第1章 概要

Oracle VMは、仮想化テクノロジの利点を活用するための環境を完備したプラットフォームです。 Oracle VMを使用すると、サポートされている仮想化環境内にオペレーティング・システムとアプリケーション・ソフトウェアをデプロイできます。 Oracle VMのコンポーネントは、次のとおりです。

Oracle VM Server for x86

Oracle VM Server for x86 (Oracle VM Server)は、x86ハードウェアで仮想マシンを実行するための軽量でセキュアなサーバー・ベース・プラットフォームを提供するように設計された、自己完結型の仮想化環境です。 Oracle VM Serverは、基盤となるXenハイパーバイザ・テクノロジの更新版に基づいており、これにはOracle VM Agentが含まれます。 また、様々なデバイスおよびファイル・システムをサポートするLinuxカーネルが含まれます。 LinuxカーネルはDom0として動作して、1つ以上のDomU仮想マシンを管理します(各仮想マシンは、Linux、Oracle SolarisまたはMicrosoft Windowsです)。

Oracle VM Server for SPARC

Oracle VM Server for SPARC (旧Sun Logical DomainsまたはLDoms)は、SPARCサーバーでのOracleによるサーバー仮想化およびパーティション技術です。 Oracle VM Server for SPARCは、SPARCハイパーバイザを利用して仮想マシンとも呼ばれる論理ドメインを作成することで、サポートされているプラットフォームのリソース(CPU、メモリー、I/Oおよび記憶域)を分割し、SPARCサーバーおよびOracle Solarisオペレーティング・システムが提供する大規模スレッドを活用します。

Oracle VM Manager

Oracle VM Managerは、Oracle VM環境を構成および管理できるサーバー側のコンポーネントです。 Oracle VM Managerには、コマンドライン・インタフェースと、Webベースのユーザー・インタフェース(標準のApplication Development Framework (ADF) Webアプリケーション)の両方が含まれています。 Oracle VM Managerでは、インストール・メディアまたはテンプレートから仮想マシンを作成するなど、仮想マシンの管理機能が提供されます。 仮想マシンの電源オン、電源オフ、削除、インポート、デプロイ、ライブ・マイグレーションなどの機能が提供されます。 また、Oracle VM Managerでは、ISOファイル、仮想マシン・テンプレート、共有仮想ディスクなどのリソースを管理できます。

このドキュメントでは、Oracle VMの現在のリリースに関連する項目について説明します。 Oracle VMの後続の各リリースが入手可能になった時点で、そのリリースのリリース・ノートが個々のドキュメントとして公開されます。 該当するリリースの正しいドキュメントを参照していることを確認してください。 Oracle VM 3.4.xの各リリースのリリース・ノートは、次の場所から入手できます。

http://download.oracle.com/docs/cd/E64076_01