポーネント
この図では、EVS マネージャーと EVS コントローラは 2 つの個別のホストです。EVS ノード EVS-Node1、EVS-Node2、および EVS-Node3 は、その VNIC またはゾーンの VNIC anet リソースがエラスティック仮想スイッチに接続する 3 つのホストです。
EVS マネージャーは EVS コントローラと通信するエンティティーで、L2 ネットワークトポロジと、これらの L2 ネットワークで使用する必要のある IP アドレスを定義します。EVS マネージャーは、evsadm コマンドを使用して EVS コントローラと通信します。EVS マネージャーと EVS コントローラが同じ計算ノード上に存在することもできます。
service/network/evs パッケージをインストールし、evsadm set-prop コマンドで controller プロパティーを使用して EVS コントローラを指定したあと、EVS マネージャー上で EVS 操作を実行できます。controller プロパティーは、ssh://[user@]example-controller.com の形式で指定されます。詳細は、エラスティック仮想スイッチの管理を参照してください。
EVS コントローラは、エラスティック仮想スイッチとそれに関連付けられたすべてのリソースを構成および管理するための機能を提供します。データセンターやマルチテナントクラウド環境内の EVS コントローラとして 1 つの物理マシンだけを設定する必要があります。
evsadm set-prop コマンドで controller プロパティーを使用して、EVS コントローラを指定します。controller プロパティーは svc:/network/evs:default SMF サービスに保存されるため、システムブートを通して保持されます。
EVS コントローラは、evsadm set-controlprop コマンドを使用して構成できるプロパティーに関連付けられます。複数の物理マシンにまたがる L2 セグメントを実装するには、使用可能な VLAN ID、使用可能な VXLAN セグメント ID、各 EVS ノードのアップリンクポートなどの情報を使用して EVS コントローラのプロパティーを構成する必要があります。EVS コントローラを構成し、そのプロパティーを設定する方法の詳細は、EVS コントローラの作成と管理を参照してください。
次の表に、EVS コントローラのプロパティーを示します。
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EVS コントローラに設定するコントローラプロパティーは、データセンターまたはマルチテナントクラウド環境全体に適用されます。ただし、コントローラのプロパティー uplink-port および vxlan-addr の値はホストごとにオーバーライドできます。
たとえば、コントローラプロパティーを設定するときに、uplink-port プロパティーをデータセンターやマルチテナントクラウド環境内のすべての EVS ノード上で VNIC または VXLAN の作成に使用されるデータリンク net2 に設定したとします。ただし、データセンターやマルチテナントクラウド環境内の EVS ノードにデータリンク net1 が唯一のインタフェースとして存在する場合は、グローバル値 net2 をホストごとの値で次のようにオーバーライドする必要があります。
# evsadm set-controlprop -h host1 -p uplink-port=net1
詳細は、EVS コントローラを構成する方法を参照してください。
使用例 51に示すように、コントローラプロパティーの値を指定しない場合、そのプロパティーはデフォルト値にリセットされます。EVS コントローラのプロパティーについての詳細は、evsadm(1M) のマニュアルページを参照してください。
dladm および zonecfg コマンドは EVS クライアントです。エラスティック仮想スイッチ、IPnet、および VPort を使用すると、evsadm コマンドによって L2 ネットワークトポロジを定義できます。dladm コマンドを使用して VNIC を L2 ネットワークトポロジに接続したり、または zonecfg コマンドを使用して VNIC anet リソースを接続し、それによってゾーンを L2 ネットワークトポロジに接続したりできます。
dladm コマンドまたは zonecfg コマンドを使用してエラスティック仮想スイッチの VNIC を作成すると、EVS コントローラから VNIC の構成情報が取得されます。
service/network/evs パッケージをインストールし、evsadm set-prop コマンドで controller プロパティーを使用して EVS コントローラを指定したあと、EVS クライアント上で EVS 操作を実行できます。controller プロパティーは、ssh://[user@]example-controller.com の形式で指定されます。詳細は、エラスティック仮想スイッチの管理を参照してください。
EVS ノードは、VNIC またはゾーンの VNIC anet リソースがエラスティック仮想スイッチに接続するホストです。dladm や zonecfg などのコマンドを使用すると、エラスティック仮想スイッチに接続する必要のある VNIC を指定できます。詳細は、エラスティック仮想スイッチ用の VNIC の作成を参照してください。