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Oracle® Solaris 11.3 での仮想ネットワークとネットワークリソースの管理

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更新: 2016 年 11 月
 
 

SR-IOV VF を使用した Oracle Solaris カーネルゾーンの構成

zonecfg プロパティー iov を設定することで、使用可能な SR-IOV VF を使用してカーネルゾーンの anet リソースを構成できます。

auto

VF が使用可能な場合、割り当てます。それ以外の場合は、準仮想化デバイスを使用します。

on

VF を割り当てます。VF が使用可能ではない場合、anet リソースの作成は失敗します。データリンク上で使用可能な VF を確認する方法については、使用例 29を参照してください。

off

VF は割り当てられません。off 値が iov プロパティーのデフォルト値です。

カーネルゾーン上の SR-IOV の詳細は、Oracle Solaris カーネルゾーンの作成と使用 の カーネルゾーンでのシングルルート I/O NIC 仮想化の管理を参照してください。

使用例 28  SR-IOV VF を使用したカーネルゾーンの構成

この例は、SR-IOV VF を使用してカーネルゾーン kz1anet リソースを構成する方法を示しています。

# zonecfg -z kz1
zonecfg:kz1> select anet id=0
zonecfg:kz1:anet> set iov=auto
zonecfg:kz1:anet> end
zonecfg:kz1> exit

下位データリンク net1 上に anet リソースを構成する場合は、カーネルゾーン kz1 をブートする前に、net1iov リンクプロパティーが on に設定されていることを確認する必要があります。下位データリンク net1iov プロパティーを確認できます。

# dladm show-linkprop -p iov net1
LINK     PROPERTY    PERM   VALUE     EFFECTIVE    DEFAULT   POSSIBLE
net1     iov         rw     off       off          auto      auto,on,off

出力には、下位データリンク net1iov プロパティーの値が off であることが表示されます。iov プロパティーを on に設定します。

# dladm set-linkprop -p iov=on net1

カーネルゾーンのブート後に、VF が anet リソースに正常に割り当てられます。VF がカーネルゾーン kz1 に追加されるかどうかを確認します。

# zlogin kz1
kz1# dladm show-phys
LINK              MEDIA                STATE      SPEED  DUPLEX    DEVICE
net0              Ethernet             up         10000  full      ixgbevf0

カーネルゾーンでの iov プロパティーの使用の制限

カーネルゾーンで iov プロパティーを使用する場合の制限は、次のとおりです。

  • iov プロパティーはネイティブゾーンのための利点を提供しないため、ネイティブゾーンでは iov プロパティーを使用できません。

  • anet リソースに次のいずれかのプロパティーが構成されている場合、iov プロパティーを auto または on には設定できません。

    • allowed-address

    • configure-allowed-address

    • defrouter

    • allowed-dhcp-cids

    • link-protection

    • vlan-id

    • txrings

    • rxrings

    • mtu

    • rxfanout

    • vsi-typeid

    • vsi-vers

    • vsi-mgrid

    • etsbw-lcl

    • cos

    • evs

    • vport

    同様に、iov プロパティーをすでに auto または on に設定した場合、これらのプロパティーは設定できません。

  • VF anet リソースは、作成後に、ほかの通常の anet リソースと似た VNIC としてホストで表示されます。唯一の違いは、VF anet リソースのリンクプロパティーは変更できないことです。

  • 複数の VF anet リソースをカーネルゾーンに追加できます。ただし、カーネルゾーンに表示される VF 物理リンクは集約できません。

  • iov プロパティーを on または auto に設定した場合、カーネルゾーンはライブ移行をサポートせず、操作を中断も再開もしません。zoneadm migrate または zoneadm suspend コマンドは失敗します。