仮想ネットワークとは、物理ネットワークをエミュレートするネットワークであり、ハードウェアとソフトウェアのネットワークリソースの組み合わせです。仮想ネットワークは、ネットワーク仮想化の最終成果物です。
仮想ネットワークは、大まかに外部と内部の 2 つのタイプに分類されます。
外部仮想ネットワークは、ソフトウェアによって 1 つのエンティティーとして管理される複数のローカルネットワークで構成されます。従来の外部仮想ネットワークの構成単位は、スイッチハードウェアと仮想ローカルエリアネットワーク (VLAN) ソフトウェアテクノロジです。外部仮想ネットワークの例には、大規模な企業ネットワークやデータセンターが含まれます。VLAN についての詳細は、Oracle Solaris 11.2 でのネットワークデータリンクの管理 の第 3 章仮想ローカルエリアネットワークを使用した仮想ネットワークの構成を参照してください。
内部仮想ネットワークは、ネットワークインタフェースが少なくとも 1 枚の物理ネットワークインタフェースカード (NIC) 上に構成されている仮想マシンまたはゾーンを使用した 1 つのシステムで構成されます。これらのネットワークインタフェースは、仮想ネットワークインタフェースカードまたは仮想 NIC (VNIC) と呼ばれます。これらの仮想マシンまたはゾーンは、同じローカルネットワーク上に存在するかのように互いに通信できるため、実質的には単一ホスト上の仮想ネットワークになります。このドキュメントの各章では、内部仮想ネットワークに焦点を置いています。
内部仮想ネットワークの特殊なタイプが、プライベート仮想ネットワークです。プライベート仮想ネットワークは、仮想プライベートネットワーク (VPN) とは異なります。VPN は、2 つのエンドポイントシステム間のセキュリティー保護されたポイントツーポイントリンクを作成します。プライベート仮想ネットワークは、外部ネットワークからはアクセスできないシステム上の仮想ネットワークです。etherstub と呼ばれる擬似 NIC 上に VNIC を構成することによって、この内部ネットワークをほかの外部ネットワークから切り離すことができます。詳細は、etherstubを参照してください。