Oracle Solaris 11 システム構成の変更のサマリーを次に示します。
/etc/default/init ファイルは読み取り専用 – ロケールとタイムゾーンの構成はサービス管理機能 (SMF) に移行しました。環境変数への変更はすべて新しい svc:/system/environment:init SMF サービスによって管理されるべきです。国際化とローカリゼーションの変更を参照してください。
/etc/dfstab 構成 – ファイルシステム共有の公開および公開解除は、zfs コマンドを使用して行われます。Chapter 5, ファイルシステムの管理を参照してください。
/etc/hostname.<if>、/etc/dhcp.<if>、および /etc/hostname.ip*.tun* 構成 – これらのファイルの編集による永続的なネットワーク構成は必要なくなりました。このタイプのネットワーク構成を管理するために、ipadm および dladm コマンドが使用されます。Oracle Solaris 11 でのネットワークの構成を参照してください。
/etc/system.d の実装 – このディレクトリは、/etc/system ファイルを編集するという従来の方法よりも簡単に Oracle Solaris カーネル構成をパッケージ化するための方法を提供します。SMF サービスまたはその他のスクリプトを最初にブートすることで /etc/system ファイルを編集するのではなく、IPS を使用してフラグメント (1 行または複数行) を /etc/system.d/ ディレクトリ内のファイルに提供できるため、Oracle Solaris カーネルのカスタマイズをより簡単に行うことができます。system(4) を参照してください。
また、この変更の一部として、cryptoadm および dtrace コマンドが、以前のリリースの /etc/system ファイルではなく、/etc/system.d/ ディレクトリ内のファイルに書き込むよう更新されました。cryptoadm(1M) および dtrace(1M) を参照してください。
システムのプライマリインタフェースへのホスト名のマッピング – システムのホスト名はインストール時にプライマリインタフェースにマップされます。system/identity:node SMF サービスには、管理者が機能を無効化できるプロパティーが含まれています。
電源管理構成 – 電源管理が /etc/power.conf ファイルの編集や pmconfig コマンドの使用によって構成されることはなくなりました。代わりに、poweradm コマンドが使用されます。電源管理構成の変更点を参照してください。
システムのホスト名の設定 – hostname コマンドを使用して、システムのホスト名を永続的に設定します。最初は、hostname 値は config/nodename に保存されていますが、システムが DHCP によって構成されるとこの値はオーバーライドされ、その場合は、DHCP によって hostname 値が提供されます。hostname コマンドが使用される場合、hostname 値は config/nodename で指定された値になります。hostname コマンドを使用してシステムの識別情報を設定した場合、hostname コマンドに –D オプションを付けて実行するまで、この設定をオーバーライドできません。hostname コマンドを使用すると、対応する SMF プロパティーおよび関連する SMF サービスも自動的に更新されます。hostname(1) を参照してください。
システムコンソールとターミナルサービス構成 – sac コマンドとサービスアクセス機能 (SAF) プログラムはサポートされなくなりました。システムコンソールおよびローカル接続された端末デバイスは、SMF console-login サービス svc:/system/console のインスタンスとして表されます。システムコンソールとターミナルサービスの変更点を参照してください。
システムロギングサービス – rsyslog デーモンは、フィルタリング、TCP、暗号化、精度の高いタイムスタンプ、出力制御などの複数の機能をサポートするモジュラー設計実装を備えた、信頼性の高い拡張 syslog デーモンです。
次のようにして、system-log サービスのステータスを表示します。
# svcs -a | grep system-log disabled Nov_21 svc:/system/system-log:rsyslog online Nov_30 svc:/system/system-log:default
システムの復旧およびクローニング – Oracle 統合アーカイブ機能は、Oracle Solaris 11 で利用可能なブート環境 (BE)、IPS、およびさまざまな仮想化テクノロジをサポートします。統合アーカイブ機能は、Oracle Solaris 10 で使用されるフラッシュアーカイブのインストール方法よりも堅牢で柔軟です。Oracle Solaris 統合アーカイブ機能によるシステムの復旧とクローニングを参照してください。
タイムゾーンの構成 – Oracle Solaris 10 では、タイムゾーンは /etc/TIMEZONE (/etc/default/init) ファイルを編集することによって構成されます。Oracle Solaris 11 では、svc:/system/timezone:default SMF サービスを使用してシステムのタイムゾーンを設定できます。ロケール、タイムゾーン、およびコンソールキーマップの構成の変更を参照してください。