Oracle Solaris Cluster ソフトウェアは、ホストベースとストレージベースのデータレプリケーションをサポートしています。
ホストベースのデータレプリケーションは、ソフトウェアを使用して、地理的に離れたクラスタ間でディスクボリュームをリアルタイムでレプリケーションします。リモートミラーレプリケーションを使用すると、プライマリクラスタのマスターボリュームのデータを、地理的に離れたセカンダリクラスタのマスターボリュームにレプリケーションできます。リモートミラービットマップは、プライマリディスク上のマスターボリュームと、セカンダリディスク上のマスターボリュームの差分を追跡します。クラスタ間またはクラスタとクラスタ内にないホストとの間のレプリケーションに使用されるホストベースのレプリケーションソフトウェアの例には、Oracle Solaris の Availability Suite 機能があります。
ホストベースのデータ複製は、特別なストレージアレイではなくホストリソースを使用するため、より費用のかからないデータ複製ソリューションです。Oracle Solaris OS を実行する複数のホストが共有ボリュームにデータを書き込むことができるように構成されているデータベース、アプリケーション、またはファイルシステムはサポートされていません (Oracle RAC など)。
2 つのクラスタ間でのホストベースのデータレプリケーションの使用に関する詳細は、Oracle Solaris Cluster Geographic Edition Data Replication Guide for Oracle Solaris Availability Suiteを参照してください。
Geographic Edition フレームワークを使用しないホストベースのレプリケーションの例については、付録 A のデプロイメントの例: Availability Suite ソフトウェアによるクラスタ間のホストベースのデータレプリケーションの構成を参照してください。
ストレージベースのデータレプリケーションでは、ストレージコントローラ上でソフトウェアを使用することで、データレプリケーションの作業をクラスタノードからストレージデバイスに移動します。このソフトウェアはノードの処理能力を一部解放し、クラスタのリクエストに対応します。クラスタ内またはクラスタ間でデータを複製できるストレージベースのソフトウェアには、EMC SRDF などがあります。ストレージベースのデータレプリケーションは、キャンパスクラスタ構成において特に重要になる場合があり、必要なインフラストラクチャーを簡素化できます。
キャンパスクラスタ環境でストレージベースのデータレプリケーションを使用する方法の詳細は、キャンパスクラスタ内でのストレージベースのデータレプリケーションの使用を参照してください。
複数のクラスタ間でのストレージベースのレプリケーションと、そのプロセスを自動化する Oracle Solaris Cluster Geographic Edition 製品の使用の詳細は、Oracle Solaris Cluster 4.3 Geographic Edition Overviewを参照してください。