特定のルートプールのデバイスおよびブートディスク要件
次を参照してください。
一般的なルートプール作成のベストプラクティス
ルートプールは、ミラー化構成または単一ディスク構成として作成する必要があります。RAID-Z もストライプ化構成もサポートされていません。zpool add コマンドを使用して、ディスクを追加して複数のミラー化された最上位仮想デバイスを作成することはできません。ミラー化された仮想デバイスを拡張するには、zpool attach コマンドを使用します。
ルートプールに別個のログデバイスを使用することはできません。
プールプロパティーは、AI でのインストール中に pool_options キーワード構文を使用して設定できますが、gzip 圧縮アルゴリズムはルートプールではサポートされません。
ルートプールを初期インストールによって作成したあとは、ルートプールの名前を変更しないでください。ルートプールの名前を変更すると、システムをブートできなくなる可能性があります。
ルートプールディスクは連続的な操作に重要であるため (特にエンタープライズ環境で)、本稼働システムのルートプールを USB スティック上に作成しないでください。ルートプールにシステムの内蔵ディスクを使用することを検討するか、あるいは、少なくとも非ルートデータに使用するのと同品質のディスクを使用してください。また、USB スティックは、物理メモリーの少なくとも 1/2 のサイズに等しいダンプボリュームサイズをサポートするのに十分な大きさではない可能性があります。
ルートプールのコンポーネントをルート以外のプールのデータと分けておくことを考えてください。
非ルートプール作成のベストプラクティス
d* 識別子を使用して、ディスク全体で非ルートプールを作成します。p* 識別子を使用しないでください。
ZFS は、追加のボリューム管理ソフトウェアを一切使わないで最適に機能します。
パフォーマンスを向上させるために、個々のディスクを使用するか、または少数のディスクで構成される LUN のみを使用します。ZFS での LUN 設定に対する可視性を向上させることで、より適切な入出力スケジューリングを ZFS で決定できるようになります。
ミラー化ストレージプール – 多くのディスクを消費しますが、一般に、小さなランダム読み取りでパフォーマンスが向上します。例:
# zpool create tank mirror c1d0 c2d0 mirror c3d0 c4d0
また、プール内の既存のデバイスの切り離し、接続、および交換が可能であるという点で、ミラー化ストレージプールにはより高い柔軟性もあります。
RAID-Z ストレージプール
3 つのパリティー方式を使って RAID-Z ストレージプールを作成できます。この場合、パリティーは 1 (raidz)、2 (raidz2)、または 3 (raidz3) に等しくなります。
RAID-Z 構成は、ディスク容量を最大化し、通常、データが大きなチャンク (128K 以上) で読み取りおよび書き込みされるときに、パフォーマンスが高くなります。3 台のディスク (2+1) でシングルパリティーの RAIDZ (raidz) 構成を作成します。
RAIDZ-2 構成では、データの可用性が向上し、RAID-Z と同様の性能が提供されます。RAIDZ-2 は、RAID-Z または双方向ミラーよりもデータ損失までの平均時間 (MTTDL) がかなり短縮されます。6 台のディスク (4+2) でダブルパリティーの RAID-Z (raidz2) 構成を作成します。
RAIDZ-3 構成では、ディスク容量が最大となり、3 台のディスク障害に耐えられるため、優れた可用性が提供されます。8 台のディスク (5+3) でトリプルパリティーの RAID-Z (raidz3) 構成を作成します。
冗長性のないプール
冗長性のないプールを作成する場合は、次のようなメッセージが表示されます。
# zpool create pond c8t2d0 c8t3d0 'pond' successfully created, but with no redundancy; failure of one device will cause loss of the pool
デバイス障害はデータが回復不可能であることを意味することがあるため、冗長性のないプールの作成は推薦されていません。次のようにした冗長性のある ZFS ストレージプールの作成を考えてください。
# zpool create pond mirror c8t2d0 c8t3d0