3.7 Oracle VM Release 3.2.1の新機能

Oracle VMリリース3.2の新機能および拡張機能は次のとおりです。

パフォーマンス、スケーラビリティおよびセキュリティ

  • Oracle VM Server for SPARCのサポート: Oracle VM Managerを使用して、Oracle VM Server for SPARCを実行しているSPARCサーバーを検出し、仮想マシンの管理タスクを実行できるようになりました。

  • Oracle VM Server for x86の新しいDom0カーネル: Oracle VM Server for x86のDom0カーネルが更新され、Oracle Linuxで使用されるOracle Unbreakable Enterprise Kernel 2 (UEK2)と同一になり、Oracle Linuxでサポートされているドライバとの完全なバイナリ互換性が実現されています。 Oracle VM Dom0環境(より一般的な目的のOracle Linux環境ではない)の特殊な性質上、一部のLinuxドライバは、Oracle LinuxのUEK2カーネルとの完全な互換性がある場合でも、Oracle VMのコンテキストでサポートするために適切でない場合があります。 Oracleサポート・サービスから指示されないかぎり、追加のドライバをインストールしないでください。

インストール

  • MySQLデータベースのサポート: MySQLデータベースは、Oracle VM Manager管理リポジトリの簡易インストール用にバンドルされたデータベースとして使用されます。 既存のOracle SE/EEデータベースもこのインストーラで対応されているため、カスタム・インストールを実行することで、既存のインフラストラクチャを活用することができます。 バンドルされたMySQLデータベースを使用した簡易インストールは、本番環境内で完全にサポートされています。

  • Oracle XEデータベースの付属の廃止: Oracle VM Managerでは、バックエンド・データベースとしてのOracle XEデータベースはバンドルされなくなりました。 現在Oracle XEを使用してOracle VM Managerを実行している場合、アップグレードするにはまず、データベースをOracle SEまたはOracle EEに移行する必要があります。

  • Oracle VM Serverのサポート・ツール: Oracle VM ServerのISOには、メタパッケージが提供され、サポートを支援するパッケージをインストールすることができます。 これらのパッケージは、Oracle VM Serverとは独立しているため、自動的にインストールされません。 メタパッケージおよびその従属データのインストールは、サポート問合せの解決に役立つ場合があるため、任意にインストールすることができます。 sudoパッケージは、以前Oracle VM Serverの従属データとしてインストールされていましたが、現在はovs-support-toolsメタパッケージの従属データになっていることに注意してください。 Oracle VM Serverのインストールにsudoが必要な場合、ovs-support-toolsメタパッケージをインストールする必要があります。

ユーザビリティ

  • Oracle VM Managerコマンドライン・インタフェース(CLI): 新しいOracle VM Managerコマンドライン・インタフェースを使用して、すべてのサーバー・プール、サーバーおよびゲストの管理など、Oracle VM Manager Webインタフェースと同じ機能を実行できます。 CLIコマンドは、スクリプト化し、 Webインタフェースと組み合せて実行できるため、柔軟性が高く、Oracle VM環境のデプロイおよび管理に役立ちます。 CLIでは、公開鍵認証がサポートされており、パスワードを埋め込まずにスクリプトを作成でき、Oracle VM Managerへのリモート・ログインをセキュアにします。 また、この機能を使用して実行されたすべてのコマンドについての完全な監査ログも作成されます。 CLIの使用の詳細は、『Oracle VMコマンドライン・インタフェース・ユーザーズ・ガイド』を参照してください。

  • アクセシビリティ・オプション: スクリーン・リーダーでのアクセス性を向上させるUI表示のオプションで、コントラストが改善され、フォント・サイズが大きくなっています。 詳細は、『Oracle VM Managerユーザーズ・ガイド』Oracle VM Managerのアクセシビリティ機能に関する説明を参照してください。

  • 「Health」タブ: 仮想環境全体の状況およびステータスを監視し、メモリーおよびCPU使用状況などの履歴の統計を表示します。 「Health」タブの使用の詳細は、『Oracle VM Managerユーザーズ・ガイド』「Health」タブに関する説明を参照してください。

  • オブジェクトの複数選択: 複数のOracle VM Serverを個別にアップグレードするのではなく、1つの手順でアップグレードするなど、1つ以上のオブジェクトを選択して、複数のオブジェクトに対する1つのアクションを実行します。 複数選択機能の使用の詳細は、『Oracle VM Managerユーザーズ・ガイド』複数選択機能に関する説明を参照してください。

  • オブジェクトの検索: タブ管理ペインの多くおよび一部のダイアログ・ボックスで、オブジェクトを検索できます。 これは、仮想マシンまたはOracle VM Serverなど、多数のオブジェクトによる大規模なデプロイメントで特に便利です。 検索機能の使用の詳細は、『Oracle VM Managerユーザーズ・ガイド』名前フィルタに関する説明を参照してください。

  • オブジェクトのタグ付け: Oracle VM Manager内の仮想マシン、サーバーおよびサーバー・プール・オブジェクトにタグ付けして、アイテムの論理的なグルーピングを作成することで、タグによるオブジェクトの検索をより簡単にできます。

  • 表およびその他のUIリストのアルファベット順配置: 表にリストされるアイテムおよびその他のUI表示は、Oracle VM Manager内でデフォルトでアルファベット順にソートされるため、大規模デプロイメントでのオブジェクトの検索がより簡単になります。

  • サーバー・プールへのリポジトリの提示: 個々のOracle VM Serverに記憶域リポジトリを提示することに加え、1つ以上のサーバー・プールのすべてのOracle VM Serverにリポジトリを提示できます。 詳細は、『Oracle VM Managerユーザーズ・ガイド』リポジトリの提示または非提示に関する説明を参照してください。

  • OCFS2タイムアウト構成: Oracle VM Manager内のクラスタ化サーバー・プールの構成時に、秒単位でクラスタのタイムアウトを指定する追加属性が追加されました。

  • NFSのサーバーのリフレッシュおよび不均一エクスポートのアクセス・リスト: 別のサーバー・プールが別のエクスポートに公開されるNFS構成では、不均一エクスポートおよびアクセス・リストを構成して、サーバー・プールのリフレッシュの実行方法を制御します。 この機能の詳細は、『Oracle VM Managerユーザーズ・ガイド』「Access Groups」パースペクティブに関する説明を参照してください。

  • 複数のiSCSIアクセス・ホストの構成: iSCSIストレージ・デバイス用に、複数のアクセス・ホストを構成できます。

  • ディスク、ISOおよびvdiskのサイズ表示: Oracle VM Managerでは、仮想マシン編集ダイアログ内で、ディスク、ISOおよびvdiskのサイズが表示されるようになり、ディスクの選択が簡単になります。

  • 自動化されたバックアップと簡単なリストア: バンドルされたMySQL Enterprise Editionデータベースを利用したOracle VM Managerのインストールには、完全に自動化されたデータベース・バックアップと、データベースを簡単にリストアできるクイック・リストア・ツールが含まれています。

  • シリアル・コンソール・アクセス: Oracle VM Managerに含まれるシリアル・コンソールJavaアプレットによって、SPARCとx86の両方のハードウェアで実行している仮想マシンへのシリアル・コンソール・アクセスが可能になります。 この機能は、x86ハードウェアで実行している仮想マシンへの既存のVNCベースのコンソール・アクセスを補完します。

  • 繰返しジョブへのプリファレンスの設定: Oracle VM Managerでは、繰返しジョブのプリファレンスを制御する機能が提供されています。 これには、リポジトリおよびファイル・システムのリフレッシュのようなタスクに対する、有効化、無効化または間隔の設定を行う機能と、サーバー更新リポジトリのチェック・タスクを制御する機能が含まれています。

  • プロセッサ互換性グループ: 仮想マシンは、互換性のあるプロセッサ・タイプを使用するサーバー間でのみ移行可能であるため、Oracle VM Managerでプロセッサ互換性グループを定義する機能が提供され、仮想マシンを移行できるサーバーを選択できるようになっています。

  • 追加のユーティリティおよび仮想マシン・ロールの構成: Oracle VM Serverで新しいロールがサポートされるようになり、サーバーが担当する機能タイプを制御します。 仮想マシン・ロールは、Oracle VM Serverで仮想マシンを実行するために必要です。 ユーティリティ・ロールで構成されているOracle VM Serverは、ファイルのクローニング、テンプレートのインポート、リポジトリの作成などの操作、および仮想マシンの実行に直接関係しないその他の操作の実行に適しています。

  • 仮想マシンの直接インポート: Oracle VM Managerを使用して、仮想マシンを直接インポートできるようになったため、先にテンプレートにインポートしてクローニングする必要はなくなりました。

  • 仮想マシンの起動ポリシー: 仮想マシンに起動ポリシーを指定し、常に配置されているサーバー上で仮想マシンを起動するか、または、サーバー・プール内の最適なサーバー上で仮想マシンを起動するかを指定できるようになりました。

  • 仮想マシンへのVNICのホットアド: Oracle VM Manager内から実行中の仮想マシンへ直接VNICを追加できるようになりました。

  • 仮想マシンへのメッセージの送信: キー/値のペアの形式のメッセージを仮想マシンに直接送信する機能がOracle VM Managerに提供されています。

  • NTP構成: すべてのサーバー全体で時間を同期化させる必要があります。 Oracle VM Managerでは、NTPを全サーバー間で一括構成する機能が提供されています。