NIC が、VF VNIC の SLA プロパティーの設定を可能にするハードウェア SLA をサポートする場合、SLA 実装は、システムによって自動的に NIC にオフロードされます。この動作は、CPU サイクルを節約するために役立ちます。
–H オプションを指定して dladm show-linkprop コマンドを使用すると、ベースとなるデータリンクの機能を確認できます。コマンドの構文は次のとおりです。
# dladm show-linkprop -H -p prop link
ここで、prop は、maxbw、priority、bwshare などの SLA プロパティーを指します。
出力には、次の列が表示されます。
プロパティーに関するハードウェアサポートがある場合に値が表示されます。値に -- と表示される場合、物理 NIC ではこのプロパティーはサポートされません。
ネットワークスタックでプロパティーに関するソフトウェアサポートがある場合に値が示されます。値に -- と表示される場合、データリンクではこのプロパティーはサポートされません。
プロパティーを実装するためにデータリンクに使用される現在のモードが表示されます。指定できる値は、sw (ソフトウェアのみ)、hw (ハードウェアのみ)、および none (サポートなし) です。ハードウェアサポートまたはソフトウェアサポートがあっても MODE に none を指定できます。
アウトバウンドの場合は o、インバウンドの場合は i、およびアウトバウンドとインバウンドの場合は oi が表示されます。現在、これらのフラグは、SLA プロパティー maxbw、bwshare、および priority に対して表示されます。
データリンクでハードウェア SLA がサポートされる場合、次のコマンドを使用すると、データリンク上でハードウェア SLA プロパティーを設定できます。
# dladm set-linkprop -p prop=value link
ここで、prop は、maxbw、priority、bwshare などの SLA プロパティーを指します。
使用例 31 データリンクのハードウェア機能とソフトウェア機能の表示次の例は、Intel XL710 10/40 ギガビット Ethernet コントローラ NIC 上に構成された VF VNIC z1/net1 の maxbw プロパティーの出力を示しています。列 HWPOSSIBLE および SWPOSSIBLE の下に値が表示されるため、出力は、ハードウェアサポートとソフトウェアサポートの両方があることを示しています。
# dladm show-linkprop -H -p maxbw z1/net1 LINK PROPERTY MODE HWPOSSIBLE HWFLAGS SWPOSSIBLE SWFLAGS z1/net1 maxbw hw 50-40000:50 o 0-40000:0.001 oi
次の例は、Niantic NIC 上に構成された VF VNIC z2/net2 の maxbw プロパティーの出力を示しています。列 SWPOSSIBLE の下に値が表示されるため、出力は、VF VNIC z2/net2 に対するソフトウェアサポートのみがあることを示しています。
# dladm show-linkprop -H -p maxbw z2/net2 LINK PROPERTY MODE HWPOSSIBLE HWFLAGS SWPOSSIBLE SWFLAGS z2/net2 maxbw none -- 0-10000:0.001 oi
次の例は、Intel XL710 10/40 ギガビット Ethernet コントローラ NIC 上に構成された VF VNIC z1/net1 の bwshare プロパティーの出力を示しています。bwshare プロパティーの詳細は、VNIC の帯域幅共有を参照してください。出力は、bwshare プロパティーの VF VNIC z1/net1 に対するハードウェアサポートのみがあることを示しています。値は、列 HWPOSSIBLE の下に表示されます。
# dladm show-linkprop -H -p bwshare z1/net1 LINK PROPERTY MODE HWPOSSIBLE HWFLAGS SWPOSSIBLE SWFLAGS z1/net1 bwshare hw 1-100 o --
次の例は、Niantic NIC 上に構成された VF VNIC z2/net2 の bwshare プロパティーの出力を示しています。出力は、bwshare プロパティーの VF VNIC z2/net2 に対するサポートがないことを示しています。列 HWPOSSIBLE および SWPOSSIBLE の下に値は表示されません。
# dladm show-linkprop -H -p bwshare z2/net2 LINK PROPERTY MODE HWPOSSIBLE HWFLAGS SWPOSSIBLE SWFLAGS z2/net2 bwshare none -- --使用例 32 VF VNIC の最大帯域幅の設定
次の例は、VF VNIC z1/net21 の maxbw プロパティーを設定する方法を示しています。
# dladm set-linkprop -p maxbw=20 -t z1/net21 # dladm show-linkprop -p maxbw z1/net21 LINK PROPERTY PERM VALUE EFFECTIVE DEFAULT POSSIBLE z1/net21 maxbw rw 20 50 -- --
場合によっては、maxbw プロパティーの有効値が、この例に示されているハードウェア SLA 対応リンク上に構成された VF VNIC の設定値と異なることがあります。