システムの内部コンポーネントは、サーバー前面から取り込まれサーバー背面から排出される空気によって冷却されます。冷却が行われるのはシャーシ内の 2 か所で、電源とマザーボードの領域です。
電源装置の領域では、電源装置の背面にあるファンがドライブを通過させる形で冷気を取り込み、その空気が電源装置を通って背面から排出されます。
マザーボード領域は 3 ゾーンに分割され、6 つの 92 mm 高性能ファンによってサーバー前面から取り込まれた冷気がマザーボード、メモリーライザー、プロセッサ、および I/O カードを通り、暖気がサーバー背面から排出されます。
6 つのファンモジュールは 2 列に並べて配置されるため、3 つのマザーボードゾーンのそれぞれで、積み重ねたファンの冗長ペアを使用できます。1 つのファンモジュールが故障した場合でも、そのファンを交換するまでは、ペアの片方のファンモジュールでゾーンを十分に冷却できます。ペアの両方のファンモジュールに障害が発生した場合は、温熱損傷からシステムを保護するため Oracle ILOM によってシステムの電源が切断されます。
電源装置とマザーボードの冷却領域の気圧は同じではありません。気圧を維持するのはプラスチック製のデバイダで、上部カバーと一緒になることで、2 つの領域間の封止物となります。冷却システムの整合性とサーバーの健全性を保つには各領域の気圧を別々にすることが非常に重要になるため、この封止は重要です。
2 つの冷却エリアは、電源装置領域用の 1 ゾーンとマザーボード領域用の 3 ゾーンの合計 4 ゾーンに分けられます。冷却をゾーンに分割すると、各ゾーンが独立してその最大効率で動作できるため、システムリソースをより有効に使用できます。ゾーンの指定は左から右に (サーバー前面から)、ゾーン 0、ゾーン 1、ゾーン 2、ゾーン 3 (電源装置領域) です。各ゾーンの温度モニタリングはマザーボードに搭載された温度センサーによって行われます。
次の図は、冷却ゾーンと温度センサーのだいたいの位置を示しています。付随の凡例表には、センサー NAC 名とセンサーマザーボードの指定が記載されています。
|
2 CPU サーバー構成では、フル搭載の 4 CPU 構成よりもコンポーネントの数が少なくなります。2 CPU 構成で最大限の冷却を行うため、メモリーライザー領域にエアバッフルが装着されています。ファンからの空気はエアバッフルによって 4 つのメモリーライザーカードと 2 基の CPU に送られます。プロセッササブシステムの詳細は、Processor Subsystemを参照してください。
ハードウェアコンポーネントの故障や気流遮断が原因でサーバーの冷却システムに影響が及んだ場合、サーバーの内部温度が上昇し、コンポーネントの故障原因になることがあります。過剰な温度上昇を防ぐため、サーバーの温度とコンポーネントはセンサーを使用してモニターされます。センサーの測定値がコンポーネントの通常動作範囲外の温度を示している場合や、冷却サブシステム関連のコンポーネント (ファンモジュールなど) が故障した場合、サーバー管理ソフトウェアがそのコンポーネントのサーバー障害インジケータを点灯させ、システムイベントログ (SEL) にイベントを記録します。障害イベントが発生した場合は、問題をすぐに解決してください。
サーバー冷却サブシステムのトラブルシューティングの詳細は、Troubleshooting System Cooling Issuesを参照してください。