Oracle® Solaris Cluster 4.3 システム管理

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更新: 2016 年 7 月
 
 

グローバルクラスタノードで CPU 使用率を制御する方法

グローバルクラスタノードで実行されるリソースグループに CPU シェアを割り当てるには、この手順を実行します。

リソースグループに CPU シェアが割り当てられている場合、Oracle Solaris Cluster ソフトウェアは、グローバルクラスタノードでリソースグループの 1 つのリソースを起動する際に、次のタスクを実行します。

  • ノードに割り当てられている CPU シェア (zone.cpu-shares) の数を、指定された CPU シェアの数だけ増やします (まだ行われていない場合)。

  • ノードに SCSLM_resource-group という名前のプロジェクトを作成します (まだ行われていない場合)。このプロジェクトはリソースグループに固有で、指定された数の CPU シェア (project. cpu-shares) が割り当てられています。

  • SCSLM_resource-group プロジェクトのリソースを起動します。

CPU 制御機能の構成についての詳細は、rg_properties(5) のマニュアルページを参照してください。

  1. システムのデフォルトのスケジューラを、公平配分スケジューラ (FSS) に設定します。
    # dispadmin -d FSS

    次のリブート時に、FSS がデフォルトのスケジューラになります。この構成をすぐに有効にするには、priocntl コマンドを使用します。

    # priocntl -s -C FSS

    priocntl コマンドと dispadmin コマンドを組み合わせて使用することで、FSS がすぐにデフォルトのスケジューラになり、リブート後もそのままになります。スケジューリングクラスの設定についての詳細は、dispadmin(1M) および priocntl(1) のマニュアルページを参照してください。


    注 -  FSS がデフォルトのスケジューラでない場合、CPU シェアの割り当ては有効になりません。
  2. 各ノードで CPU 制御を使用するために、グローバルクラスタノードに対するシェア数と、デフォルトのプロセッサセットで使用可能な CPU の最小数を構成します。

    globalzoneshares および defaultpsetmin プロパティーに値を割り当てない場合、これらのプロパティーはデフォルト値をとります。

    # clnode set [-p globalzoneshares=integer] [-p defaultpsetmin=integer] node
    –p defaultpsetmin=integer

    デフォルトプロセッサセットで使用可能な CPU の最小数を設定します。デフォルト値は 1 です。

    –p globalzoneshares=integer

    ノードに割り当てられるシェアの数を設定します。デフォルト値は 1 です。

    node

    プロパティーを設定するノードを指定します。

    これらのプロパティーを設定する際には、ノードのプロパティーを設定します。

  3. これらのプロパティーを正しく設定したことを確認します。
    # clnode show node

    指定するノードに対して、clnode コマンドは、設定されているプロパティー、およびこれらのプロパティーに設定されている値を出力します。clnode を使用して CPU 制御プロパティーを設定しないと、これらはデフォルト値をとります。

  4. CPU 制御機能を構成します。
    # clresourcegroup create -p RG_SLM_TYPE=automated [-p RG_SLM_CPU_SHARES=value] resource-group
    –p RG_SLM_TYPE=automated

    CPU 使用率を管理できるようにし、システムリソース管理用に Oracle Solaris OS を構成する手順の一部を自動化します。

    –p RG_SLM_CPU_SHARES=value

    リソースグループ固有のプロジェクトに割り当てられる CPU シェアの数 (project.cpu-shares) を指定し、ノードに割り当てられる CPU シェアの数 (zone.cpu-shares) を決定します。

    リソースグループ

    リソースグループの名前を指定します。

    この手順では、RG_SLM_PSET_TYPE プロパティーは設定しません。ノードでは、このプロパティーは値 default をとります。

    このステップによりリソースグループが作成されます。また、clresourcegroup set コマンドを使用して既存のリソースグループを変更することもできます。

  5. 構成の変更を有効にします。
    # clresourcegroup online -eM resource-group
    リソースグループ

    リソースグループの名前を指定します。


    注 -  SCSLM_resource-group プロジェクトは削除または変更しないでください。手動で、たとえば project.max-lwps プロパティーを構成することにより、プロジェクトにさらにリソース制御を追加できます。詳細は、projmod(1M) のマニュアルページを参照してください。