サーバーに電源が投入されない場合、問題の原因は次である可能性があります。
AC 電源コードは、サーバーの電源装置と電源を直接接続するものです。サーバーの電源装置には、別々の安定した AC 回路が必要です。電圧のレベルが不十分な場合や電力に変動がある場合は、サーバーの電源の問題が発生する可能性があります。電源装置は、特定の電圧で、許容範囲内の電圧変動で動作するように設計されています (Oracle Server X6-2L 設置ガイド の 電力の要件を参照)。
処置: 両方の AC 電源コードがサーバーに接続されていることを確認します。コンセントに正しい電力が供給されていることを確認し、電力をモニターして許容範囲内にあることを確認してください。サーバー背面の電源装置上にある電源装置 (PS) インジケータパネルを確認することで、接続と動作が適切であることを確認できます。点灯した緑色の AC OK インジケータは、電源装置が適切に機能していることを示します。オレンジ色の AC OK インジケータは、電源装置への交流電力が不十分であることを示します。
予防策: AC 電源コードのベルクロ固定クリップを使用し、偶発的に外れるリスクが最小限に抑えられるようにコードを取り付けてください。サーバーに電力を供給する AC 回路が安定していて、過度な負荷がかかっていないことを確認してください。
サーバーの電源装置 (PSU) は、必要なサーバーの電圧を AC 電源コンセントから供給します。電源装置が動作不能であったり、プラグが電源から抜かれていたり、内部コネクタから取り外されたりしていると、サーバーの電源を投入することができません。
処置: AC ケーブルが両方の電源装置に接続されていることを確認してください。電源装置が動作可能であることを確認します (PSU インジケータパネルで緑色の AC OK インジケータが点灯しています)。電源装置が正しく取り付けられていることを確認します。内部コネクタにしっかり固定されていない電源装置には、電力が供給されず、緑色の AC OK インジケータが点灯しません。
予防策: 電源装置に障害が発生した場合は、すぐに交換してください。冗長性を確保するため、サーバーには 2 基の電源装置があります。この冗長構成により、障害が発生した電源装置によるサーバーのダウンタイムや予期しないシャットダウンが防止されます。冗長性により、電源装置のいずれかに障害が発生した場合でも、サーバーは作動し続けることができます。ただし、サーバーが 1 基の電源装置から電源を供給されるようになると、冗長性は存在しなくなり、ダウンタイムや予期しないシャットダウンのリスクが高くなります。電源装置を取り付ける際は、しっかり固定されて、ドライブベイ内部のコネクタに固定されていることを確認してください。適切に取り付けられている電源装置では、緑色の AC OK インジケータが点灯します。
サーバーの上部カバーは、サーバーを適切に機能させるための重要なコンポーネントです。上部カバーはサーバー内の圧力領域を維持するため、サーバーの冷却サブシステムには重要です。また、上部カバーは、内部コンポーネントの損傷や、偶発的な高電圧への暴露からも保護します。これらの理由により、サーバーの上部カバーはサーバーの電源に連動しています。この連動は、サーバー内部の電源装置のハウジングに取り付けられたスイッチによって行われます。カバーが取り付けられるとスイッチが閉じるため、サーバーに電力を供給できます。カバーが取り付けられていないと、サーバーに電源を投入することはできません。サーバーに電源が投入されているときにカバーを取り外すと、電源は即座に切断されます。
処置: サーバーの電源が投入されない場合は、スイッチが損傷しておらず、適切に位置合わせされていることを確認してください。サーバーの上部カバーが所定の位置にあり、サーバー上部に平らにぴったりと設置されていることを確認してください。連動スイッチコンポーネントが損傷していたり、取り外されていたり、位置合わせが誤っていたりしないことを確認してください。上部カバーを正しく取り付ける手順については、サーバーの上部カバーを取り付けるを参照してください。
予防策: 上部カバーを取り外したあとは、カバーが湾曲しないように注意してください。サーバーを保守する際は、内部に取り付けられている連動スイッチコンポーネントの損傷や位置合わせの誤りがないように注意してください。上部カバーを取り付けていないサーバーは、絶対に動作させないでください。