VPort 構成の管理

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このセクションでは、VPort に対して次のタスクを実行する方法について説明します。

VPort のプロパティーの設定
VPort に関連付けられたプロパティーの表示
VPort に関する情報の表示
VPort のリセット
VPort の削除

VPort のプロパティーの設定

VPort のプロパティーを設定するには、evsadm set-vportprop コマンドを使用します。コマンドの構文は次のとおりです。

# evsadm set-vportprop [-T tenant-name] -p prop=value[,...] EVS-switch-name/VPort-name

–T tenant-name: テナントの名前を指定します。
–p prop=value[...,]: 指定した VPort のプロパティーの値を指定します。VPort に VNIC が接続されている場合は、その VPort のプロパティーを設定すると VNIC のプロパティーが変更されます。VPort プロパティーの詳細は、表 4を参照してください。

注 - システム VPort のプロパティーを変更することはできません。システム VPort についての詳細は、エラスティック仮想スイッチを構成する方法を参照してください。
EVS-switch-name/VPort-name: プロパティーが設定されているエラスティック仮想スイッチまたは VPort の名前を指定します。

注 - VPort の作成後に ipaddr、macaddr、evs、および tenant プロパティーを変更することはできません。

使用例 65 VPort のプロパティーの設定

この例は、HR/vport0 の最大帯域幅のプロパティーを 1G に設定する方法を示しています。

# evsadm set-vportprop -p maxbw=1G HR/vport0

VPort のプロパティーの表示

VPort のプロパティーを表示するには、evsadm show-vportprop コマンドを使用します。コマンドの構文は次のとおりです。

# evsadm show-vportprop [-f {fname=value[,...]}[,...] [[-c] -o field[,...]] \
[-p prop[,...]] [[EVS-switch-name]/[VPort-name]]

このコマンドは、すべての VPort または指定された VPort のいずれかの、1 つ以上のプロパティーの現在の値を表示します。VPort プロパティーが指定されていない場合は、使用可能なすべての VPort プロパティーが表示されます。VPort プロパティーの詳細は、表 4を参照してください。

[–f {fname=value[,...]}[,...]

出力をフィルタ処理するために使用される、コンマで区切られた名前と値のペア (行の選択)。複数のフィルタが指定されている場合、表示される出力は、フィルタ間での AND 演算の結果です。フィルタ値が複数値である場合、表示される出力は、フィルタ値間での OR 演算の結果です。サポートされるフィルタは次のとおりです。

tenant – VPort のプロパティーをテナント名でフィルタ処理します
EVS – VPort のプロパティーをエラスティック仮想スイッチ名でフィルタ処理します
vport – VPort のプロパティーを VPort 名でフィルタ処理します
host – VPort のプロパティーをホスト名でフィルタ処理します

注 - VPort は、そのプロパティー値を使用してフィルタ処理できます。使用例 66を参照してください。

–o field[,...]

表示する出力フィールドのコンマ区切りのリストを指定します (大文字と小文字は区別されません)。出力に列として表示される次のフィールドを指定できます。

all: すべての出力フィールドを表示します。
NAME: VPort が EVS-switch-name/VPort-name の形式で関連付けられているエラスティック仮想スイッチの名前を持つ VPort の名前。
TENANT: エラスティック仮想スイッチを所有するテナントの名前。
PROPERTY: VPort プロパティーの名前。
PERM: プロパティーの読み取り権または書き込み権。表示される値は、r- または rw のいずれかです。
VALUE: 現在のプロパティー値。値が設定されていない場合は、-- と表示されます。値が不明な場合は、? と表示されます。
DEFAULT: プロパティーのデフォルト値。プロパティーにデフォルト値がない場合は、-- が表示されます。
POSSIBLE: プロパティーに指定可能な値のコンマ区切りのリスト。値に数値の範囲がある場合は、短縮形としてmin-maxが表示される可能性があります。指定可能な値が不明または無限の場合は、--が表示されます。

使用例 66 VPort のプロパティーの表示

次の例では、VPort vport0 の VPort プロパティーを表示します。

# evsadm show-vportprop ORA/vport0  
NAME          TENANT      PROPERTY  PERM VALUE          DEFAULT    POSSIBLE
ORA/vport0    sys-global  cos       rw   --              0         0-7
ORA/vport0    sys-global  maxbw     rw   --              --        --
ORA/vport0    sys-global  priority  rw   --              medium    low,medium,high
ORA/vport0    sys-global  ipaddr    r-   192.168.10.2/24 --        --
ORA/vport0    sys-global  macaddr   r-   2:8:20:b0:6e:63 --        --
ORA/vport0    sys-global  evs       r-   ORA             --        --
ORA/vport0    sys-global  tenant    r-   sys-global      --        --

次の例は、そのプロパティーの値を使用して仮想ポートをフィルタ処理する方法を示しています。

# evsadm show-vportprop -p priority
NAME              TENANT      PROPERTY  PERM VALUE         EFFECTIVE POSSIBLE
evs1/vport0       sys-global  priority  rw   --            medium    low,
                                                                     medium,
                                                                     high
evs1/vport1       sys-global  priority  rw   high          high      low,
                                                                     medium,
                                                                     high
evs1/vport2       sys-global  priority  rw   --            medium    low,
                                                                     medium,
                                                                     high
# evsadm show-vport -f priority=high
NAME                TENANT        STATUS VNIC         HOST
evs1/vport1         sys-global    free   --           --

出力は、priority プロパティーが high に設定されている VPort evs1/vport1 のみを示しています。

使用例 67 VPort の UUID の表示

この例は、VPort evs1/vport1 の UUID を表示する方法を示しています。

# evsadm show-vportprop -p uuid -o name,tenant,property,perm,value evs1/vport1
NAME          TENANT      PROPERTY  PERM VALUE
evs1/vport1   sys-global  uuid      r-   7d4c90e0-96bb-11e4-ab96-171c32874415

VPort の表示

VPort を表示するには、evsadm show-vport コマンドを使用します。コマンドの構文は次のとおりです。

# evsadm show-vport [-f {fname=value[,...]}[,...]] [[-c] -o field[,...]] \
[[EVS-switch-name/][VPort-name]]

–f {fname=value[,...]}[,...]

tenant – VPort のリストをテナント名でフィルタ処理します
EVS – VPort のリストをエラスティック仮想スイッチ名でフィルタ処理します
vport – VPort のリストを VPort 名でフィルタ処理します
host – VPort のリストをホスト名でフィルタ処理します

–o field[,...]

all: すべての出力フィールドを表示します。
NAME: EVS-switch-name/VPort-name の形式で関連付けられているエラスティック仮想スイッチの名前を持つ VPort の名前。
TENANT: エラスティック仮想スイッチを所有するテナントの名前。
STATUS: VPort が使用中か開放されているかを表示します。VPort が VNIC に関連付けられている場合、VPort は使用中です。それ以外の場合、VPort は開放されています。
VNIC: この VPort に関連付けられた VNIC の名前。
HOST: この VPort に関連付けられた VNIC が存在するホストの名前。

使用例 68 VPort 情報の表示

この例では、VPort vport0 に関する情報が表示されます。

# evsadm show-vport
NAME            TENANT        STATUS VNIC      HOST
ORA/vport0      sys-global    used   vnic1     s11-client

VPort のリセット

VPort に関連付けられた VNIC を削除すると、その VPort の状態は free になります。VPort が次の状況にあると、その VPort に関連付けられた VNIC を削除しても VPort が used 状態になる場合があります。

EVS ノード内の VNIC を削除したときに、EVS ノードが EVS コントローラにアクセスできない。
VPort に関連付けられた VNIC が、EVS ノードをリブートする前に削除されない。

VPort の状態を free にリセットするには、evsadm reset-vport コマンドを使用します。コマンドの構文は次のとおりです。

# evsadm reset-vport [-T tenant-name] EVS-switch-name/VPort-name

VPort の削除

VNIC が VPort に関連付けられている場合、VPort の削除は失敗します。そのため、まず evsadm show-vport コマンドを使用して、削除する VPort に VNIC が関連付けられているかどうかを確認する必要があります。エラスティック仮想スイッチから VPort を削除するには、evsadm remove-vport コマンドを使用します。コマンドの構文は次のとおりです。

# evsadm remove-vport [-T tenant-name] EVS-switch-name/VPort-name

このコマンドでは指定された VPort を削除します。VPort が削除されると、その VPort に関連付けられた IP アドレスと MAC アドレスが解放されます。

使用例 69 VPort の削除

この例は、エラスティック仮想スイッチ ORA 用に構成された VPort vport0 を削除する方法を示しています。

# evsadm remove-vport -T tenantA ORA/vport0