Oracle Solaris 10 ブランドゾーン – Oracle Solaris 10 ゾーンは、Oracle Solaris 11 上に Oracle Solaris 10 環境を提供します。
次の方法で、Oracle Solaris 10 システムまたはゾーンを Oracle Solaris 11 システム上の solaris10 ゾーンに移行できます。
ゾーンアーカイブを作成し、そのアーカイブを使用して Oracle Solaris 11 システム上に s10zone を作成します。Oracle Solaris 11 システム上の非大域ゾーンへの Oracle Solaris 10 インスタンスの移行を参照してください。
Oracle Solaris 10 システムからゾーンを切り離し、そのゾーンを Oracle Solaris 11 ゾーンに接続します。ゾーンは停止され、現在のホストから切り離されます。zonepath はターゲットホストに移動され、そこで接続されます。Oracle Solaris 10 ゾーンの作成と使用 のsolaris10 ゾーンの切り離しおよび接続についてを参照してください。
Solaris 10 ブランドゾーンに複数のブート環境 (BE) を作成して管理できるほか、現在アクティブになっている BE または非アクティブな BE の変更が可能で、これらすべてを本番環境ワークロードを実行したままで行うことができます。Oracle Solaris 10 ゾーンの作成と使用 のsolaris10 ゾーンでの複数のブート環境についてを参照してください。
Oracle Solaris 11 インストールのサポート – 非大域ゾーンの構成とインストールを AI クライアントインストールの一部として指定できます。非大域ゾーンは、大域ゾーンのインストール後の初回リブート時にインストールされ、構成されます。Oracle Solaris 11.2 システムのインストール の第 12 章ゾーンのインストールと構成を参照してください。
デフォルトでの排他的 IP ゾーン – 排他的 IP ゾーンでは、ゾーンごとに個別の IP スタックを割り当てることができます。各ゾーンには、そのスタック内の IP がほかのゾーンと完全に分離されるように構成できるという柔軟性があります。ゾーンごとにネットワークトラフィックを容易に監視でき、個々のネットワークリソースを適用できます。以前のバージョンの Oracle Solaris では、これはシステムごとの物理 NIC の数に依存していました。ネットワーク仮想化の追加により、物理ネットワークハードウェアの制約を受けることなく、一層柔軟にゾーンの管理を実行できます。Oracle Solaris 11 で新しく作成したゾーンは、VNIC を備えた排他的 IP ゾーン (net0) となり、そのベースとなるリンクはブート時に自動的に選択されます。Oracle Solaris ゾーンの紹介 を参照してください。
旧バージョンのブランドゾーン – 次の旧バージョンのブランドゾーンの機能は Oracle Solaris 10 のみでサポートされています。
Linux ブランド (lx)
Oracle Solaris 8 コンテナ (solaris8)
Oracle Solaris 9 コンテナ (solaris9)
不変ゾーン – file-mac-profile プロパティーでは、読み取り専用のルートファイルシステムで非大域ゾーンを実行できます。Oracle Solaris ゾーンの作成と使用 のzonecfg の file-mac profile プロパティーを参照してください。
非大域ゾーンでの iSCSI サポート – 非大域ゾーンでは、iSCSI ターゲットもイニシエータサービスも現在サポートされていません。
ゾーンのネットワーク仮想化 – Oracle Solaris のほとんどのネットワーク仮想化機能は、ゾーン用に仮想 NIC (VNIC) を作成したあと、そのゾーンに割り当てられた VNIC に帯域幅制限とトラフィックフローを適用することで、ゾーンに適用できます。VNIC はゾーンのブート時に作成され、ゾーンが停止すると削除され、非大域ゾーンのデータリンク名前空間の内部に作成されます。この機能により、ネットワークの構成やトポロジの詳細を知らなくてもゾーンをプロビジョニングできます。以前から存在しているデータリンクを排他的 IP ゾーンに割り当てる場合も、引き続きゾーンの構成中に行うことができます。
非大域ゾーンでの NFS サーバーと CIFS のサポート – Oracle Solaris 11 の非大域ブランドゾーンタイプはすべて NFS サーバーまたは NFS クライアントにできます。ただし、Oracle Solaris10 非大域ブランドゾーンは NFS サーバーにできません。Oracle Solaris 11 非大域ゾーンはすべて CIFS クライアントにできますが、すべてのブランドタイプの非大域ゾーンは CIFS サーバーにできません。また、ネイティブではない Solaris オープンソース Samba パッケージを使用するときを除き、Oracle Solaris10 非大域ブランドゾーンは CIFS クライアントにできません。
Oracle Solaris カーネルゾーン – solaris-kz ブランドゾーンとも呼ばれるカーネルゾーンは、Oracle Solaris 11.2 で新しく追加されました。この機能を使用する前に、Oracle Solaris カーネルゾーンの作成と使用 のOracle Solaris カーネルゾーンのハードウェアおよびソフトウェア要件の情報を確認してください。
完全ルートゾーンのみ – Oracle Solaris ゾーンは完全ルートタイプのみです。ただし、ディスク領域が限られている場合や読み取り専用のゾーンルート構成を選択する場合などは、より柔軟な方法でゾーンを構成できます。デフォルトでは、ゾーンのブート環境は圧縮されています。
また、非大域ゾーンを自動的に更新して、システム全体の整合性を確保できます。追加のメリットは、各非大域ゾーン用の個々のソフトウェアスタックが大域ゾーンに依存しないことです。
ZFS アーカイブを使用したゾーンの移行 – ゾーンのアーカイブを作成してから、そのアーカイブを別のシステムに接続することで、既存の非大域ゾーンをあるシステムから別のシステムに移行できます。手順については、Oracle Solaris ゾーンの作成と使用 のZFS アーカイブを使用して非大域ゾーンを移行する方法を参照してください。
ゾーンのモニタリング – 非大域ゾーンで消費されるシステムリソースは、zonestat コマンドを使用してモニタリングできます。