この付録では、Oracle Solaris Cluster Geographic Edition を使用せずにホストベースのレプリケーションを使用する方法について説明します。クラスタ間のホストベースのレプリケーションの構成と操作を簡素化するには、Oracle Solaris Cluster Geographic Edition をホストベースのレプリケーションに使用します。データレプリケーションについての理解を参照してください。
この付録の例は、Oracle Solaris の Availability Suite 機能 ソフトウェアを使用してクラスタ間のホストベースのデータレプリケーションを構成する方法を示しています。この例では、NFS アプリケーション用の完全なクラスタ構成を示し、個別のタスクの実行方法に関する詳細情報を提供します。すべてのタスクをグローバルクラスタで実行してください。例には、ほかのアプリケーションやクラスタ構成で必要な手順がすべて含まれているわけではありません。
役割に基づくアクセス制御 (RBAC) を使用してクラスタノードにアクセスする場合は、すべての Oracle Solaris Cluster コマンドの承認を提供する RBAC の役割になることができるようにします。一連のデータレプリケーション手順には、次の Oracle Solaris Cluster RBAC の承認が必要です。
solaris.cluster.modify
solaris.cluster.admin
solaris.cluster.read
RBAC の役割の使用に関する詳細は、Oracle Solaris 11.3 でのユーザーとプロセスのセキュリティー保護を参照してください。各 Oracle Solaris Cluster サブコマンドで必要となる RBAC の承認については、Oracle Solaris Cluster のマニュアルページを参照してください。
このセクションでは、耐障害性について紹介し、Availability Suite ソフトウェアが使用するデータレプリケーション方式について説明します。
耐障害性は、プライマリクラスタに障害が発生した場合に、アプリケーションを代替クラスタに復元する機能です。災害耐性のベースは、データレプリケーションとテイクオーバーです。テイクオーバーは、1 つ以上のリソースグループおよびデバイスグループをオンラインにすることにより、アプリケーションサービスをセカンダリクラスタに再配置します。
プライマリクラスタおよびセカンダリクラスタ間でデータが同期してレプリケートされている場合、プライマリサイトで障害が発生してもコミットされたデータは失われません。ただし、データが非同期でレプリケートされていた場合、プライマリサイトで障害が発生する前にセカンダリクラスタにレプリケートされていなかったデータがある可能性があり、それらのデータは失われます。