このドキュメントで説明するソフトウェアは、Extended SupportまたはSustaining Supportのいずれかにあります。 詳細は、https://www.oracle.com/us/support/library/enterprise-linux-support-policies-069172.pdfを参照してください。
Oracleでは、このドキュメントに記載されているソフトウェアをできるだけ早くアップグレードすることをお薦めします。
dtraceコマンドには、次のオプションを指定できます。
dtrace [-CeFGhHlqSvVwZ] [-bbufsz
] [-ccommand
] [-Dname
[=value
]] [-Ipathname
] [-Lpathname
] [-opathname
] [-pPID
] [-ssource_pathname
] [-Uname
] [-xoption
[=value
]][-X[a|c|s|t]] [-Pprovider
[[predicate
]action
]] [-m [[provider
:]module
[[predicate
]action
]]] [-f [[provider
:]module
:]function
[[predicate
]action
]] [-n [[[provider
:]module
:]function
:]name
[[predicate
]action
]] [-iprobe-id
[[predicate
]action
]]
D言語の構文に従って、predicate
は任意のD述語をスラッシュ(//)
で囲んだ形式、action
は任意のD文のリストを中カッコ({ })
で囲んだ形式で指定します。 -P、-m、-f、-nまたは-iオプションの引数としてDプログラムのコードを指定する場合、シェルによって解釈されないように、このテキストを適切な引用符で囲む必要があります。
オプションは、次のとおりです。
-
-b
bufsize
主トレース・バッファのサイズを設定し、
k
(KB)、m
(MB)、g
(GB)またはt
(TB)のいずれかのサイズ接尾辞を含めることができます。 バッファ領域を割り当てることができない場合、dtraceは、バッファ・サイズを削減するか、bufresize
プロパティの設定への依存を終了しようとします。-
-c
command
指定したコマンドを実行し、完了時に終了します。複数の-cオプションを指定すると、すべてのコマンドの終了時にdtraceも終了し、終了時に各子プロセスの終了ステータスをレポートします。dtraceによって、最初のコマンドのプロセスIDは、
$target
マクロ変数としてDプログラムで使用できるようになります。-
-C
コンパイルの前にDプログラムでCプリプロセッサ(cpp)を実行します。-D、-H、-Iおよび-Uオプションを使用してCプリプロセッサにオプションを渡すことができます。-Xオプションを使用して、C標準への適合の度合いを選択できます。
-
-D
name
[=value
] -Cオプションを使用してcppを起動する場合に、指定マクロ名およびオプション値を定義します。 コマンドには-Dオプションを複数回指定できます。
-
-e
リクエストのコンパイル後、プローブの有効化の前に終了します。このオプションを-Dオプションと組み合せると、Dプログラムを実行したり、対応するインストゥルメンテーションを有効化することなく、Dプログラムがコンパイルされることを確認できます。
-
-f [[[
provider
]:][module
]:]function
['D-probe_clause
'] トレースまたはリストする関数を指定します(オプションでプロバイダとモジュールを指定します)。オプションのDプローブ節を追加できます。 コマンドには-fオプションを複数回指定できます。
-
-F
関数の出力と、システム・コールのエントリ・ポイントおよびリターン・ポイントを組み合せてトレース出力を削減します。dtraceによって、エントリ・プローブ・レポートはインデントされ、リターン・プローブ・レポートはインデントされないまま残されます。dtraceによって、関数のエントリ・プローブ・レポートからの出力には
->
という接頭辞が、関数のリターン・プローブ・レポートからの出力には<-
という接頭辞が付けられます。dtraceによって、システム・コールのエントリ・プローブ・レポートからの出力には=>
という接頭辞が、システム・コールのリターン・プローブ・レポートからの出力には<=
という接頭辞が付けられます。-
-G
埋め込まれたDプログラムを含むELFファイルを生成します。dtraceは、別のプログラムにリンクできる再配置可能なELFオブジェクトを使用してプログラム内で指定されたDTraceプローブを保存します。-oオプションを指定した場合、dtraceによってELFファイルは指定されたパス名で保存されます。-oオプションを指定しない場合、ELFファイルはDプログラムのソース・ファイルと同じ名前が付けられ、拡張子のみが
.s
ではなく.o
になります。 これ以外の場合、ELFはd.out
という名前で保存されます。-
-h
-sオプションの引数として指定されるファイルのプローブ定義に基づいてヘッダー・ファイルを作成します。 -oオプションを指定した場合、dtraceによってヘッダー・ファイルは指定されたパス名で保存されます。-oオプションを指定しない場合、ヘッダー・ファイルはDプログラムのソース・ファイルと同じ名前が付けられ、拡張子のみが
.d
ではなく.h
になります。 トレースするプログラムのソース・ファイルを修正して、このヘッダー・ファイルを含めるようにしてください。-
-H
-Cオプションを使用してcppを起動する場合に、
stderr
にインクルードされたファイルのパス名を出力します。-
-i
probe_ID
['D-probe_clause
'] トレースまたはリストするプローブ識別子を指定します。(dtrace -lによって表示される) 10進整数としてプローブIDを指定する必要があります。オプションでDプローブ節を追加できます。 コマンドには-iオプションを複数回指定できます。
-
-I
pathname
-Cオプションを使用してcppを起動する場合に、指定したディレクトリ・パスを
#include
ファイルの検索パスに追加します。指定したディレクトリは、デフォルトのディレクトリ・リストの先頭に挿入されます。-
-l
プローブを有効化せずにリストします。dtraceによって、-f、-i、-m、-n、-Pおよび-sオプションに対する引数に基づいてプローブのリストがフィルタ処理されます。オプションが指定されていない場合、dtraceによってすべてのプローブがリストされます。
-
-L
pathname
指定したディレクトリ・パスをライブラリ検索パスの最後に追加します。 このオプションを使用して、Dプログラムの共通定義を含むDTraceライブラリへのパスを指定します。
-
-m [
provider
:]module
['D-probe_clause
'] トレースまたはリストするモジュールを指定します(オプションでプロバイダを指定します)。 オプションのDプローブ節を追加できます。 コマンドには-mオプションを複数回指定できます。
-
-n
[[[
provider
]:][module
]:][function
]]probe['D-probe_clause
'] トレースまたはリストするプローブの名前を指定します(オプションでプロバイダ、モジュールおよび関数を指定します)。 オプションのDプローブ節を追加できます。 コマンドには-nオプションを複数回指定できます。
-
-o
pathname
-Gおよび-lオプション、またはトレース・データの出力ファイルを指定します。
-
-p
PID
プロセスIDによって指定されたプロセスを取得し、シンボル表をキャッシュして、完了時に終了します。 複数の-pオプションを指定すると、すべてのプロセスの終了時にdtraceも終了し、終了時に各プロセスの終了ステータスをレポートします。dtraceによって、指定された最初のプロセスIDは、
$target
マクロ変数としてDプログラムで使用できるようになります。-
-P
provider
['D-probe_clause
'] トレースまたはリストするプロバイダを指定します。 オプションのDプローブ節を追加できます。 コマンドには-Pオプションを複数回指定できます。
-
-q
抑制モードを設定します。dtraceによって、情報メッセージ、列ヘッダー、CPU ID、プローブIDおよび追加の改行が抑制されます。
printa()
、printf()
およびtrace()
の各Dプログラム文によってトレースおよびフォーマットされたデータのみがstdout
に表示されます。 このオプションは、Dプログラムで#pragma D option quiet
を指定することと同じです。-
-s
source_pathname
dtraceにより、コンパイルされるDプログラム・ソース・ファイルを指定します。
-hオプションを指定すると、dtraceは、ファイル内のプローブ定義を使用してヘッダー・ファイルを作成します。
-Gオプションを指定すると、dtraceは、他のプログラムにリンクできる再配置可能なELFオブジェクトを生成します。
-eオプションを指定すると、dtraceはプログラムをコンパイルしますが、インストゥルメンテーションを有効にしません。
-1オプションを指定すると、dtraceはプログラムをコンパイルして一致するプローブのセットをリストしますが、インストゥルメンテーションを有効にしません。
オプションを指定しないと、dtraceはDプログラムで指定されたインストゥルメンテーションを有効にしてトレースを開始します。
-
-S
Dコンパイラの中間コードを表示します。Dコンパイラによって、各Dプログラムに対して生成された中間コードのレポートが
stderr
に書き込まれます。-
-U
name
-Cオプションを使用してcppを起動する場合に、指定名を未定義にします。 コマンドには-Uオプションを複数回指定できます。
-
-v
冗長モードに設定します。dtraceは、指定されたDプログラムについて最低限のインタフェース安定性レベルと依存性レベルを示すプログラム安定性レポートを生成します。
-
-V
dtraceによってサポートされる最高のDプログラミング・インタフェース・バージョンを
stdout
に書き込みます。-
-w
Dプログラムによる破壊アクションを許可します。このオプションを指定しない場合、dtraceでは、破壊アクションを含むDプログラムはコンパイルまたは有効化されません。 このオプションは、Dプログラムで
#pragma D option destructive
を指定することと同じです。-
-x
option
[=value
] DTraceランタイム・オプションまたはDコンパイラ・オプションを有効化または変更します。
-
-X[a|c|t]
-Cオプションを使用してcppを呼び出すとき、オプション-std=gnu99 (1999 C標準に準拠し、GNU拡張を含む)を含めます。
-
-Xs
-Cオプションを使用してcppを呼び出すとき、オプション-traditional-cpp (K&R Cに準拠)を含めます。
-
-Z
どのプローブにも一致しないプローブ記述を許可します。このオプションを指定しない場合、プローブ記述が既知のプローブに一致しない場合、dtraceはエラーをレポートして終了します。