zonecfg プロパティー iov を設定することで、使用可能な SR-IOV VF を使用してカーネルゾーンの anet リソースを構成できます。
VF が使用可能な場合、割り当てます。それ以外の場合は、準仮想化デバイスを使用します。
VF を割り当てます。VF が使用可能ではない場合、anet リソースの作成は失敗します。データリンク上で使用可能な VF を確認する方法については、使用例 29を参照してください。
VF は割り当てられません。off 値が iov プロパティーのデフォルト値です。
カーネルゾーン上の SR-IOV の詳細は、Oracle Solaris カーネルゾーンの作成と使用 の カーネルゾーンでのシングルルート I/O NIC 仮想化の管理を参照してください。
使用例 28 SR-IOV VF を使用したカーネルゾーンの構成この例は、SR-IOV VF を使用してカーネルゾーン kz1 の anet リソースを構成する方法を示しています。
# zonecfg -z kz1 zonecfg:kz1> select anet id=0 zonecfg:kz1:anet> set iov=auto zonecfg:kz1:anet> end zonecfg:kz1> exit
下位データリンク net1 上に anet リソースを構成する場合は、カーネルゾーン kz1 をブートする前に、net1 の iov リンクプロパティーが on に設定されていることを確認する必要があります。下位データリンク net1 の iov プロパティーを確認できます。
# dladm show-linkprop -p iov net1 LINK PROPERTY PERM VALUE EFFECTIVE DEFAULT POSSIBLE net1 iov rw off off auto auto,on,off
出力には、下位データリンク net1 の iov プロパティーの値が off であることが表示されます。iov プロパティーを on に設定します。
# dladm set-linkprop -p iov=on net1
カーネルゾーンのブート後に、VF が anet リソースに正常に割り当てられます。VF がカーネルゾーン kz1 に追加されるかどうかを確認します。
# zlogin kz1 kz1# dladm show-phys LINK MEDIA STATE SPEED DUPLEX DEVICE net0 Ethernet up 10000 full ixgbevf0
カーネルゾーンで iov プロパティーを使用する場合の制限は、次のとおりです。
iov プロパティーはネイティブゾーンのための利点を提供しないため、ネイティブゾーンでは iov プロパティーを使用できません。
anet リソースに次のいずれかのプロパティーが構成されている場合、iov プロパティーを auto または on には設定できません。
allowed-address
configure-allowed-address
defrouter
allowed-dhcp-cids
link-protection
vlan-id
txrings
rxrings
mtu
rxfanout
vsi-typeid
vsi-vers
vsi-mgrid
etsbw-lcl
cos
evs
vport
同様に、iov プロパティーをすでに auto または on に設定した場合、これらのプロパティーは設定できません。
VF anet リソースは、作成後に、ほかの通常の anet リソースと似た VNIC としてホストで表示されます。唯一の違いは、VF anet リソースのリンクプロパティーは変更できないことです。
複数の VF anet リソースをカーネルゾーンに追加できます。ただし、カーネルゾーンに表示される VF 物理リンクは集約できません。
iov プロパティーを on または auto に設定した場合、カーネルゾーンはライブ移行をサポートせず、操作を中断も再開もしません。zoneadm migrate または zoneadm suspend コマンドは失敗します。